
2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
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匿名でも誰が投稿したのか特定する方法はあり、誹謗中傷の加害者が起訴され処罰されたケースは少なくありません。

この記事の目次
罰金とほかの金銭が徴収される制度との違い
誹謗中傷により罰金刑が科される可能性がありますが、罰金のほかにも、科料、過料、反則金、慰謝料といった金銭が徴収される制度があります。それぞれ違いがあり混同しないよう注意する必要があります。
罰金
罰金は刑法に規定されている刑事罰の一種で、行為者から強制的に金銭を徴収する財産刑です。個人だけでなく法人にも科され、徴収される金銭額の範囲が1万円以上の場合の金銭を指します。
誹謗中傷で罰金刑を科されると検察庁保管の前科調書に記載され、前科がつきます。
科料
科料は罰金と同じく刑事罰の一種で、行為者から金銭を徴収する財産刑です。日本の現行刑法における刑罰の中では軽い部類であり、軽微な犯罪に対して科されます。
金銭を支払う点では罰金と似ていますが、大きな違いは罰金は1万円以上であるのに対して科料は1,000円以上1万円未満の徴収額である点です。
過料
過料は国または公共団体が行政上の義務違反をした国民に課する金銭罰です。身近な例としては、路上喫煙禁止区域での歩きたばこ等があります。
過料は行政処分の一種で刑事罰ではないという理由から前科がつくことはありません。
科料と読み方が同じため分類を明確にするのに、過料を「あやまちりょう」、科料を「とがりょう」と読むこともあります。

反則金
反則金は道路交通法違反をしたときに、行政上の交通反則通告制度に基づいて課される制裁金のことです。
軽微な交通違反は反則行為に該当し反則金の対象になります。例えば、駐停車違反、信号無視、一時停止違反、速度超過(30km/h未満)、整備不良などが該当します。
行政処分の一種であり前科はつきません。
慰謝料
慰謝料は被害者が受けた精神的苦痛に対する賠償金を指します。誹謗中傷を受けた被害者に、加害者が慰謝料を含む損害賠償金を請求されるケースは増えています。
民法710条には「財産以外の損害」における損害賠償を定めています。被害者が受けた精神的苦痛は「財産以外の損害」にあたり、慰謝料は被害者が受けた恐怖心や屈辱心に対して賠償金を支払うものです。
慰謝料は民事上で請求します。罰金の支払い先は国ですが、慰謝料は被害者に対して支払います。また、罰金の額は裁判で確定するのに対して、慰謝料の支払い額は当事者同士の話し合い(示談)でも決めることができます。
誹謗中傷で罰金が処される罪名
インターネットの誹謗中傷で成立する犯罪には、罰金刑が規定されているものが多いです。相場はだいたい50万円以下になっています。
名誉毀損罪
名誉毀損罪は名誉毀損罪が成立する要件として、「公然」と「事実を摘示」して「人の名誉を毀損」する必要があります。つまり、公然と事実を摘示し人の名誉を毀損した際、その事実の有無にかかわらず成立することになります。
「公然」とは不特定多数の人が容易に視認できる環境を意味します。インターネット上の投稿は一般の人が誰でも簡単に見ることができるので、「公然」と情報を発信していると見なされます。
「事実を摘示」とは、何かしらの具体的な内容を事実として発信することを指します。例えば、「上司の◯◯さんは不倫をしている」といった情報を拡散すると、「事実を摘示」に当たります。
「人の名誉を毀損」とは、個人だけでなく法人の名誉を毀損した場合も成立します。「名誉」は世間からの信用や評判などの客観的評価を指します。相手の社会的評価を下げるような内容の誹謗中傷は、名誉を毀損したと判断できます。ただ、プライドなどの主観的評価は、名誉毀損における「名誉」には適用されません。
侮辱罪
侮辱罪は事実を摘示していなくても、公然と侮辱する行為をした場合に適用され、「バカ」「間抜け」「ブス」といった抽象的な悪口は具体的な事実を述べていない表現と判断されれば侮辱罪になります。
参考:法務省
脅迫罪
脅迫罪は生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知し人を脅迫した場合に成立します。例えば、「刃物で刺して殺す」「家に火をつける」といった発言は脅迫になり得ます。
脅迫罪は相手に向けた脅迫だけなく、相手の家族や親族を対象になります。相手を畏怖させるのに十分な状況と認められれば、実際に恐怖を感じたかどうかに関係なく罪に問うことができます。

脅迫罪は未遂処罰規定がなく、被害者が実際に対象の書き込みを認識した時点で犯罪が成立します。
信用毀損罪
信用毀損罪はデマ情報を拡散し人の信用を毀損すると成立します。信用毀損罪の保護法益は人の経済的な評価とされており、「信用」は個人の支払い能力や会社の資産など経済的なものを意味します。
例えば、「あの会社は多額の未払い金があり信用できない」というような虚偽の情報で信用を著しく低下させたなら、信用毀損罪にあたる可能性があります。
誹謗中傷で罰金に処されたケース
実際に誹謗中傷で罰金に処され、支払われた金額を紹介します。
東名あおり運転に関するデマ投稿をした事例
2020年12月10日東名高速道路で発生したあおり運転事件に関して、関係のない会社の情報が掲示板に投稿され、名誉毀損罪の成否が問われた事例です。
あおり運転をした加害者が逮捕された後、インターネット掲示板では「(加害者の)親って八幡西区で建設会社社長してるってマジ?」との書き込みがありました。さらに、「これ?違うかな」と事件とは無関係な会社の住所、電話番号が掲載されたWebページのURLが投稿されました。
あたかも犯人の父親が勤務している会社であると書き込みした行為は名誉毀損とみなされ、投稿者に対して有罪判決(罰金30万円)が言い渡されました。
ラーメン店のフランチャイズに誹謗中傷した事例
ラーメン店を経営するフランチャイズに対し「飲食代の4~5%がカルト集団の収入になります。」といった虚偽の内容を自身が開設したホームページに投稿した行為について、名誉棄損罪の成否が問われた事例です。
投稿者はフランチャイズシステムについては十分な知識や理解がなく、関係者に事実関係を確認することも一切ありませんでした。結果、名誉を毀損する虚偽の内容を投稿したとして、投稿者に対して有罪判決(罰金30万円)が言い渡されました。
市議会議員がネット上で飲食店を誹謗中傷した事例
石川県加賀市の市議会議員が市内の飲食店に対しネット上で中傷する内容の書き込みをして、名誉毀損罪に問われた事例です。
市議会議員は知人の飲食店が「消費期限切れを提供」「ゴキブリ入りの料理」であるといった内容を投稿サイトに匿名で10回ほど書き込みをしましたが、これらの行為は名誉毀損に当たるとして略式起訴されました。その後、小松簡易裁判所から罰金30万円の略式命令が出ています。
誹謗中傷で訴えられたときの最善策
誹謗中傷で被害者に刑事告訴されると罰金のほか、警察に拘留、逮捕されるといった刑事罰を受けるリスクがあり、民事上で慰謝料請求される可能性もあります。
もし、刑事裁判で有罪が確定してしまうと、刑事罰を受けるだけではなく前科がついてしまいます。前科は一度ついてしまうと今後の人生に大きく影響を及ぼす可能性があり、刑事訴訟に発展させないよう迅速に対処することが大切です。

該当の書き込みを削除する
誹謗中傷の書き込みを削除しましょう。投稿が残り続けている限り、相手は被害を受け続けるといえます。
SNSにはX(旧Twitter)のリツイート機能のように、簡単に投稿を拡散できる機能が備わっています。時間が経過するほど多くの人の目に触れる可能性が高くなり、相手に与える損害が拡大し罪が重くなってしまうおそれがあります。
削除を行ったから被害者に訴えられる可能性がゼロになるわけではありませんが、事態が深刻化する前に投稿を削除してください。
ただし、掲示板サイトによっては自分では削除できない場合があります。掲示板サイトに投稿の削除依頼する必要があるため、問い合わせフォームやメールなどで管理者や運営会社に連絡してください。サイト側が対処してくれないときは、ネットトラブルの法律に詳しい弁護士に相談し、サイトに働きかけてもらうのが有効です。
示談交渉する
該当する書き込みを削除しても、被害者が許してくれるとは限りません。損害賠償請求や刑事告訴など法的措置を取られるおそれがあるときは、相手との「示談交渉」で少しでも穏便な解決を目指すのが良いでしょう。
示談交渉は当事者同士で話し合い折り合いを付けることです。示談が成立すると裁判には発展せず、刑事事件化を回避できます。そのため、罰金などの刑事罰を受けることはなく、前科はつかなくなります。
また、示談により慰謝料の額を、裁判の相場より低くできる可能性があります。
ただし、示談交渉を進めるには一定の法律知識が必要になります。自身だけで交渉を進めるのは難しいのが現状ですので、困った時は弁護士への相談を検討してください。

まとめ
インターネットで他人を誹謗中傷すると、名誉毀損罪や脅迫罪、信用毀損罪といった刑事罰が科され罰金の支払いが発生する可能性があります。実際に罰金が処されたケースはあり、安易に他人を中傷する発言は控えるべきでしょう。
もし、自分が誹謗中傷した心当たりがあるなら、投稿の削除などできる範囲での対応を行うのがよいでしょう。被害者に訴えられないか、罰金を支払うことになるのではないかといった不安や悩みがあれば、弁護士に相談しアドバイスを受けてください。無料相談サービスを実施している弁護士事務所なら、費用が気になる方でも利用しやすいでしょう。大事にしないためには、早めに対処することが大切です。

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
▶︎柔軟な料金設定
・初回相談【無料】
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