「任意整理を依頼したのに、債権者が交渉に応じてくれない…」
「和解できないと言われたら、もう借金は解決できないの?」
任意整理は裁判所を介さずに債権者と直接交渉して返済条件を見直す方法のため、交渉が成立せず「和解できない」状態に陥るケースも存在します。
- 和解できない代表的な原因とケース別の状況整理
- 和解失敗後に実際に起こりうる法的リスクと影響
- 個人再生・自己破産・再和解など次に取れる具体的な選択肢
現状が行き詰まりに見えても、次の手段があることを前提に状況を整理していきましょう。
専門家への相談先の選び方や費用面の不安を解消する制度も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
▶︎柔軟な料金設定
・初回相談【無料】
・ご相談内容によっては【着手金無料】
▶︎いつでもご相談いただけます
・【土日・祝日】ご相談OK
・【夜間】ご相談OK
・【即日】ご相談OK
1.交通事故の無料相談窓口
tel:0120-651-316
2.債務整理の無料相談窓口
tel:0120-783-748
3.総合お問い合わせページはこちら
この記事の目次
任意整理で「和解できない」とはどういう状態か
任意整理を進めていたのに、途中で手続きが止まってしまった――そのような状況を「和解できない」と表現します。
- 任意整理の「和解」とは、債権者と返済条件を交渉して合意することを指す
- 「和解できない」状態には、債権者が交渉を拒否するケースと、依頼者側の事情で手続きが進まないケースの2種類がある
- 手続きが頓挫した場合、受任通知による督促停止の効力にも影響が出ることがある
この状態に陥っても、次の選択肢は複数あります。
個人再生(裁判所を通じて借金を大幅に減額する手続き)や自己破産(返済義務を免除する手続き)といった別の債務整理手段へ移行できる場合があり、任意整理が壁にぶつかったからといって解決策がなくなるわけではありません。
まずは「和解できない」という状態が具体的に何を意味するのかを正確に理解しましょう。
ここでは、任意整理における和解の仕組み・和解失敗と返済失敗の違い・受任通知の効力の変化について順に解説します。
任意整理における和解の仕組み
任意整理の「和解」とは、弁護士または司法書士が債権者(貸金業者・カード会社など)と交渉し、利息のカットや分割返済の条件について書面で合意することです。
この合意書が成立して初めて、任意整理は「成立」となる仕組み。
- STEP1:弁護士・司法書士が債権者に受任通知を送付し、督促を一時停止させる
- STEP2:各債権者から取引履歴の開示を受け、引き直し計算で正確な残債を確認する
- STEP3:弁護士・司法書士が返済計画案を提示し、債権者と交渉する
- STEP4:双方が合意した内容を「和解書」として締結する
この流れのどこかで交渉が決裂したり、進行が止まったりした状態が「和解できない」という状況です。

「和解失敗」と「返済失敗」の違い
この2つは混同されやすいですが、意味も対処法も異なります。
| 区分 | どういう状態か | 主な対処 |
|---|---|---|
| 和解失敗 | 交渉の段階で債権者との合意に至らなかった状態(手続きの前半で停止) | 条件を変えた再交渉/個人再生・自己破産への移行 |
| 返済失敗 | 和解が成立した後に、合意した返済計画を履行できなくなった状態(手続きの後半で発生) | 再和解の交渉/別の債務整理手続きへの移行 |
和解失敗は、手続きの「前半」で止まっている状態。
債権者が交渉に応じない・弁護士費用が払えず依頼を続けられない・複数の債権者のうち一部だけ合意できないなど、原因はさまざまです。
複数の債権者がいる場合は一部の債権者とだけ和解を成立させて手続きを進めることも選択肢のひとつで、合意できない債権者が残ったときの対応は担当の専門家と状況を整理したうえで判断しましょう。
一方の返済失敗は手続きの「後半」で起きる問題で、一度は和解書を締結したものの、その後に収入が減るなどして支払いが続かなくなった場合が該当します。
この場合は「和解できなかった」のではなく「和解後に履行できなくなった」状態であり、再和解が現実的かどうかは滞納期間や債権者の対応方針によって異なるため、早期に専門家へ状況を伝えることが次の手段を見極める前提になります。

手続きが頓挫すると受任通知の効力はどうなるか
受任通知は弁護士・司法書士が債権者に「この依頼者の代理人になった」と知らせる書面で、これが届くと貸金業法の規定により債権者は依頼者に対して直接の督促を原則として行えません。
ただし、この督促停止の効力は「受任している間」に限られます。
担当者から「辞任する」「手続きを終了する」といった連絡があった場合は受任状態が終わっている可能性があるため、不明なときは契約状況を直接確認しましょう。
- 依頼者が弁護士・司法書士との委任契約を解除した場合
- 事務所側から辞任された場合
受任状態が終われば債権者は依頼者への直接連絡を再開でき、督促を放置すると訴訟や差押えに発展しかねません。
和解が成立しないまま時間が経過した場合も債権者が法的手段に踏み切るリスクは高まり、交渉が数か月単位で進展しないまま訴訟や支払督促に移行するケースは実務上も見られます。
担当者から「和解できない」と告げられたら、個人再生や自己破産への移行も含め、別の弁護士・司法書士へセカンドオピニオンを求めることも選択肢のひとつです。

任意整理で和解できないケースと自分の状況の確認
任意整理は必ずしも全員が和解できるわけではなく、債権者側・債務者側の双方に「交渉が成立しにくい条件」が存在します。
- 返済能力が低く、債権者が提示する条件を受け入れられない
- 銀行系カードローンなど、そもそも交渉に応じにくい業者がいる
- 差押えが始まっている・過去に和解を破った実績があるなど、状況が悪化している
ただし解決策がなくなるわけではなく、個人再生や自己破産という別の法的手続きに切り替えれば、任意整理が壁にぶつかっても状況に応じて次の選択肢へ進めます。
手続きが止まるのではなく、方向を変えて進めるという点はまず押さえておいてください。
自分の状況がどのケースに当てはまるかの把握が、次の手を考えるうえでの出発点。
具体的には、現在依頼中の弁護士・司法書士に「このケースに該当するか、次の手続きはどれが適切か」を確認することが、最初に取るべき行動です。
以下では、和解できないケースを6つに分けて解説します。
返済能力が足りず条件が折り合わない
任意整理の交渉では、毎月いくら返せるかという返済能力が合意の可否を左右します。
債権者が「3年以内に完済」という条件を提示しても、月々の返済可能額がその水準に届かなければ、交渉はまとまりません。
返済能力の不足は、和解できない理由として最も多いケースの一つです。
- 月収から生活費・家賃・保険料を差し引いた残額が、債権者の要求する返済額を下回る
- 複数の債権者に対して同時に任意整理を進めており、合計返済額が収入に見合わない
- 勤務先の変更や収入減によって、当初の見込みより返済余力が落ちた
この場合、すでに依頼している弁護士・司法書士が収支を精査したうえで債権者へ再提案するケースもあるでしょう。
それでも折り合わないケースでは、個人再生や自己破産など別の手続きへの切り替えを検討する必要があります。
「返済能力が足りない」という状況は、任意整理以外の選択肢が有効になるサインでもあります。

返済実績がほとんどない・借入期間が短い
債権者は交渉相手の返済履歴を重視するため、借入期間が短く返済実績がほとんどない場合は「誠実な返済意思が見えない」と判断され、交渉に応じてもらいにくくなります。
特に借入から数か月以内に任意整理を申し出るケースは、債権者側に警戒感を持たれやすい傾向。
「借りたばかりで返済できないという申し出は、最初から返済する意思がなかったのではないか」という見方をされることがあるためです。
返済実績が少ないほど、交渉のテーブルに着いてもらうこと自体が難しくなるでしょう。
このケースで交渉が不成立となった場合も、個人再生や自己破産への切り替えは可能です。
現在依頼中の専門家に状況を伝え、次の手続きについて相談することをおすすめします。

債権者がそもそも交渉に応じない
任意整理は、債権者の任意の合意によって成立する手続きです。
債権者には交渉に応じる法的義務がなく、拒否することも法律上は認められています。
一部の業者は、方針として任意整理の交渉には一切応じないスタンス。
つまり、依頼者側に問題がなくても、相手の方針だけで和解が成立しないケースがあるということです。

銀行系カードローン・アコムなど応じにくい業者の傾向
銀行系カードローン(三菱UFJ銀行バンクイック、みずほ銀行カードローンなど)は、任意整理の交渉に応じにくい業者として知られています。
銀行は貸金業法ではなく銀行法の規制下にあるため、利息制限法の引き直し計算による過払い金が発生しにくく、債権者側に譲歩する動機が生まれにくい構造。
また、アコムは三菱UFJフィナンシャル・グループ系列であり、銀行グループとしての方針から任意整理への対応が硬い傾向にあるといわれています。
ただし、対応方針は個別の状況や時期によって変わることがあるため、一律に「不可能」とは断言できません。
弁護士・司法書士を通じて打診するのが現実的な確認方法です。
消費者金融系の業者(アイフル・プロミスなど)は、過去に比べると交渉に応じるケースが一定数あるとされていますが、業者や担当部署、借入状況によって対応は異なります。

すでに差押えが始まっている
給与や預貯金口座の差押えが裁判所を通じて開始されている場合、任意整理による交渉は実質的に機能しなくなります。
差押えは、債権者が法的手続きに移行した状態であり、任意(私的)交渉の段階を超えているためです。
この状態では、裁判所を介した法的手続き(個人再生・自己破産)でなければ差押えを止めることができません。
個人再生や自己破産の申立てを行うと「自動的停止(ステイ)」の効力が生じ、差押えを一時的に止めることができます。
差押えが始まっている場合は、弁護士への相談を急ぎましょう。

過去に任意整理の和解を破った実績がある
一度任意整理で和解した後、返済を途中でやめてしまった(和解条件を破った)実績がある場合、同じ債権者との再交渉は著しく困難になります。
債権者の立場からすると、「前回も約束を守らなかった」という事実そのものが交渉の障壁。
この場合、債権者は再度の任意整理交渉には応じず、訴訟・差押えに直接移行することが多くなります。
状況によっては、個人再生や自己破産など任意整理とは別の法的手続きを選ぶのが現実的な対処。
現在依頼中の弁護士・司法書士に「過去の和解破りがある状況でどの手続きが適切か」を確認することが、次の行動として有効です。

和解できなかった後に起きること
任意整理で和解が成立しなかった場合、その後の流れを把握しておくことが重要です。
- 和解交渉が決裂すると、債権者は法的手段に切り替えるケースが多い
- 支払督促・訴訟・差押えへと段階的に進むことがある
- 弁護士・司法書士に辞任された場合は、保護がなくなり状況が急変する
ただし、「和解できなかった=詰んだ」ではありません。
個人再生や自己破産といった別の法的手続きに切り替えることで借金問題を解決できるケースは多く、次の選択肢は確実に存在します。
とはいえ放置すると取り返しのつかない状況になるリスクがあるため、現実の流れを把握したうえで早めに動きましょう。
和解が成立しない主な原因としては、「債権者が利息のカットや分割払いに応じない方針をとっている」「返済能力の観点から条件が折り合わない」「特定の債権者(一部の銀行系カードや保証会社など)が交渉自体を受け付けない」といったケースが挙げられます。
原因によっては任意整理以外の手続きのほうが根本的な解決につながることもあるため、ここでは和解失敗後に債権者がどう動くかを順に解説します。
督促の再開から法的手続きまでの流れ
任意整理の交渉が決裂した時点で、債権者は任意での回収を諦め、法的な回収手続きに切り替えます。
最初に起きるのは督促の再開です。
弁護士や司法書士が受任通知を送付している間は、債権者は直接連絡を取ることができません。
しかし和解が成立せず交渉が終了した場合、その保護は解除されます。
その後、債権者から本人宛に電話・郵便などで直接督促が再開されます。
- STEP1:督促状・催告書の送付(任意の支払いを求める書面)
- STEP2:支払督促の申立て(簡易裁判所を通じた法的な支払い請求)
- STEP3:訴訟の提起(支払督促に異議を申し立てた場合などに移行)
- STEP4:判決の確定(裁判所が支払いを命じる)
- STEP5:強制執行・差押えの申立て(判決を根拠に財産を差し押さえる)
このプロセスは債権者の判断や債務額によって異なりますが、債務額が数十万円程度の比較的少額の案件でも支払督促まで進むことは珍しくありません。

支払督促・訴訟・差押えに進むタイムライン
和解が決裂してから差押えに至るまでの期間は、一般的には数か月から半年程度を目安に考えておくとよいでしょう。
ただし、消費者金融や信販系のカード会社は法的手続きへの移行が比較的早い傾向があり、銀行系や保証会社が絡む案件は手続きが複雑になるため前後することがあります。
債権者の種類によって対応速度が異なる点は、自分のケースを判断する際の参考にしてください。
支払督促から訴訟に移行するポイント
支払督促は簡易裁判所を通じた手続きで、債権者が申立てを行うと裁判所から「支払督促」が送られてきます。
この段階で異議を申し立てなければ督促は確定し、その後すぐに強制執行の申立てが可能に。
異議を申し立てた場合は通常の訴訟手続きに移行します。
差押えの対象となる財産のポイント
判決が確定した後、債権者は強制執行を申し立てることができます。
差押えの対象として多いのは、給与・預貯金・不動産などです。
| 差押えの対象 | 生活への影響 |
|---|---|
| 給与 | 手取り額の4分の1程度が対象になるとされ(民事執行法の規定による)、毎月の生活に直接影響が出る |
| 預貯金 | 口座が凍結され、入金されたお金も引き出せない状態になる |
| 不動産 | 換価処分の対象となり、住まいを失う可能性がある |
職場への通知が必要になるケースもあるため、精神的・社会的な影響も無視できません。

弁護士・司法書士に辞任された場合に起きること
依頼者との連絡が取れない・費用の未払いが続いた・方針の合意が得られなかったといった理由で辞任されると、状況は一段と難しくなります。
- 受任通知の効力が失われ、債権者からの直接連絡が再開される
- 法的手続きへの対応を自分一人で行わなければならなくなる
- 新たな専門家への依頼が必要になるが、事情の説明や再依頼の費用が発生する
特に注意が必要なのは辞任後に裁判所から書類が届いた場合で、支払督促や訴状に期限内に対応しなければ自動的に債権者の主張が認められる結果になります。
辞任後に書類が届いた場合は、期限を確認したうえで速やかに別の専門家に相談してください。
辞任された状況でも別の弁護士や司法書士に依頼し直すことは可能で、前の専門家から受け取った書類(受任通知の写し・債権者一覧・交渉経緯のメモなど)を手元に用意しておくと引き継ぎがスムーズです。
個人再生や自己破産など任意整理以外の選択肢に切り替えることで解決できる場合もあり、和解が成立しなかったことが「借金問題を解決できない」ことを意味するわけではありません。

和解できなかった後の現実を把握したうえで、次に取れる選択肢を整理していきましょう。
債務整理で和解できないときに取れる選択肢
任意整理が行き詰まっても、次に取れる手段は複数あります。
- 条件を変えて再和解を試みる「やり直し」のルートがある
- 返済が困難な場合は個人再生・自己破産への切り替えが選択肢になる
- 担当の専門家を変えることで交渉が動き出すケースもある
- どの選択肢が適切かは、債務額・収入・資産の状況によって異なる
和解できなかった時点で「詰んだ」と感じる方は多いですが、実際には次の手段を選ぶための判断材料が揃った段階と考えることもできます。
複数の選択肢が当てはまる場合の優先順位は、大まかに以下の3点で絞り込めるでしょう。
- 収入が安定しているか → 再和解または個人再生
- 住宅を守る必要があるか → 個人再生
- 返済の見込みがまったく立たないか → 自己破産
ここでは、再和解・個人再生・自己破産・専門家の変更という4つの選択肢を、それぞれどんな状況に向いているかという視点で解説します。
再和解(やり直し)が可能なケースと条件
一度和解が成立しなかった場合でも条件や状況が変わることで再交渉が成立するケースがあり、交渉の余地が残っていれば再和解は現実的な選択肢です。
- 収入が増えるなど返済能力に変化があった
- 債権者側の担当者や方針が変わった
- 交渉の進め方・提示条件を修正できる余地がある
- 和解不成立の原因が「条件の不一致」であり、債務者の信用情報が主因ではない
「収入に変化があった」かどうかの目安は、前回提示した月々の返済額が現在の手取り収入から生活費を差し引いた残額の範囲に収まるようになったかどうかで、その水準まで回復していれば再交渉の現実性は高まりやすいとされています。
一方の「担当者や方針が変わった」は自分でコントロールできる条件ではないため、能動的に取れる手段としては位置づけにくい点に注意しましょう。
再和解が難しいのは過去に和解後の返済を途中で止めてしまったケースで、一度合意した返済計画を守れなかった場合、債権者側が再交渉に応じる可能性は高くありません。
そもそも条件が折り合わなかっただけで返済実績には問題がない場合は、提示内容を変えることで交渉が再開できることもあるでしょう。
再和解を目指すなら「なぜ前回の交渉が成立しなかったのか」を整理することが先決で、原因が返済額の設定にあるなら収入・支出を見直したうえで現実的な返済計画を再提示するのが基本的なアプローチになります。

個人再生への切り替えが向いている状況
任意整理での和解が難しい場合、個人再生への切り替えが有力な選択肢になります。
個人再生は裁判所の手続きを通じて借金の元本自体を一定割合まで圧縮し、残額を原則3年(最長5年)で返済する制度。
- 債務総額が多く、任意整理の返済条件では月々の負担が重すぎる
- 住宅ローンがあり、自宅を手放したくない(住宅ローン特則が使える場合)
- 安定した収入があり、圧縮後の残額は返済できる見込みがある
- 自己破産を避けたい事情がある(資格制限・職業上の問題など)
最大のメリットは元本そのものを減らせる点で、利息・遅延損害金のカットが中心の任意整理と違い、元本を圧縮できるケースがあります。
・債務総額が100万円未満の場合:全額
・債務総額が100万円以上500万円未満の場合:概ね100万円程度
ただし裁判所の手続きが必要なぶん、任意整理と比べて時間・費用・手続きの複雑さは増える点に注意が必要。
また、個人再生は「継続的または反復した収入の見込みがある」ことが要件のひとつで、無収入や収入が極端に不安定な状況では裁判所に認可されないリスクがあります。
収入の安定性を確認した上で、弁護士・司法書士に適性を相談しましょう。

自己破産への切り替えが向いている状況
返済の見込みが立たない場合、自己破産が現実的な選択肢になります。
自己破産は、裁判所に申立てを行い、免責が認められることで原則としてすべての借金の返済義務がなくなる制度。
- 収入がなく、または収入が最低生活費にも満たない水準にある
- 債務総額に対して返済の見通しがまったく立たない
- 個人再生の返済計画(圧縮後の残額)も現実的に組めない
- 資産がほとんどなく、財産を失うリスクが低い
自己破産には「免責不許可事由」と呼ばれる条件があり、ギャンブルや浪費が主な原因の場合は免責が認められない可能性があります。
ただし、免責不許可事由に該当していても、裁量免責として認められるケースがあるため、該当するかどうかは専門家に確認することが先決です。
- 信用情報への影響(目安として5〜10年程度)
- 手続き中の期間に限った一部の資格・職業への制限(弁護士・司法書士・警備員・保険外交員など)
- 一定額以上の財産の処分(現金で概ね20万円前後、預貯金や保険の解約返戻金なども同程度の基準を超える部分が対象)
とはいえ、これらは永続的な制限ではなく、生活の立て直しを前提とした制度設計。
「すべてを失う」という誤解が多い制度ですが、手元に残せる財産の範囲も定められており、最低限の生活基盤は保護されます。

辞任された弁護士・司法書士から別の専門家へ依頼し直す方法
担当の弁護士・司法書士に辞任された場合でも、別の専門家に依頼し直すことは可能です。
辞任は「この案件が解決できない」という意味ではなく、「その事務所との契約が終了した」という意味にすぎません。
- STEP1:辞任の経緯と理由を整理し、次の専門家に正確に伝える
- STEP2:前の事務所から受け取った書類(委任契約書・交渉経緯のメモなど)を手元に揃える
- STEP3:複数の事務所に無料相談を行い、対応方針を比較する
複数の事務所を比較する際は、以下の3点を確認すると方針の違いが把握しやすくなります。
- 「なぜ前回の交渉が成立しなかったか」への見立て
- 提案する手続きの種類(再和解・個人再生・自己破産)
- 費用の総額と支払い方法
次の専門家を選ぶ際に重要なのは「なぜ前の交渉が成立しなかったか」を正直に伝えることで、情報を隠して依頼すると再び同じ問題で行き詰まりかねません。
専門家を変えることで交渉の進め方や提案内容が変わり、債権者との交渉が動き出すケースは実際にあります。
「一度断られたから無理」と諦める前に、別の専門家の見解を聞くことが次の一手として有効です。

個人再生・自己破産・任意整理の違いと選び方
任意整理で和解できなかった場合、次の選択肢として個人再生または自己破産が候補に上がります。
- 3つの手段はそれぞれ「手続きの重さ」「財産への影響」「生活への制約」が大きく異なる
- どれが適切かは、借金の総額・保有財産・収入の有無・家族構成によって変わる
- 任意整理に比べ、個人再生・自己破産は裁判所を通す手続きになる
なお、任意整理から個人再生・自己破産に切り替える場合、依頼中の弁護士・司法書士にそのまま引き続き対応してもらえるケースが多いです。
手続きが止まったからといって、最初からやり直しになるわけではありません。
切り替えの際は、まず現在の担当専門家に「次の手段に移れるか」を確認することが出発点になります。
3つの債務整理手段の主な違い
3つの手段は「誰が手続きを主導するか」「借金の減額幅」「信用情報への影響期間」の点で明確に異なります。
| 手続き | 裁判所の関与 | 減額の内容 | 信用情報の登録期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 任意整理 | 通さない(債権者と直接交渉) | 将来利息のカットが中心 | 概ね5年前後 |
| 個人再生 | 通す | 元本を大幅に圧縮し、残額を原則3年で分割返済 | 概ね5〜10年前後 |
| 自己破産 | 通す | 一定の財産を換価したうえで返済義務を免除 | 概ね5〜10年前後 |
任意整理は手続きが比較的軽く対象とする債権者を選べる柔軟さがある一方、債権者が和解に応じなければ成立しないという限界も。
個人再生は裁判所が関与するため、債権者の合意が得られなくても手続きを進められる点が大きな違いです。
自己破産は返済義務そのものを消せる反面、手続きの要件や制約が3つのなかで最も厳しくなります。
信用情報への登録期間は信用情報機関や手続きの種類によって異なるものの、破産手続きは任意整理より長くなる傾向。
手続き期間の目安は個人再生が申し立てから完了まで概ね半年〜1年前後、自己破産は免責許可が下りるまで概ね半年前後とされることが多く、書類の準備状況や裁判所の状況によって前後します。

手元に残せる財産・生活への影響の比較
財産や生活への影響は、3つの手段のなかで最も差が出やすい部分です。
| 手続き | 財産への影響 | 自宅の扱い |
|---|---|---|
| 任意整理 | 財産の処分は原則不要 | 自宅や車を維持したまま手続きできる |
| 個人再生 | 一定の財産額が返済額の基準になる | 「住宅ローン特則」により維持できる場合がある |
| 自己破産 | 一定額を超える財産(不動産・車・預貯金など)は原則として処分対象 | 処分対象になるケースが多い |
自宅を守りたい場合は個人再生の住宅ローン特則が有力な選択肢で、住宅ローンの返済を継続しながらその他の借金を圧縮できる、マイホームを手放したくない方向けの制度です。
自己破産の場合は自宅が処分対象になるケースが多いですが、手元に残せる財産の基準(自由財産)は一定額まで認められており、すべてを失うわけではありません。
また、自己破産には「免責不許可事由」と呼ばれる要件があり、ギャンブルや浪費が主な原因の場合は免責が認められないことがあります。
生活への制約としては自己破産の申し立て中に一部の職業・資格に制限が生じる期間があり、弁護士・司法書士・宅地建物取引士・警備員・保険外交員などが代表例です。

自分の状況に合った手段を判断する目安
手段選びの基本軸は「返済できる収入があるか」「守りたい財産があるか」「借金総額はどの程度か」の3点です。
以下を目安に、自分の状況を照らし合わせてみてください。
個人再生が向いている場合のポイント
安定した収入があり、自宅を守りたい方に向いています。
個人再生は返済能力があることが前提で、圧縮後の借金を継続して返済していく必要があります。
借金の圧縮幅は借金総額によって異なりますが、概ね2分の1〜5分の1程度になるケースが多いとされています(最低弁済額の基準は裁判所が定める計算式によります)。
借金の総額が概ね100万円を超えており、任意整理では返済が難しいと判断される場合に選ばれるケースが多いです。
収入が不安定または無収入の場合は裁判所に返済計画の実行可能性を認めてもらうことが難しく、事実上、個人再生ではなく自己破産が現実的な選択肢となることが多いでしょう。
費用の目安としては、弁護士費用と裁判所への予納金を合わせて概ね数十万円前後が必要になるケースが多いとされています。
自己破産が向いている場合のポイント
収入がなく、または収入があっても返済の見込みが立たない方に向いています。
守りたい財産が少ない、あるいは借金総額が大きすぎて圧縮しても返済できないケースでは、自己破産が現実的な選択肢に。
費用の目安としては、弁護士費用と裁判所への予納金を合わせて、個人再生と同程度か、やや低くなるケースが多いとされています。
免責不許可事由に該当する事情がある場合は、弁護士に事前に確認することが重要です。
任意整理の再交渉が向いている場合のポイント
特定の債権者との交渉が難航しているだけで、他の債権者とは和解できている場合は、対象を絞った再交渉や条件変更の申し出が有効なことがあります。
再交渉は、原則として依頼中の弁護士・司法書士が引き続き対応可能。
「和解できなかった債権者に限って別の条件を提示する」「返済期間の延長を改めて申し出る」といった形で交渉を続けるかどうかを、担当専門家と相談して判断するのが現実的な進め方です。
借金総額が比較的少なく収入がある程度安定していれば、任意整理の枠内で解決できる余地も。
具体的には、借金総額が概ね数十万〜100万円前後の範囲で、月々の返済が収入の3分の1程度以内に収まる見込みがある場合が、再交渉を検討する目安の一つとされています。
3つの手段にはそれぞれ異なる要件・効果・制約があり、状況を整理しないまま自己判断で選ぶのはリスクがあります。

和解できないと感じたら、まず専門家に相談する
任意整理が行き詰まったとき、次の一手として最も重要なのが専門家への相談です。
- 債権者が利息のカットや返済期間の延長に応じない方針をとっている
- 収入に対して債務総額が大きすぎて、現実的な返済計画が組めない
- すでに債権が保証会社や債権回収会社に移っており、交渉の余地が限られている
- 過去に任意整理の実績があり、再度の交渉を拒否されている
こうした状況に当てはまる場合でも個人再生や自己破産という別の手段に切り替えることで解決できるケースは多く、「和解できなかった=終わり」ではなく次の選択肢へ進む段階に来たと捉えましょう。
- 和解できない理由や今後の選択肢は、個別の状況によって大きく異なる
- 弁護士・司法書士に相談することで、個人再生・自己破産への切り替えを含めた方針が整理できる
- 初回相談が無料の事務所も多く、費用面のハードルは以前より低くなっている
個人再生は一定の収入を前提に借金を圧縮して3〜5年かけて返済する手続きで住宅ローン特則を使えば自宅を残せる場合もあり、自己破産は返済自体を免除される代わりに一定の財産が処分対象になります。
どちらが自分に合うかは収入・資産・家族構成などによって異なるため、専門家に状況を伝えたうえで判断してください。
すでに専門家へ依頼中なら別の事務所を探す必要はなく、担当の弁護士・司法書士に「和解が難しいと感じている」「個人再生や自己破産への切り替えを検討したい」と伝えるだけで方針の見直しに応じてもらえるのが一般的です。
自分一人で「もう詰んだ」と判断するのは早計で、専門家の目線で状況を整理すると個人再生・自己破産・法テラスの活用といった具体的な選択肢が見えてきます。
費用が不安な場合は法テラスを活用する
相談費用・依頼費用の負担が重く、専門家への相談をためらっている場合は、法テラス(日本司法支援センター)の利用を検討してください。
収入や資産が一定の基準を下回る方であれば、弁護士・司法書士費用の立替制度を利用できます。
詳細な審査基準は法テラスの公式サイトで確認できます。
- 審査を通過すると、弁護士・司法書士費用を法テラスが立て替え、月々の分割払いで返済できる
- 電話・対面での法律相談を無料で受けられる窓口も設けられている
- 生活保護受給中の方は返済が免除される場合もある
「費用が払えないから相談できない」という状況を避けるための制度として、積極的に活用してください。

相談先を選ぶときに確認したいポイント
弁護士・司法書士の事務所は多数あるため、どこに相談すればよいか迷うのは当然です。
相談先を選ぶ際には、以下の観点で事務所を比較することをおすすめします。
対応実績のポイント
債務整理・任意整理の対応実績が豊富かどうかを確認してください。
事務所のウェブサイトや口コミで「債務整理専門」または「取扱件数が多い」と明示されている事務所は、交渉のノウハウが蓄積されています。
和解が難しいケースへの対応経験を確認したい場合は、「任意整理で和解できなかった案件を扱ったことがあるか」「個人再生や自己破産への切り替えに対応できるか」と具体的に質問すると、事務所の対応力を判断しやすくなります。
費用の透明性のポイント
初回相談料・着手金・報酬金の内訳が明確に提示されているかを確認してください。
「無料相談」と案内していても、その後の費用が不明瞭な場合は注意が必要です。
相談前に費用の目安を書面またはウェブページで確認できる事務所を選ぶと安心です。
対応範囲のポイント
弁護士と司法書士では対応できる範囲が異なります。
司法書士が扱えるのは1社あたりの債権額が140万円以下の案件で、それを超える場合や個人再生・自己破産への移行が見込まれる場合は弁護士への依頼が必要。
自分の状況に合った専門家を選ぶことが、スムーズな解決につながります。
和解できないと感じた段階で、一人で抱え込む必要はありません。
「和解できない」という状況そのものを専門家に伝えれば、個人再生・自己破産・法テラスの活用といった次の選択肢を具体的に整理してもらえます。

債務整理・任意整理に関するよくある質問
和解が成立しなかった場合や、交渉が難航したときに「このまま借金はどうなるのか」と不安を感じる方は少なくありません。
ここでは、任意整理をめぐる疑問や、交渉がうまく進まないときに取り得る対応について整理しています。
状況によって選択肢は異なりますが、和解できなかった場合でも次の一手が存在することを知っておくことは大切です。
焦らず一つひとつ確認しながら、自分の状況に合った判断の参考にしてください。
任意整理で和解できなかったら、借金はどうなりますか?
任意整理で和解が成立しなかった場合、元の返済条件に戻り、その後の対応が重要になります。
和解が成立しなければ債権者との交渉は打ち切られ、元の返済条件のまま債務が残り続ける状態に。
その後、債権者から督促・支払督促・訴訟といった手続きが進み、最終的には給与や財産への差押えに至る可能性があります。
ただし任意整理はあくまで借金整理の手段のひとつで、和解できなかった場合でも個人再生や自己破産という別の法的手続きが残されているのです。
どの手段が適切かは状況によって異なるため、放置せず早めに弁護士や司法書士などの専門家へ相談してください。

任意整理を断られた場合、債権者はすぐに訴訟を起こしますか?
任意整理が断られてもすぐに訴訟になるわけではなく、通常はいくつかの段階を経ます。
任意整理の交渉が成立しなかった場合でも、債権者が直ちに訴訟を提起するケースは一般的ではありません。
多くの場合、電話や書面による督促、次いで支払督促(裁判所を通じた書面手続き)という段階を経てから、訴訟へと移行する流れになります。
ただし、この一連の流れが進むスピードは債権者によって異なり、時間的な猶予は決して長くありません。
支払督促が届いた段階で異議申し立てをしなければ、そのまま強制執行(差し押さえ)に進む可能性もあります。
任意整理が断られたと分かった時点で、早期に弁護士や司法書士へ相談し、次の対応策(他の債務整理手続きの検討など)を検討することが重要です。

弁護士に辞任されてしまったら、もう債務整理はできませんか?
弁護士に辞任されても、別の弁護士や司法書士に依頼し直すことで、引き続き債務整理を進めることができます。
辞任はあくまで特定の弁護士との委任契約が終了したことを意味するため、債務整理そのものができなくなるわけではありません。
新たな依頼先を探す際は、債務整理の実績が豊富な弁護士・司法書士事務所に相談するのが一般的な方法です。
費用面が不安な場合は、法テラス(日本司法支援センター)を利用することで、収入が一定水準以下であれば弁護士費用の立替制度を活用できる場合があります。

アコムは任意整理に応じてくれないのですか?
アコムは任意整理に応じにくい場合がありますが、他の債務整理手段で対応できます。
アコムは将来利息のカットに応じない方針をとるケースが多く、任意整理の交渉が難しい債権者として知られています。
そのため、弁護士や司法書士が交渉を試みても、希望する条件での和解に至らないケースも少なくありません。
ただし、交渉の可否は個別の状況によって異なるため、一概に「応じない」と断言できるわけではありません。
アコムとの任意整理が難しい場合でも、個人再生や自己破産といった裁判所を通じた手続きを選択することで、債務の整理を進めることは可能です。
どの手段が適切かは、借入額や収入状況によって異なるため、専門家に相談して最適な方法を検討することをおすすめします。

任意整理で和解が成立した後に払えなくなったらどうなりますか?
支払いが困難になった場合は、再和解の交渉か、別の債務整理手続きへの切り替えという選択肢があります。
任意整理で和解が成立した後に支払いが困難になった場合、まず弁護士や司法書士を通じて債権者に再和解の交渉を申し入れる方法があります。
返済期間の延長や月々の支払額の見直しに応じてもらえるケースも少なくありません。
それでも解決が難しい場合は、個人再生や自己破産といった別の債務整理手続きへ切り替えることも選択肢のひとつです。
支払いを滞納したまま放置すると和解が白紙に戻り、一括請求や強制執行につながりかねません。
対応の幅は相談のタイミングによって大きく変わるため、支払いに不安を感じた時点で速やかに動くことをおすすめします。

任意整理が手遅れになるケースはありますか?
差押えが始まった後でも別の手段が残っているため、完全に手遅れになるケースは少ないです。
任意整理は債権者との交渉を前提とする手続きのため、すでに差押えが執行されている状況では交渉が難しくなりがち。
ただし、その場合でも個人再生や自己破産といった法的手続きに切り替えることで、状況を打開できる可能性があります。
これらの手続きは裁判所を通じて行われるため、差押えの停止や免責といった効果が期待できるでしょう。
手続きの選択肢は債務の総額や資産状況によって異なるため、現状に合った方法を弁護士や司法書士に早めに相談することが重要です。
対応が遅れるほど選択できる手段が限られてくる場合もあるため、早期の相談が状況の悪化を防ぐことにつながります。

まとめ
任意整理は裁判所を介さない交渉手続きであるため、債権者が応じなければ和解は成立しません。
和解できない主な原因は、返済能力が条件に届かない・返済実績が乏しい・銀行系カードローンなど交渉に応じにくい業者である・すでに差押えが始まっている・過去に和解を破った実績がある、といったケース。
和解が決裂すると受任通知による督促停止の効力が失われ、督促の再開から支払督促・訴訟・差押えへと一般的に数か月から半年程度で段階的に進むため、放置するほど選べる手段は狭まっていきます。
ただし和解できなかったことは行き詰まりを意味せず、条件を見直しての再和解・元本を圧縮する個人再生・返済義務を免除する自己破産・担当専門家の変更という4つの選択肢が残されているのです。
判断の基本軸となるのは、返済できる収入があるか・守りたい財産があるか・借金総額はどの程度かの3点で、費用が心配なら法テラスの立替制度も検討しましょう。
最もリスクが高いのは状況が変わらないまま時間だけが経過することですので、任意整理で和解に至らなかったケースも、あまた法律事務所へお気軽にご相談ください。

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
▶︎柔軟な料金設定
・初回相談【無料】
・ご相談内容によっては【着手金無料】
▶︎いつでもご相談いただけます
・【土日・祝日】ご相談OK
・【夜間】ご相談OK
・【即日】ご相談OK
1.交通事故の無料相談窓口
tel:0120-651-316
2.債務整理の無料相談窓口
tel:0120-783-748
3.総合お問い合わせページはこちら











