交通事故の被害者になり、治療後も何らかの後遺症が残ってしまう状態を後遺障害といい、後遺障害に認定されると慰謝料などの補償を受けられます。では、後遺障害の認定はどのように行われるのでしょうか。
交通事故の後遺障害等級は重要
交通事故で後遺症が残った際、後遺障害の認定を受けられるかどうか、また、何級での認定を受けられるかは非常に重要で、後遺障害慰謝料や逸失利益の請求の可否や金額に大きく影響します。
しかし、交通事故における後遺障害認定率は5%程度と非常に低く、認定を受けられない「非該当」になってしまったり、認定されても思っていたより低い等級となって不満の残る結果になったりするケースも多いのです。
後遺障害の認定基準
後遺障害の認定には、1級~14級までの14の等級があり、それぞれの等級における認定基準は「自賠責施行令」の別表第1・第2によって以下のように決められています。後遺症が残った場合、このうちのいずれかに該当していなければ後遺障害の認定は受けられません。
1級要介護 | 1、神経系統の機能又は精神への著しい障害を残し常に介護を要するもの 2、胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し常に介護を要するもの |
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2級要介護 | 1、神経系統の機能または精神への著しい障害を残し随時介護を要するもの 2、胸腹部臓器の機能に著しい障害が残し随時介護を要するもの |
1級 | 1、両目が失明したもの 2、咀嚼及び言語の機能を廃したもの 3、両上肢*1を肘関節以上で失ったもの 4、両上肢の用を全廃したもの 5、両下肢*2を膝関節以上で失ったもの 6、両下肢の用を全廃したもの |
2級 | 1、1眼が失明し他眼の視力が0.02以下になったもの 2、両眼の視力が0.02以下になったもの 3、両上肢を腕関節以上で失ったもの 4、両下肢を足関節以上で失ったもの |
3級 | 1、1眼を失明し他眼の視力が0.06以下になったもの 2、咀嚼又は言語の機能を廃したもの 3、神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し終身労務に服することができないもの 4、胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し終身労務に服することができないもの 5、10指を失ったもの |
4級 | 1、両眼の視力が0.06以下になったもの 2、咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの 3、両耳を全く聲したもの 4、1上肢を肘関節以上で失ったもの 5、1下肢を膝関節以上で失ったもの 6、10指で用を廃したもの 7、両足をリスフラン関節*3以上で失ったもの |
5級 | 1、1眼が失明し,他眼の視力が0.1以下になったもの 2、神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの3、胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 4、1上肢を手関節以上で失ったもの 5、1下肢を足関節以上で失ったもの 6、1上肢の用を全廃したもの 7、1下肢の用を全廃したもの 8、両足の足指の全部を失ったもの |
6級 | 1、両眼の視力が0.1以下になったもの 2、咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの 3、両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの 4、1耳の聴力を全く失い,他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 5、脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの 6、1上肢の3大関節中*4の2関節の用を廃したもの 7、1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの 8、1手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの |
7級 | 1、1眼が失明し,他眼の視力が0.6以下になったもの 2、両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 3、1耳の聴力を全く失い,他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 4、神経系統の機能又は精神に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの 5、胸腹部臓器の機能に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの 6、1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの 7、1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの 8、1足をリスフラン関節以上で失ったもの 9、1上肢に偽関節*5を残し,著しい運動障害を残すもの 10、1下肢に偽関節を残し,著しい運動障害を残すもの 11、両足の足指の全部の用を廃したもの 12、外貌に著しい醜状を残すもの 13、両側の睾丸を失ったもの |
8級 | 1、1眼が失明し,又は1眼の視力が0.02以下になったもの 2、脊柱に運動障害を残すもの 3、1手のおや指を含み2の手指を失ったもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの 4、1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの 5、1下肢を5センチメートル以上短縮したもの 6、1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 7、1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 8、1上肢に偽関節を残すもの 9、1下肢に偽関節を残すもの 10、1足の足指の全部を失ったもの |
9級 | 1、両眼の視力が0.6以下になったもの 2、1眼の視力が0.06以下になったもの 3、両眼に半盲症,視野狭窄又は視野変状を残すもの 4、両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの 5、鼻を欠損し,その機能に著しい障害を残すもの 6、咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの 7、両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 8、1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり,他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの 9、1耳の聴力を全く失ったもの 10、神経系統の機能又は精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 11、胸腹部臓器の機能に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 12、1手のおや指又はおや指以外の2の手指を失ったもの 13、1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの 14、1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの 15、1足の足指の全部の用を廃したもの 16、外貌に相当程度の醜状を残すもの 17、生殖器に著しい障害を残すもの |
10級 | 1、1眼の視力が0.1以下になったもの 2、正面を見た場合に複視の症状を残すもの 3、咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの 4、14歯以上に対し歯科補綴*6を加えたもの 5、両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの 6、1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの 7、1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの 8、1下肢を3センチメートル以上短縮したもの 9、1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの 10、1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 11、1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの |
11級 | 1、両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの 2、両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの 3、1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの 4、10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 5、両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの 6、1耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 7、脊柱に変形を残すもの 8、1手のひとさし指,なか指又はくすり指を失ったもの 9、1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの 10、胸腹部臓器の機能に障害を残し,労務の遂行に相当な程度の支障があるもの |
12級 | 1、1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの 2、1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの 3、7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 4、1耳の耳殻の大部分を欠損したもの 5、鎖骨,胸骨,ろく骨,けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの 6、1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 7、1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 8、長管骨に変形を残すもの 9、1手のこ指を失ったもの 10、1手のひとさし指,なか指又はくすり指の用を廃したもの 11、1足の第2の足指を失ったもの,第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの 12、1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの 13、局部に頑固な神経症状を残すもの 14、外貌に醜状を残すもの |
13級 | 1、1眼の視力が0.6以下になったもの 2、正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの 3、1眼に半盲症,視野狭窄又は視野変状を残すもの 4、両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの 5、5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 6、1手のこ指の用を廃したもの 7、1手のおや指の指骨の一部を失ったもの 8、1下肢を1センチメートル以上短縮したもの 9、1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの 10、1足の第2の足指の用を廃したもの,第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの 11、胸腹部臓器の機能に障害を残すもの |
14級 | 1、1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの 2、3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 3、1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの 4、上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの 5、下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの 6、1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの 7、1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節*7を屈伸することができなくなったもの 8、1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの 9、局部に神経症状を残すもの |
参考:自賠責施行令別表第1・第2
*1上肢……肩から手指までの部位。
*2下肢……股関節から足指までの部位。
*3リスフラン関節……足の甲にある関節。
*4三大関節……上肢では肩関節、肘関節、手関節(手首の関節)。下肢では股関節、膝関節、足関節(足首の関節)を指す。
*5偽関節……骨がうまく癒合せず、骨折した部分が関節のようになってしまう状態。
*6歯科補綴……歯が欠けたり、無くなったりした部分を入れ歯やクラウンなどで補う治療。
*7遠位指節間関節……親指以外の指にある2つの関節のうち、指先に近いほうの関節。
症状別の等級と認定基準の例
後遺障害の認定基準を紹介してきたところで、交通事故で起こりやすい具体的な症状について後遺障害等級の何級に該当するかを解説していきます。
むちうち 12級・14級
頸椎捻挫、頸部捻挫などと診断名が付けられたものを指します。頭や首への衝撃により痛みや吐き気、眩暈、不快感などが残る神経症状で、後遺傷害として認められると12級または14級の認定を受けられます。
12級は局部に頑固な神経症状を残すものとされており、自覚症状だけでなく、レントゲンやMRIなどの客観的資料により、医学的に症状を証明できるかどうかが認定の分かれ目になります。
一方、14級9号は「局部に神経症状を残すもの」として認定され、特にむちうちに関連する症状が多く見られます。画像診断で異常が確認されない場合でも、痛みや痺れなどの神経症状が残っている場合に認定される可能性があります。この等級では比較的軽度な後遺症とされますが、日常生活や仕事に影響を及ぼすこともあるため、賠償金や慰謝料の請求が可能です。
椎間板ヘルニア 12級・14級
背骨でクッションの役割を果たしている椎間板の神経に負荷がかかって発生する障害で、腰痛や足の痺れのほか、重症になると感覚を喪失するケースもあります。
椎間板ヘルニアで認定を受けられる等級は12級または14級ですが、物の持ち運びや中腰などの姿勢や、遺伝的要因などによっても発生する可能性があるため、事故との因果関係が問題になりやすい症状でもあります。
骨折 1級~14級
事故の衝撃により骨が折れてしまう骨折は関節の強直や偽関節、可動域制限など症状が多岐にわたります。認定される等級もさまざまで、重いものでは1級、軽い症状だと12級や14級での認定を得られるケースもあります。
外貌醜状・傷痕 7級・9級・12級・14級
顔や手足の日常露出する部分に傷痕が残った状態で、事故後の治療や手術による傷も認定の対象になります。顔や頭部、首などは7~12級、手や足の傷痕は14級の認定を受けられる可能性があります。
高次脳機能障害 1級・2級・3級・5級・7級・9級・12級・14級
事故による頭部へのダメージで、脳挫傷やくも膜下出血などが発生した場合に残存する可能性のある後遺症です。介護が必要と認められると後遺障害では最も重い要介護等級での認定を受けられます。
また、介護等は不要なものの、労働への影響が出た場合には、3級や5級、7級などの労務に関する等級で認定される可能性があります。
交通事故による後遺障害とは
怪我や病気を治療したにもかかわらず、将来的に完治するのが見込めない機能障害や神経症状などのことを「後遺症」といいます。そして、後遺症のうち、交通事故が原因であることが医学的に証明されるとともに、労働能力の低下(あるいは喪失)が認められ、さらに、その程度が自賠責保険の等級に該当するものを「後遺障害」といいます。
日常生活でも病気などを患った後に残った症状を「後遺症」と呼んでいますが、後遺障害と後遺症は厳密には少し異なります。
後遺障害の定義とは
後遺障害と認められるためには、専門機関へ申請を行って後遺障害等級の認定を受ける必要があり、以下の定義をすべて満たしていなければなりません。
- 交通事故による傷害の結果として症状が残っている(事故と症状の相当因果関係)
- 症状の存在が医学的に証明できる
- 症状の存在により労働力の低下または喪失が発生している
- 障害の程度が「自動車損害賠償保障法施行令」に規定される1~14級までの後遺障害等級のいずれかに該当している
つまり、後遺障害の認定を受けるためには、事故による後遺症が今後も治らないと医学的に証明できるだけでなく、労働力に影響が出ており、「自賠責施行令」に規定されている等級のいずれかに当てはまっていなければなりません。
後遺障害の認定とは
交通事故で後遺障害の認定を受けるためには、審査を行っている専門機関である「損害保険料率算出機構」の「自賠責損害調査事務所」へ申請を行う必要があります。
後遺障害等級では「書面主義」が採用されており、申請は書面で行う必要があり、認定の可否は申請書類に書かれた内容のみで決められるのが特徴です。そのため、見た目だけでは判断しづらい神経症状などでは、レントゲンやCT、MRIといった画像資料や神経学的検査の結果などを添付する場合もあります。
審査を受けるための流れ
後遺障害等級を獲得するには、審査機関による審査を受ける必要があります。審査を受けるための大まかな流れは次の通りです。
- 症状固定の診断を受ける
- 後遺障害診断書等の提出をする
- 審査が行われる
- 審査結果が通知される
後遺障害の等級とは
後遺障害は1級~14級までの等級に分かれており、それぞれ該当する症状や補償の内容が異なります。数字が小さいほど症状が重く、補償も手厚くなり1級が極めて重い障害となっています。また、2つ以上の症状が残った場合には、合わせて認定を行う「併合」の措置が取られるケースもあります。
後遺障害の申請とは
後遺障害の申請は、医師から「これ以上治療を続けても症状の回復が見込めない状態」である「症状固定」の診断を受けたときから行えるようになります。治りきらない症状について永遠に治療を続けるわけにはいかないため、どこかのタイミングで医師から症状固定と判断され、そのとき残っていた後遺障害に関して補償を受けられるようになるのです。
しかし、後遺障害は症状が残っていれば自動的に認められるものではなく、損害賠償等を請求するためには、きちんと申請を行って認定を受けなければなりません。後遺障害の申請方法には、「事前認定」と「被害者請求」の2種類があります。
事前認定
加害者の加入している任意保険会社を通じて手続きする方法で、必要な書類を送れば後の申請はすべて保険会社にやってもらえます。
・申請書類の作成や資料収集など、面倒な手続きはすべて保険会社にやってもらえるので、時間と手間がかからず被害者の負担が少ない。
・手続き上のミスをする恐れがなく、申請に慣れていない場合は保険会社に依頼するほうが安心できる。
・申請の際に添付する画像資料などの取得費用を保険会社に払ってもらえる。
・保険会社はなるべく支払う保険金を低く抑えたいと考える傾向があるため、認定を受けられなかったり、低い等級での認定になってしまったりする恐れがある。
・保険金の支払いが一括になり、自賠責保険の前払い制度が利用できなくなるため、経済的に余裕のない方は注意が必要。
被害者請求
加害者の自賠責保険会社を介して被害者自身が自分で申請手続きを行う方法です。
・自分で申請書類の作成などをすべて行うため、手続きの透明性が高く、納得できる申請が行える。
・自賠責保険の前払い制度が利用できるため、示談が成立する前でも保険金の一部を受け取れるようになる。
・書類作成などすべての手続きを自分自身で行う必要があるため、手間と時間がかかる。
・画像資料や検査結果など、医療情報を入手するための費用が自己負担になる。
後遺障害等級に納得できないときはどうする?
後遺障害の認定率は非常に低いため、申請を行ったとしても、納得できない結果になってしまう可能性も十分にあります。ここからは、後遺障害認定で非該当になったり、低い等級での認定しか受けられなかったりした場合にとれる3つの対処法を紹介していきます。
異議申立て
後遺障害認定で非該当になった場合、自賠責保険会社に異議申立てを申請することが可能です。申請は書面で行い、結果が出るまでの期間は2~6か月程度となっています。異議申立て自体には費用はかからず、回数に制限もないため、無料で何度でも行えます。
裁判外紛争処理手続(ADR)
裁判によらず法律的な紛争を解決するための手段として用意されている方法で、医師や弁護士、学識経験者など中立公正な視点から判断できる第三者で構成された紛争処理委員会(ADR機関)によって審査が行われます。
異議申立てと同様、費用はかかりませんが、利用は1回のみと決められており、申請から結果が出るまで3か月程度と裁判に比べてスピーディな解決を見込めるのが特徴です。
ADR機関には複数の種類があり、後遺障害等級の認定に関しては、一般財団法人「自賠責保険・共済紛争処理機構」へ申請することになります。
訴訟の提起
裁判所に民事訴訟を起こして後遺障害等級の認定を求めていく方法です。内容にもよりますが、裁判になると判決が出るまでに半年から1年ほどの期間を要し、さらに裁判費用の支払いも必要です。そのため、異議申立てやADRでも満足の行く結果が出なかった場合にとる最後の手段と位置付けられるでしょう。
ただ、裁判所は自賠責損害調査事務所などとは独立した視点から判断を下すため、訴訟の提起を行えば非該当となった結果を覆せる可能性もあり、どうしても認定を受けられない場合には有力な方法といえます。
適切な等級での認定を受けるためには弁護士に相談を
2019年のデータによると、後遺障害(高次脳機能障害・非器質性精神障害を除く)の異議申立てで等級変更が認められたケースは約13%となっており(参照:自動車保険の概況 2020年度(20021年度統計))、はじめの申請時ほどではないにしろ、かなりの狭き門であるとわかります。
一度出た結果を変えるためには、当初の申請で不足していた医学的な資料等を追加して提出するなど、障害の存在を証明できる措置が必要となります。
まとめ
交通事故で治療後も何らかの症状が残ってしまったケースでは、後遺障害等級の申請を行い、認定を受けられれば慰謝料等を請求して補償を受けられるようになります。しかし、認定を得るには自分の障害が1級~14級までの認定基準のいずれかを満たしていると証明する必要があります。
後遺障害等級の認定率は狭き門となっており、非該当になってしまう可能性も高いため、適切な等級での認定を目指すなら、ぜひ弁護士など専門家へ相談を行うようにしてください。
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