交通事故の弁護士は安い報酬だと問題がある?相場より費用を抑える方法

交通事故で報酬が安い弁護士に依頼しても大丈夫?費用を安く済ませる方法とは

交通事故の示談交渉は安い弁護士に依頼しても大丈夫です。

ただし、安いだけを優先する選び方は、失敗する原因になるので気を付けましょう。

”豊川弁護士”
本記事では、弁護士費用の目安を述べつつ、安い弁護士に依頼するときの注意点、弁護士費用を安くする方法を解説します。

交通事故で弁護士に支払う報酬の内訳

交通事故の示談交渉を弁護士に依頼すると、弁護士へ支払う報酬が発生します。

金額は各弁護士事務所により異なるのが現状です。安い事務所もあれば高い事務所もありますので、自身の予算に合わせて弁護士を選択するのが良いでしょう。

相談料【30分5000円~10000円程度】

弁護士に法律相談するための費用です。

相談したら必ず依頼しなければならない決まりはありません。法律相談は弁護士選びの基準にもなるものですから、1件だけでなく何カ所かの事務所を利用して自分に合い信頼できそうなところで契約してください。

初回の法律相談は無料で実施している弁護士事務所は増えています。公式ホームページなどで料金を確認しましょう。

着手金【10万円~】

弁護士に正式に依頼する際に支払う費用です。

結果は関係なく満足できてもできなくても、依頼すれば必ず発生します。

着手金の計算方法はそれぞれの弁護士事務所によって異なりますが、最低10万円程度が相場です。着手金0円のサービスを実施している事務所もあります。

成功報酬【経済的利益の10~30%程度】

依頼が成功したとき、弁護士に支払う費用です。金額は経済的利益の10~30%程度が目安です。

経済的利益とは「損害賠償(獲得した示談金)」を指し、より正確に言うと「弁護士が介入することで得られた利益(弁護士の働きで増額できた金額)」のことです。獲得できた金額が高くなるほど、支払う成功報酬も高くなります。

成功報酬の計算方法は弁護士事務所により異なります。着手金は請求されますが、成功報酬は0円にしている事務所もあります。

日弁連(日本弁護士連合会)が定めていた弁護士報酬基準は2004年に廃止され、弁護士報酬は自由化されました。しかし現在も旧規定に基づいて報酬を定める事務所は多いため、下記の表は報酬がどのくらいになるのかの参考にはなります。

経済的利益報酬金の算定基準
300万円以下16%
300万円越え3000万円以下10%+18万円
3000万円越え3億円以下6%+138万円
3億円越え4%+738万円

例えば、受け取った示談金の合計が500万円とすると、成功報酬は500万×10%+18万円で68万円が目安になります。よって、被害者側がもらえるお金は432万円です。

日当

弁護士が出張など事務所外での活動を行った場合に発生する費用です。

だいたい半日で3~5万円、1日で5~10万円程度が相場となりますが、移動距離や活動日数によって金額が決まります。

実費費用

弁護活動に必要な諸費用で、いずれも実費で請求されます。

・交通費……弁護士が病院や警察、事故現場の他、関連機関などへ出向くさいに発生する費用です。
・収入印紙代……訴訟を起こしたときなどに使う収入印紙の費用です。あらかじめ裁判になると分かっている場合は、「預り金」として依頼時に請求されることもあります。
・通信費……被害者や相手方の保険会社とやり取りを行う際の通信にかかった費用です。郵便物の配送料、切手代などが含まれます。

消費税【弁護士費用の10%】

弁護士費用には、基本的に10%の消費税が課税されます。

POINT
弁護士費用の計算方法は事務所ごとに異なります。また、相談料や着手金は無料にしているところは増えています。交通事故を解決するための弁護士費用は、事務所によって様々なのが現状と言えます。

弁護士の選び方と注意点

報酬が安い弁護士に依頼し問題が起きるかはケースバイケースです。費用が安いと「費用が安いのは質が低い弁護士なのでは?」という不安が出てきますが、「安い=悪い」とい決まっているわけではありません。

弁護士費用を節約できるなら、一番費用が安かった事務所に依頼したいと思うのは普通です。弁護士費用は事故の内容にもよりますが、数十万円から高い所では100万円を超えることもあり高額です。なるべく安く済ませたいと考えるのは当然でしょう。

満足した結果になるよう、注意点を踏まえて安い弁護士に依頼するようにしてください。

交通事故に強い弁護士を選ぶ

弁護士にはそれぞれ専門分野があります。弁護士費用が安くても、交通事故の事件に専門性がなければ、納得できる結果は得にくいです。

依頼を検討する際には、事務所のHPで取扱い分野に交通事故があるか確認しましょう。

これまでの実績などもチェックし、解決の事例が多い弁護士を選ぶのがおすすめです。

安くても気になる点があれば注意が必要

費用が安いとしても、何かしら問題があると思ったら、別の弁護士を探したほうが良いと言えます。

相性が良くない

弁護士も人間である以上、それぞれに性格や相性があります。なかには自分には合わないと感じる弁護士に当たる可能性もあります。我慢して依頼を続けていると、弁護士とのやり取りに大きなストレスを受けるようになるでしょう。

担当弁護士に苦手なイメージを持ってしまうと、示談結果に対し納得がいかない可能性が高くなります。相性の悪い弁護士は後悔する原因になりやすいため、避けるのが無難です。

連絡が遅い

連絡が遅い、なかなか進捗報告がないといった、対応の悪さを感じさせる弁護士には注意が必要です。なかには、こちらから連絡しても返信がなく、音信不通になってしまうなんて事例もあります。

弁護士はいろいろな案件を抱えており忙しいという理由から、つい依頼者への電話やメールが後回しになってしまうことがあります。しかし、何の詳しい情報が分からない状況だと、依頼したほうは「きちんと進めてくれているだろうか」「本当にやる気があるだろうか」と不安になってしまいます。

 さらに、示談交渉は弁護士としっかり連絡をとって手続きをしなければならない場面が多々あります。特に後遺障害の認定や訴訟を起こすといったときは、コミュニケーションがとりづらい弁護士は手続き上のトラブルが生じやすくなります。

方針が食い違っている

弁護士と交渉の方針が食い違うと、解決内容に不満をもつ可能性が高くなってしまいます。

具体的には、被害者は早く示談金を手に入れたいため獲得できる金額よりも示談成立のスピードを優先してほしいと考えているのに、弁護士は時間をかけても示談金を増額しようとするケースがあります。

認識のずれやすれ違いを感じ、話し合いも十分にしてくれないような弁護士は、安いとしても良いとは言えません。

説明がわかりにくい

説明がわかりにくい弁護士へも依頼は控えるほうが良いでしょう。

専門的な難しい用語ばかりの説明や「法律の条文に書かれています」といわれても、法律の知識がない人には理解しにくく不安になるでしょう。安心して任せられないのは、納得した結果にならない原因になります。

誰にでも分かりやすい言葉で説明してくれる弁護士がおすすめです。

時間がかかる

弁護士の対応が遅い、進行に時間がかかりすぎるというのは、不満の原因になります。

交通事故の示談交渉は、解決まで時間を要するケースはあります。後遺障害等級では申請から認定までは、数週間から数か月待たされるのが通常です。また、保険会社との交渉で相手方の返答が遅く、弁護士が何もできないというケースもあります。

そのため、時間がかかるからといって、必ずしも悪いとは限りません。

しかし、あなたの依頼が後回しにされている可能性はあります。また、いつまでの期限で仕事を終わらせるという感覚をそれほど持たず、だらだらと仕事を進める不誠実な人もいます。

あまりにも時間がかかりすぎ、自分の依頼がおろそかにされているようであれば、弁護士の責任を果たしているとは言えません。しっかりと仕事をしてくれる弁護士のほうが良いでしょう。

”豊川弁護士”
いくら費用が安い弁護士でも自分に合っていなければ、最終的に不満が残りやすいです。費用だけでなく相性が良く、依頼者の立場に立って対応してくれるかが大切です。

弁護士特約で費用を安く済ませる

弁護士費用が高額だと、依頼を躊躇してしまいがちです。できるだけ安い費用で弁護士を利用できる方法が、弁護士特約です。

弁護士特約は費用を節約できる

弁護士費用特約」は、弁護士費用を節約できます。

弁護士特約は自動車保険など任意保険にあるオプションの1つで、弁護士への法律相談や問題解決のための費用を補償してくれる特約です。現在では自動車保険の5割~7割に自動付帯しているといわれています。

原則として弁護士への依頼は被害者1人につき300万円、法律相談は10万円を限度として補償してもらえます。死亡事故など大きい交通事故でなければ、弁護士費用は300万円以内に収まることがほとんどです。特約を利用すれば弁護士費用が0円で済ませることも可能です。

POINT
弁護士費用特約は自動車保険以外にも、火災保険やクレジットカードに付いている場合があります。また、家族が加入する保険に付帯していることもあります。

交通事故にあったら、加入する保険に弁護士特約がないか調べてください。特約を使えるなら費用の心配はなくなり、無理に安い弁護士を探す必要はなくなります。

弁護士を途中で替えるさいは注意

弁護士特約を使っている途中で弁護士を替えるときは注意が必要になります。

特約で補償される300万円は、弁護士が替わってもリセットされません。

特約から支払われる費用は1人目の弁護士と合わせて300万円までです。そのため、2人目に依頼すると特約だけでは費用をまかない切れず、超えた分は自己で負担するリスクが生じてしまいます。

”女性
費用の面を考えると、弁護士を途中で替えるのはおすすめできませんし、最初から信頼できる人を選ぶべきでしょう。

特約が使えなくても諦めないで

弁護士特約が使えなくても、諦めないでください。できるだけ安い金額で弁護士に依頼できる手段はあります。

まずは無料の相談サービスを使用しましょう。現在、多くの弁護士事務所では無料法律相談を実施しています。相談するだけなら費用はかからないので、比較的気軽に利用できるのは大きなメリットです。

また、経済的な余裕があまりないと伝えれば、費用面の相談に乗ってもらえます。示談成立後に受け取った保険金を充てられるように費用を後払いにしてくれる等、支払いの不安や悩みを軽減するアドバイスをしてくれる事務所もあります。

法律相談は弁護士を探す上では大切です。実際に事務所に出向いたり話したりすることで、自分に合っているか、親身になってくれそうかを判断できる手段です。事前に複数の弁護士事務所を比較して、依頼先を決めるのがおすすめです。

交通事故で弁護士に依頼するメリット

交通事故の被害に遭ったとき、弁護士に示談交渉を依頼するとさまざまなメリットが生じます。

費用がかかるというデメリットはありますが、被害者の負担が減り金銭的にもお得になるため、弁護士への依頼を検討するのはおすすめです。

メリット1:示談交渉の負担を軽減できる

示談交渉を弁護士に一任すると、被害者自身の手間や負担を軽減できます。

交通事故の示談交渉は、加害者の加入している保険会社を相手に行います。弁護士に依頼しなければ、示談交渉の席には被害者本人が付かなければなりません。

一般の方がプロである保険会社と交渉するのは大変なものです。相手のペースになってしまい、不本意な結果を招いてしまうことも少なくないのが現状です。

”女性
弁護士がいれば、被害者は示談交渉によるストレスを受けずに済みます。

メリット2:相手への法的主張が可能になる

法律の専門家である弁護士に依頼すると、加害者に対してきちんと法律に基づいた主張ができるようになります。よって、示談交渉自体がスムーズに進みやすくなります。

保険会社のなかには自身の交渉を有利にするためわざと難しい用語を使ったり、強引に話を進めるなど、被害者への配慮に欠ける担当者もいます。

 保険会社の言いなりになっていると、不利な条件を提示されたまま示談してしまう恐れがあります。交渉に不慣れな個人が、交渉で有利な条件を認めさせるのは至難の業です。

弁護士ならきちんと法的な根拠に基づいて交渉を進められ、被害者が損をするような示談の内容になる心配はないでしょう。

また、早期解決に結びつき、示談金を早くもらえるようになるといえます。

弁護士は話がこじれると裁判に持ち込む可能性があります。保険会社は裁判に勝てる可能性は少ないと知っており、訴訟を阻止するため強引な交渉は控え態度を軟化させる傾向があります。結果として、交渉がスムーズに進みやすくなるのです。

メリット3:慰謝料が増額されやすい

弁護士がかかわらないケースと比べて、2倍、事案によっては3倍に慰謝料が増額される可能性が出てきます。

交通事故の慰謝料を算出する方法として、「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」という3種類の計算方法があります。

「自賠責基準」はすべての自動車に加入が義務づけられる自賠責保険によるものです。交通事故への最低限の補償を目的としており、もらえる慰謝料は3つの中で最も低額です。

「任意保険基準」は加害者が加入している保険会社が定めた慰謝料計算方法です。計算方法は保険会社によって異なり、自賠責基準よりは高くなるのが一般的ですが、実際にはそれほど金額に差はないのが現状です。

3つの中で最も高額の慰謝料を受け取れるのは、弁護士に依頼すると適用される「弁護士基準(裁判基準)」です。

裁判所に訴えた場合にも使われており裁判基準とも呼ばれていますが、弁護士に依頼するだけでもこの基準が適用されます。

POINT
弁護士基準の慰謝料は自賠責基準と比べると金額が2倍~3倍になることは珍しくありません。弁護士基準の金額こそが、交通事故の被害者が受け取るべき適切な慰謝料といえます。

メリット4:慰謝料の請求漏れがなくなる

弁護士に依頼すると請求漏れの可能性がなくなり、被害に合った適切な賠償金を請求できるようになります。

交通事故による慰謝料を含む損害賠償の項目には、事故によって仕事を休んだことへの補償である「休業損害」や、後遺症が残ったときに将来受け取るはずだった利益への補償である「後遺障害逸失利益」など、聞き慣れないものがいくつもあります。

個人で計算していると、本来はもらえるはずの項目を請求せずに終わらせてしまう恐れがあります。

相手方の保険会社は支払う保険金をなるべく安く抑えたいと考えますし、対象となる賠償金の詳細を教えてくれるとは限りません。

”豊川弁護士”
弁護士に依頼すれば事故の内容に応じ、請求できる損害賠償金をきちんと計算してもらえます。

まとめ

交通事故の示談交渉を報酬の安い弁護士に任せても、大きな問題はありません。

弁護士費用は事務所によってさまざまで、安いに越したことはないでしょう。ただ、交通事故の事案に強い弁護士か、誠実な対応をしてくれるか、自分に合っているかなどを考慮して選ばないと、満足した結果を得られにくくなるので気を付けましょう。

また弁護士特約を利用すれば、費用を安く済ませることが可能です。安い弁護士が見つからない、安すぎるのはちょっと不安…というときも、費用の心配をせずに依頼できます。もし弁護士特約が使えない場合でも、弁護士が支払いやすい方法を見つけてくれますので、まずは相談するがおすすめです。

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