債務整理するとブラックリスト期間はいつまで続くのか?

債務整理するとブラックリスト期間はいつまで続くのか?

債務整理をすることで登録されると言われているブラックリストですが、登録されている間は、クレジットカード等を作ることが難しくなります。

ですが、ブラックリストの掲載は期限があります。

債務整理を諦める前に、まずはブラックリストについて知り、債務整理を検討しましょう。

この記事では、ブラックリストの登録期間を中心に解説します。

債務整理をすると載るブラックリストとは

債務整理をすると、手続きの種類を問わず、ブラックリストに登録されることになります。

ブラックリストに登録されるということは信用情報機関に事故情報が記録されている状態を指します。

このブラックリスト状態だとクレジットカードやキャッシング、住宅ローンのなどが利用できなくなります。

信用情報機関は日本信用情報機構(JICC)、シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3つがあります。これら3つの信用情報機関は情報の保有期間を決めているので、一定期間を過ぎるとブラックリストの登録は解除されます。

1 債務整理のブラックリスト期間

いったんブラックリストに登録されると、その状態はどの程度続くことになるのでしょうか。

これは債務整理の手続きと信用情報機関によって異なります。

(1)ブラックリストに登録される期間

1任意整理の場合
  • 任意整理をした場合、ブラックリストに登録される期間は、和解内容に従った返済が完済してからおよそ5年間とされています。
  • 任意整理では、4~5年という長期の分割払いになることが多いといえます。

任意整理」とは、支払条件等について、債権者と任意で交渉する手続きのことをいいます。交渉がまとまると、双方の間で和解書を交わし、債務者は和解内容に従って、返済を開始します。

2個人再生の場合
  • 個人再生をした場合、ブラックリストに登録される期間は、再生計画に従った返済が完済してからおよそ5年間とされています。
  • 個人再生では、3~5年(原則3年)の分割払いになることが一般的です。

個人再生」とは、裁判所を通して、借金額を大幅に減額してもらうための手続きのことをいいます。減額された借金をどのようにして返済していくかを定めた再生計画案について、裁判所から認可が下りると、債務者は、再生計画に従って、返済を開始します。

3自己破産の場合
  • 自己破産をした場合、ブラックリストに登録される期間は、免責許可が確定してからおよそ5年間とされています。
    もっとも、KSCでは、免責許可が確定してからおよそ10年間とされているため、注意が必要です。

自己破産」とは、裁判所を通して、一部例外を除く借金の支払いを免除してもらうための手続きのことをいいます。最終的に、裁判所から免責許可が出ると、債務者は、大半の借金について支払義務を免除されることになります。

(2)ブラックリストはいつ登録される?

ブラックリストに登録されるタイミングについても、債務整理の手続きによって違いがあります。

1任意整理の場合

任意整理をはじめ、債務整理全般は、弁護士に依頼して手続きを行うことが一般的になっています。任意整理をする場合、弁護士は債権者に受任通知を送付して、交渉を開始することになります。

ブラックリストとの関係では、弁護士が債権者に受任通知を送付したタイミングで債権者側の業者がその旨の情報を信用情報機関に伝えることで登録されます。

2個人再生の場合

個人再生は、裁判所を通す手続きであるため、個人再生の申立てを受理した裁判所によって、手続き開始決定がなされることにより、手続きが開始します。

ブラックリストとの関係では、裁判所に個人再生の申立てがあったタイミングでその旨の情報が登録されます。

3自己破産の場合

自己破産についても、個人再生と同様、裁判所を通す手続きであるため、自己破産の申立てを受理した裁判所によって、手続き開始決定がなされることにより、手続きが開始します。

ブラックリストとの関係では、裁判所に自己破産の申立てがあったタイミングでその旨の情報が登録されます。

【POINT】
ブラックリストに登録されるタイミング
■任意整理:弁護士が債権者に受任通知を送付した時
■個人再生:裁判所に個人再生の申立てがあった時
■自己破産:裁判所に自己破産の申立てがあった時

ただ、信用情報機関に事故情報の登録を依頼するのは債権者側の業者なので、必ずしもこの時に登録される、という訳ではありません。自分が考えていたブラックリスト期間を過ぎてもクレジットカードが利用できないということもあり得ます。

そこで、自分の信用情報の確認ができますので、活用してみてください。

(3)自分の信用情報を確認するには?

ブラックリストに登録されてしまっても、そのことが本人に通知されるわけではありません。
自分の信用情報を確認するために、自分で情報の開示を請求することができます。

具体的には、各信用情報機関において、信用情報の開示制度が設けられています。一定の手数料を負担することにより、自分の信用情報を確認することができます。

開示請求の方法はインターネットや窓口、郵送などに対応しており、費用は500~1000円程度になります。詳細は各信用情報機関のHPに掲載されています。

2 ブラックリストの期間が生活に与える影響

ブラックリストに載ってしまうと、経済的な信用を失った状態になるため、そのことが生活にも影響を及ぼします。

たとえば、ブラックリストに載っている間は、以下のようなことができなくなります。

(1)クレジットカードの利用や新たな借入ができなくなる

クレジットカード会社や銀行、貸金業者などは、新たにクレジットカードの発行や借入れの申込みを受けると、本人に支払能力があるかどうかを審査します。

その際には、本人の信用情報を確認しますので、その時に、本人の情報がブラックリストに載っていると、支払能力がないと判断されて、審査に通らない可能性が高いです。

また、債務整理の対象にクレジットカード会社が含まれている場合は、基本的にクレジットカードが使えなくなります。

たとえ、債務整理の対象に入れていないクレジットカード会社であっても、カードの更新時などには再度本人の与信審査を行いますので、その際に、信用情報を確認され、ブラックリストに載っていることがバレてしまいます。

その結果、クレジットカードが使えなくなる可能性が高いといえます。

いつ確認するかはクレジットカード会社の裁量になりますので、有効期限までは使える、ではなく、任意整理後は基本的にクレジットカードが使えなくなると考えておきましょう。

対応としてデビットカードや家族カードの利用が挙げられます。クレジットカードと同じように使用できますので、決済手段としては十分です。

(2)携帯電話の分割支払いができない

携帯電話を購入する場合に、本体を分割払いにする方も多いと思いますが、ブラックリストに載ると、携帯電話を分割払いで購入することができなくなります

携帯電話の分割払いは、住宅ローンや自動車ローンのように、ローンを組んでいることと同じです。そのため、住宅ローン等を組む際に与信審査されるのと同様に、携帯電話を分割払いで購入する際にも与信審査が行われます。

この場合も、本人の信用情報を確認されますので、本人の情報がブラックリストに載っていると、審査に通らない可能性が高いです。

携帯電話を買う時は一括で買うようにすれば、問題ありませんので、中古品や1世代前のものなどから現金で買えるものを選びましょう。

(3)保証人になれない

保証人になる際には、支払能力があるかどうかが審査されます。

保証人に係る情報がブラックリストに載っていれば、支払能力がないと判断されて、保証人となることを拒否される可能性が高いです。

3 ブラックリスト期間が終わったらすぐクレジットカードは作れる?

ブラックリストから登録が抹消されると、これらのデメリットはすぐに解消されるのでしょうか。これは一概に作れるとは言えません。

(1)債務整理の対象の企業は社内ブラックとなっているかも

債務整理において、整理の対象となった債権者が、ブラックリストとは別に、社内で独自に情報を持ち続けることがあります。これをいわゆる「社内ブラック」といいます。つまり、債務整理を行った人の情報を社内で持ち続けるということです。

社内ブラックとなっている場合、たとえ、ブラックリストから登録が消えたとしても、新たな借入れやクレジットカード発行の審査に通らない可能性があります。

そのため、ブラックリストから登録が消え、新たに借入れをしたりクレジットカードを作ったりしたい場合は、債務整理の対象となっていない貸金業者等を選ぶことをお勧めします。

(2)信用情報以外の要素も大切

新たな借入れやクレジットカード発行の審査では、主に、本人の収入と支払能力、そして、現在の住まいなどが審査の対象とされます。

たとえば、本人が大企業に勤務しており、一定期間勤続している場合、審査にはプラスに働く要素であるといえます。また、住まいを転々としているより、長年にわたり同じ住まいであることも審査にはプラスに働く要素といえるでしょう。

このように、貸金業者等が、「この人であればお金を貸してもきちんと返済してくれる」と思えるだけの要素を備えていることも大切なことです。

(3)金融機関によって審査基準は変わる

貸付けをするかどうか、クレジットカードを発行するかどうか、を審査するための基準は、金融機関によって異なります。そのため、借入れを申し込んだ一社において、審査に落ちたからといって、すべてにおいて審査に通らないというわけではありません。

とはいえ、本人の収入や支払能力のように、どの金融機関によっても共通するであろう審査事項もあるため、金融機関に借入れを申込む場合には、想定される審査事項と自分の現状を照らし合わせて確認しておくことも大切です。

(4)短期間での複数業者へのカード申込みは注意

新たに借入れやクレジットカード発行の申込みをすると、貸金業者やクレジットカード会社等は本人の信用情報を確認して、支払能力の有無を判断します。

ここで注意しなければならないことが、クレジットカード会社等が信用情報機関に照会をかけたことが、その後6ヶ月間記録として残るということです。

短期間で複数の貸金業者等にクレジットカード発行や借入れの申込みをしてしまうと、そのことが信用情報機関に記録されることになります。そうすると、複数の貸金業者等に融資を断られているなどと判断され、審査にマイナスに働く可能性があります。

4 ブラックリスト入りしても債務整理はしたほうがいい?

借金を返せる算段がついていない場合は、ブラックリストを怖がるよりも債務整理を検討した方が良いと考えられます。

債務整理をすると、そのことがブラックリストに載り、生活にも一定の影響を及ぼすことになることは、先に見たとおりです。

もっとも、ブラックリストに載るのは、債務整理をした時だけではありません。借金の返済を一定期間滞納した場合にも、ブラックリストに載ることになります。

また、借金を返済せずに放置し続けると、状況は悪化する一方です。債権者は、任意で借金を返済してもらうことが困難であると判断した場合には、裁判を起こしてきます。

裁判により判決をとられてしまうと、債権者は、強制執行をするための準備に入ります。

ここでいう「強制執行」とは、債権の回収を強制的に実現するための手続きであって、たとえば、給料や預貯金、不動産の差押えなどが強制執行にあたります。この段階にまでくると、債務者として採れる対応策は、非常に限られてきます。

このような事態を避けるためには、ブラックリストに載っても、債務整理により借金の問題をきちんと解決することが必要です。

借金に関する問題は、自力で解決することが難しい問題の一つとされています。借金の返済に見通しが立てられなくなったような場合には、できるだけ早期に弁護士などに相談することをお勧めします。

5 まとめ

ブラックリストの機関は5~10年ほどになります。この間はクレジットカードやローンを組むことが難しくなります。
ただ、ブラックリストへの恐れから債務整理を避けてしまうと差し押さえなど状況が悪化する可能性もあります。まずは目の前の借金問題をどう解決するかに重点を置き、客観的なアドバイスをもらうことも大切です。

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