「追突事故の慰謝料は、いつ振り込まれるの?」「過失10対0なのに、なぜすぐに払ってもらえないの?」と不安を感じていませんか。
受け取りまでの期間は、怪我の程度や後遺障害の有無によって大きく変わります。軽傷なら事故から数ヶ月で受け取れる一方、後遺障害を申請する場合は1年以上かかることも珍しくありません。また、10対0の追突事故では、自分の保険会社に示談交渉を任せられないという事情もあります。
追突事故の被害にあい、慰謝料の受け取りを待っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
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この記事の目次
追突事故の慰謝料をもらえるまでの期間|状況別の目安
追突事故の慰謝料は、示談が成立した後に支払われるのが原則です。示談交渉は治療が終わってから始まるため、受け取り時期は怪我の程度で大きく変わります。
| 状況 | 治療期間の目安 | 慰謝料を受け取るまで(事故から) |
|---|---|---|
| 打撲・軽いむちうちで通院が短い | 1〜3ヶ月 | 2〜4ヶ月程度 |
| むちうちで通院が長引く | 3〜6ヶ月 | 半年〜1年程度 |
| 骨折などで長期通院(後遺障害なし) | 6ヶ月以上 | 半年〜1年以上 |
| 後遺障害を申請する | 6ヶ月以上+審査期間 | 1年〜1年半以上 |
| 示談交渉が難航する・訴訟になる | ケースによる | 1年以上かかることも |
※いずれも一般的な目安であり、個別の事情によって前後する点にご注意ください。期間の内訳は「治療期間+後遺障害の審査(該当者のみ)+示談交渉1〜3ヶ月+振込1〜2週間」と考えるとわかりやすいでしょう。
ここでは、状況ごとの目安と注意点を解説します。
【通院が短い人】打撲・軽いむちうちは事故から2〜4ヶ月程度
打撲や軽いむちうちで、すでに通院を終えた人、または終了が近い人向けの目安です。治療が終われば示談交渉に入り、合意から1〜2週間ほどで振り込まれるのが一般的。損害の項目が少ないため、交渉も比較的シンプルに進みやすいでしょう。ただし、保険会社と金額で折り合わない場合は、さらに1ヶ月程度延びることもあります。
- 痛みが残っているうちは示談に応じない
- 示談後に症状が悪化しても、原則として追加請求はできない
- 示談を急かされたら、弁護士の無料相談で時期を確認する
軽傷でも、保険会社から早めの示談を打診されることがあります。治療の終了を医師と確認してから交渉に進みましょう。

【むちうちで通院中の人】受け取りまでは事故から半年〜1年程度
むちうち(頸椎捻挫など)で、現在も通院を続けている人向けの目安です。むちうちは画像検査で異常が写りにくく、治療終了の判断が難しい怪我のひとつ。そのため、通院期間が3〜6ヶ月に及ぶことも少なくありません。
- 症状が目に見えにくく、治療終了の判断に時間がかかる
- 通院3〜6ヶ月の段階で、保険会社から治療費の打ち切りを打診されることがある
- 後遺障害(12級・14級)の申請を検討する場合がある
打ち切りを打診されても、症状が残っているなら主治医に相談して通院を続けることが大切です。後遺障害の申請をする場合は、後述の「後遺障害を申請する人」の目安を参考にしてください。

【骨折など長期通院の人】後遺障害がなくても半年〜1年以上
骨折などの重傷で、担当医から治療終了の見通しがまだ示されていない人向けの目安です。治療が続いている間は示談交渉が始まらないため、まずは治療を優先しましょう。入通院の期間が長いほど、入通院慰謝料は高くなる傾向があります。一方で、そのぶん受け取りまでの待ち時間も長くなる点は理解しておく必要があります。「症状固定」とは、治療を続けてもこれ以上の改善が見込めないと医師が判断した状態のこと。
- 主治医に治療の見通しを定期的に確認する
- 症状固定の時期は、主治医の医学的な判断を優先する
- 保険会社と主治医の判断が食い違ったら、弁護士に相談する
通院が長引いて生活費が苦しいときは、休業損害の内払いで補う方法もあります(4章で解説)。

【後遺障害を申請する人】受け取りまでは事故から1年〜1年半以上
症状固定の後も、痛みやしびれなどの症状が残っている人向けの目安です。治療期間に加え、後遺障害等級の審査として1〜3ヶ月程度かかるのが一般的。認定結果に納得できず異議申立てをすると、さらに数ヶ月単位で延びることもあります。後遺障害等級とは、事故による後遺症の重さを1級〜14級に分けたもの。認定されると、次の2つを追加で請求できるようになります。
- 後遺障害慰謝料:後遺症が残ったことによる精神的苦痛への賠償
- 逸失利益:後遺症のために減ってしまう将来の収入の補償
時間はかかりますが、等級によって受け取れる金額は大きく変わります。

追突事故の慰謝料が振り込まれるまでの4ステップ
慰謝料を受け取るまでには、決まった4つのステップを順番に通ります。どこかのステップが遅れると、全体の受け取り時期も後ろにずれる仕組みです。
- STEP1:治療終了・症状固定
- STEP2:後遺障害等級の認定(症状が残る場合のみ)
- STEP3:示談交渉・合意
- STEP4:示談書の返送・振込
今どのステップにいるかがわかれば、受け取りまでの見通しを立てやすくなるでしょう。ここでは、各ステップの内容と注意点、お金が支払われる経路を解説します。
STEP1:治療を終えて症状固定の判断を受ける(通院中の人)
現在も通院している人は、このSTEP1の段階にいます。治療中は入通院慰謝料の金額が確定しないため、示談交渉には入れません。治療の終わり方は、症状がなくなる「完治」と、改善が見込めなくなる「症状固定」の2つ。どちらに当たるかは、主治医が診察のうえで判断します。
- 医師が治療の継続を必要としているなら、応じる必要はない
- まずは主治医に治療継続の必要性を確認する
- 治療費を打ち切られた後も通院が必要なら、弁護士に相談する
保険会社の打診は、あくまで保険会社側の都合によるものです。症状固定の時期は主治医の判断を優先しましょう。

STEP2:後遺障害等級の認定を受ける(症状が残る人のみ)
痛みやしびれが残った人だけが通るステップです。申請方法には、相手の保険会社に任せる「事前認定」と、被害者が自分で申請する「被害者請求」の2種類があり、特徴が異なるため下の表で比べてみましょう。
| 項目 | 事前認定 | 被害者請求 |
|---|---|---|
| 申請する人 | 相手の任意保険会社 | 被害者本人(または弁護士) |
| 書類の準備 | 保険会社が行う | 自分で集める |
| 手間 | 少ない | 多い |
| 提出書類の内容 | 自分では確認しにくい | 自分で確認・追加できる |
| 示談前の受け取り | なし(示談時にまとめて支払い) | 認定されると等級に応じた自賠責保険金を先に受け取れる |
審査は損害保険料率算出機構という専門機関が行い、結果が出るまでは1〜3ヶ月程度が目安。提出書類を自分で確認できる被害者請求のほうが、症状に見合った等級の認定を目指しやすいでしょう。書類の準備に不安がある場合は、この段階から弁護士に相談すると安心です。

STEP3:保険会社と示談交渉をする(示談案が届いた人)
治療や後遺障害の認定が終わり、相手の保険会社から示談案が届いた人はこの段階にいます。提示から合意までは、一般的に1〜3ヶ月程度が目安。過失割合や後遺障害の等級で争いがあると、さらに長引くこともあるでしょう。保険会社の最初の提示額は、自賠責基準や任意保険基準で計算されていることが多いもの。弁護士が交渉に使う弁護士基準(裁判基準)と比べると、低くなる傾向があります。
| 算定基準 | 内容 | 金額の水準 |
|---|---|---|
| 自賠責基準 | 自賠責保険の支払基準。入通院慰謝料は1日4,300円(2020年4月1日以降の事故) | 最も低い |
| 任意保険基準 | 各保険会社が独自に定める非公開の基準 | 自賠責基準と同程度か、やや高い |
| 弁護士基準(裁判基準) | 過去の裁判例をもとにした基準 | 最も高い傾向 |
- 入通院慰謝料が何日分・どの基準で計算されているか
- 後遺障害慰謝料の等級と金額
- 過失割合(追突事故でも被害者側の過失を主張されることがある)
提示額に疑問があるときは、合意する前に弁護士に相談してみてください。

STEP4:示談書を返送してから振込まで(示談に合意した人)
示談がまとまると、保険会社から示談書(免責証書)が届きます。署名・押印して返送すると、保険会社の社内処理を経て指定口座に振り込まれる流れ。郵送の日数や書類の不備によっては、さらに数日〜1週間ほど延びることもあります。
- 金額・費目が合意した内容と一致しているか
- 「今後一切の請求をしない」という条項の範囲
- 示談後に症状が悪化しても、原則として追加請求できないこと
示談書にサインした後は、原則として内容を覆せません。返送から2週間を過ぎても入金がなければ、担当者に進捗を確認しましょう。

慰謝料の支払い経路|一括払いと被害者請求の違い(手続き中の人向け)
一括払いとは、相手の任意保険会社が自賠責保険の分もまとめて支払う仕組みのこと。事故後に相手の保険会社から連絡が来て、その担当者とやり取りしている人は、この経路で進んでいると考えてよいでしょう。一方、相手が任意保険に入っていない場合などは、自賠責保険に直接請求する「被害者請求」を使います。
| 項目 | 一括払い | 被害者請求 | 加害者請求 |
|---|---|---|---|
| 請求・支払いの流れ | 相手の任意保険会社が、自賠責分もまとめて被害者に支払う | 被害者が相手の自賠責保険会社に直接請求する | 加害者が被害者に賠償した後、自賠責保険会社に請求する |
| 被害者の窓口 | 相手の任意保険会社 | 相手の自賠責保険会社 | 加害者本人 |
| 主な場面 | 相手が任意保険に加入している(最も多い) | 相手が任意保険に未加入、示談前に受け取りたい | 加害者が先に賠償金を支払った |
なお、「加害者請求」は加害者が先に賠償金を支払い、その後に自賠責保険へ請求する手続きのこと。被害者が直接使う手続きではないため、混同しないよう注意しましょう。くわしい手続きは、国土交通省の自賠責保険ポータルサイトでも確認できます。

10対0の追突事故でも慰謝料の支払いが遅くなる理由
信号待ちで追突されたなど、被害者に過失がない事故でも、慰謝料がすぐに振り込まれるわけではありません。過失割合と、慰謝料を支払うタイミングは別の問題として扱われるためです。むしろ10対0の事故には、被害者が自分で交渉しなければならないという特有の事情もあります。
ここでは、完全な被害者でも支払いが遅くなる3つの理由を解説します。
理由1:治療中は損害額が確定せず示談できない(通院中の人)
示談交渉は、「いくらの損害が発生したか」を双方で合意する手続きです。通院中は治療費や休業損害、入通院慰謝料が増え続けるため、最終的な金額を出せません。相手の保険会社がどれだけ誠実でも、治療中に示談を成立させることは原則としてできない仕組み。
- 主治医が完治または症状固定と判断したとき
- 後遺障害を申請した場合は、等級の認定結果が出たとき
まだ通院している人は、STEP1の段階にいると考えてよいでしょう。早期の示談を打診されても、治療が終わるまでは応じないことが大切です。

理由2:10対0では自分の保険会社が示談交渉を代行できない(過失ゼロの人)
通常の事故では、自分の保険会社が相手と示談交渉を代行してくれるのが一般的。しかし10対0の事故では、自分の側に賠償責任がないため、保険会社が代わりに交渉すると弁護士法72条に抵触するおそれがあります。弁護士法72条とは、弁護士でない者が報酬を得る目的で他人の法律事務を扱うことを禁じた規定のこと。そのため被害者は、相手の保険会社と自分で交渉するか、弁護士に依頼することになります。交渉に慣れていないと、やり取りが長引く原因にもなるでしょう。
- 相手の保険会社と自分で交渉する
- 弁護士費用特約を使って弁護士に依頼する
- 交通事故紛争処理センターなどの無料相談を利用する
弁護士費用特約は、自分の自動車保険だけでなく、家族の保険に付いているものを使える場合もあります。

理由3:相手の保険会社が弁護士を立てることがある(交渉中の人)
損害額が大きい場合や被害者側が弁護士を立てた場合などに、相手の保険会社が弁護士に交渉を任せることがあります。弁護士が窓口になると書面でのやり取りが中心になり、1回の回答に時間がかかりがちです。相手の弁護士は、支払額を抑える立場で交渉にあたる点も理解しておきましょう。被害者が一人で対応を続けると、精神的にも時間的にも負担が大きくなります。被害者側も弁護士に依頼すれば、弁護士基準での請求ができ、交渉も任せられるでしょう。

追突事故の慰謝料を示談前に受け取る方法
慰謝料そのものは示談後に支払われますが、示談前でもお金を受け取れる制度があります。治療費や生活費の負担が重い人は、状況に合わせて活用しましょう。
| 方法 | 請求先 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 内払い | 相手の任意保険会社 | 治療が長引き、休業損害などを先に受け取りたい人 |
| 被害者請求(傷害) | 相手の自賠責保険会社 | 相手が任意保険に未加入、または対応が遅い人 |
| 仮渡金 | 相手の自賠責保険会社 | 当座の治療費などをすぐに用意したい人 |
| 後遺障害の被害者請求 | 相手の自賠責保険会社 | 症状固定後に後遺障害を申請する人 |
| 弁護士への依頼 | (交渉を任せる) | 交渉が止まっている・長引いている人 |
ここでは、それぞれの方法の使い方と注意点を解説します。
任意保険会社に内払いを頼む(治療が長引いている人)
治療が長引き、休業損害などで生活費が足りなくなった人に向いている方法です。相手の任意保険会社の担当者に、「生活費の負担が続いているため内払いをお願いしたい」と直接伝えるのが基本。法律上の義務ではないため、すべてのケースで応じてもらえるわけではありません。
- 治療費(病院へ直接支払われることが多い)
- 休業損害(事故による収入の減少)
- 通院交通費
内払いで受け取った金額は、最終的な示談金から差し引かれます。応じてもらえない場合は、次に紹介する被害者請求への切り替えも検討しましょう。

自賠責保険に被害者請求する(相手の対応が遅い人)
被害者請求とは、相手の任意保険会社を通さず、相手の自賠責保険会社に直接請求する方法のこと。自動車損害賠償保障法(自賠法)に基づく被害者の権利で、損害の総額が確定する前でも、治療費などを支払うたびに請求できます。傷害の支払限度額は120万円で、治療費・休業損害・慰謝料などがこの範囲に含まれます。
- 相手が任意保険に加入していない
- 相手の保険会社の対応が遅く、治療費の立て替えが続いている
- 示談が長引き、手元の資金が必要になっている
請求には交通事故証明書や診断書などの書類が必要。傷害分の請求期限は事故の翌日から3年なので、早めに準備を始めましょう。必要書類は、国土交通省の自賠責保険ポータルサイトでも確認できます。

自賠責保険の仮渡金を請求する(当座の費用が必要な人)
事故の直後から治療費などの出費が重なり、すぐにお金が必要な人に向いている制度。請求先は、相手の自賠責保険会社です。傷害の場合は、怪我の程度に応じて5万円・20万円・40万円のいずれかが支払われます。
- 傷害の場合:怪我の程度に応じて40万円・20万円・5万円
- 死亡の場合:290万円
仮渡金は、最終的な賠償額が確定した段階で精算する仕組み。確定額が仮渡金より少なかった場合は、差額を返す必要がある点に注意しましょう。

後遺障害の被害者請求で示談前に後遺障害分を受け取る(症状固定後の人)
症状固定の後に、後遺障害の申請を考えている人に向いている方法。被害者請求で申請すると、認定された等級に応じて自賠責保険の後遺障害分が支払われます。後遺障害の支払限度額は、等級に応じて75万円(14級)〜4,000万円(介護を要する1級)です。事前認定の場合、この保険金は示談の成立時に任意保険会社からまとめて支払われるのが一般的。示談交渉が長引きそうなときほど、被害者請求で先に受け取るメリットは大きいでしょう。
後遺障害分の請求期限は、症状固定日の翌日から3年です。

弁護士に依頼して交渉の停滞を防ぐ(交渉が長引いている人)
被害者が一人で対応すると、保険会社のペースで話が進み、交渉が長引くことも少なくありません。弁護士に依頼すれば、証拠の収集や書類の準備、保険会社との交渉をまとめて任せられます。後遺障害の申請や過失割合の争いがある場合ほど、専門家に任せるメリットは大きいもの。
- 弁護士基準(裁判基準)で慰謝料を請求できる
- 保険会社とのやり取りを任せられる
- 後遺障害の申請書類を整えてもらえる
一方で、弁護士基準での増額を求めるぶん、交渉に一定の時間がかかる場合もあります。依頼するかどうかは、無料相談で「期間と金額の見通し」を聞いてから決めると安心です。

追突事故の慰謝料が支払われない・もらえないときの対処法
慰謝料が支払われない状況には、いくつかのパターンがあります。放置すると時間だけが過ぎ、不利な条件で示談してしまったり、時効が近づいたりするおそれもあるでしょう。
- 保険会社から連絡がなく、交渉が進まない
- 提示額が低く、納得できずに手続きが止まっている
- 支払いを拒否された、または理由なく減額された
ここでは、状況別の対処法と相談先を解説します。
保険会社から連絡がないときは書面で回答期限を確認する(治療を終えた人)
被害者から保険会社に連絡や催促をすることは、まったく問題ありません。治療が終わって数週間たっても連絡がない、担当者の交代などを理由に話が進まない場合は要注意。まずはメールや書面で「いつまでに回答をもらえるか」を確認し、記録を残しましょう。
- 治療が終わったのに、数週間以上連絡がない
- 「確認中」「担当者が変わった」などの理由で話が進まない
- 示談書が届いたのに、内容の説明がない
口頭のやり取りだけでは、後から経緯を確認できません。重要な連絡は文書で残すことを習慣にしてください。

提示額が低い・減額されたときは算定の根拠を確認する(示談案を受け取った人)
まずは、減額や拒否の理由を書面で示してもらいましょう。次に、提示額が自賠責基準や任意保険基準で計算されていないかを確認します。2章のSTEP3で紹介したとおり、弁護士基準と比べると金額に大きな差が出ることも。過失割合について、被害者側の過失を主張されるケースもあります。
- 減額・拒否の理由が書面で示されているか
- どの算定基準で計算された金額か
- 被害者側の過失割合が不当に高く設定されていないか
提示額と弁護士基準の差が大きい場合は、弁護士に交渉を依頼すると増額できる可能性があります。

交通事故紛争処理センター・そんぽADRセンターに相談する(交渉が行き詰まった人)
交通事故紛争処理センターは、弁護士による無料の法律相談や和解あっせんを行う公益財団法人。利用には事前の電話予約が必要で、初回の相談まで時間がかかる場合もあります。そんぽADRセンターは、日本損害保険協会が運営する損害保険の相談・苦情・紛争解決の窓口。保険会社の対応に不満がある場合などに相談できます。
| 機関 | 主な内容 | 費用 |
|---|---|---|
| 交通事故紛争処理センター | 法律相談・和解あっせん・審査 | 無料 |
| そんぽADRセンター | 損害保険に関する相談・苦情・紛争解決 | 原則無料(通信費などは自己負担) |
くわしくは、公益財団法人交通事故紛争処理センターやそんぽADRセンターの公式サイトを確認してください。

慰謝料を請求できる期限(時効)に注意する(交渉が長引いている人)
交渉が長引いて放置していると、慰謝料を請求する権利そのものが時効で消えるおそれがあります。人の身体を傷つけた不法行為の損害賠償請求権は、損害と加害者を知った時から5年で時効にかかります(民法724条の2)。車の修理費などの物損は、3年で時効を迎える点に注意しましょう。
| 請求の種類 | 期限 | いつから数えるか |
|---|---|---|
| 加害者への損害賠償(人身) | 5年 | 損害と加害者を知った時 |
| 加害者への損害賠償(物損) | 3年 | 損害と加害者を知った時 |
| 自賠責保険への被害者請求(傷害) | 3年 | 事故の翌日 |
| 自賠責保険への被害者請求(後遺障害) | 3年 | 症状固定日の翌日 |
時効が近い場合は、内容証明郵便による催告や訴訟の提起など、時効の完成を止める手続きが必要。自分で判断するのは難しいため、早めに弁護士に相談してください。条文はe-Gov法令検索(民法)で確認できます。

弁護士費用特約を使って弁護士に相談する(自動車保険に加入している人)
弁護士費用特約とは、交通事故の弁護士費用を保険会社が補償してくれる自動車保険の特約のこと。多くの保険会社では、弁護士費用は300万円、法律相談費用は10万円が補償の上限とされています。一般的な追突事故であれば、実質的な自己負担なく依頼できるケースも少なくありません。
- 自分や家族の保険証券に特約が付いているか
- 補償の上限額(保険会社や契約によって異なる)
- 特約を使う前に、保険会社の同意が必要か
特約が付いていない場合でも、収入や資産が一定以下なら、法テラス(日本司法支援センター)の無料法律相談や費用の立替制度を利用できることがあります。交通事故の初回相談を無料で受け付けている法律事務所も多くあります。保険会社の対応が遅い、提示額に納得できないと感じたら、待ち続けずに早めに相談しましょう。

追突事故の慰謝料に関するよくある質問
最後に、追突事故の慰謝料の受け取り時期について、よく寄せられる質問をまとめました。気になる質問から確認してみてください。
示談書にサインしたのに振り込まれません。どれくらい待てばいいですか?
示談書の返送から1〜2週間程度が目安です。
返送後は、保険会社の社内処理や振込の手続きが必要になるため、すぐには入金されません。2週間を過ぎても振り込まれない場合は、担当者に確認しましょう。問い合わせの前に、返送した日付と送付方法を手元で確認しておくとスムーズ。
加害者が任意保険に入っていません。慰謝料はもらえますか?
相手の自賠責保険に被害者請求をすれば、限度額の範囲で受け取れます。
自賠責保険は加入が義務付けられているため、相手が任意保険に未加入でも、自賠責保険への被害者請求が可能です。傷害の限度額は120万円で、これを超える損害は加害者本人に請求する形。加害者本人との交渉は難航しやすいため、弁護士への相談をおすすめします。相手が自賠責保険にも入っていない場合は、国の「政府保障事業」に請求できる場合があります。
治療中でも慰謝料を受け取ることはできますか?
慰謝料そのものは原則として示談後ですが、内払いや仮渡金で一部を先に受け取れる場合があります。
慰謝料の金額は、治療が終わって損害額が確定した段階で計算するのが原則。ただし、内払いや自賠責保険の被害者請求・仮渡金を使えば、治療費や生活費の一部を示談前に受け取ることが可能です。受け取った金額は最終的な賠償額から差し引かれるため、くわしくは4章を確認してください。
提示された示談金が低いと感じます。サインした後でも増額できますか?
示談書にサインして示談が成立すると、原則として後から増額はできません。
示談は双方が合意した契約のため、成立後に「やはり低かった」と感じても、原則として再交渉や追加請求は認められません。だからこそ、サインする前に金額が妥当かを確認することが重要です。保険会社の提示額は、弁護士基準より低いケースも少なくありません。疑問があれば、弁護士費用特約や無料相談を使って専門家に確認しましょう。
まとめ|追突事故の慰謝料は示談成立後に受け取るのが原則
追突事故の慰謝料は、原則として示談が成立してから1〜2週間ほどで支払われます。受け取りまでの期間は、軽傷なら事故から2〜4ヶ月程度、後遺障害を申請する場合は1年〜1年半以上が目安。
- 治療中は示談できないため、まずは治療を優先する
- 10対0の事故では、自分の保険会社に示談交渉を任せられない
- 示談前でも、内払い・被害者請求・仮渡金で受け取れる
- 示談書にサインした後は、原則として追加請求できない
保険会社の対応が遅い、提示額に納得できないと感じることもあるでしょう。そのときは一人で悩まずに、弁護士へ相談してみてください。

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
▶︎柔軟な料金設定
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・【土日・祝日】ご相談OK
・【夜間】ご相談OK
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