Google(グーグルマップ)の口コミは名誉毀損になる?削除や訴える方法を弁護士が解説

Google(グーグルマップ)の口コミで名誉毀損をされたら?
執筆・監修者、豊川祐行弁護士

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。

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グーグルマップなどGoogleに掲載されている口コミが、名誉毀損に当たることはあります。口コミは施設や店舗に対する第三者の評価を左右しやすく、悪い口コミが経営に影響を与える可能性は少なくありません。

”豊川弁護士”
この記事では、Google(グーグルマップ)に誹謗中傷の口コミが書き込まれたとき、名誉毀損罪が成立するのはどのようなケースか、また、名誉毀損された際にできる対応を弁護士が紹介します。

口コミがGoogle(グーグルマップ)から削除される基準

Google(グーグルマップ)の口コミが削除される基準を説明します。

店舗や企業に悪い評価を書きこまれたら削除して欲しいと思いますが、Googleでは削除される口コミの基準が決められています。ユーザーの自由な意見は認められていますが、悪質な誹謗中傷や名誉毀損など公序良俗に反すると思われる口コミはその限りではありません。

削除されるコメントの基準

Google(グーグル)では口コミや写真、動画などすべてのフォーマットに適用される基準として、禁止・制限されるコンテンツのポリシーを公開しています。

以下の項目に該当するかどうかがGoogleの判断基準になり、問題の口コミが当てはまると判断されれば削除が行われます。

  • スパムと虚偽のコンテンツ……その場所での実体験に基づいたものでない口コミや重複する口コミ、複数のアカウントから投稿された口コミ
  • 関連性のないコンテンツ……その場所と全く関係のない内容の口コミ(政治的な主張や個人的な不満など)
  • 制限されているコンテンツ……アルコール、ギャンブル、タバコ、成人向けサービスなど規制の対象になっているもの
  • 違法なコンテンツ……著作権に違反するコンテンツや法的に禁じられた商品・サービス、違法行為に関するもの
  • テロリストのコンテンツ……テロ組織に関するもの
  • 露骨な性的表現を含むコンテンツ
  • 不適切なコンテンツ……わいせつなものや何かを冒涜するなど不適切と判断されるもの
  • 危険および抽象的なコンテンツ……自分や他者に危害を加えることを推奨したり、誹謗したりするもの
  • なりすまし
  • 利害に関する問題……自身の店舗の口コミを投稿すること

参考:マップユーザー禁止および制限されているコンテンツ

口コミの削除には違反の証明が必要

Googleが定める違反項目のうち、誹謗中傷に関係しているのは「スパムと虚偽のコンテンツ」「危険および抽象的なコンテンツ」です。

事実ではない嘘だと明らかであり違反と判断されるケースを除いては、実際のところ削除される可能性は低いのが現状です。口コミが嘘だと証明するのは難しいためです。

たとえば、「店員の態度が悪い」「この店の接客は最悪」などといった書き込みは、投稿者が本当に店員の接客が気に入らず「最悪」だと思ったのであれば名誉毀損には当たらず削除の対象にはなりません。

”豊川弁護士”
個人の感想はネガティブなものであっても虚偽とは言えず、店を貶めるための嘘の口コミであると証明するのは簡単ではありません。よって、Googleに削除依頼しても口コミが消される可能性は少ないと思われます。

口コミのない投稿は削除できない

グーグルマップでは星だけの評価が可能ですが、口コミがなければ違反コンテンツなのか判断ができません。

 嫌がらせに星1をつけられたとしてGoogleに申請しても、削除してもらうのはほぼ不可能なのが現状です。

投稿者との直接交渉は避ける

口コミの投稿者が分かっているなら直接相手に削除を頼めばいいと思われるかもしれません。しかし、相手が要望に応じる可能性は低く、トラブルになりかねないので避けるのが無難です。

POINT
悪い口コミを書かれたときは、逆に良い口コミを増やせばいいといった方法も聞かれますが、口コミに対して金銭を渡す行為は禁止されていますし、Googleのポリシーでは「利害に関する問題」として自分自身での投稿は違反行為になっていますので、この方法もやり方によっては問題が生じるリスクがあります。

名誉毀損に当たる口コミとは

Google(グーグルマップ)の口コミが名誉毀損に当たるかは、3つの条件を満たすかが問われます。

  • 社会的評価を下げる
  • 具体的な事実を摘示している
  • 公然の場での発言である

インターネット上は公然の場と認められますので、社会的な評価や信用の低下につながる可能性が高いか、事実を具体的に示しているかが問題になります。目的が公益や公共の利害に関わる口コミ、真実であり真実であるとの判断に相当する理由がある口コミ等は、名誉毀損を成立させるのは難しいでしょう。

名誉毀損は刑法の第二百三十条に定められており、3年以下の懲役、もしくは禁錮または50万円以下の罰金が科せられます。

Google(グーグルマップ)への削除申請

Google(グーグルマップ)で店舗や会社の名誉毀損に当たる口コミを見つけ削除して欲しい時は、Google側への削除申請を検討しましょう。Googleが不適切な投稿だと判断すると削除してもらえる可能性があります。

1違反コンテンツの報告

グーグルマップに掲載されている口コミ横の「…」にカーソルをあわせ、「レビューを報告」をクリックします。「このクチコミの問題点」と書かれた画面に移動するので、違反の種類を選択し送信を押してください。

グーグルマップのアプリも同様の方法で削除申請できます。

2審査には数日かかる

投稿の削除申請の審査には2週間程度かかります。Google側が問題ありと判断すれば、該当の口コミは削除されます。

 ただ、Googleから「削除しました」といった通知の送付はありません。申請が通ったかは口コミが消えているか、自分でチェックし確認する必要があります。

違反報告で削除されなかったときの対処法

Googleへの違反報告で削除できればいいのですが、簡単に行かないケースが多いです。削除されないときは、Googleに仮処分を求める方法があります。

Googleに削除仮処分を求める

Googleへの違反報告で削除されないケースでは、法的措置により口コミを削除できる場合があります。

具体的には裁判所に対し、運営元であるアメリカのGoogle LLCを相手に削除仮処分を求めます。仮処分とは民事保全法に基づく暫定的な措置で、通常の裁判よりも早く結果が出るのがメリットです。

”豊川弁護士”
Googel側が争わなければ、通常2か月程度で削除されます。

Googleへの仮処分を求める方法

裁判所にGoogleへの仮処分を申し立て、削除されるまでの手順を解説します。

1裁判所に申し立てを行う

削除仮処分の申し立てる裁判所は、個人なら自身の居住地、店舗や会社といった法人なら本店の所在住所を管轄している地方裁判所になります。申立書や添付書類はGoogleの代理人である日本の弁護士にも送付しますが、書類はすべて英訳する必要性があります。

2審尋

裁判所は申立人を呼び出し事情や言い分を聞きます。その後、相手方であるGoogleを呼び出し同様の審尋を行います。ただ、今回は相手が海外の法人のため、申立人のみ審尋を行う場合があります。

3立担保

申立人の主張が認められると、裁判所が決めた金額を担保として法務局に供託する必要があります。Google側が損害を被ったときの補填に使われるお金です。Googleへの削除仮処分が出た場合の担保金は30万円~50万円程度です。

4仮処分命令

供託後、裁判所はGoogle LLCに対して削除仮処分の命令を下します。ここでGoogleが争う姿勢を見せれば正式な訴訟へ進みますが、Google側が争わなければ削除が決まります。

5削除

仮処分が決まれば1~2週間ほどで口コミは削除されます。Googleが裁判所の命令に従わないケースは多くありませんが、仮に相手が処分内容を守らなければ、執行として裁判所が決めた金額を削除するまで支払わせることができます。

口コミの発信者情報開示請求を行う

口コミの内容が店舗や会社の名誉を不当に傷つ評価を下げる内容であれば、名誉起訴などの罪として民事や刑事事件として訴えることが可能です。

削除だけではなく投稿者に損賠賠償を請求したい、罪に問いたいといったときは、Googleに口コミ削除を依頼する前に、発信者情報の開示請求で犯人を特定する必要があります。

発信者情報開示請求の流れ

発信者情報開示請求はネット上で書き込みを行った投稿者の情報を開示するよう求める手続きです。サイト運営者等に対するものと接続プロバイダに対する2種類があります。

Google(グーグルマップ)はサイト運営者等に対する開示請求になります。ここでは投稿者を識別するIPアドレスと投稿時刻を表すタイムスタンプといった情報を請求します。

Googleへ開示請求を行う流れは、以下のようになります。

1裁判所に申立てを行う

必要な2つを準備し、裁判所に申立てを行います。

・該当の口コミ……対象の口コミを投稿日時やURL付きで印刷したものを用意します。プリントできない場合はスクリーンショット等を証拠として用意してください。

・Googleの資格証明書……アメリカでの登記簿のようなもので、国内では5000円ほどで購入可能です。日本語の訳文も用意する必要があります。

開示請求では国内に本社を置かない外国法人の場合は、東京地方裁判所の管轄になります。

”女性”
申立書等の書類は英訳したものを代理人の弁護士に送付する必要があります。

2審尋

申立人と相手方に対する審尋が行われます。

Googleへの開示請求では基本的に代理人となる日本人弁護士がアメリカ本社が請求している情報を有しているか問い合わせするため、時間がかかるケースがあります。ただ、情報の有無が事前に分かるので、仮処分が出てから開示してもらえない事態は避けられます。

3立担保

法務局への担保を供託します。開示請求では10~30万円程度が一般的です。

4仮処分命令

申立人の主張が認められれば仮処分命令が発令され、相手のIPアドレス等が開示されます。開示までの期間は1か月~1か月半ほどです。

接続プロバイダに開示請求する

GoogleからIPアドレス等が提供されれば、投稿者がネットへの接続に利用しているプロバイダを特定できます。接続プロバイダに対し相手の氏名や住所といった個人情報の開示を行い、民事訴訟や刑事告訴など加害者の責任を問う法的手続きをとります。

1ログ保存の仮処分

注意点は、プロバイダが持つアクセスログの保存期間は一般的に3~6か月程度であることです。一定の期間が過ぎると記録が削除されてしまい、相手を特定できなくなります。

そのため、できるだけ迅速にプロバイダにログの保存を求めるのが良いでしょう。もし、プロバイダに断られたら開示請求と一緒に、裁判所にログの削除禁止仮処分を申請しておきます。

2プロバイダへの開示請求

プロバイダはすんなり相手の個人情報を開示してくれるわけではなく、任意ではたいていが断られてしまいます。そのため、プロバイダに対し発信者情報の開示を求める訴訟を提起します。勝訴すれば相手の個人情報の開示を受けられます。

3民事または刑事で訴訟を起こす

個人情報が分かれば投稿者を訴えることが可能になります。民事での慰謝料請求や名誉毀損などでの刑事告訴、または両方で訴えられる可能性もあります。

口コミにお悩みなら弁護士に相談を

Google(グーグルマップ)への削除請求だけなら、個人でも問題なくできるかもしれません。しかし、仮処分や訴訟の手続きには法律の知識が必要になります。一般の個人や法人ですべて対処するのは困難と言ってよいでしょう。

Google(グーグルマップ)での悪意ある投稿の被害に遭い悩んでいるのなら、インターネット上の口コミ削除や投稿者情報の開示請求に精通している弁護士に相談してください。ケースに応じた適格なアドバイスをもらえますので、スムーズな解決が望めます。

初回相談無料の弁護士事務所なら費用を気にせずに利用できますので、話だけでも聞いてもらうのがおすすめです。

執筆・監修者、豊川祐行弁護士

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。

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