誹謗中傷は精神疾患の原因になる?メンタルの病気との関連性とは

誹謗中傷は精神疾患の原因になる?メンタルの病気との関連性とは

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近年、スマホ等の普及により、ネットやSNS上での誹謗中傷の被害が増加し、社会的な注目が集まっています。

誹謗中傷は犯罪の可能性があるだけでなく、被害者をうつ病など精神疾患にしてしまうことがあります。

この記事では特に誹謗中傷と精神疾患の関係を解説していきます。

誹謗中傷が人に及ぼす影響

スマホやパソコンの普及により、誰でも気軽にネットにアクセスできるようになった現代では、私たちの誰もが誹謗中傷の被害に遭う可能性があります。

では、誹謗中傷がどうして問題とされるのか、被害者に及ぼす影響を中心に説明していきます。

1、スマホが身近になったためストレスになりやすい

現在は、スマホやパソコンといったネットに接続できる機器がとても身近な存在になったことで、以前よりネット上の誹謗中傷が与える影響が大きくなったといえます。

多くの人にとって、スマホでメッセージを確認したり、SNSをチェックするのは、今では日常の一部といってもいいのではないでしょうか。

いつでも手元にスマホがあり、いつでもネットを見られる状態にあるからこそ、悪意のある書き込みに気づいてしまったり、見たくない投稿でも通知が入ってそちらに気が向いてしまうことがあり得ます。

その結果、本人の意志と関係なく誹謗中傷を目にしてしまい、ストレスを感じてしまうことになります。

2、大勢から攻撃されているように感じる

ネットやSNSの書き込みは、拡散されやすいという特徴をもっているため、被害者が大勢のユーザーから誹謗中傷されていると感じてしまうことがあります。

Twitterのリツイート機能のように投稿を簡単に広められる機能があったり、そうでなくてもコピー&ペーストでどんな書き込みも簡単に複製できます。

POINT
誹謗中傷の投稿が広まっていくことで、多くの人から責められているような気持ちになり、孤独感や疎外感を感じて大きなストレスになってしまうと考えられます。

3、自分が傷ついているのに気づかないことも

ネットでの誹謗中傷は、本人自身も自分が傷ついていることに気づきにくく、メンタルにダメージを受けているのにそのまま放置してしまうことがあります。

ネットで誹謗中傷を受けた時にあり得るのが、「ネットではよくあること」「嫌なものは見ないようにすればいい」と思って、誰かに相談したり、解決しようとすることなく、自分1人で抱え込んでしまうケースです。 (もちろん、誹謗中傷をスルーすることで心の平穏を得られる場合はよいのですが、そうでない場合は注意が必要です。)

その結果、自分の心が傷ついていることに気づかないまま、次第に追い詰められてしまうことも考えられます。

誹謗中傷されたことが原因でなる可能性がある病気

誹謗中傷が被害者のメンタルに目に見えない傷を与えることを説明してきましたが、その結果、誹謗中傷が原因になって様々な精神の病気にかかる可能性があります。

ここからは、誹謗中傷によるストレスが原因となって発症する可能性のある代表的な病気を紹介していきます。

うつ病

大うつ病性障害とも呼ばれ、気分が落ち込んで憂鬱になる、疲れやすい、やる気が出ない、体がだるい、眠れないといった症状が出ます。

気分の変動によって日常生活に支障をきたす気分障害の1つで、悪化すれば通常の生活も送れなくなってしまいます。

 うつ病の発症には、強いストレスや不安が関わっているといわれ、誹謗中傷によりメンタルに傷を負うことでうつ病の引き金になることが考えられます。

睡眠障害

夜なかなか眠れなかったり、寝てもすぐに目が覚めてしまったりと、適切な睡眠がとれなくなってしまう病気で、不眠症とも呼ばれ、ストレスも大きな要因になっているといわれます。

十分な睡眠がとれていないため、日中の集中力が低下したり、昼間眠気に襲われたり、疲れがとれず体調不良を起こしたり、日常生活にも支障をきたす場合もあります。

自律神経失調症

ストレスなどが原因となって、体内の循環器や呼吸器などを調整している自律神経の交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまう病気で、体のだるさや不眠、疲れから動悸、頭痛、めまい、下痢など多岐にわたる症状を引き起こします。

精神疾患

脳の働きの変化によりいろいろな症状が引き起こされることをいい、統合失調症やうつ病など様々な病気の総称として使われます。

精神疾患の原因は外傷や病気による外因性や原因が不明な内因性など多岐にわたり、ストレスを原因とするものは心因性精神疾患に含まれます。

POINT
精神疾患にかかると、妄想や幻覚を引き起こす「統合失調症」や気分・意欲が落ち込む「うつ病」、うつ状態と躁状態を繰り返す「双極性障害」などを引き起こします。

誹謗中傷する側にも病気の可能性

ここまで、誹謗中傷の被害者がメンタル的に追い詰められ、精神疾患に陥る可能性があることを述べてきましたが、実は、ネットでの誹謗中傷は悪質な書き込みで他人を攻撃している加害者側も精神的な病気の可能性があります。

通常、誹謗中傷でメンタルを病むのは被害を受けている側だと思われがちですが、加害者側も依存症になっている場合があるのです。

誹謗中傷の加害者は依存症?

依存症とは、特定のものや行為に依存し、それがないと身体的・精神的な均衡が保てなくなる状態をいいます。アルコールやギャンブル、薬物の依存症が有名ですが、ネットでの誹謗中傷も依存症の1つになり得ると指摘されています。

誹謗中傷をする人は、普段から劣等感や社会への不満を抱いていることが多く、他人を攻撃することで自分のほうが勝っている、有利であるといった優越感を得ています。

このとき、脳内でドーパミンといわれる物質が放出され、快感を得るようになります。ドーパミン自体はやる気や集中力をもたらし、人をポジティブにしてくれる物質ですが、問題は、誹謗中傷することでドーパミンを得ていることです。

快感を得るために誹謗中傷を繰り返すようになり、さらに強い刺激を求めて過激な書き込みへとエスカレートしてしまうことが考えられます。

こうして、加害者の側も知らず知らずに依存症に陥り、精神疾患を患ってしまうことがあり、重症になれば精神科での治療が必要になるケースもあります。

こんなときは病院で診察を

上で説明してきたように、誹謗中傷は被害者だけでなく、加害者のメンタルも蝕む行為です。

もし、誹謗中傷により、心が傷つき、精神や身体に不調をきたすようになったときには、迷わず病院など専門の機関で診療を受けるようにしてください。

精神疾患の症状は様々ですが、気分が落ち込んでしまう、やる気が出ない、イライラや不安が2週間以上続く場合、夜によく眠れない、食欲がなくなった、外出するのが怖くなったなどの症状に当てはまる場合は、一度病院での診察を受けるようにしてみてください。

特に、生活に支障をきたすような場合には、早急な治療が求められます。

誹謗中傷を受けた時に出来ること

最後に、ネットで誹謗中傷を受けたとき、それが原因で病気にならないための対策を紹介します。

スマホを開く回数を減らす

誹謗中傷の最も有効な対策は、書き込みを見ないようにすることです。自分を貶す書き込みはどうしても気になってしまうものですが、いちいち確認しても精神が傷つくだけです。

思い切ってスマホを見る回数を減らし、誹謗中傷が視界に入らないようにするのが自分のメンタルを守る最良の手段といえます。

攻撃してくる人には近寄らない

次に大切なのが、誹謗中傷を受けても、攻撃してくる相手に反論したり、コンタクトをとろうとしないことです。

誹謗中傷問題は加害者側も依存症に陥っている場合があり、相手を攻撃する行為そのものに快感を覚えている可能性があります。

 そんな相手にいくら言葉で反論しても無駄なだけですし、さらに攻撃を受けるおそれもあるため、自分からは近寄らないようにしましょう。

SNSをするなら発信をメインに

いくら誹謗中傷を避けるためといっても、今の時代、ネットやSNSと完全に縁を切ることはできないと思います。

そこで、SNSは自分から情報を発信するためのツールと考え、コメント欄などはスルーを基本にするのも1つの方法です。

誹謗中傷にメンタルをやられたり、病気になったりすることのないよう、適度な距離をとってSNSとつき合っていくように心がけましょう。

誹謗中傷されたら相手を罪に問えることも

誹謗中傷を受けたときには、ただスルーするだけでなく、民事訴訟で精神的苦痛に対する慰謝料を請求できますし、名誉毀損等の犯罪行為として刑事告訴することも可能です。

誹謗中傷が原因で病気になったりした場合には、相手に請求できる慰謝料が増額される可能性もあります。

もし、ネットでの誹謗中傷を受けて辛い、相手にも責任をとってもらいたいと考えている方がいれば、一度、法律事務所で弁護士など法律の専門家に相談するようにしてみてください。

まとめ

スマホやパソコンが普及した現代、ネット・SNSでの誹謗中傷は誰の身にも起こりうる問題になりました。

被害に遭えばメンタル面で追い詰められ、うつ病や精神疾患、睡眠障害などの病気になってしまうこともあります。気になる症状がある方は、症状が悪化するおそれもあるため、なるべく早くに医療機関で診察を受けるようにしてください。

誹謗中傷行為に対しては、法律上も民事および刑事で加害者の責任を追及することができ、精神的苦痛に対する慰謝料の請求や刑事告訴も可能ですので、ぜひ一度、弁護士など法律の専門家に相談してみてください。

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