交通事故で軽傷を負い1日だけ通院したけれど、こんなに短い通院期間でも慰謝料はもらえるのか疑問に感じていませんか?
保険会社から提示された金額が適正なのか判断できず困っていませんか?
また、弁護士に相談するほどの案件なのか迷っていませんか?
保険の知識不足により、本来受け取れるはずの慰謝料を見逃してしまったり、保険会社の都合の良い条件で示談に応じてしまう可能性もあります。
この記事では、1日の通院でももらえる慰謝料の相場から、自賠責・任意保険・弁護士基準の違い、保険会社との適切な交渉方法、弁護士相談の判断基準まで詳しく解説します。
さらに、診断書の取得方法や示談交渉での注意点、後遺症への対処法も具体的に紹介します。
この記事の目次
交通事故で1日だけ通院した場合でも慰謝料はもらえるの?
交通事故による被害者には、たとえ通院日数が1日であっても、精神的苦痛に対する入通院慰謝料を請求する正当な権利が認められています。

慰謝料の金額は、適用される基準によって大きく異なります。
最も基本的な自動車損害賠償保障法(e-Gov法令検索)に基づく自賠責保険基準では、通院1日あたり4,300円または8,600円(対象日数×4,300円か実通院日数×2×4,300円のいずれか少ない額)が支払われます。
つまり、1日だけの通院であっても、最低4,300円の慰謝料を受け取ることができます。
• 自賠責保険基準:1日4,300円~8,600円
• 任意保険基準:保険会社により異なる
• 弁護士基準:最も高額(過去の裁判例に基づく)
一方、弁護士基準(裁判所基準)は最も高額な基準であり、過去の裁判例に基づいて算定されます。
弁護士に依頼した場合、通院期間が短くても相応の慰謝料増額が期待できます。
まず、事故との因果関係を明確にするため、事故直後に必ず病院で診察を受け、診断書を取得することが不可欠です。
また、事故の状況や症状について詳細に記録し、相手方の保険会社との交渉に備える必要があります。
被害者に過失がある場合、その割合に応じて慰謝料が減額されるため、事故状況の正確な把握と適切な過失割合の認定が重要となります。
軽傷だからといって慰謝料請求を諦める必要はありませんが、適正な金額を受け取るためには、法的知識を持った専門家への相談も検討する価値があります。

1日だけの通院でもらえる慰謝料の相場
適用基準により金額は大きく変動する。
通院1日の軽傷ケースでは、最低でも4,300円の慰謝料が支払われることになります。
ただし、適用される基準によって支払額は大きく変わるため、どの基準で計算されるかを理解することが重要です。
- 自賠責基準:最も低い金額
- 任意保険基準:中程度の金額
- 弁護士基準:最も高額

通院慰謝料の計算方法
1日だけの通院の場合、実通院日数が1日となるため、各基準の日額に実通院日数を掛けて算出します。
- 「治療期間」または「実通院日数×2」の少ない方を採用
- 日額4,300円を適用
- 通院1日の場合:治療期間1日 vs 実通院日数1日×2(2日)→少ない方の1日を採用
自賠責基準では、「治療期間」または「実通院日数×2」のいずれか少ない方に日額4,300円を掛けて計算します。
通院1日の場合は、治療期間1日と実通院日数1日×2(2日)を比較し、少ない方の1日を採用します。

任意保険基準と弁護士基準では、それぞれ独自の算定表や基準を用いて計算されるため、金額に差が生じます。
自賠責基準での金額
これは国が定めた最低限の補償金額であり、どの保険会社でも共通の基準となります。
自動車損害賠償保障法(e-Gov法令検索)に基づく自賠責保険は交通事故被害者の最低限の救済を目的とした強制保険のため、支払われる慰謝料も必要最小限の金額に設定されています。

任意保険基準での金額
任意保険基準での1日通院慰謝料は、保険会社により異なりますが、一般的に6,000円から8,000円程度が相場とされています。
これは自賠責基準の1.4倍から1.9倍程度の金額です。
ただし、多くの保険会社では自賠責基準よりもやや高い金額を提示する傾向があります。
1日通院の場合でも、交渉により8,000円前後の慰謝料を獲得できる可能性があります。

- 保険会社により算定基準が異なる
- 基準は非公開で独自性がある
- 交渉により金額の変動可能性がある
弁護士基準での金額
これは自賠責基準の約3.5倍から4.7倍に相当する金額です。

弁護士基準は過去の判例を基に設定された基準で、最も高額な慰謝料を期待できます。
1日だけの通院であっても、弁護士に依頼することで自賠責基準の約4倍の慰謝料獲得が可能です。
- 自賠責基準の約4倍の慰謝料獲得が可能
- 過去の判例を基に設定された最も高額な基準
- 軽傷の場合は弁護士費用との費用対効果を検討
- 弁護士費用特約があれば積極的に活用
弁護士費用特約が利用できる場合は、積極的に弁護士への相談を検討することをお勧めします。
1日だけの通院で慰謝料をしっかりもらうためのポイント
慰謝料は治療日数に関係なく、事故による精神的苦痛に対する補償として支払われるものです。
自動車損害賠償保障法(e-Gov法令検索)に基づく自賠責保険制度(国土交通省)では、通院1日あたり4,300円の入通院慰謝料が設定されており、1日だけの通院でも最低限の補償を受けることができます。

適切な手続きを踏むことで、しっかりと慰謝料を受け取ることができますよ
軽微な事故であっても、後から症状が悪化するケースも少なくありません。
そのため、1日だけの通院であっても、必要な手続きや証拠保全をしっかりと行い、将来的な治療の可能性も考慮した対応を取ることが大切です。
病院での診断をきちんと受ける
事故直後は興奮状態やアドレナリンの影響で痛みを感じにくく、数時間から数日後に症状が現れることがあります。
「少し痛い」「違和感がある」といった軽微な症状でも、遠慮せずに具体的に説明しましょう。
医師は患者の訴えに基づいて診断を行うため、症状の詳細な説明が適切な診断につながります。

遠慮せずに細かい症状も医師に伝えることが大切ですね。
自賠責保険(国土交通省)用の診断書の作成も忘れずに依頼しましょう。
通常の診断書とは異なり、自賠責保険用の診断書は交通事故の慰謝料請求に特化した様式となっており、治療期間や症状の詳細が記載されます。
また、診療報酬明細書も併せて取得し、治療内容と費用の詳細を記録として残すことが大切です。
- 事故の詳細を正確に医師に報告
- 軽微な症状も含めて全て伝える
- 自賠責保険用の診断書を依頼
- 診療報酬明細書も取得
診断書や領収書を保管しておく
診断書は慰謝料請求の根拠となる最も重要な書類の一つで、医師による客観的な診断内容が記載されています。
医師法(e-Gov法令検索)第19条第2項では、医師は診察をした患者から診断書の交付を請求された場合、正当な理由がない限り診断書の交付を拒むことはできないとされています。

領収書は治療にかかった実費の証明書類として必要です。
診察料、検査料、薬代など、事故による治療に関連するすべての支出の領収書を保管しましょう。
タクシー代や公共交通機関の利用料金も、通院に必要な交通費として請求できる場合があります。
- 診察料・検査料・薬代
- 通院のための交通費(タクシー・公共交通機関)
- 診断書作成料
- その他治療に必要な支出
書類の保管方法も重要なポイントです。
原本は必ず手元に保管し、コピーを作成して複数の場所に分けて保存することをお勧めします。
デジタル化してクラウドサービスに保存することで、紛失のリスクを減らすことも可能です。
診断書の記載内容に疑問がある場合は、医師に確認を求めることも大切です。
治療日数や症状の記載が実際の状況と異なる場合、後の慰謝料算定に影響する可能性があります。

事故状況を記録に残す
事故直後は動揺していることが多いですが、可能な限り冷静に状況を記録することが大切です。

現場の写真撮影は最も重要な証拠保全の一つです。
車両の損傷状況、事故現場の道路状況、信号機や道路標識の位置など、できるだけ多角度から撮影しましょう。
スマートフォンのGPS機能を活用すれば、撮影場所の特定も容易になります。
- 車両の損傷状況を複数の角度から
- 事故現場の道路状況全体
- 信号機や道路標識の位置
- スマートフォンのGPS機能で位置情報も記録
事故状況に関する発言や謝罪の言葉などは、後の交渉において有利な材料となる可能性があります。
ただし、録音する際は相手方に了承を得ることが望ましいです。
第三者の客観的な証言は、事故状況の立証において非常に有効です。
また、事故発生時刻、天候、道路状況なども詳細に記録し、事故報告書の作成に備えることが重要です。

可能な限り事故直後に詳細な記録を残すことで、後の交渉を有利に進めることができますね。
保険会社との示談交渉で気をつけること
軽微な事故でも適正な補償を受けるための注意点があります。
軽微な事故だからといって油断すると、適正な補償を受けられない可能性があります。

1日通院のケースでは、保険会社は早期解決を望む傾向にあり、低額な示談金を提示してくる場合があります。
しかし、後から症状が悪化することもあるため、慎重な判断が必要です。
• 早期解決を急がない
• 症状の経過を慎重に観察
• 慰謝料計算基準の違いを理解
• 必要に応じて専門家に相談
早期示談を迫られても慌てない
交通事故による症状は、事故から数日~数週間後に現れることもあり、1日通院しただけでは症状の全容が把握できない場合があります。

- 事務処理の簡素化
- 支払額の抑制
被害者にとって有利になることは少ないため、十分に検討する時間を確保することが重要です。
提示額が適正かチェックする方法
保険会社からの慰謝料提示額が適正かどうかを判断するには、慰謝料の計算基準を理解することが重要です。
1日通院の場合の慰謝料は、自動車損害賠償保障法(e-Gov法令検索)に基づく自賠責基準では1日あたり4,300円となります。

- 自賠責基準:1日4,300円(最低限の補償)
- 任意保険基準:1日6,300円~9,300円程度
- 弁護士基準(裁判基準):最も高額な基準
保険会社は通常、自賠責基準で提示してきますが、実際には任意保険基準や弁護士基準での支払いが可能な場合があります。
提示額をそのまま受け入れるのではなく、他の基準と比較検討することが大切です。
納得できない場合の対処法
感情的になっても良い結果は生まれません。 具体的な対処法として、以下の方法があります。

交渉の際は、慰謝料の計算根拠を明確にし、他の基準との比較を示すことが効果的です。
医師の診断書や治療費の明細など、客観的な証拠を準備して交渉に臨みましょう。
・慰謝料計算根拠の明確化
・客観的証拠の準備
・他基準との比較提示
弁護士が介入することで、弁護士基準での慰謝料算定が可能になり、結果的により高額な示談金を獲得できる可能性があります。
交通事故の損害賠償については、民法(e-Gov法令検索)第709条や自動車損害賠償保障法(e-Gov法令検索)に基づいて適正な補償を受ける権利が保障されています。
- 示談内容を書面で確認する
- 不明な点は遠慮なく質問する
- 納得できない場合は即答を避ける
- 必要に応じて専門家に相談する

1日通院という軽微なケースであっても、適正な補償を受ける権利があります。
保険会社のペースに巻き込まれることなく、十分に検討した上で示談に応じることが大切です。
1日だけの通院でも弁護士に相談した方がいいケース
軽傷だからといって示談を急ぐ必要はなく、適切な補償を受けるためには専門家の判断を仰ぐことが重要です。

交通事故の慰謝料は、自賠責保険ポータルサイト(国土交通省)の自賠責基準では通院1日あたり4,300円から8,600円とされていますが、弁護士基準では大幅に増額される可能性があります。
また、軽傷と思われても後から症状が悪化するケースも多く、早期の対応が将来的な補償に大きく影響することがあります。
過失割合に納得できない場合
交通事故における過失割合は、受け取れる賠償金額に直結する重要な要素です。
保険会社から提示された過失割合に疑問を感じる場合、弁護士に相談することで適正な割合での解決が期待できます。
保険会社の提示に疑問を感じたら弁護士への相談が有効
これは、保険会社にとって支払額を抑制できるためです。
しかし、弁護士が介入することで、過去の判例や事故状況の詳細な分析に基づいて、より適正な過失割合での交渉が可能になります。

例えば、信号機のある交差点での事故や、一方的な追突事故などでは、事実関係を正確に把握し、証拠を適切に提示することで過失割合を見直せる可能性があります。
- 信号機のある交差点での事故状況の詳細分析
- 一方的な追突事故での証拠収集
- 過去の判例に基づく適正な割合の算出
- 弁護士による専門的な交渉
保険会社の対応に不満がある場合
保険会社の担当者による不適切な対応や、一方的な治療費打ち切りの通知などがあった場合、弁護士の介入により状況が改善されることがあります。
保険会社は営利企業として支払額を抑制したい立場にあるため、被害者の立場に立った対応を期待できない場合があります。
具体的には、治療の必要性を過小評価したり、慰謝料の算定で最低基準を提示したりすることがあります。

弁護士が代理人として交渉に入ることで、保険会社も弁護士法(e-Gov法令検索)に基づいた適正な対応を取らざるを得なくなります。
また、弁護士特約を利用することで、費用負担なく弁護士に依頼できるケースも多く、経済的な心配をせずに専門家のサポートを受けることができます。
- 法的根拠に基づいた適正な交渉
- 保険会社の不当な対応への対抗
- 弁護士特約による費用負担軽減
- 専門知識による適切な損害額算定
後遺症の可能性がある場合
事故直後は興奮状態で痛みを感じにくく、数日後から症状が現れる可能性を考慮する必要があります。
むちうち症は、首や肩の痛み、頭痛、めまい、手足のしびれなどの症状が後から現れることが多い傷病です。
これらの症状は画像診断で異常が見つかりにくく、自覚症状が中心となるため、保険会社から軽視されがちです。

後遺障害等級が認定されれば、後遺障害慰謝料や逸失利益といった追加の補償を受けることができ、総額で数百万円の差が生じることもあります。
- 後遺障害慰謝料:等級に応じた慰謝料
- 逸失利益:将来の収入減少分
- 治療費:症状固定まで
- 通院交通費:医療機関への交通費
軽傷だからといって安易に示談に応じず、専門家の意見を聞いてから判断することが、適正な補償を受けるための重要なポイントです。

交通事故の通院1日だけでも知っておきたい注意点
軽微な症状であっても、法的な権利や補償を確実に受けるための重要なポイントを見落としてはいけません。

国土交通省の自賠責保険制度では、通院1日であっても慰謝料として4,300円が支払われることが定められています。
また、治療費の支払い方法、休業損害の請求可能性、示談成立後のリスクなど、1日通院の場合に特有の注意点を理解しておくことが大切です。
- 慰謝料4,300円の確実な受け取り
- 治療費の適切な請求方法
- 休業損害の請求可能性
- 示談成立後のリスク回避
治療費の支払いについて
この制度により、被害者は治療費を立て替える必要がなく、窓口での支払いも不要となります。

自動車損害賠償保障法(e-Gov法令検索)に基づく自賠責保険では、通院1日の場合でも治療に要した実費が支払われます。
診察料、検査費、薬代などの実際にかかった費用が対象となり、上限額は120万円です。
任意保険が付帯している場合は、自賠責保険の限度額を超えた部分についても補償されるため、より手厚い保障を受けることができます。
- 自賠責保険:実費支払い(上限120万円)
- 任意保険:自賠責保険の限度額超過分も補償
ただし、第三者行為による傷病届を健康保険組合に提出する必要があります。
休業損害は請求できる?
自賠責保険の支払基準(国土交通省)では、日額6,100円を基準として休業損害が計算されます。
ただし、実際の収入が証明できる場合は、日額19,000円を上限として実損額での支払いが可能です。

休業損害を請求するためには、勤務先から「休業損害証明書」を取得する必要があります。
有給休暇を使用した場合でも、本来であれば働けた時間に治療を受けたことを証明できれば、休業損害として認められる可能性があります。
- 給与所得者:勤務先から休業損害証明書を取得
- 自営業者・個人事業主:確定申告書で前年収入を証明
- 主婦:家事労働の対価として日額6,100円が認められる場合がある
主婦の場合でも、家事労働の対価として日額6,100円の休業損害が認められる場合があります。
示談成立後に症状が悪化した場合

1日通院の場合、症状が軽微に見えても後日悪化する可能性があります。
むちうち症などは事故後数日経ってから症状が現れることも多く、安易に示談を行うと後悔することになりかねません。
示談を行う前には、十分な期間をおいて症状の推移を観察することが重要です。
- 示談書に”後遺症が発生した場合は別途協議する”などの条項が明記されている場合
- 示談時に予見できなかった重篤な後遺症が発生した場合
ただし、これらの例外が認められるケースは極めて限定的です。
不安がある場合は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。











