ウィキペディア(wikipedia)の書き込みは削除できる?削除基準や方法について

ウィキペディア(wikipedia)の書き込みは削除できる?削除基準や方法について

削除請求の訴求バナー

ウィキペディアは様々な情報を知ることのできる便利なインターネット百科事典です。しかし、誰でも編集できるため、なかには誤った情報や誹謗中傷が紛れ込むことも。

この記事では、ウィキペディアで悪い記事を書かれたときの削除方法や対処法を解説します。

ウィキペディアとは

Wikipediaは、人物や事象、製品、政治、経済、科学、歴史、思想など、世の中のあらゆる分野について事細かに解説されているインターネット百科事典です。

2001年に設立され、運営はアメリカのフロリダ州に本拠を置くウィキペディア財団により行われています。フリーライセンスのためページの印刷や引用なども自由に行うことができ、調べ物をするときには、非常に便利なので、ネットを利用していれば、ほとんどの人は使ったことがあるのではないでしょうか。

誰でも編集できるウィキペディア

ウィキペディア最大の特徴は誰でも編集できること。記事の編集はページの上にある編集タブをクリックすると簡単に行えます。

ウィキペディアでは、アカウントが作成できますが、登録しなくてもページの編集は可能で、ちょっとした間違いを手直しするくらいならそのまま編集するユーザーもいます。

編集可能な記事はすべてページの履歴を持っていて、過去にどのように編集が行われてきたか参照することができるようになっているため、過去にどのユーザーがどのような変更を行ったのか確認できます。

大勢の人の手により記事が書かれているため、その分野に詳しい様々な人の知見を知ることができるのもウィキペディアの大きなメリットです。
ただ、便利な反面、誰でも編集できるため、記事の中には情報の信頼性が低いものもあり、なかにはネガティブな内容や誹謗中傷や荒らしといえる内容の記事も存在しています。

 気軽に利用できるため、利用者も膨大な数に上り、もし誤情報が掲載されると、それが拡散されて世の中の常識のようになってしまい、収拾がつかなくなることも考えられます。

ウィキペディアへの書き込みによる影響

誰でも編集できるのが利便性を高めているウィキペディアですが、過去には誤情報や誹謗中傷の書き込みにより、トラブルや関係者に悪影響が起きた事例も存在します。実際にあったケースのうち、いくつかを紹介していきます。

女優・岡江久美子さんの名前に対するイタズラ

2020年4月、新型コロナウイルス感染により女優・岡江久美子さんが亡くなった際、ウィキペディアの岡江さんのページには、4月23日(63歳没)と記載されました。

しかし、それだけでなく、岡江さんの名前のフリガナが「おかえころな」に編集されるというイタズラが発生しました。

現在は修正されており、大きな被害はなかったものの、関係者が見れば不快な思いをすることは間違いありませんし、亡くなった方に対する心無いイタズラといえます。

ウィキペディアへの犯行予告の記載

ウィキペディアに犯行予告が書き込まれる例もあります。

2008年には「北京オリンピック」の項目に聖火リレー実施予定だった長野駅を手榴弾で破壊し、利用客を皆殺しにすると書き込みがあり、警察が捜査を実施しました。同年12月には、「天皇誕生日」の記事に皇居での爆破予告が書き込まれています。

他にも、2008年11月に胎内市で女子小学生を殺すという書き込みがあったため、市内の小学校で集団登校が行われるなど、社会的に影響が出た事例もあります。

また、2009年6月には、「ライフルや手榴弾で皆殺しにする」など犯行予告を書き込んだ高校3年生の少年が威力業務妨害の容疑で逮捕され、ウィキペディアの書き込みによる初めての逮捕者になりました。

池袋自動車暴走事故での編集合戦

2019年4月に発生した東池袋で暴走した自動車が歩行者や自転車を死傷させた交通事故では、ウィキペディアでは池袋暴走事故と加害者の記事に関する編集が禁止される事態になりました。この事件では、89歳の男性が逮捕されなかったことや無罪を主張したことで大きな話題となり、ネットでは炎上が起きました。

ウィキペディアでは、こうした事件が起きたとき、書き込みと削除が繰り返されるケースがあり、荒らしを防ぐために記事が編集不能になる場合があります。

実際、この件でも、事件や加害者の記事に対して何度も加筆・修正が行われたようです。編集が止められた加害者の記事では、池袋暴走事件に関する記述がなかったため、一部では加害者に対する特別扱いではないかと批判が起こりました。

POINT
しかし、編集が禁止されていなければ、さらに問題となる誹謗中傷の書き込みなどが行われた可能性があり、社会的に話題となっている事件では、犯罪行為を未然に防ぐためこうした措置も必要になるでしょう。

ウィキペディアで削除対象となる書き込み

ウィキペディアは編集自由度の高さを特徴とするサイトのため、他のサイトと比べると記事を削除する難易度は高くなっています。

基本的には誤った情報が書き込まれても自分で編集すれば修正できるため、運営に記事を削除してもらうためにはさまざまな条件を見たす必要があります。

記事削除の方針

ウィキペディアにおける記事削除の条件は、「Wikipedia:削除の方針」のページに掲載されています。

このなかで、削除依頼や投票を行えるユーザーの資格や削除対象になるページ、ならないページについて規定されています。ウィキペディアで削除対象とされる記事には主に以下のものがあります。

法的に問題があるもの

ウィキペディアによると、日本語版Wikipediaは、日本国内法・アメリカ合衆国法・GFDLとクリエイティブ・コモンズCC-BY-SA3.0のデュアルライセンスの3つを満たす必要があり、これらに反する記事は削除対象になります。

  • 著作権侵害
  • プライバシー侵害
  • 商標権を侵害するもの
  • 名誉毀損罪、侮辱罪、信用毀損罪
  • 肖像権侵害
  • わいせつ物など法律に抵触する可能性があるもの

などに該当する記事が対象です。

プライバシー侵害について、ウィキペディアは法令と関係なく個人の名誉やプライバシーを尊重する姿勢をとっています。

POINT
著名人の実名や政治家の逮捕歴などは削除対象になりませんが、著名人の家族の実名や本人が公開していない学歴などの情報、事件・事故の被害者、犯罪の被疑者名などは過去にも削除対象とされています。

百科事典的でない記事

法律違反でなくても、内容が百科事典にふさわしくない記事は削除対象になります。

  • 個人的なページ(個人の日記やプロフィールなど)
  • 独自研究の発表
  • 百科事典の記事として成長する見込みのないもの
  • 百科事典の記事にするほど著名性、特筆性がないもの
  • 広告、スパム

などに該当する記事が対象です。

削除対象にならない記事

逆に削除対象にならない記事には、
・記事に間違いがある
・主題、論調に問題がある

が上げられています。

ウィキペディアは他のユーザーが書き込んだ間違いを編集でなおせるシステムになっているので、内容や主張が誤っているだけで削除対象にはなりません。削除方針にも、権利侵害に当てはまらない悪戯などは編集で対処するよう書かれています。

ウィキペディアの書き込みの削除方法

次に、上記の条件に該当する記事に関して、ウィキペディアに削除依頼を出す方法を解説します。

ウィキペディアでの削除依頼の方法と手順

ウィキペディア運営に対する削除依頼は「Wikipedia:削除依頼」のページに書かれた方法に則って行います。

削除依頼の手順は以下のようになります。

  1. 権利侵害部分の削除……権利侵害を理由とした依頼の場合は、最初に該当部分を編集で削除します。
  2. 対象のページに「削除依頼テンプレート」を貼り付け
  3. ユーザーによる審議と投票……審議期間中、一般のユーザーは記事の問題の箇所にたどり着けないよう措置がとられ、ページには「削除依頼中」の表示がつきます。
  4. 審議結果に基づき、削除などの対処を実施
  5. 管理者・削除者による依頼の終了判定……依頼から終了までには最低1週間をかけるのが原則です。

ウィキペディアでの削除依頼の特徴

ウィキペディアのページ削除は、ユーザーによる審議が行われ、合意を得る必要があるのが特徴です。また、依頼自体も、運営にフォームで連絡する方法ではなく、記事ページにテンプレートを貼り付けるなど編集作業を実施する必要がある点など、他のサイトと異なっているため注意が必要です。

削除依頼は編集を行ったことのあるユーザーであれば可能ですが、投票に関しては編集回数50回以上の登録利用者に限られます。

実際の削除作業は管理者・削除者によって行われますが、彼らが特別な決定権をもっているわけではなく、削除するかどうかはあくまでも審議によって決まります。

即時削除・緊急削除

削除の例外として、審議や投票を省略して削除を行う「即時削除」「緊急削除」の制度があります。
即時削除は、

  • 内容が全く意味をもたない記事
  • 投稿テスト
  • 荒らしと思われるもの
  • 宣伝、広告目的
  • 過去に削除された記事を問題点が解決されないまま再投稿
  • 明白な著作権侵害

などの記事について、管理者・削除者が見たその場で削除できる仕組みです。

ユーザーが依頼を出すのではなく、運営側の自己判断で実施されます。緊急削除は、プライバシー侵害が起きており、審議を経ずにすぐに削除すべきと判断される記事が対象です。

POINT
依頼方法は通常の削除依頼と同じですが、審議ページが緊急案件にカテゴライズされて優先的に議論が進められ、十分な賛成が得られれば1週間を待たずに記事が削除されます。

投稿やコメントが削除されない場合の対処法

もしウィキペディアで削除したい記事が上記の削除対象にならない場合には、どのような対応をとればいいのかを説明します。

編集による修正

まず考えられる方法として、ウィキペディアは誰でも記事の編集ができるため、誤った情報が書かれている場合は自分で修正するというものがあります。

ウィキペディアで削除が認められるのは、明らかな法律違反や権利侵害がある場合だけであるため、依頼をしても削除のハードルはかなり高いとみられます。反面、編集は簡単にできるため、問題がある記述への対策は他のサイトやSNSと比べれば容易といえます。

ウィキペディアでは基本的に、誤った情報は自分で編集して修正すればいいので、他のサイトのように記事そのものを削除しなければならないということはありません。

過去の誹謗中傷事例でもユーザーによる編集で修正されており、記事そのものを削除しなくても解決しています。

ただ、誰でも編集できるというサイトの性格上、あなたが直しても、他のユーザーがまた誤った内容を投稿して編集合戦になってしまうことも考えられます。

編集による修正だけでは根本的な解決につながらない可能性があり、その場合には、法的手続きを利用した記事削除の検討も必要です。

弁護士に依頼して削除仮処分を行う

運営に削除申請が認められず、なおかつ編集による修正でも対応できない場合にとれる手段として、裁判所に削除仮処分の申立を行うことで記事を削除する方法があります。

仮処分とは民事保全法に基づき、緊急を要する場合に裁判所が決定する暫定的な措置です。正式な判決と同様の効果を持ちますが、裁判よりも早く結果が出るのが特徴です。通常の裁判には1年ほどかかるのに対して、仮処分の場合は1〜2か月で結果が分かります。

削除仮処分が認められれば、ウィキペディア運営も裁判所の決定には従うと考えられるため、該当記事の削除を実施してもらえるでしょう。

POINT
仮処分の申請には、複雑な手続きや法律知識が必要になるため、弁護士など法律の専門家に相談するのが一般的です。削除仮処分を検討する場合は、一度、弁護士に相談してみてください。

誹謗中傷の犯人を特定する

ウィキペディアに書かれた内容が誹謗中傷で、法律上、名誉毀損などに該当すると考えられる場合や編集で記事を修正しても、また誤った情報が投稿される悪質なケースなどでは、投稿の犯人を特定することで、刑事告訴や民事での慰謝料請求など法的措置がとれるようになります。

悪意ある投稿で誤った情報が拡散し、名誉毀損やプライバシー侵害など著しい被害を受けてしまった場合には、犯人への法的責任追及も検討する必要もあるでしょう。

通常、投稿者の特定には、サイト運営者に発信者情報開示請求を行い、IPアドレスとタイムスタンプの開示を求める必要があります。

ウィキペディアでは、ユーザー登録をしていない者が編集を行うと、投稿日時およびIPアドレスが書く記事の「履歴表示」内に表示されるようになっており、他のサイトよりも投稿者の特定がスムーズに進む場合もあります。

ただ、相手が登録しているユーザーのケースもあるため、ここでは一連の開示請求の方法を説明します。

発信者情報開示請求はプロバイダ責任制限法第4条に基づいた制度で、書き込みを行った投稿者の氏名や住所といった個人情報を開示することができます。犯人を特定する場合、開示請求は書き込みがあったサイトの運営と投稿者の利用しているプロバイダを相手に2回行う必要があります。

ウィキペディアへの開示請求

最初はウィキペディア運営に対する開示請求です。運営に任意で開示してもらえない場合には、ここでも裁判所へ仮処分の申立を行います。開示仮処分が1か月ほどで認められると、相手のIPアドレスとタイムスタンプ開示を受けられます。

これをもとに投稿者の利用しているプロバイダを特定し、今度はプロバイダ(経由プロバイダ)への開示請求を行います。

プロバイダへの開示請求

2回目はプロバイダに対して、発信者の氏名や住所と、電話番号など個人情報の開示を求めます。

請求があると、プロバイダは投稿者に情報を開示しても良いかどうかを尋ねる通知を行います。ここで相手が開示を承諾すれば、任意での開示が行われますが、自分から個人情報開示を認める可能性は限りなく低いため、ここでも任意開示は難しいといえるでしょう。

プロバイダに法的手続きによる開示を求める場合には、仮処分ではなく通常の裁判になります。開示請求訴訟にかかる期間は通常、8か月から1年ほどです。

あなたの主張が認められ、裁判に勝てば、相手の個人情報開示を受けることができ、刑事告訴や民事訴訟が可能になります。

刑事・民事での責任追及

犯人を特定すると、相手に対する法的な責任追及が可能になります。法的責任には民事責任刑事責任の2種類があります。

それぞれ別個の責任となっており、両方の責任追及を同時に行うことも可能です。

民事責任

民事では、名誉毀損などの不法行為に対して損害賠償・慰謝料の請求ができます。それぞれの行為に対する一般的な慰謝料の相場は以下の通りです。

慰謝料の相場
名誉毀損……50万~100万(被害者が個人なら10万~50万円が相場。個人事業主や企業の場合は金額が高くなる傾向にある)
侮辱罪……1~10万円
信用毀損罪、業務妨害罪……1~50万円

上記はあくまでも相場のため、事例ごとの細かな金額は弁護士にご相談ください。

刑事責任

相手の行為が刑法上の罪にあたる場合は、警察に被害届や告訴状を提出することで捜査がはじまり、加害者が逮捕・起訴されることになります。刑事裁判で有罪になれば、懲役や罰金などの刑罰に処せられます。

ウィキペディアへの投稿で該当すると考えられる犯罪には以下のものがあります。

名誉毀損罪……何らかの事実をもとに、他者の名誉を侵害した場合に適用されます。
罰則:3年以下の懲役または禁錮(刑務所等に収監されるが労働義務がない刑罰)もしくは50万円以下の罰金。

侮辱罪……「バカ」「死ね」など事実に基づかない単なる悪口に適用されます。
罰則:拘留(30日未満の収監)または科料(1万円未満の罰金刑)。

信用毀損罪……嘘の情報により他者の信用を毀損した場合に適用され、業務に支障を来たした場合には業務妨害罪になります。
罰則:3年以下の懲役または50万円以下の罰金。

まとめ

ウィキペディアは誰でも編集でき、さまざまな情報や知識を得られる便利なインターネット百科事典ですが、なかには誤った情報や誹謗中傷にあたる書き込みもみられます。こうした投稿を放置すると、半永久的に悪い書き込みが残ることになります。

それを見たユーザーからウィキペディア以外にも拡散し、間違った情報が常識として形成されていく恐れがあり、誤情報や誹謗中傷には早急な対策が必要です。

編集や運営への削除依頼を行うのはもちろんですが、それでも書き込みが残ってしまうときには、弁護士など法律の専門家に相談して、法律による削除などの措置を検討するようにしてください。

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