「出会い頭事故の過失割合は、何対何になるの?」
「保険会社から提示された割合は、本当に正しいの?」
交差点で出会い頭事故にあい、このような疑問を抱えている方は少なくありません。
過失割合は、裁判実務の基準である「別冊判例タイムズ」に、事故の類型ごとにまとめられています。
保険会社もこの基準をもとに割合を提示するため、基準を知っておけば提示の妥当性を自分で確かめられるでしょう。
保険会社とのやり取りを始める前に、ぜひ参考にしてみてください。

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
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この記事の目次
出会い頭事故の過失割合を状況別の早見表で確認する
出会い頭事故とは、交差点などで、交わる方向から進んできた車両同士が衝突する事故のことです。
交差点ではどの運転者にも安全確認の義務があるため、出会い頭事故では双方に過失がつくことが少なくありません。
ここでは、過失割合を決める基準と状況別の早見表、割合の差が賠償額に与える影響を解説します。
過失割合を決める基準「別冊判例タイムズ」を知る
過失割合は当事者同士の合意(示談)か裁判所の判決によって最終的に決まり、法律で数値が定められているわけではありません。
示談交渉で保険会社が参照するのが、東京地裁の裁判官らによる研究会が編集した「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」です。通称「別冊判例タイムズ」と呼ばれ、事故の類型ごとに基本の過失割合と修正要素が整理されています。
2026年3月30日には、最新版の全訂6版(別冊判例タイムズ39号)が発売されました。全訂6版では、事故類型の新設や一部の基本割合の見直しが行われています。
本記事の割合は、全訂5版(38号)の基準に基づく一般的な目安です。
- 保険会社同士の示談交渉
- 弁護士が代理人として入った示談交渉
- ADR(裁判外紛争解決手続)・調停・裁判
別冊判例タイムズの基準は、示談交渉から裁判まで幅広い場面で使われる共通の物差し。保険会社から提示された割合も、この基準と照らし合わせて確認しましょう。

出会い頭事故の基本過失割合を早見表で確認する
下の表に、四輪車同士が直進で出会い頭に衝突した場合の基本過失割合をまとめました。
| 事故の状況 | 基本の過失割合 |
|---|---|
| 信号機あり:青信号の車と赤信号の車 | 青信号車0:赤信号車100 |
| 信号機あり:黄信号の車と赤信号の車 | 黄信号車20:赤信号車80 |
| 信号機あり:双方とも赤信号 | 50:50 |
| 信号機なし:同じ道幅 | 左方車40:右方車60 |
| 信号機なし:一方が明らかに広い道路 | 広路車30:狭路車70 |
| 信号機なし:一方が優先道路 | 優先車10:非優先車90 |
| 信号機なし:一方に一時停止規制 | 規制なし車20:規制あり車80 |
| 一時停止規制あり:停止してから進入 | 規制なし車40:規制あり車60 |
| 駐車場内:通路の交差部 | 50:50 |
相手がバイクや自転車の場合は、車側の過失が重くなる別の基準が使われます。
表の数値は、交渉の出発点となる「基本」の割合にすぎません。実際には、速度違反や減速の有無といった個別の事情(修正要素)によって割合が動きます。
自分の事故に近い類型を見つけたら、次章以降でくわしい条件を確認しましょう。

過失割合の差で受け取れる賠償額がどれだけ変わるかを知る
自分にも過失がある場合、その割合の分だけ受け取れる賠償額が減ります。この仕組みを「過失相殺」といいます。
下の例を見ると、過失割合が10ポイント違うだけで受取額に大きな差が出ることがわかるでしょう。
- 自分の過失10%:270万円
- 自分の過失20%:240万円
- 自分の過失30%:210万円
- 自分の過失40%:180万円
人身事故では治療費や慰謝料が加わり、損害額が数百万円を超えることも珍しくありません。損害が大きい事故ほど、1割の差が重みを増します。
また、自分の過失割合に応じて、相手の損害を賠償する義務も負います。

信号機がある交差点での出会い頭事故の過失割合を確認する
信号機がある交差点では、各車両が交差点に入ったときの信号の色によって、基本の過失割合が決まります。
信号無視をした側の過失は、非常に重く評価されることを押さえておきましょう。
ここでは、信号の色の組み合わせごとに基本の過失割合を解説します。
青信号の車と赤信号の車が衝突した場合の過失割合を知る
青信号で進入した車と赤信号で進入した車の事故は、青信号車0:赤信号車100が基本です。
青信号の車には、赤信号の車が進入してくることまで予測する義務は原則としてありません。出会い頭事故のなかで、例外的に「10対0」が認められやすい類型といえます。
ただし、青信号側にも著しい前方不注視や大幅な速度違反があれば、過失がつくことがあります。相手が信号無視を認めないケースも多いため、ドライブレコーダーの映像や目撃者の証言を確保しておきましょう。

黄信号や双方赤信号で衝突した場合の過失割合を知る
黄信号で進入した車と赤信号で進入した車の事故は、黄信号車20:赤信号車80が基本です。
黄信号は、停止位置で安全に止まれる場合には進入してはいけない信号なので、黄信号側にも過失が認められます。
双方が赤信号で進入した場合は、どちらも重大な違反をしているため、基本の過失割合は50:50。
信号の色は事故後に争いになりやすいため、交差点の信号サイクルや映像で確認することが大切です。

信号機がない交差点での車同士の出会い頭事故の過失割合を確認する
信号機がない交差点では、道路交通法の通行ルールによって、どちらの車が優先されるかが決まります。
優先関係を左右するのは、道幅・優先道路・一時停止規制・左方優先の4つ。優先される側ほど、過失割合は小さくなります。
ここでは、交差点の条件ごとに、基本の過失割合と減速の有無による違いを解説します。
同じ道幅の交差点での過失割合(左方優先)を確認する
同じ道幅の交差点では、自分から見て左側から来る車(左方車)が優先されます(道路交通法36条1項)。
そのため、双方が同じ程度の速度だった場合の基本の過失割合は、左方車40:右方車60。「信号のない交差点は5対5」と思われがちですが、基本の割合は左方車が有利です。
見通しのきかない交差点では、すぐに止まれる速度で進む「徐行」が義務付けられているため、減速の有無でも割合が変わることを覚えておきましょう。
| 状況 | 左方車 | 右方車 |
|---|---|---|
| 双方が同程度の速度 | 40 | 60 |
| 左方車が減速せず・右方車が減速 | 60 | 40 |
| 左方車が減速・右方車が減速せず | 20 | 80 |
自分が左方・右方のどちらだったかは、自分の進行方向から見て、相手が左右どちらから来たかで判断します。

道幅が明らかに違う交差点での過失割合を確認する
一方の道路が明らかに広い場合は、広い道路(広路)を走る車が優先されます。狭い道路(狭路)から進入する車には、広路の車の進行を妨げないよう徐行する義務があります。
双方が同程度の速度だった場合の基本の過失割合は、広路車30:狭路車70。
| 状況 | 広路車 | 狭路車 |
|---|---|---|
| 双方が同程度の速度 | 30 | 70 |
| 広路車が減速せず・狭路車が減速 | 40 | 60 |
| 広路車が減速・狭路車が減速せず | 20 | 80 |
「明らかに広い」かどうかは、実測の数値ではなく、交差点に入る運転者が一見して広いとわかるかで判断されます。判断に迷う場合は、現場の写真や地図の航空写真で道幅を記録しておきましょう。

一方が優先道路の交差点での過失割合を確認する
優先道路とは、標識で指定された道路や、中央線・車両通行帯が交差点の中まで引かれている道路のこと。
優先道路を走る車と、交わる道路から進入した車の事故は、優先車10:非優先車90が基本となります。非優先道路の車には、優先道路の車の進行を妨げてはいけない義務があるためです。
優先道路側にも交差点での注意義務があるため、過失が0になることは基本的にありません。ただし、非優先車が明らかに先に交差点に入っていた場合などは、優先車の過失が加算されます。
- 「優先道路」の標識が立っている
- 中央線や車線の境界線が、交差点の中まで途切れずに続いている
- 交わる道路の側に「止まれ」や「前方優先道路」の標識がある
標識や中央線を見れば、事故現場が優先道路だったかどうかを判断できます。事故直後に現場の写真を撮っておくと、後の交渉で役立つでしょう。

一時停止規制がある交差点での過失割合を確認する
一時停止の標識がある道路の車は、停止線の手前で止まり、交わる道路の車の進行を妨げてはいけません。
双方が同程度の速度だった場合の基本の過失割合は、規制なし車20:規制あり車80です。
| 状況 | 規制なし車 | 規制あり車 |
|---|---|---|
| 双方が同程度の速度 | 20 | 80 |
| 規制なし車が減速せず・規制あり車が減速 | 30 | 70 |
| 規制なし車が減速・規制あり車が減速せず | 10 | 90 |
規制なし側で事故にあった方も、過失が0になるとは限りません。減速せずに交差点へ入っていた場合は、自分の過失が30まで増える点に注意しましょう。

一時停止してから交差点に進入した場合の過失割合を確認する
一時停止の義務を守ってから進入した場合は、止まらずに進入した場合と区別されます。基本の過失割合は、規制なし車40:規制あり車60。
止まったことは評価されますが、発進するときの左右の安全確認が不十分だった点で過失が残ります。
なお、完全に止まらずに徐行しただけの「ローリングストップ」は、一時停止とは認められません。停止したことを主張するときは、ドライブレコーダーの映像が重要な証拠になります。

相手がバイク・自転車の場合の出会い頭事故の過失割合を確認する
相手がバイクや自転車の場合、車同士の事故とは別の基準が使われることを知っておきましょう。
バイクや自転車は車よりも事故でけがをしやすいため、車の運転者にはより重い注意義務が求められているのです。
ここでは、車対バイク・車対自転車の基本過失割合を条件ごとに見ていきましょう。
車とバイクが衝突した場合の基本過失割合を確認する
車とバイクの出会い頭事故では、バイク側の過失が車同士の場合より小さく設定されています。双方が直進し、同程度の速度で進入した場合の基本の過失割合を、条件ごとに表にまとめました。
| 交差点の条件 | バイク | 車 |
|---|---|---|
| 同じ道幅・バイクが左方 | 30 | 70 |
| 同じ道幅・車が左方 | 50 | 50 |
| バイク側に一時停止規制 | 65 | 35 |
| 車側に一時停止規制 | 15 | 85 |
| バイクが狭路・車が広路 | 60 | 40 |
| バイクが非優先道路・車が優先道路 | 70 | 30 |
たとえば同じ道幅でバイクが左方から来た場合、車同士なら左方車40のところ、バイクは30に下がります。
ただし、バイク側に大幅な速度違反や酒気帯び運転などがあれば、バイクの過失が加算されます。

車と自転車が衝突した場合の基本過失割合を確認する
車と自転車の出会い頭事故では、バイクの場合よりもさらに車側の過失が大きくなります。自転車は車体が小さく、衝突したときのけがが重くなりやすいためです。
| 交差点の条件 | 自転車 | 車 |
|---|---|---|
| 同じ道幅 | 20 | 80 |
| 自転車側に一時停止規制 | 40 | 60 |
| 車側に一時停止規制 | 10 | 90 |
| 自転車が広路・車が狭路 | 10 | 90 |
| 自転車が狭路・車が広路 | 30 | 70 |
| 自転車が優先道路 | 10 | 90 |
| 車が優先道路 | 50 | 50 |
同じ道幅の交差点の基本は、自転車20:車80。自転車が広路や優先道路を走っていた場合は、自転車の過失は10まで下がります。
自転車が関係する事故は全訂6版で類型が追加されたため、最新の基準は弁護士に確認すると確実です。

自転車側に一時停止規制がある場合の過失割合を確認する
自転車側に一時停止規制がある場合の基本の過失割合は、自転車40:車60です。車の運転者にも交差道路から出てくる自転車に注意する義務があるため、規制を守らなかった自転車が相手でも車側の過失のほうが大きくなります。
反対に、車側に一時停止規制があれば、基本の割合は自転車10:車90。
ただし、自転車側に夜間の無灯火やスマートフォンの操作などがあれば、自転車の過失が加算されます。車を運転していた方は、提示された割合が自転車相手の基準になっているかを確認しましょう。

駐車場内での出会い頭事故の過失割合を確認する
駐車場の中で起きた出会い頭事故は、一般の道路とは異なる考え方で過失割合が判断されます。
駐車場の通路は、車の走行だけでなく、駐車や歩行者の通行にも使われる場所。そのため、すべての車に、すぐに止まれる速度で走る義務があると考えられています。
ここでは、駐車場内の基本の過失割合と、一般道との違いを解説します。
駐車場の通路で車同士が衝突した場合の過失割合を確認する
駐車場の通路同士が交わる場所での出会い頭事故は、50:50が基本です。一般道の同じ道幅の交差点とは違い、左右どちらから来たかで差はつきません。
駐車場内には信号や優先道路がなく、どちらにも同じように徐行と安全確認が求められるためです。
ただし、どちらかが徐行していなかった場合などは、その車の過失が加算されます。駐車区画から出ようとする車と通路を直進する車の事故には別の基準があり、出庫車70:直進車30が目安。

駐車場の事故で一般道と考え方が異なる点を知る
商業施設などの駐車場は、道路交通法上の「道路」に当たらない場合があります。その場合、一時停止や優先道路といった道路交通法の通行ルールは、そのままでは適用されません。
ただし、道路交通法が適用されなくても、民法上の損害賠償では過失相殺が行われます。
保険会社の提示が一般道の基準のままになっていないか、確認しておきましょう。
| 項目 | 一般道 | 駐車場 |
|---|---|---|
| 道路交通法 | 原則として適用される | 適用されない場合がある |
| 左方優先 | 適用される | そのままは当てはまらない |
| 走行速度 | 制限速度の範囲内 | 徐行が前提 |
| 同じ条件の出会い頭事故 | 左方車40:右方車60 | 50:50 |

出会い頭事故の過失割合を動かす修正要素を確認する
基本の過失割合は、事故ごとの具体的な事情によって加算・減算されます。この事情は「修正要素」と呼ばれ、自分に有利にも不利にも働きます。
ここでは、出会い頭事故でよく問題になる修正要素と、目安となる修正幅を解説します。
速度違反が過失割合に与える影響を確認する
一般道での速度違反は、超過した速度の大きさによって修正幅が変わります。目安は次のとおりです。
- 時速15km未満の超過:原則として修正なし(基本の割合に含まれる)
- おおむね時速15km以上30km未満の超過:「著しい過失」として10ポイント前後の加算
- おおむね時速30km以上の超過:「重過失」として20ポイント前後の加算
相手の速度違反を主張するなら、ドライブレコーダーの映像やブレーキ痕などの客観的な証拠を集めましょう。
反対に、自分の速度違反が映像に残っていれば、自分の過失が加算される可能性もあります。

著しい過失・重過失が過失割合に与える影響を確認する
判例タイムズの基準では、通常の不注意を超える落ち度を「著しい過失」と「重過失」に分けて、過失割合を修正します。著しい過失は10ポイント前後、重過失は20ポイント前後が加算の目安です。
- 著しい過失:脇見運転などの著しい前方不注視
- 著しい過失:携帯電話で通話しながら、または画面を見ながらの運転
- 著しい過失:酒気帯び運転
- 重過失:酒酔い運転・居眠り運転・無免許運転
前方をよく見ていなかった程度の通常の不注意は、基本の割合にすでに含まれていると考えられるため、修正の対象になりません。
相手の「著しい過失」を主張する場合は、映像や目撃証言などの裏付けを用意しておきましょう。

減速・徐行の有無が過失割合に与える影響を確認する
信号機のない交差点の出会い頭事故では、減速の有無が基本の割合そのものを変える要素になります。たとえば同じ道幅の交差点で、左方車が減速せず右方車が減速していた場合は、左方車60:右方車40と優先関係が逆転します。
見通しのきかない交差点では、徐行が道路交通法上の義務とされていることを忘れてはいけません。
減速していたことを示すには、交差点の手前で速度が落ちていることがわかるドライブレコーダーの映像が有力です。

自分の事故に修正要素が当てはまるかチェックする
修正要素が当てはまるかは、事故の状況を一つずつ整理すると判断しやすくなります。
- 双方の速度は、制限速度をどれだけ超えていたか
- 交差点の手前で減速・徐行していたか
- 一時停止の標識で完全に止まったか
- 脇見・スマートフォンの操作・飲酒などがなかったか
- どちらが先に交差点に入っていたか
そのうえで、保険会社が提示した割合と基本の割合の差を確認しましょう。差がある場合は、どの修正要素を何ポイント適用したのか、内訳の説明を求めることが大切です。

提示された過失割合に納得できないときの対処法を知る
保険会社が提示する過失割合は、確定した結論ではありません。
納得できないまま示談に応じると、本来受け取れたはずの賠償金を失いかねません。
ここでは、証拠の集め方から示談前の注意点、弁護士に相談するタイミングまでを解説します。
ドライブレコーダーや目撃証言などの証拠を集める
過失割合の交渉では、事故状況を客観的に示す証拠があるかどうかで結果が大きく変わります。
- ドライブレコーダーの映像(速度・信号の色・一時停止の有無がわかる)
- 目撃者の証言(第三者の証言は客観性が高い)
- 現場の写真(標識・道幅・見通しの状況)
- 実況見分調書(人身事故で警察が作成する事故状況の記録)
ドライブレコーダーの映像は、時間がたつと上書きされて消えてしまうため、すぐにバックアップを取りましょう。
実況見分調書は警察署ではなく、刑事記録として検察庁に閲覧・コピーを申請するのが一般的です。手続きが複雑なため、弁護士に取り寄せを依頼する方法もあります。

示談書にサインする前に確認すべきことを知る
示談書にサインすると、原則として後から過失割合を変更することはできません。詐欺や強迫があった場合などは取り消せる可能性がありますが、認められるのはごく限られたケースです。
- 過失割合が事故の実態と合っているか
- どの修正要素が何ポイント適用されたか、説明を受けたか
- 損害額の内訳(修理費・治療費・慰謝料など)が示されているか
- けがの治療が終わり、後遺症の有無が確定しているか
特に、治療中や症状が残っている段階での示談は避けましょう。後から後遺症がわかっても、追加の請求が難しくなるためです。

過失割合の交渉で弁護士に相談すべきタイミングを知る
次のような状況になったら、交通事故にくわしい弁護士への相談を検討しましょう。
- 保険会社が過失割合の根拠を説明してくれない
- 修正を求めても応じてもらえない
- けがを負い、損害額が大きい
- 相手が任意保険に入っておらず、直接交渉が必要になった
自動車保険に弁護士費用特約が付いていれば、多くの場合、自己負担なしで弁護士に依頼できます。
交渉で解決しない場合は、公益財団法人 交通事故紛争処理センターなどのADR(裁判外紛争解決手続)を利用する方法もあります。

出会い頭事故の過失割合についてよくある質問に答える
最後に、出会い頭事故の過失割合について、よく寄せられる質問にお答えします。
出会い頭事故で10対0になることはありますか?
相手の信号無視など、限られた場面では10対0が認められます。
青信号で進入した車と赤信号で進入した車の事故は、青信号車0:赤信号車100が基本です。一方、信号のない交差点では、優先される側にも安全確認の義務があるため、過失が0になることはほとんどありません。
10対0を主張するときは、相手の違反を示すドライブレコーダーの映像などが欠かせません。
警察は過失割合を決めてくれますか?
警察は過失割合を決めません。
警察の役割は事故の捜査や記録であり、民事上の損害賠償にはかかわらないのが原則です。過失割合は、当事者や保険会社の話し合いで決まります。
なお、警察への届出がないと、保険金の請求に必要な交通事故証明書が発行されません。交通事故証明書は、自動車安全運転センターに申請して取得しましょう。
人身事故と物損事故で過失割合は変わりますか?
過失割合の基準そのものは、人身事故と物損事故で変わりません。
ただし、人身事故では治療費や慰謝料、後遺障害による逸失利益などが加わり、損害額が大きくなりがちです。損害額が大きいほど、過失割合の1割の差が賠償額に与える影響も大きくなります。
けがをした場合は、警察に人身事故として届け出ておきましょう。人身事故では実況見分調書が作成され、過失割合を争うときの証拠になります。
相手が過失割合に納得せず示談が進まないときはどうすればよいですか?
話し合いで解決しない場合は、ADRや裁判で解決を図れます。
相手が根拠なく割合を拒み続けても、最終的には裁判所が判断するため、その主張がそのまま通るわけではありません。
まずは弁護士が交渉に入ることで、判例タイムズの基準に沿った話し合いが進みやすくなります。それでも解決しなければ、交通事故紛争処理センターなどのADRや、裁判所の調停・訴訟を利用しましょう。
【まとめ】出会い頭事故の過失割合のポイント
出会い頭事故の過失割合は、信号・優先道路・一時停止・道幅・相手の車種で基本の割合が決まります。そこに速度違反や減速の有無などの修正要素が加わり、最終的な割合が決まる仕組みです。
- 同じ道幅で信号のない交差点は「左方車40:右方車60」が基本
- 一時停止規制がある交差点は「規制なし車20:規制あり車80」が基本
- 相手がバイク・自転車なら、車側の過失が大きくなる
- 示談書にサインする前に、提示の根拠を必ず確認する
保険会社の提示に納得できないときは、ひとりで抱え込まないでください。交通事故にくわしい弁護士に相談し、適正な割合かどうかを確かめましょう。

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
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