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借金の返済日に支払いをせずに、放置しておくと債権者から督促がきます。
最初は電話、そして書面での督促が送られてきますが、それでも滞納が解消されない場合は、実際に自宅へ取立てに来たり、最悪のケースでは訴訟を起こされ給料を差し押さえられてしまいます。

給料が差し押さえられると、手元に入ってくる給料が少なくなることはもちろんのこと、借金を滞納していることが会社にもバレてしまいます。

この記事では、給料が差し押さえられてしまう流れや、差押えを防ぐためにはどうすればいいのか?について、わかりやすくまとめています。

給料差押えの流れを理解しよう

給料の差押えは、滞納している債務を強制的に回収するための法的な手段です。
債権者が直接行うのではなく、裁判所に申立てを行い、裁判所からの強制執行命令に基づき強制執行の措置がとられます。

また、税金や社会保険料などについては、裁判所を介さずに差押えができます。

税金やローンの滞納では流れがどのように違うのか?
また、受け取れる給料はどのくらいなのか?について見てみましょう。

ローン滞納の場合の流れと差押え範囲

返済日に支払いができなくても、給料が差押えになるわけではありません。
また、給与の全額が差押えされるわけではありません。

業者からの督促などに対して、一定期間内に対応しない場合に強制措置となってしまうのです。ローンなどを滞納した場合は以下のような流れで進みます。

・電話や書面による督促
返済日に入金が確認できない場合、債権者から督促の電話があります。
残高不足によって引落しができなかったり、単に返済日を忘れてしまったために支払いが遅れるケースも多いため、最初の連絡は督促というよりも、入金確認ができないという連絡という感じです。

業者からの連絡に対して、いつまでに入金が可能か伝え、その約束通りに入金を行えば、数日返済が遅れても特に問題ありませんが、連絡を無視して放置したり、約束した日に入金をしないときに、今度は郵送で督促が行われるケースが多いです。

・一括返済の請求
電話や書面による督促に対応せず、放置したままにしておくと、残債務と、遅延損害金を一括で請求する旨を記載した書面が届きます。ローンを組んだ業者によって、返済を滞納してから一括請求されるまでの期間に違いがありますが、通常は返済日から2ヵ月の滞納があった場合、期限の利益が喪失されて、一括請求するという条件になっていることが多いです。

・裁判所からの連絡
一括請求に応じない場合、業者は民事裁判を起こしたり、支払督促の手続きを行います。支払督促の申立てがなされると、裁判所から業者が申立てを行った旨が記載された「特別送達」が、書留形式で届きます。

この特別送達を受け取った後、手続きを止めるアクションを起こさなければ、強制執行される可能性があります。

【POINT】差押えの範囲
社会保険料や所得税を差し引いた手取金額のうち、4分の3は差押えが禁止されているため、手取金額の4分の1が差押え可能な上限になります。

但し、給料の手取金額が33万円を超える場合は、超えた金額は全て差し押さえることができます。33万円を超えた金額と、給料の4分の1の金額を比較して高い方が採用されます。

手取金額が44万円以下ならば、給料の4分の1を差し押さえる方法となり、44万円以上ならば、33万円を超えた分が差し押さえられます。

(例1)給料の手取分が44万円以下の場合
200,000円(給料)-50,000円(給料の4分の1)=150,000円

給料が20万円の場合、差押えになるのは手取金額の4分の1である5万円なので、15万円は受け取れます。

(例2)給料の手取分が44万円以上の場合
440,000円(給料)-110,000円=330,000円

手取金額が44万円以上だと、33万円を超えた分の11万円が引かれて、受け取る金額は33万円になります。

差押えは一度ではありません。残債務や遅延損害金などを完済するまで続きます。毎月の給料からだけではなく、賞与や退職金も対象となります。

税金滞納の場合の流れと差押え範囲

ローンや貸金業者からの借入れを滞納した場合は、業者が直接行うのではなく、裁判所への申立てが必要ですが、税金や社会保険料の場合は全く違い、裁判所での手続きを必要とせずに給料を差し押さえることができます。

・督促状の送付
税金を滞納して納付期限から一定期間が経過すると、督促状が送付されます。
滞納した税金の種類によって督促状が送付されるまでの期間は異なり、国税の滞納の場合は、期限から50日以内、地方税の場合は期限から20日以内です。

・最終催告の送付
督促状を送付した後の催告にも応じない場合、最終催告書もしくは通知書が送付されます。

・強制執行
最終催告をした後に、滞納者の財産や、生活状況の調査を行います。調査結果に基づき、会社からの給料や、銀行口座等の資産が差し押さえられます。

【POINT】差押えの範囲
ローン滞納と税金では、流れが違うだけではなく、範囲も違います。

(1)所得税・住民税・社会保険料の控除分
(2)月額100,000円
(3)配偶者及び子供等同一生計の親族1人あたり45,000円
(4)給料の20%

上記の(1)から(4)までの合計金額を、給料の総支給額から差し引いた金額が、税金滞納の場合の差押え範囲です。

(例1)給料の手取分が40万円で配偶者と子供が1人同居の場合
{400,000(給料)-100,000円(本人)-90,000円(親族2人分)}×0.8=168,000円

(例2)給料の手取分が40万円で独身の場合
{400,000(給料)-100,000円(本人)}×0.8=240,000円

ローン滞納の場合は、給料の手取分が40万円ならば33万円を超えた分の7万円が差押えとなりますが、税金滞納では、単身者の場合は、24万円です。

このようにローン滞納と比べて、税金の滞納は差押えの範囲が広くなる可能性があります。

どうしたら給料差押えを止められるのか?

ローンを滞納していて、催告の通知が来た後でも止める方法はあります。それは、裁判所に債務整理の申立てを行うことです。

個人再生か自己破産で差し押さえをとめよう

債務整理には「任意整理」「自己破産」「個人再生」の方法がありますが、強制執行を止める場合は、裁判所への申立てが必要となるため、裁判所を通さない任意整理では差押えを止めることは基本的にできません。

裁判所に申立てを行う債務整理は「個人再生」と「自己破産」があります。

それぞれの手続きにおいて、どのように差押えを止めることができるのか説明します。

個人再生

裁判所を通す手続きで、借金を大幅に減額できる債務整理の方法です。大幅に圧縮した借金を原則3年間(最長5年間)で返済します。

個人再生で差押えを止めるには2つの方法があります。

1.個人再生手続き開始決定
個人再生の申立てを行うと、個人再生委員が選任され(地域によって個人再生委員が選任されないこともあります)、現在の債務の状況や資産の状況を調査したり、再生計画を作成したりします。この再生計画が裁判所に認められたら、個人再生の手続きは終結となります。
再生手続開始の決定があったとき、差押手続きは中止になります。

差押えを止める手続きは必要なく、自動的に強制執行が解除されますが、申立てから個人再生手続きが開始になるまで、2週間~4週間かかるので、その間に差押えの影響で生活が厳しくなるならば、手続き開始決定を待つのではなく、他の方法を選択する必要があります。

2.「強制執行中止命令」の申し立て
個人再生手続き開始決定まで待つことができない場合は、裁判所に「強制執行中止命令」の申立てを行います。差押えにより生活が立ち行かなくなる恐れがあると裁判所が判断した場合、強制執行の中止命令が出されます。

気を付けなければならないのは、個人再生の申立てを行っている裁判所と、強制執行を行う裁判所は別であり、執行中止命令の連絡が伝えられていない可能性があることです。

そのため、強制執行中止命令が出た旨を、強制執行を行う裁判所へ伝える必要があります。

自己破産

自己破産の手続きは「同時廃止」と「管財事件」があります。
差押えを止める方法は、どちらの手続きが進められるかにより違いがあります。

・同時廃止
自己破産は、破産管財人が債務者の財産を換価し、債権者に対して平等に配当・分配を行い、財産を処分しても支払いきれなかった残債務については支払いを免除するのが原則です。

しかし、債務者の所有財産が少額であること、免責不許可事由に該当していない場合は、破産管財人を選任せずに、破産手続き開始と同時に廃止する「同時廃止」の形式で進められます。

同時廃止では、破産手続開始と同時に差押えは中止されます。差押えを受けるはずだった分は、会社に留保されます。

その後、免責が許可されたら、残債務の返済義務がなくなるので、留保されていた給料を受け取ることができます。しかし、免責が許可されないときは手続きの中止が解除されて、給料は差し押さえられます。

・管財事件
債権者に分配できる程度の財産を所有している場合や、免責不許可事由に当てはまる場合は管財事件となり、裁判所から破産管財人が選任され財産の換価を行います。

管財事件の場合は、破産手続き開始と同時に、強制執行の効力は失われます。同時廃止のように中止ではなく、失効となるので、留保されることなく、給料の受け取りが可能になります。

税金滞納での差押えは止められない?

ローン滞納分は、裁判所に債務整理の申立てを行うことで差押えを止めることができますが、税金滞納の場合は、債務整理の手続きを行っても止めることはできません。

また、個人再生で残債務を減額したように、未納分を減額することもできませんし、自己破産で免責が許可されても、税金の未納分については支払い義務はなくなりません

税金の滞納分については、滞納分を支払い、差押えを解除してもらうか、滞納していた分について分納することで猶予してもらう必要があります。

◆職場を債権者に知られていない場合は?◆
借り入れの時に、クレジットカード会社やローン会社に職場の住所や連絡先を届けていると思います。

その後、転職をした場合で新しい職場が変わったことをクレジットカード会社やローン会社に届けていない場合、事実上、給与を差し押さえをすることが難しくなります。

クレジットカード会社やローン会社が、興信所を使ったり何らかの手段で新しい職場がどこかを調査すれば給与を差し押さえすることは可能ですが、そこまでするケースはそう多くはありません。

よくある質問

過去にサラ金からお金を借りましたが、返済せず滞納していたら給与を差し押さえを受けたことがあります。今は完済しておりますが、最近住宅ローンの審査に落ちました。給料を差し押さえられたことがあると住宅ローンの審査に通らないのでしょうか。
差し押さえも事故情報として載ってしまいます。もっとも、差し押さえされるという事は、遅滞が続いているという事なので、遅滞があることが事故情報として既に載っていたと思います。

なお、住宅ローンがどのような理由で審査に落ちたのかは教えてくれません。そういった場合、信用情報機関の情報を取得してみるのも一つの手段です。

差し押さえ予告通知無しに、給与を差し押さえられることはありますか?
予告通知は、差し押さえをするための要件ではないため、あり得ます。もっとも、予告通知をして払ってもらえるのであれば、手間がかからないため、予告通知を送ることほとんどです。

なお、差し押さえされると、全額回収するまで差し押さえは続きます。

給与の差し押さえの通知が実家に行くことはありますか?
ありません。勤務先に行くだけです。なお、親の会社に勤めている場合には、会社に通知が行きますので、親にばれる可能性はあります。
最近新しい職場に転職しましたが、給料は差押えられますか?また、それが理由で解雇になることはありますか?
勤め先を債権者に知られていなければ差し押さえできません。また、解雇が有効となるためには、客観的合理的理由と社会通念上相当であることが必要です。

給与の差し押さえをされたというだけでは、その要件を満たさないので、それだけが理由で解雇になることはありません。もし解雇された場合は、解雇の無効を争っていくことになります。

手渡しの給料も差し押さえられてしまうのか?
差し押さえの対象になります。給料の差し押さえは、勤務先から債務者に支払われた金銭を差し押さえるのではなく、債務者が勤務先から給料を受け取れる権利ごと差し押さえることになるからです。
給料を差し押さえられた場合、事故情報として登録されてしまうか?
差し押さえも事故情報として載ってしまいます。もっとも、差し押さえされるという事は、遅滞が続いているという事なので、遅滞があることが事故情報として既に載っていたと思います。
職場を債権者に知られていないと、差し押さえはされませんか?
給与債権の差し押さえはされませんが、銀行口座を知られていると、銀行口座の差し押さえをされる可能性はあります。
差し押え後に、毎月の定額返済にする方法はありますか?
給与の差し押さえにより、4分の1を差し押さえられますので、それ以上の金額でないと応じてもらう事は難しいです。
一般人が給料の差し押さえをすることはできるのか?
弁護士はあくまで本人の代理人ですので、一般の方でも差し押さえは可能です。
※(補足)一般の方と弁護士とで認められる基準は変わりません。

まとめ

自分では既に借金の返済が不可能とわかっていても、債務整理に踏み切れない原因の多くが「借金があることが家族や会社にバレる」ことを恐れているからです。

返済を続けることができればいいですが、支払いが不可能になった借金を放置すると、差押えという最悪のケースに発展してしまいます。

給料が差し押えられた場合、当然、会社に連絡されるので、借金をしていること、返済を滞らせていることは完全にばれてしまいます。

個人再生や自己破産といった債務整理の手続きを行うことで、差押えを中止、もしくは失効させることができますが、それはあくまでも最終手段です。

借金問題の有効な解決方法は、そのような状態になる前に行動を起こすということです。

借金の返済が不可能だと思ったら、借金問題解決のために相談して、対策を考える必要があります。

弁護士法人あまた法律事務所は、借金問題の解決に特に力を入れている弁護士事務所です。過去に解決した借金問題は5,000件以上あり、さまざまな状況の方を救済した実績があります。

滞納して差押えになりそうな場合でも、既に裁判所からの支払督促や業者からの催告が来てしまった場合でも、どちらも対応可能です。

まずは、あまた法律事務所の無料相談を利用して、お話を聞かせてください。
現在どのような状況であっても解決の道はあります。

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