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個人再生を検討しているが、「自宅を失うと、生活できなくなる」「車を失うと仕事ができなくなる」などと心配になり、手続きに踏み出せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、将来的に住宅ローン・自動車ローンを組んで、住宅・車を購入したいと考えている人にとっては、個人再生をすること自体がローンの審査に影響するのではないかと心配にもなるでしょう。

そこで今回は、個人再生が住宅ローン自動車ローンに及ぼす影響、そして、これらの資産を残す方法について解説します。

この記事で学べること

  • 個人再生が住宅ローンに与える影響と対策
  • 個人再生が自動車ローンに与える影響と対策
  • 資産を残すためにどうすればよいかがわかる

個人再生(民事再生)をすると住宅ローンはどうなる?

個人再生手続きは、任意整理とは異なり、借金を整理する対象(債権者)を選ぶことができないため、自分が負担する借金のすべてが手続きの対象となります。

仮に、住宅ローンを組んでいる場合には、住宅ローン個人再生の手続きの対象となります。

そのため、住宅ローンを組んでいる人にとっては、個人再生をすることで住宅を失うことになるのでは?ということが一番の関心事になるのです。

この点、個人再生の大きなメリットの一つとして、自宅を残しつつ借金を整理することができるという点が挙げられます。

具体的には、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用することにより、自宅を残したまま、借金を整理できる手続きが「個人再生」ということになります。

個人再生の住宅資金特別条項(住宅ローン特則)とは?

個人再生は、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用することにより、自己破産のように自宅を処分されることなく、借金を整理することが可能です。

ここでいう「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」とは、住宅ローンを従来通り支払い続けることにより自宅を手元に残し、それ以外の借金を整理することを可能にする条項のことをいいます。

もっとも、自宅を手元に残すことができるという点は、債務者にとって極めて大きなメリットとなるため、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用するための条件は、以下のように厳しいものになっています。

(1)個人再生の要件を満たしている

個人再生は、言葉のとおり、債務者が「個人」でなければ、手続きを利用することはできません。また、およそ3年~5年(原則3年)かけて借金を返済していくことになるため、債務者において、継続的に安定した収入が得られる見込みがあることが条件となっています。

さらに、住宅ローンを除く借金額が5,000万円を超えていないことが必要です。

(2)対象となるものが「住宅」である

住宅資金特別条項(住宅ローン特則)の対象となる「住宅」は、以下の3つの要件を満たしている必要があります。

①債務者が所有している
②債務者が居住している
③建物の床面積について、2分の1以上の部分が債務者の居住の用に供されている
POINT
これらの要件のうち、1つでも満たさない要件がある場合には、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用することはできません。

(3)自宅に住宅ローン以外の担保が設定されていない

住宅ローンを組む場合、その支払いを担保することを目的として、自宅に抵当権を設定することが一般的ですが、住宅ローンを担保するための抵当権とは別に、他の債権を担保するための抵当権等が設定される場合があります。

このように、自宅に住宅ローン以外の債権を担保することを目的とした担保権が設定されている場合、原則として、住宅資金特別条項(住宅ローン)を利用することはできません。

このような場合に住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用しても、住宅ローン以外の債権のための担保権が実行されることで、結果として、自宅を失うことになるため、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用する意味がなくなるからです。

個人再生(民事再生)をすると自動車ローンはどうなる?

これまでは、個人再生における「住宅ローン」の扱いについて見てきましたが、自動車ローンの場合、その扱いはどうなるのでしょうか。

(1)車を引き上げられてしまうケースとは?

自動車ローンを組んで車を購入すると、「所有権留保」を付けられることが一般的であるといえます。

ここでいう「所有権留保」とは、自動車ローンの支払いを担保するために、自動車ローンを完済するまでの間、ローン会社に車の所有権を残しておくことをいいます。
そのため、自動車ローンを完済するまでの間、購入者は「使用者」という名目で車を利用することになります。

所有権留保は、自動車ローンの支払いを担保することを目的としているため、自動車ローンの支払いが遅れるようなことがあると、ローン会社により車を引き上げられてしまう可能性があります。

このことは、個人再生を申し立てた場合にも同様にあてはまります。個人再生を申し立てると、少なくとも再生計画(返済計画)が認可されるまでの間、一時的に支払いを停止することになるため、この場合も、ローン会社により車を引き上げられる可能性があります。

(2)車を残す方法

個人再生との関係で車を残すためには、以下のような方法を取ることが考えられます。

①ローンを完済する
当然のことですが、自動車ローンを完済してしまえば、車を引き上げられることはありません。とはいえ、債務者が自動車ローンを完済することは「偏波(へんぱ)弁済」にあたり、債権者を平等に扱わなければならないとする原則に反することになります。

ここでいう「偏波弁済」とは、特定の債権者のみを優先して返済することをいいます。

偏波弁済をすると、その分も債務者の財産とみなされ、その結果、返済額を上げられる可能性があります。また、最悪の場合個人再生の手続自体がうまくいかない可能性があります。
そのため、ローンを完済するとしても、たとえば、債務者の親族や知人といった債務者以外の者が支払うことが必要です。

②別除権協定を締結する
「別除権協定」とは、ローン会社との間で、従来通り自動車ローンを支払うこと、車を引き上げないこと、を約束する協定のことをいいます。

先に見たように、自動車ローンだけを優先して支払うことは偏波弁済にあたるため、別除権協定を締結するためには、裁判所から許可を受ける必要があります。

もっとも、別除権協定について許可が出るのは、たとえば、個人タクシーのように、自動車が債務者の仕事に不可欠であるような場合に限られているため、許可を受けるためのハードルは高いといっていいでしょう。

③弁護士に相談する
自動車を残す方法はあるものの、手順などを誤ると、かえって自動車を引き上げられることにもなりかねません。

自動車を確実に手元に残すためには、自分で対応するのではなく、弁護士などの専門家に相談することが無難であるといえます。

個人再生後の住宅ローン・自動車ローンの審査

個人再生をすると、そのことが信用情報機関に登録されることになります(いわゆる「ブラックリスト」に載った状態)。

信用情報機関に情報が登録されると、完済後およそ5年間は、経済的な信用を失うことになるため、住宅ローンや自動車ローンを申し込んでも、その審査に通ることは難しいといっていいでしょう。

そのため、ブラックリストから自分の情報が消え、住宅ローン・自動車ローンを申し込むまでの間に、少しでも多くの頭金を作るなどして、将来に備えることが大切です。

個人再生などの債務整理は弁護士に依頼しよう

個人再生を含む債務整理を弁護士に依頼するメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

(1)債権者の催促がとまる

債務整理の依頼を受けた弁護士は、各債権者に対し「受任通知」を発送します。

ここでいう「受任通知」とは、債務者の代理人として債務整理業務を開始する旨を各債権者に知らせるための通知のことをいいます。
これにより、各債権者は直接債務者に催促することを止めるため、それまで毎日のように催促の連絡を受けていた債務者にとっては、極めて大きなメリットであるといえるでしょう。

(2)弁護士が手続き全般を行ってくれる

債務整理は、主に、「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの手続きに分かれていますが、債権者との交渉や書類作成、必要書類の収集等、いずれの手続きを採ったとしても、債務者にはさまざまな対応が求められることになります。

特に、個人再生や自己破産は裁判所を利用する手続きであるため、手続きの流れや作成すべき書類等も複雑です。
その点、これらの手続きを弁護士に依頼すると、すべて弁護士が対応してくれるため、安心して手続きを進めることができるというメリットがあります。

まとめ

個人再生では、住宅ローン・自動車ローンの扱いに注意する必要があります。

具体的には、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用する場合、自動車を残したい場合には、それぞれに注意すべき点があります。

対応を誤ると、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用できなくなったり、自動車を引き上げられてしまう可能性があります。
そのようなことにならないためにも、まずは、相談料無料の当事務所にご相談頂くことをお勧めします。

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