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差し押さえ通知が届いた場合、あれこれと悩む時間はなく、迅速に適切な行動をとることが極めて重要になってきます。

そこで今回は、差し押さえ通知を受け取った場合にとるべき行動について、解説します。

1 通知がきてから差し押さえされるまでの流れ

差し押さえがされるまでの流れにおいて、債務者が知っておかなければならないポイントは以下の3点です。

(1)差し押さえ予告通知がされてからの猶予は1ヶ月ほど

再三にわたり、借金の返済を催促されたにも関わらず、債務者が借金を返済せずにいると、債権者から差し押さえ予告通知書が送られてくることが一般的です。

差し押さえ予告通知書」には、「〇月〇日までに残りの借金を一括で返済すれば、財産を差し押さえます」などと書かれていることが多いです。それでもなお、差し押さえ予告通知書を無視して、借金を返済しないでいると、債権者は1ヶ月程度で裁判の提起や支払い督促の申し立てに踏み切る可能性があります。

POINT
債権者が法的手続きに入るのは、差し押さえ予告通知書が届いてから1ヶ月程度が経過した後が多い。

この間に、債務者が滞納している借金等を一括で返済することができれば、債務者が財産を差し押さえられることはありません。

(2)裁判所からの支払督促は絶対に無視してはダメ

債権者がとる法的手続きの一つに「支払督促」があります。

ここでいう「支払督促」とは、債権者の申立てを受けて、簡易裁判所の書記官が債務者に金銭の支払いを命じる制度のことをいいます。

支払督促を受け取った債務者は、2週間以内に督促異議を申し立てることができ、督促異議を申し立てると、通常の裁判へ移行するようになっています。

しかし、督促異議を申し立てずに無視すると、次の項目で見るように「仮執行宣言」が付された支払督促が債務者の元に届くことになります。この段階にまで進んでしまうと、いつ財産を差し押さえられてもおかしくありません。

そのため、支払督促が届いた場合には、仮執行宣言が付された支払督促が出されないように注意する必要があり、絶対に無視するようなことはしてはいけません

具体的には、滞納している借金とそれまでの遅延損害金を一括で返済するか、もしくは、2週間以内に督促異議を申し立てて、通常裁判に移行させることが必要です。

通常裁判に移行することで、債権者と和解交渉をすることが可能になり、また、時間に多少の猶予ができるため、その間に、任意整理、個人再生及び自己破産を検討することが可能になります。

(3)仮執行宣言付支払督促が来たら強制執行は目前

仮執行宣言」とは、支払督促が確定する前であっても、仮に強制執行をすることを認めるというものです。

支払い督促を無視して、仮執行宣言が付された支払督促が届いた時点で、いつ差し押さえられてもおかしくない状態にあります。ここまでくると、債務者にとって打つ手はなくなってしまいます。

このように、差し押さえ予告通知書を受け取ってから、財産が差し押さえられるまでは、時間に多少の猶予があります。財産の差し押さえを回避するには、この間に、何らかの手を打つ必要があります。

2 具体的に何が差し押さえられる?

差し押さえの対象財産は、大きく分けて、不動産、動産、債権の3つです。

(1)差し押さえられることが多いのは給料

差し押さえられる財産の中でも多いのは「給料」です。

もっとも、給料を差し押さえられたからといって、その全額が対象になるわけではありません。「給料」は、債務者が生活をしていくうえで必要不可欠なものであるため、全額を差し押さえてしまうと、債務者は生活どころか生きていくことすらままならなくなります。

そのため、給料を差し押さえる場合は、その1/4に相当する金額までしか差し押さえられないことになっています。

具体的には、給料から税金や健康保険料を控除した金額(手取り額)の1/4に相当する金額が、毎月、差し押さえられる可能性があります。残りの3/4に相当する金額が債務者に支給されることになります。

もっとも、手取り額が44万円を超える場合には、33万を超えた金額を差し押さえられる可能性があります。また、ここでいう「給料」には、毎月支給される給料に加え、ボーナスや退職金も含まれます。

このように、給料を差し押さえされたら、手取り額の1/4に相当する金額が毎月の給料から天引きされ、この状態が、借金の元金と遅延損害金を合わせた全額について完済となるまで続くことになります。

POINT
差し押さえされる「給料」には、毎月支給される給料に加え、ボーナスや退職金も含まれる。

(2)預貯金も差し押さえされやすい

「預貯金の差し押さえ」とは、正確には、債務者が金融機関に対して有する預貯金債権を差し押さえることを意味します。

預貯金を差し押さえされると、第三債務者である金融機関に差押命令が送られることになりますが、この場合の差し押さえ対象は、金融機関が差押命令を受け取った時点における預貯金残高です。

そのため、差押命令を金融機関が受け取る前に預貯金を引き出している場合には、差し押さえは空振りに終わることになります。

また、差押命令を受け取った後に預貯金口座に入金があったとしても、差し押さえの対象にはなりません。

(3)家や車は差し押さえされるのか

不動産(家など)や車も差し押さえの対象となる財産です。

債権者が不動産に担保権を設定している場合には、債権者は、担保権を実行して不動産を競売にかけることができます。その場合、競売により落札された金額が、借金の返済に充当されることになります。

債権者が不動産に担保権を設定していない場合であっても、債権者は不動産を競売にかけることができます(「強制競売」といいます。)。

この場合、不動産に担保権を設定している債権者が他にいなければ、競売によって落札された金額は、そのまま借金の返済に充当されます。

ですが、担保権を設定している債権者が他にいる場合は、担保権者から優先して配当を行い、それでも余剰がある場合に、強制競売を申し立てた債権者に配当が行われることになります。

また、債務者が所有者名義となっている車については、差し押さえの対象です。

もっとも、車は、自動車ローンを組んで購入することも少なくなく、その場合、ローン会社に所有権が留保されていることがほとんどです。このような場合、車の所有権は、あくまでローン会社にあるため、差し押さえられる心配はありません。

(4)差し押さえできないものは?

差し押さえのできる財産は、先に見たように、不動産、動産、そして、債権の3つに分けることができます。これらについては、原則として、差し押さえの対象になりますが、財産のすべてを差し押さえることができるとすると、債務者の生活は立ち行かなくなります。

そのため、債務者が生活をしていく上で必要な財産を含め、一定の財産については、差し押さえをすることができないようになっています。

たとえば、生活に欠くことができない衣服、寝具やテレビ等、2ヶ月分の生活費として66万円、給料やボーナスの3/4に相当する金額や年金といった債権は、差し押さえをすることが禁止されています。

差し押さえが禁止されているもの
■生活に欠くことができない衣服
■寝具やテレビ等
■2ヶ月分の生活費として66万円
■給料やボーナスの3/4に相当する金額や年金といった債権

3 差し押さえは周囲の人に知られる?

差し押さえを受けたとしても、できれば周囲の人には知られたくないと思うのが通常でしょう。しかしながら、差し押さえを受けたことが家族や会社にバレる場合があります。

(1)自宅に届く郵便物

差し押さえがされると、裁判所は、債務者に対し差押命令を郵送します。

「差押命令」とは、差し押さえる債務者の特定の財産や残りの借金額などが記載された通知書のことをいい、特別送達という方法で郵送されるため、本人が不在にしている時に家族が受け取る可能性があります。その場合、差し押さえを受けたことが家族にバレる可能性があります。

(2)通知が裁判所から会社へ

差押命令は、債務者だけでなく第三債務者に対しても郵送されます。ここでいう「第三債務者」とは、債務者に対して債務を負っている者のことをいいます。

たとえば、給料の差し押さえは、正確には、債務者が会社に対して有する給与債権が差し押さえられることを意味します。そのため、給料を差し押さえた場合の第三債務者は、債務者が勤務する会社ということになります。

このように、第三債務者である会社に対しても差押命令が郵送されるため、会社にはその事実が必ずバレてしまいます。

(3)給料の差し押さえは家族や会社にバレる

給料を差し押さえされると、裁判所から債務者と第三債務者(会社)に対して、債権差押命令が郵送されることになります。

そのため、少なくとも会社に対しては、差し押さえの事実がバレることになり、場合によっては、家族にもバレることになります。

4 差し押さえを回避するには

差し押さえは、債務者の生活に大きな影響を及ぼすため、できるかぎり、差し押さえを回避する必要があります。

先に見たように、債権者は、実際に差し押さえをするまでの間に、債務者に数回のチャンスを与えることが一般的です。ここでポイントとなるのが、「差し押さえ予告通知」です。債権者は、債務者が長期にわたり借金の返済を滞納すると、差し押さえ予告通知を送ることが多いです。

差し押さえ予告通知の中で指定されている期限までに、残りの借金を一括で返済することができれば、当然ながら、差し押さえを受けることはありません。

しかし、差し押さえ予告通知に対して何ら対応をとることなく、1ヶ月程度の期間が経過してしまうと、債権者は、差し押さえをすることまでを想定して、債務者を相手方として裁判を起こしたり、支払督促を申し立ててきます。この段階までくると、差し押さえを受けることが現実味を帯びてきます。

そのため、差し押さえを回避するためには、遅くとも、差し押さえ予告通知が届いてから1ヶ月の間に適切な対応をとる必要があります。

差し押さえ予告通知が届いたら、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。この段階で、自分でどうにかしようとしても、その時点で借金の返済を滞納している以上、債権者からは相手にされず、そのまま法的手続きに入られる可能性が極めて高いです。

しかし、この段階で弁護士に相談をすると、債務者の債務状況や収支状況などから、債務者に適した解決方法を提案してくれます。
仮に、任意整理をしようと、債務者が直接債権者に申し入れをしたとしても、債権者が任意整理に応じてくれる可能性は低いといっていいでしょう。

しかし、弁護士が任意整理の申し入れをした場合には、その申し入れに応じてくれる可能性があります。


このように、差し押さえ予告通知を受け取ってから1ヶ月の間に、弁護士に相談をすることで、差し押さえを回避することが可能になります。

もっとも、弁護士に相談するタイミングは、早いに越したことはありませんので、差し押さえ予告通知を受け取る前の段階であっても、借金の返済に不安を覚えている場合には、早いうちに弁護士に相談することをお勧めします。

5 給料が差し押さえられてしまった場合の対処法

実際に給料を差し押さえられると、残りの借金を一括で返済しないかぎり、債権者が差し押さえを解除してくれることはありません。この場合、債務者は、個人再生自己破産を検討することになります。

いずれも、裁判所を通す手続きですが、個人再生であれば再生手続開始決定、自己破産であれば破産手続開始決定が裁判所から出ることにより、差し押さえの効力は失効します。

個人再生や自己破産は、いずれも裁判所を通す手続きであるため、弁護士などの専門家に依頼することが一般的になっています。

そのため、給料の差し押さえを受けた場合には、できるだけ早く弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

6 まとめ

長期にわたり、借金の滞納が続くと、財産を差し押さえられる可能性があります。
中でも「給料」を差し押さえられてしまうと、生活に支障を来すおそれがあるうえ、会社にもそのことがバレてしまいます。

差し押さえを回避するためには、少しでも早い段階で対策を打つことが必要になってきます。
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