交通事故が多い月、多い都道府県は?年間死者数まとめ

交通事故

3,532人 これは何の数字かわかりますか?
平成30年中に交通事故によって亡くなられた人の数になります。

しかも警察の統計で交通事故での死者にカウントされるのは、事故発生から24時間以内に亡くなられた人だけになります。事故が原因で翌日に亡くなられたり、意識不明で病院に搬送されて数日後に亡くなられた方は交通事故死にはカウントされないのです。

実際、事故から30日以内に死亡した方の数を交通事故死に含めると、約2割は死亡者数が増えると言われています。

近年、交通事故はわずかながら減少傾向にありますが、それでも大切な命を落としてしまう人は後を絶ちません。

この記事は、何月に交通事故が多いのか?交通事故の多い都道府県とその理由についてまとめたものになります。

交通事故はどの月に多いのか?

月別交通事故発生件数一覧(平成30年)

発生件数
1月34,599件
2月33,485件
3月37,806件
4月34,868件
5月35,341件
6月33,719件
7月36,763件
8月36,097件
9月32,459件
10月38,131件
11月37,203件
12月40,133件

年間で1番交通事故が多い月は12月
それも他の月と比較して群を抜いて事故発生数が伸びています。

なぜ12月に交通事故が多発するのか考えられる理由を挙げてみましょう。

交通量の増加

年末に向けて、多くの業者が繁忙期となる12月。物流関係の車の数や、普段は使っていない営業車での移動等、業務上の交通量が増加します。

交通量の増加に伴って渋滞が発生すること、また繁忙期ということで、普段よりも車での移動を急ぐ傾向が見られるため、スピード超過での事故も多発しています。

また、8月も他の月と比べて交通事故の発生数が比較的に多いことでわかるように、年末年始の帰省ラッシュでの事故も12月の事故発生数が増加する要因となっています。

普段は運転をしない方が慣れない運転で事故を起こすことになったり、土地勘のない場所での運転でナビを注視してしまったりすることで事故を起こす可能性が高くなります。

日照時間が短い

一年で昼が短い冬至がある12月。夏場と比べると2時間以上も日没時間が早くなります。事故発生数が夜間に多いのは、普段よりも視覚が狭まってしまい前方の歩行者や他の車の発見が遅れてしまうためです。

降雪量・積雪量は事故発生数と関係がない?

12月の事故発生数が多いという話を聞くと、真先に思い浮かべるのが積雪によるスリップなどの事故でしょう。

しかし、気象庁のデータを見ると年間で降雪量が多いのは2月、そして1月、12月の順になります。

そして、1年間で交通事故の数が1番少ないのはなんと、2月なのです。

それでは、降雪と交通事故は全く関係ないのか?

降雪量や積雪量と交通事故の発生数が比例することがなくても、12月の事故発生数の増加の一因になっている理由は、環境の変化に対応できないために起こる事故が増加するためです。

雪国の方は雪上での運転に慣れているとは言うものの、半年以上雪上の運転から遠ざかってるため、12月に積雪があったり、道路が凍結した時にはまだ感覚が取り戻せないことが多く、今までと同じようなタイミングでブレーキを踏んだり、スピードを出したままカーブを曲がってしまうことが事故に繋がってしまうケースが多いです。

1月、2月になると雪上での運転感覚を取り戻すことができること、積雪のためスピードを控える場面が増えるため、積雪が多くなっても交通事故は減少していきます。

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12月の運転で注意する事

年間で突出して交通事故が多い12月。事故を起こさないために必要なことは?

早めの準備

降雪に備えて早めに冬用タイヤに交換することはもちろんのこと、バッテリーなども確認しておく必要があります。バッテリーの故障などにより、道路上でエンストしてしまい後方の車に追突されてしまうケースも冬は多いです。

焦らない安全運転

12月に限ったことではありませんが、交通量が増える12月は特に焦らない運転を心掛けましょう。時間を急ぐために、無理な追い越しをしたり、渋滞を抜けた後に急いでスピードを上げることが事故に繋がります。

早めのヘッドライト点灯

12月は一年の中でも日没の時間が早くなります。地域によっては16時を過ぎたら薄暗くなってしまうところもあるでしょう。普段よりも早めにヘッドライトを点灯させることは、自分の視界をサポートするためだけではなく、他の車や歩行者に対して自分の車の存在を情報として与える役割もあります。

交通事故が多いのはどの都道府県か?

2018年度の県別交通事故発生数

都道府県事故発生数
第一位愛知県35,258件
第二位大阪府34,382件
第三位東京都32,590件
第四位福岡県31,279件
第五位静岡県28,402件
全国平均9,162件

愛知県は16年連続でワースト1位を記録

2019年の警察庁の統計資料で交通事故の多い都道府県は愛知県でした。
昨年の結果により、過去16年間連続で交通事故発生数、死亡事故発生数のワースト1位という不名誉な記録を作っています。

過去のデータを参照してみても事故発生件数上位の各都道府県にはほぼ変動がありません。
2位の大阪、3位の東京、4位の福岡は年によって順位が入れ替わりますが、愛知県だけがワースト1位を記録し続ける結果となっています。

愛知県の交通事故が多い理由は?

「名古屋走り」という言葉で揶揄されることもあるように、愛知県は運転マナーが悪い県と言われることが多いです。しかし、愛知県の交通事故が多いのは運転マナーだけが原因ではありません。

・県別の車の保有台数

都道府県保有台数
第一位愛知県5,251,473台
第二位東京都4,419,478台
第三位埼玉県4,112,370台

これは、県別の自動車保有台数です。
人口比率から言ったら、東京都、大阪府が上位に来そうなものですが、車の保有台数が日本で1位なのが愛知県です。

2位の東京都の保有台数と比較しても100万台近くの差をつけています。

これだけ車を保有している方が多ければ、他都道府県よりも交通量が増加し、交通事故の発生率が高まるのは当然のことです。

・車保有台数当たりの交通事故発生件数

車保有台数事故件数事故発生率
第一位静岡県4,196,000台28,402件0.98%
第二位福岡県3,218,000台31,279件0.92%
第三位大阪府3,169,000台34,382件0.91%
全国平均0.45%

それでは交通事故の発生要因とも言われている運転マナーについてはどうでしょうか?

上の表は、車の保有台数での事故発生率の割合です。
全国平均値は0.45%ですが、ワースト3までの発生率は0.9%以上。
全国平均の2倍になっています。

それでは、交通事故発生数ワースト1位の愛知県はどうでしょうか?

愛知県の事故発生率は0.67%程度で、全国平均よりは若干高い発生率になっているものの、交通事故ワースト1位を連続で記録しているような突出した数字にはなっていません。

つまり、愛知県で交通事故が多いのは、車の保有台数が全国で突出して多いため、それに伴い交通量が増加しているのが要因であって、決して個々の運転マナーなどが悪いためということではないことがわかります。

まとめ

高齢者の事故やあおり運転などが報道で取り上げられるケースが多いですが、交通事故の原因は様々です。

しかし、自分の注意によって防げる事故が多いことも確かです。

年末に向けて仕事が多忙になり、少しでも早く移動したい!普段は運転をしていないけれども、12月には帰省の予定があり車を利用する必要がある人も多いでしょう。
自分の運転能力を過信せず、周囲の状況に注意しながら交通ルールを順守することで、多くの事故の発生を防ぐことができます。

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