法的トラブルに遭遇した時、「これは直接損害なのか間接損害なのか分からない」「損害賠償の範囲がどこまで認められるか不安」といったお悩みはありませんか?
直接損害と間接損害の違いを正しく理解することは、適切な損害賠償請求や契約書作成において極めて重要です。
特に2026年現在、企業間取引や個人の契約においても損害の範囲が争点となるケースが増加傾向にあります。
この記事では、基本的な定義の違いから実際の判別方法、交通事故・契約違反・商品欠陥などの具体的事例まで、豊富な図解と比較表を用いて分かりやすく解説しています。
さらに損害賠償の計算方法や保険適用の違い、立証責任のポイントまで実務で役立つ知識を網羅的に紹介します。
なお、損害賠償の範囲については、民法第416条において通常損害と特別損害の区分が定められており、これらの概念と直接損害・間接損害の関係性も併せて理解することが重要です。

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
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この記事の目次
直接損害と間接損害の違いが分かる基本知識
直接損害と間接損害の区別は、損害賠償を請求する際に極めて重要な概念です。
この違いを正しく理解することで、どのような損害が賠償の対象となるかが明確になり、法的トラブルの際に適切な対応ができるようになります。
民法第416条では、債務不履行による損害賠償の範囲について定めており、通常損害と特別損害の区別が規定されています。

直接損害とは何か
直接損害とは、債務不履行や不法行為によって直接的に生じた損害のことです。
民法416条1項では「債務の本旨に従った履行をしないときは、これによって通常生ずべき損害の賠償をしなければならない」と規定されており、この「通常生ずべき損害」が直接損害に該当します。

直接損害の特徴は、原因と結果の関係が明確で、社会通念上その行為から当然に生じると考えられる損害である点です。
例えば、交通事故による車両の修理費、医療費、建物の火災による焼失損害などがこれに当たります。
- 交通事故による車両の修理費
- 医療費
- 建物の火災による焼失損害
間接損害とは何か
間接損害は、債務不履行や不法行為から間接的に派生して生じた損害です。
民法416条2項では「特別の事情によって生じた損害」と表現されており、当事者がその事情を予見し、または予見することができた場合に限り賠償責任が生じます。

間接損害は原因と結果の因果関係が複雑で、複数の要因が重なって発生することが多いのが特徴です。
例えば、配送トラックの故障により商品の納期が遅れたことで生じた取引先への違約金や、事故による休業で失った営業利益などが該当します。
- 配送遅延による取引先への違約金
- 事故による休業で失った営業利益
- 機械故障による生産停止で生じた損失
- システム障害による顧客離れの損害
判別のポイントと具体的な基準
直接損害と間接損害を判別する際の重要なポイントは、相当因果関係の有無です。
最高裁判例では、社会通念上その行為から通常生じると認められる範囲内の損害を相当因果関係がある損害として扱い、これが賠償の対象となります。
具体的な判別基準として、以下の要素が考慮されます。
- 予見可能性:損害発生が予見できたかどうか
- 通常性:同様の状況で一般的に生じる損害かどうか
- 因果関係の直接性:原因行為と損害の間に他の要因が介在するかどうか
- 社会的相当性:社会通念上賠償を認めるべき損害かどうか

実務上の重要性と注意点
実務においては、損害の立証責任は被害者側にあるため、直接損害と間接損害の区別は賠償請求の成否に直結します。
直接損害は比較的立証が容易ですが、間接損害は特別事情の予見可能性を証明する必要があり、より綿密な準備が必要です。

契約書の作成時には、想定される損害の範囲や免責事項を明確に定めることで、後のトラブルを避けることができます。
特に企業間取引では、間接損害に関する責任制限条項を設けることが一般的です。
- 証拠の収集と保全を迅速に実施
- 専門家のアドバイスを早期に取得
- 時間の経過による立証困難化を防止
損害賠償請求を検討する際は、証拠の収集と保全を迅速に行い、専門家のアドバイスを求めることが重要です。
時間の経過とともに立証が困難になる場合があるため、早期の対応が賠償の可否を左右することも少なくありません。
直接損害とは何か?具体的な例でチェックしよう
直接損害とは、債務不履行や不法行為などの原因事実と損害との間に、他の事象や第三者の介在がなく、因果関係が明確に認められる損害のことです。
民法416条では「債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする」と規定されており、この「通常生ずべき損害」が直接損害の概念に対応します。

間接損害との違いを理解するためには、まず直接損害の特徴を正確に把握することが重要です。
直接損害は原因と結果が一直線で結ばれ、予見可能性が高く、社会通念上当然に発生すると考えられる損害です。
一方、間接損害は原因と損害の間に複数の事象が介在し、特別な事情がなければ発生しない損害を指します。
- 直接損害:原因と結果が直接的に結びつく
- 間接損害:原因と結果の間に複数の事象が介在
- 予見可能性:直接損害は高く、間接損害は低い
直接損害の基本的な考え方
直接損害の法的定義は、債務不履行の事実と損害発生の間に中間的な事象や第三者の行為が介在せず、因果関係が明白で直接的な損害を意味します。
この概念は民法416条1項の「通常生ずべき損害」として法律に明記されており、損害賠償の基本原則となっています。

- 原因事実(債務不履行や不法行為)の存在
- 原因事実と損害発生の間の直接的因果関係
- 社会通念上、原因事実から当然に生じると予見できる損害
直接損害の成立要件は以下の通りです。
第一に、原因事実(債務不履行や不法行為)の存在が必要です。
第二に、その原因事実と損害発生の間に直接的な因果関係が認められることが求められます。
第三に、社会通念上、その原因事実から当然に生じると予見できる損害であることが必要です。
判断基準として重要なのは「予見可能性」の概念です。
債務者または加害者が、その行為を行った時点で、当該損害の発生を合理的に予見できたかどうかが重要な判断要素となります。
また、「社会通念上の相当性」も考慮され、一般的な社会常識に照らして妥当と認められる範囲内の損害かどうかが検討されます。

よくある直接損害の具体例
交通事故における車両の修理費用は典型的な直接損害の例です。
追突事故が発生した場合、被害車両の破損部分を元の状態に戻すために必要な修理代金は、事故という原因から直接的に生じる損害として認定されます。
また、事故により負傷した場合の治療費や入院費も、外傷という結果から直接発生する医療費として直接損害に該当します。

売買契約における商品の欠陥に関する事例でも直接損害は頻繁に発生します。
購入した家電製品に初期不良があった場合の修理費用や交換費用は、契約不適合という債務不履行から直接生じる損害です。
また、欠陥商品を使用できない期間中の代替品レンタル費用も、使用できないという直接的な不利益から生じる合理的な費用として直接損害と認定される場合があります。
建設工事の遅延に関するケースでは、工期遅延により発生する追加の現場管理費用や作業員の待機費用が直接損害として扱われます。
これらは工期遅延という債務不履行の事実から、中間的な事象を経ることなく直接的に発生する費用だからです。
賃貸借契約では、賃借人の故意または過失により賃貸物件に損傷を与えた場合の原状回復費用が直接損害となります。
壁紙の張り替えや床の修繕など、損傷箇所を元の状態に戻すために直接必要となる費用は、損傷行為から直接生じる損害として明確に認定されます。
- 交通事故の車両修理費・治療費
- 商品欠陥の修理費・交換費用
- 工事遅延の追加管理費・待機費用
- 賃貸物件の原状回復費用
また、一般的な社会経験に照らして、そのような原因があれば当然にそのような損害が生じると予想される範囲内の損害である点も重要な特徴といえます。

間接損害とは何か?見落としやすいポイント
間接損害と直接損害の違いは、契約違反や不法行為による損害賠償を考える上で非常に重要な概念です。
しかし、この区別は複雑で、見落としやすいポイントが多数存在します。

直接損害とは、債務不履行や不法行為の事実と損害との間に中間的な事象や第三者の介在がなく、因果関係が明白な損害を指します。
一方、間接損害は、債務不履行等の行為と損害の間に何らかの中間的な要因が介在し、より複雑な因果関係を持つ損害のことです。
- 直接損害:債務不履行と損害の間に中間的事象がない
- 間接損害:債務不履行と損害の間に中間的要因が介在
見落としやすい最大のポイントは、損害の発生メカニズムの複雑さです。
例えば、商品の納期遅れという同じ事実でも、商品代金相当額の損害は直接損害として扱われますが、その遅れによって生じた取引先との契約解除による営業損失は間接損害として分類される可能性があります。
なお、損害賠償に関する法的根拠については、民法第415条等に規定されています。
- 間接損害と直接損害の基本的な定義
- 損害発生メカニズムの複雑さ
- 同一事実でも損害分類が異なるケース
間接損害の基本的な考え方
間接損害の法的根拠は、民法第416条の損害賠償の範囲に関する規定にあります。
同条では、債務不履行による損害賠償は「通常生ずべき損害」と「特別の事情によって生じた損害」に分けられており、間接損害は主に後者の特別損害として位置づけられます。
- 通常生ずべき損害:一般的に発生する直接的な損害
- 特別の事情による損害:間接損害として扱われる特別な損害
間接損害が認められるための重要な要件は予見可能性です。
判例では、債務者が契約締結時またはその後に、債務不履行により特別の事情による損害が生じることを予見し得たか否かが判断基準となります。

因果関係の立証も間接損害における重要な要素です。
債務不履行と損害の間に複数の要因が介在する場合、それぞれの要因がどの程度損害に寄与したかを明確にする必要があります。
この点で、間接損害の立証は直接損害よりも困難になる傾向があります。
- 債務不履行と損害の関連性
- 介在要因の影響度
- 損害への寄与度の明確化
損害の算定方法についても、間接損害は特殊な考慮が必要です。
将来の収益機会の喪失など、確定的でない要素を含む場合が多く、合理的な推定や統計的手法を用いた算定が求められることがあります。
よくある間接損害の具体例
営業機会の喪失による損失は、間接損害の典型例です。
例えば、システム障害により顧客データベースにアクセスできなくなった結果、営業活動が停止して契約機会を失った場合の損失がこれに該当します。
この種の損害は、障害と損失の間に営業活動という中間的要因が介在するため間接損害として扱われます。

製造業における生産停止による機会損失も重要な例です。
原材料の納入遅れにより工場の稼働が停止し、その結果として得られるはずだった利益を失った場合、この逸失利益は間接損害として分類されます。
ただし、この場合も予見可能性の有無が損害賠償の可否を左右します。
ITシステムの障害による二次的影響も現代的な間接損害の例です。
ECサイトのシステムダウンにより、直接的な売上機会の喪失に加えて、顧客の信頼失墜による将来的な売上減少が生じる場合があります。
後者は明確に間接損害として位置づけられます。
- 直接的な売上機会の喪失
- 顧客の信頼失墜による将来的な売上減少
- 復旧作業に伴う人件費の増加
- 代替システム導入による追加コスト
契約解除に伴う関連費用の発生も見逃しやすい間接損害です。
主契約の債務不履行により、その契約に関連する別の契約も解除せざるを得なくなった場合の解約金や違約金は、主契約の債務不履行による間接的な損害として考えられます。
この点については、民法第415条の債務不履行による損害賠償の規定が適用されることになります。

信用失墜による損害は、立証が特に困難な間接損害の代表例です。
債務不履行により企業の評判が傷つき、その結果として将来の取引機会が減少する場合の損失は、因果関係の特定が困難であり、予見可能性の判断も複雑になります。
- 因果関係の立証が困難
- 損害額の算定が複雑
- 予見可能性の判断が困難
- 時間の経過とともに影響が拡大する可能性
| 間接損害の種類 | 立証の困難度 | 予見可能性 |
|---|---|---|
| 営業機会の喪失 | 中程度 | 比較的高い |
| 生産停止による機会損失 | 中程度 | 高い |
| ITシステム障害の二次的影響 | 高い | 中程度 |
| 契約解除に伴う関連費用 | 低い | 中程度 |
| 信用失墜による損害 | 非常に高い | 低い |
直接損害と間接損害の見分け方のコツ
直接損害と間接損害の区別は、損害賠償の範囲を決定する上で重要な概念ですが、実際のケースでは判断に迷うことが多くあります。
民法416条では、通常生ずべき損害(直接損害)と特別の事情によって生じた損害(間接損害)を区別しており、それぞれ賠償の要件が異なります。
直接損害は、債務不履行や不法行為から直接的に生じる損害で、一般的に予見可能な範囲内の損害を指します。
一方、間接損害は、債務不履行や不法行為によって間接的に生じる損害で、特別の事情がある場合に限り賠償対象となります。

時間の流れで判断する方法
損害発生のタイミングと時間軸を基準とした判断は、直接損害と間接損害を区別する際の重要な指標となります。
直接損害は通常、原因となる事象の発生と同時期、または短期間のうちに発生する損害です。

- 原因事象と時間的に近接して発生
- 損害の発生が予見しやすい
- 因果関係が明確
例えば、商品の納期遅延により発注者が代替品を緊急調達した場合の追加費用は、納期遅延という事象と時間的に近接して発生するため直接損害となります。
この場合、原因と結果の間に時間的な隔たりがほとんどなく、損害の発生が予見しやすい状況にあります。
一方、間接損害は時間を経て波及的に生じる損害の性格を持ちます。
同じ納期遅延の事例でも、その影響で取引先との信頼関係が悪化し、数か月後に別の契約を失った場合の逸失利益は間接損害に分類されます。
このように、時間の経過とともに複数の要因が介在し、最初の原因から離れていく損害は間接損害と考えられます。
- 原因事象から損害発生までの期間の長さ
- その間に介在する他の要因の有無
- 損害の予見可能性の程度
時間軸での判断では、原因となる事象から損害発生までの期間の長さ、その間に介在する他の要因の有無、損害の予見可能性の程度を総合的に評価することが重要です。
因果関係の強さで判断する方法
原因と結果の関連性の強さを評価する方法は、損害の性質をより詳細に分析できる判断基準です。
直接損害は、原因となる事象と損害の間に強固で直線的な因果関係が存在し、「あれなければこれなし」の関係が明確に認められる損害です。
これらの損害は、原因となる事象がなければ発生しなかったことが明確で、因果関係に疑いの余地がありません。

間接損害は、因果関係が複雑で、複数の要因が連鎖的に作用して生じる損害です。
原因となる事象と損害の間に他の要因が介在し、因果関係の連鎖が長くなるほど間接損害としての性格が強くなります。
例えば、システム障害により業務が停止し、それが原因で顧客満足度が低下し、最終的に売上減少につながった場合の逸失利益などです。
- 介在する要因の数と性質
- 損害発生の必然性
- 当事者の予見可能性
- 社会通念上の相当性
因果関係の強さを判断する際は、介在する要因の数と性質、損害発生の必然性、当事者の予見可能性、社会通念上の相当性を総合的に考慮します。
また、民法第416条では損害賠償の範囲について規定されており、相当因果関係の理論が実務上重要な役割を果たしています。
損害賠償で知っておくべき計算のやり方
損害賠償の実務では、直接損害と間接損害を正確に区別し、それぞれの特性に応じた計算方法を理解することが重要です。
民法416条では、債務不履行による損害を「通常生ずべき損害(通常損害)」と「特別の事情によって生じた損害(特別損害)」に分類しており、これが実務上の損害計算の基礎となっています。
- 通常生ずべき損害(通常損害)
- 特別の事情によって生じた損害(特別損害)
直接損害は主に積極的損害(実際に支出した費用)と消極的損害(得られるはずだった利益の喪失)に分かれ、比較的算定しやすい特徴があります。
一方、間接損害は因果関係の立証が困難で、予見可能性の要件も厳格に判断されるため、計算においても特別な注意が必要です。

直接損害の計算方法
直接損害の計算では、民法に基づき、債務不履行がなければ存在したであろう利益状態と、実際の利益状態との差額を算定します(差額説)。
この計算方法は比較的明確で、以下の要素を考慮して行います。
- 積極的損害:実際に支出した費用
- 消極的損害:得られるはずだった利益
- 因果関係の明確性
- 損害発生時期と範囲の特定
積極的損害については、実際に支出した修理費用、代替品購入費用、医療費などの具体的な金額を基準とします。
例えば、商品の瑕疵により修理が必要となった場合、その修理費用が直接的な積極損害となり、領収書等の証拠書類により金額を確定できます。

消極的損害の場合は、得られるはずだった利益の算定が中心となります。
営業利益の逸失であれば、過去の売上実績や契約条件から合理的に推定できる利益額を計算します。
具体的には、過去3年間の平均利益率や同業他社の利益率を参考に、履行遅滞期間中に得られたはずの利益を算出します。
- 過去の売上実績の分析
- 契約条件の詳細確認
- 同業他社との比較検討
- 合理的な推定根拠の準備
計算の際は、損害の発生時期と範囲を明確に特定し、因果関係が直接的かつ明確な損害のみを対象とします。
また、被害者側の過失や軽減義務違反がある場合は、過失相殺や損益相殺の調整も必要となります。
間接損害の計算方法
間接損害の計算は、予見可能性の要件と因果関係の立証が重要な要素となるため、直接損害よりも複雑な算定プロセスが必要です。
民法416条2項に基づき、特別の事情による損害については、当事者が予見し得た範囲でのみ賠償責任が生じます。

予見可能性の判断では、契約締結時に債務者が認識していた事情や、一般的な取引慣行から合理的に予見できたかどうかを検討します。
例えば、部品供給の遅延により製造ライン全体が停止した場合、供給者が製造業者の生産計画を事前に知っていたかどうかが重要な判断要素となります。
- 契約締結時の債務者の認識事情
- 一般的な取引慣行からの合理的予見
- 事前に共有されていた情報の範囲
間接損害の金額算定では、因果関係の連鎖を詳細に分析し、どの範囲まで損害として認められるかを慎重に検討します。
逸失利益の計算においても、確実性の程度が直接損害よりも厳格に求められ、推定に基づく部分については保守的な算定が行われることが一般的です。
実際の計算では、損害発生の蓋然性、損害額の算定根拠となる基礎資料の信頼性、他の要因による影響の排除などを総合的に評価します。
また、間接損害については契約条項により責任制限が設けられている場合も多く、その有効性の判断も計算に影響を与える重要な要素となります。
- 損害発生の蓋然性
- 算定根拠となる基礎資料の信頼性
- 他の要因による影響の排除
- 契約条項による責任制限の有効性
実際の事例で理解する直接損害と間接損害
直接損害と間接損害の概念は、法的実務において損害賠償の範囲を決定する重要な基準となります。
民法416条では、債務不履行による損害賠償について「通常生ずべき損害」(1項)と「特別の事情によって生じた損害」(2項)として規定されており、これが直接損害と間接損害の法的根拠となっています。

直接損害は債務不履行や不法行為から通常生ずべき損害であり、因果関係が直接的かつ明確な損害を指します。
一方、間接損害は特別の事情により生じた損害で、加害者が予見可能であったかが賠償責任の判断基準となります。
- 直接損害:通常生ずべき損害(民法416条1項)
- 間接損害:特別の事情による損害(民法416条2項)
- 判断基準:予見可能性の有無
実際の法的事件では、この区分が損害賠償の範囲を大きく左右するため、具体的な事例を通じて理解を深めることが重要です。
交通事故の場合
交通事故における損害は、自賠責保険(国土交通省)や任意保険の実務において明確に分類されています。
直接損害としては、治療費、入院費、通院交通費、車両修理費などの実際に支出を伴う損害が該当します。
これらは事故との因果関係が明確で、通常予見可能な範囲の損害とされています。
- 治療費・入院費
- 通院交通費
- 車両修理費
- その他実際の支出を伴う損害
間接損害では、休業損害や逸失利益、精神的慰謝料などが含まれます。
特に逸失利益については、被害者の年齢、職業、収入状況などの特別な事情を考慮して算定されるため、間接損害の典型例となります。
自賠責保険では傷害による慰謝料を1日4,300円として定額化していますが、実際の損害賠償では個別の事情により大きく変動します。

交通事故の判例では、事業用車両の事故で営業停止による収益減少が争点となったケースがあります。
この場合、車両修理費は直接損害として認定されましたが、営業停止による逸失利益については、事故当時の営業状況や代替手段の可能性など特別の事情を詳細に検討して賠償範囲が決定されました。
| 損害の種類 | 具体例 | 算定基準 |
|---|---|---|
| 直接損害 | 治療費・車両修理費 | 実際の支出額 |
| 間接損害 | 休業損害・逸失利益 | 個別事情を考慮 |
| 精神的損害 | 慰謝料 | 自賠責基準または個別算定 |
契約違反の場合
契約違反による損害賠償では、民法416条の適用が中心となります。
直接損害は契約不履行から通常生ずべき損害であり、契約の目的物の価値や代替調達に要する追加費用などが該当します。
例えば、商品納期遅延の場合、代替品調達のための価格差額や追加の運送費などが直接損害として認定されます。

間接損害については、契約違反により生じた営業損失、機会損失、信用失墜による損害などが含まれます。
ただし、民法416条2項により、債務者がその特別の事情を予見し、または予見することができた場合に限り賠償責任が生じます。
予見可能性の判断は、契約締結時の状況、当事者の属性、業界の慣行などを総合的に考慮して決定されます。
- 契約締結時の状況
- 当事者の属性
- 業界の慣行
- 特別事情の明示の有無
建設工事の遅延に関する判例では、工期遅延による建設会社の追加人件費は直接損害として認定されましたが、発注者の営業開始遅延による逸失利益については、契約時に具体的な営業計画が明示されていたかが争点となり、予見可能性の有無により賠償範囲が決定されました。
商品欠陥の場合
製造物責任法(PL法)における商品欠陥による損害では、欠陥商品自体の価値減少や修理費用は直接損害として扱われます。
また、欠陥により生じた人身損害や他の財産への損害についても、通常予見可能な範囲として直接損害に分類されることが多いです。

間接損害としては、商品欠陥による営業停止、ブランドイメージの悪化、リコール対応費用、機会損失などが含まれます。
特に企業間取引では、欠陥商品の使用により生産ラインが停止した場合の逸失利益や、最終消費者への責任を負った場合の二次的損害が問題となります。
- 部品自体の交換費用は直接損害として認定
- リコールによる販売停止の逸失利益は争点
- 製造業者の認識レベルが責任範囲を左右
自動車部品の欠陥に関する判例では、部品自体の交換費用は直接損害として認定されましたが、リコールに伴う販売停止による自動車メーカーの逸失利益については、部品メーカーが自動車の販売計画や収益構造を具体的に認識していたかが争点となりました。
製造業者の責任範囲は、欠陥の予見可能性だけでなく、取引関係の密接度や情報共有の程度によって判断されています。
企業の実務では、製造物責任保険により直接損害をカバーし、間接損害については別途リコール保険や営業損失保険で対応するケースが増えています。
これは、間接損害の予見可能性や因果関係の立証が困難であることを反映した実務上の対応といえます。
直接損害と間接損害で注意すべきポイント
直接損害と間接損害の違いは、損害賠償請求や保険適用において実務上重要な意味を持ちます。
直接損害は事故や不法行為によって即座に発生する具体的な被害を指し、間接損害は事故を原因として二次的に生じる損失を意味します。
民法第416条では、損害賠償の範囲について「通常生ずべき損害」(直接損害)と「特別の事情によって生じた損害」(間接損害)を区別して規定しており、この区別が法的手続きにおいて極めて重要となります。
- 直接損害:事故や不法行為によって即座に発生する具体的な被害
- 間接損害:事故を原因として二次的に生じる損失
- 民法第416条による明確な区別規定
実務では、どちらの損害に該当するかによって、補償の可否、立証の方法、時効の起算点などが大きく異なるため、適切な判断と対応が求められます。

特に交通事故や契約違反による損害賠償請求では、この違いを正確に理解していないと、本来受けられるはずの補償を逃したり、逆に過大な請求をして紛争を長期化させる原因となります。
保険適用の違い
保険契約における直接損害と間接損害の補償範囲には明確な違いがあり、契約内容や約款の記載によって適用が左右されます。
一般的な損害保険では、直接損害は基本的な補償対象として扱われますが、間接損害については特約や特別な条項が必要な場合が多く、標準的な保険契約では除外されることが珍しくありません。
- 直接損害:車両の修理費用、治療費
- 間接損害:営業損失、代車費用の一部
自動車保険を例にとると、事故による車両の修理費用や治療費は直接損害として補償されますが、事故により仕事を休んだことによる営業損失や、代車費用の一部は間接損害とみなされ、特約がなければ補償されない場合があります。
このため、保険契約時には約款をよく確認し、自身のリスクに応じて適切な特約を付帯することが重要です。
保険金請求時においても、直接損害は比較的スムーズに認定されますが、間接損害の場合は因果関係の立証や損害額の算定において追加の書類提出が求められることが多く、支払いまでに時間を要する傾向にあります。
- 直接損害は基本補償対象
- 間接損害は特約が必要な場合が多い
- 約款の確認が契約時に重要
- 間接損害の請求時は追加書類が必要
時効の違い
損害賠償請求における消滅時効は、2020年の民法改正により整理されましたが、直接損害と間接損害では時効の起算点や管理方法に違いが生じる場合があります。
改正民法では、被害者が損害及び加害者を知った時から5年、または不法行為の時から20年で消滅時効が完成するとされています。
- 直接損害:事故発生と同時に損害が明確化
- 間接損害:時間経過後に損害が顕在化
- 起算点:実際の損害発生時点または認識時点
直接損害の場合、事故発生と同時に損害が明確になることが多いため、時効の起算点は比較的判断しやすいといえます。
一方、間接損害については、事故から時間が経過してから損害が顕在化する場合があり、実際に損害が発生した時点や損害を認識した時点が時効の起算点となる可能性があります。

また、複数の間接損害が段階的に発生する場合には、それぞれについて個別に時効管理を行う必要があります。
- 損害状況の定期的な確認と記録保持
- 複数の間接損害の個別時効管理
- 損害発覚時点の正確な把握と記録
立証責任の違い
損害賠償請求における立証責任は、直接損害と間接損害で大きく異なり、必要な証拠の種類や立証の難易度に差が生じます。
直接損害の立証は比較的単純で、事故と損害の因果関係が明確なため、修理見積書や医療費領収書などの具体的な証拠があれば足りることが多いです。

一方、間接損害の立証は相当因果関係の証明が必要となり、事故がなければその損害が発生しなかったであろうことを合理的に説明する必要があります。
営業損失などの間接損害では、過去の売上実績、事故前後の業績比較、市場環境の変化、他の要因の排除など、多角的な証拠収集が求められます。
- 過去の売上実績
- 事故前後の業績比較
- 市場環境の変化
- 他の要因の排除
立証の準備においては、直接損害の場合は事故直後からの証拠保全が重要ですが、間接損害については継続的なデータ収集と分析が必要となります。
特に企業の営業損失については、会計帳簿の整備、第三者による業績評価、専門家の意見書などが有効な証拠となるため、早期からの準備が成功の鍵となります。

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
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