自己破産が会社や家族にバレないためにはどうすれば良い?

借金の問題は、家族や知人にも内緒にしている人が多いと思います。

最初のうちは内緒で借りても、自分の支払える範囲だったので、いずれは誰にも知られずに完済できると考えていたかもしれません。

しかしいつの間にか、借り入れ金額が増えてしまい、ギリギリの生活で返済を繰り返しているのであればいつまでたっても借金問題は解決しません。

もう返済できないから自己破産するしかないと思っても、会社や家族にバレることを恐れて解決に踏み切れないと言う方も多いでしょう。

実際、自己破産をすることで、家族や勤めている会社にバレる可能性はあるのでしょうか?

自己破産を他人に知られる心配は少ない

自己破産個人再生などの債務整理をすると他人にバレてしまうのではないか?
そう思われる原因の一つが官報への掲載です。しかし、実際、官報に掲載されたことで
自己破産したことがバレるケースはそれほど多くないのです。

掲載されている事項が膨大

官報は政府が発行する機関誌です。祝祭日を除く毎日発行されており、法令や政令、条約などの情報や、国会・皇室に関する情報、そして裁判に関する情報などが掲載されています。

自己破産した場合は、裁判所の手続きに関する情報として、破産手続きが開始されたときと、免責が許可されたときの二回、官報に掲載されます。

毎日、発行されるとは言え、情報量が膨大なため、通常は38ページほど、号外になると100ページものボリュームになります。

この膨大な情報の中から、破産した時期などがわかっていないものを見つけ出すのは、かなり難しいと思います。

閲覧場所が限られている

官報の販売場所は限られています。都道府県単位で数か所設置されている政府刊行物の販売書や、大型書店などで販売されていますが、町の書店などで誰でも目にするようなものではありません。

インターネットでも官報の情報は閲覧可能ですが、無料で閲覧できる期間は、過去30日以内のものに限られています。また、PDF形式でWEBに掲載されていますが、名前や住所などを検索してヒットしないため、一つ一つ見ていく必要があります。

図書館では、過去に発行されたものも閲覧することは可能ですが、前述したように、膨大な量の情報が掲載されており、何か目的があって調査をする以外で、破産者の名前を見つけ出すのは難しいでしょう。

閲覧する人が限られる

誰でも閲覧できるとはいえ、官報の情報を必要として、目を通す人は限られます。

法律関係の仕事の方や、金融関係、保険関係の人が職務のために必要な情報を得るために目を通す機会が多いと思われます。一般の方に、官報で掲載されている情報が必要になるケースはあまり考えられません。

ただし、破産者の情報などは、ブラックリストに掲載されて大手の金融会社からは、お金を借りることができなくなっているため、闇金業者が官報から情報を入手して、DMを送り付けるといったことはあるようです。

自己破産が会社にバレるパターンは?

債務整理を行うことで、ブラックリストに掲載されて会社や家族にバレてしまうと不安に思っている方も多いようですが、信用情報機関のブラックリストから会社や家族にバレることはほぼありません

また、官報に掲載されてしまいますが、前述したように、官報を閲覧する場所が限られていることや、一般の方が読むようなものではないため、官報への掲載によって会社に知られてしまうというケースはあまり多くありません。

自己破産の手続きを行ったことが会社にバレてしまうよりも、借金を放置して、強制執行で給料が差し押さえとなってしまい、会社にバレるというケースが多いです。

自己破産の手続きは裁判所を通しますが、裁判所から会社に連絡がいくことはありません。しかし、借金の返済を滞納して、業者からの督促に対して、全く対応せずに放置したままにしておくと、残金と延滞利息、遅延損害金を一括請求されてしまいます。

一括請求に応じることができず、さらに放置していた場合は、業者は裁判所に訴訟を提起し、勝訴判決を得て、強制執行の申立てを行い、給料の差し押さえを行うことができます。

強制執行になると、裁判所から会社へ連絡がいき、会社側が処理を行うことになるので、借金が返済できない状態であることはばれてしまいます。

POINT
会社にバレないためには、強制執行されないこと、つまり、一日でも早く借金問題を解決することが重要になります。

自己破産が親や家族にバレるパターンは?

それでは、自己破産をしたことが家族や親に知られてしまうのはどのようなケースが考えられるでしょうか?

家や車を持っている

必要最低限(20万円)以上の財産を所有している場合は、換価処分されて、債権者に配当されることが自己破産の原則となっています。

ローン支払中の車の場合、所有者がローン会社になっているケースが多く、支払ができなくなった時点で引き上げられてしまいます。また、住宅ローンの場合、土地や建物に抵当権を設定されている場合がほとんどなので、抵当権を実行されてしまい、今の住宅には住むことができなくなってしまいます。

今まで、使っていた車が急に無くなったり、住んでいた家から引っ越しする必要があるという事になれば、家族には自己破産をしたことを伝えなければならないでしょう。

自分で手続をした場合

弁護士に自己破産の手続きを依頼した場合、裁判所からの連絡は、本人の代理人となった弁護士のところに届きますが、自分で自己破産の手続きをした場合、裁判所からの書類や手紙は、全て自宅へ郵送されます。必要があれば、電話で自宅に連絡がくる可能性もあります。

いつ書類が郵送されるのか?電話連絡があるのかはわかりませんので、裁判所から郵送された書類や手紙を家族が目にしたり、本人が不在のときに、自宅へ裁判所からの電話があった場合、自己破産したことがバレる可能性が高くなります。

また、弁護士に依頼した場合は、担当の弁護士が債権者に対して受任通知を送った時点で、業者は督促や取り立てができなくなりますが、自分で手続きを行う場合、裁判所に申し立てが受理されるまで、督促や取り立ては止めることができません

また、受任通知を送ってから、自己破産の手続きが終了するまでの間は、毎月の借金返済もストップになりますが、自分で手続きをした場合は、裁判所に申し立てを行うまで、今まで通り、借金の返済を行わなければならず、返済しなかった場合は滞納となります。

※※重要※※
自分で自己破産の手続きをする場合はバレるリスクが高まってしまうかもしれません。

申し立てを行うまで、約半年かかりますので、その間、支払いをしないことで督促や取り立てを受けたり、強制執行をされてしまう可能性があります。

長い期間、督促や取り立てを家族に知られずに過ごすのは、非常に困難だと思われます。

管財事件の場合

自己破産には、同時廃止手続き管財事件の二通りの手続きがあります。
破産者が必要最低限の財産しか所有しておらず、換価処分して、債権者に配当することができない場合は、同時廃止で手続きが進み、破産の手続き開始と同時に、破産手続きが終了(廃止)します。

破産者が不動産などの高額な財産を所有している場合は、同時廃止手続きではなく、管財事件となり、裁判所から破産管財人が選任されて、財産の調査や換価を行い、債権者に平等に配当します。

財産調査のために、自宅へ訪問する可能性がありますので、同時廃止手続きと比較して、家族にバレてしまう可能性は高くなります。

まとめ

自己破産の手続きは、自分で行うこともできますが、会社や家族にバレる可能性は、弁護士に依頼したときと比較したら、高くなってしまいます。

自己破産に限らず、債務整理を行う人の多くが、内緒で借金問題を解決したいという希望を持っています。

注意してほしい点は、借金問題が長引けば長引くほど、家族や会社にバレてしまう可能性が高くなるということです。

問題の解決に踏み切る決断が早ければ、解決の選択肢も多く、また内緒で解決できる可能性も高くなるでしょう。

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