後遺障害の異議申し立て申請を弁護士に依頼する費用は?メリットも解説

後遺障害の異議申し立てを弁護士に依頼すると費用はどのくらいかかるか

後遺障害の等級認定に対する異議申してするさいのb>弁護士費用はどこでも同じではありません。「〇〇円かかる」といった断定はできないため、弁護士事務所に費用を確認をしてから依頼する必要があります。

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本記事では、異議申し立てを弁護士に依頼したときに発生する費用や、弁護士に任せるメリット等を解説します。

後遺障害等級認定の異議申し立てにかかる費用

等級認定の異議申し立てをしても費用はかかりません。しかし弁護士費用など、異議申し立ての準備には費用が発生することがあります。

等級認定の異議申し立て自体は無料で行える

等級認定の異議申し立て自体は無料です。

ただし、異議申し立てに必要となる書類や資料を集めるためにかかる費用はあります。例えば、新たな診断書を医師に作成してもらえば、5,000円〜1万円程度の作成費用が発生します。追加で検査を受ければ、その分の費用もかかります。

弁護士に依頼すれば弁護士費用がかかる

等級認定の異議申し立てを成功させるためには弁護士の力を借りる方法がありますが、弁護士への依頼料(弁護士費用)が発生します。

弁護士費用の内訳には以下のものがあります。

着手金

弁護士に案件を依頼した段階で支払うお金です。仮に弁護士が依頼を解決できなかったとしても、着手金が返ってくることはありません。

交通事故問題の着手金は10万円〜20万円程度が一般的です。等級認定の異議申立てを弁護士に依頼するのであれば、追加で10万円ほどかかると思っておきましょう。

報酬金

依頼した事案が無事解決できた時、弁護士に支払うお金です。報酬金は「依頼の解決」が前提条件となっており、もし弁護士が案件に失敗したのであれば支払う必要性はありません。

交通事故問題の成功報酬は獲得金額(加害者から支払われた賠償金)のうち10%ほどが一般的です。

法律相談料

弁護士に法律相談するとかかるお金です。通常、弁護士の法律相談料は30分当たり5,000円〜1万円ほどが多いですが、近年は初回限定で無料相談サービスを実施している弁護士事務所が多く存在しています。無料であれば気軽に利用できるでしょう。

POINT
弁護士費用の料金体系は各法律事務所がそれぞれで設定しているため、一律ではなく異なります。初回無料相談では悩みや疑問を聞いてもらうだけでなく、着手金や報酬金などの見積もりを行ってくれるので、どのくらいの弁護士費用がかかるかの確認もできます。

後遺障害等級認定とは何か

後遺障害等級認定は交通事故で負った治療しても完治しないケガが、自賠責保険の後遺障害等級に当てはまる後遺症が残ったと認められることです。

後遺障害等級は障害の程度によって1級〜14級に分類されており、1級に近づくほど重い症状になります。等級認定を受けることで、被害者には受け取れる賠償金が増額されたり、保険金が先払いされるといったメリットが生じます。

①慰謝料と逸失利益を請求できる

加害者に対して等級に応じた「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」を請求できるようになります。

後遺障害慰謝料は後遺障害による精神的ショックを相手方に償わせるための金銭です。逸失利益は後遺障害のため労働能力が低下したことで仕事を休んだり休業したりしたなどで、将来得られるはずだった収入が減ってしまうことを補償するための賠償金です。

②自賠責から保険金を先払いで受け取れる

後遺障害の損害賠償のうち自賠責から支払われる保険金を先払いで受け取ることができます。ただし、自賠責の保険金支払額には上限があり(14級なら75万円など)、それを超える分は相手方が加入している保険会社の担当と示談交渉をした後に支払いを受けることになります。

等級に認定されるためには、自賠責保険に等級認定の申請を行わなくてはいけません。逆を言えば、等級が認められないと上記のようなメリットを受けられませんので、交通事故で後遺症が残ったときの等級認定の手続きは非常に重要になります。

後遺障害等級認定の異議申し立てとは

後遺障害等級認定の結果に不服があるときは、異議申し立てが行えます。損害保険料率算出機構に書面で異議申し立てを行うことで等級認定の再調査をしてもらえるため、うまくいけば、不該当からの等級認定や上位の等級への変更が見込めます。

等級認定を申請したにもかかわらず、不該当と判断されたり想定よりも低い等級が認定される事例は少なくありません。

損害保険料率算出機構の「2021年度自動車保険の概況」に掲載されている情報によれば、自賠責保険が損害調査を受け付けた件数のうち後遺障害等級に認定された割合は5%弱と低い数字になっています。この率を参考にすると、等級認定は簡単にされるものではなく厳しい基準が設けられていることがわかるでしょう。

 提出した書類の不足や不備があったり、しかるべき検査を受けていなかったりすると、等級認定は難しいので注意してください。

異議申し立てをする方法

異議申し立ての申請は必要な書類を用意し、事前認定もしくは被害者請求で行います。

異議申し立ての種類

異議申し立ての申請方法には事前認定と被害者請求の2種類があります。

事前認定

異議申立て書を提出し、加害者側の任意保険会社に申請手続きの全てを一任する方法です。事前認定は加害者側の任意保険会社が損害保険料率算出機構に送付する書類を集めてくれるため、被害者本人の負担が少ないのが特徴です。

しかし、加害者側の任意保険会社が適切な書類を収集し、内容が正しいか精査してくれるという保証はありません。そのため、事前認定では漏れや間違いが発生しやすく、不十分な書類により認定されにくくなるデメリットが生じるのが注意点です。

被害者請求

被害者が自分で自賠責保険に直接異議申し立てをする方法です。被害者請求では被害者が直接自賠責保険に請求するため、被害者が自ら書類や検査結果の資料などを収集することになりますので、等級認定に有利な資料を選んでの提出が可能になる点は大きなメリットです。ただ、大きな手間や時間がかかりますので、弁護士

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適正な等級を得るためにも、被害者請求を利用するのがおすすめです。

必要書類を準備する

後遺障害の異議申し立てには以下のような書類が必要となります。

  • 異議申立書
  • 診断書、カルテ
  • CTやMRI、レントゲンなどの画像所見
  • 通院している医師による意見書
  • 神経学的検査など新たに受けた検査の結果
  • 実況見分調書など事故の状況を示す資料
  • 家族による報告書など

特に影響が大きいと言われているのは診断書です。医学的所見が記載されていないと後遺症を証明するのは難しく、適正な等級認定を受けにくくなるリスクがあります。

しかし、どのような医学的所見があれば認定されるのかという基準は公表されていません。個人が判断するのは大変ですので、異議申し立てに精通した弁護士などに確認してもらいアドバイスを受けるのが良いでしょう。

異議申し立てにかかる期間

異議申し立ての所要期間に関する統計データは非公開とされていますが、一般的には早くて2〜3ヶ月、長引けば半年程度かかると考えてください。

初回の認定審査は自賠責調査事務所で行われますが、異議申し立てではその上位機関である審査会が審査を行います。専門医や弁護士などのメンバーが慎重に審査が行うため、基本的には初回の等級認定よりも審査期間は長くなってしまいます。特に、むちうちのような痛みやしびれなどの辛い症状を感じていても外傷が目立たず一目で分からないような状態の怪我は、審査期間がさらに長引くことが見込まれます。

異議申し立ての成功率

後遺障害の異議申し立てをして成功した率は約13%と低めです。
損害保険料率算出機構が公表している統計情報の「自動車保険の概況」によると、2021年度は等級の変更が認められたのは審査件数11,604件中、1,509件のみとなっています。

ただ、成功率が低いからと言って、異議申し立てをあきらめる必要はありません。等級変更が認められるべき理由があれば、異議申し立てにより等級変更が認められる可能性は十分にあります。納得できない認定結果になった理由をじっくりと分析し、適切な対策をすることが大切です。

費用が発生しても弁護士に異議申し立てを依頼するメリット

弁護士に依頼すると弁護士費用がかかってしまいます。費用がかかると利用を考えてしまいがちですが、適切な等級に認定してもらうにはできるだけ早い時期に弁護士のサポートを受けることを推奨します。

弁護士に依頼するメリットはいくつもあります。

必要な書類を代わりに収集してくれる

弁護士は必要な書類や資料を集めるのを手伝ってくれます。被害者請求では異議申立書の他にも、再提用の診断書や検査画像などさまざまな書類を用意しなければなりません。診断書などは早ければ数日程度で作成してもらえますが、場合によっては1ヵ月程度かかることもあり得ます。また、医師の全員が後遺障害に詳しいわけではなく、不慣れな医師に審査基準を満たさない内容の診断書を渡されてしまうおそれが生じます。

交通事故の事件に強く実績がある弁護士は後遺障害の問題に協力的な医師と連携を取って、適切な資料を集めてくれます。また、等級認定のノウハウを知っている弁護士は単に資料を収集するだけでなく、自賠責の等級認定基準に合致しているか入念にチェックし適切に対応してくれます。

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弁護士が等級認定に有利な資料を集めてくれた結果、書類の不備や誤りのせいで等級認定がなされないといった事態を防げます。

等級不該当になった原因を分析して対策を立ててくれる

弁護士は医学的・法律的知見をもとに、等級不該当になった原因をしっかり分析し明らかにしてくれます。

後遺障害等級が認定される確率はかなり低い水準になっていますし、想定より低い等級にしか認定されないこともあります。等級不該当になるのは、何らかの原因があると思われます。不該当になった理由を分析しきちんと対策を立てられれば、異議申し立てが認められる確率をあげることができます。

POINT
後遺障害の知識がない人では、どこをどう対策して異議申し立てすれば良いかわからないとなるでしょう。弁護士は診断書の書き方が悪かったり症状を裏付ける検査ができていないなどの原因を浮き彫りにし、再度正しい診断書の作成を手伝ってくれます。弁護士に依頼した結果、異議申し立ての成功確率を大きくあげることができます。

示談交渉を任せれば高額の慰謝料を請求できる

弁護士に依頼すれば、交通事故の損害賠償に詳しい弁護士が代わりに示談交渉してくれます。

等級認定の手続きが完了した後には、被害者側と加害者側との間で「示談交渉」が行われます。示談交渉は交通事故の損害賠償金や支払い方法などを取り決める話し合いで、被害者と加害者側が加入している任意保険会社と示談交渉するのが一般的です。

先ず、相手方の任意保険会社が損害賠償額や慰謝料の金額などを提示し、被害者がその額に納得すれば示談成立となります。示談が成立すれば示談金(損害賠償金)が被害者の口座に振り込まれます。

ただし、相手方保険会社は本来支払われるべき金額よりも低額の賠償金を提示してきます。なぜなら、相手方保険会社は営利企業である以上、自社が負担する保険金の支出額を極力減らしたいという考え方をしているためです。また慰謝料は低額である「任意保険基準」で算出の算出が原則のため、被害者が想定している金額よりも低い慰謝料が提示されるのが普通です。

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被害者が自力で交渉し増額することは可能ですが、相手の保険会社は交渉のプロであります。弁護士が介入しない状況で一般人の言い分を通すのは困難でしょう。

弁護士は賠償金の相場を熟知しているため、過去の裁判例や根拠となる法律を参照しながら適切な賠償金を算出してくれます。さらに弁護士は「弁護士基準」という高額の基準で慰謝料を算定し請求できます。弁護士基準は判例に基づいた金額になりますので任意保険基準と比べると2〜3倍の慰謝料を受け取れることがほとんどで、費用がかかっても弁護士に依頼するほうが得と言えます。
参考:札幌弁護士会

最終的に訴訟提起を視野に入れられる

弁護士がいると訴訟を視野に入れることができるようになります。適切な書類を用意し添付したにもかかわらず、異議申し立てが通らなかったというケースも稀ながらあります。そのときは、最終手段として訴訟を提起し裁判所に判断してもらうという手があります。

裁判は時間や費用がかかってしまうため最善策とはいえませんが、損害賠償請求権の時効が成立するまではこちら側の言い分を納得いくまで主張できます。裁判所は自賠責損害調査事務所等の判断に縛られないため、不該当と判断されていても等級認定を受けられる可能性が出てきます。しかし、一度不該当と判断された事実を覆すためには、裁判官が納得できるだけの資料や将校を用意し論理的に後遺障害の存在を立証していかなければなりません。

POINT
交通事故に強い弁護士であれば、証拠を揃えるのも立証活動をするのもお手のものです。専門知識や訴訟経験を有していない一般の方では、裁判を起こして認容判決を勝ち取るのは難しいですから、いざというときのためにも法律知識が豊富な弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士特約は積極的に利用しよう

異議申立てを検討しているなら、ご自身やご家族が加入している自動車保険や医療保険などに「弁護士特約」が付帯していないか確認してください。弁護士特約を利用すると、保険会社が弁護士費用や法律相談料を代わりに負担してくれます。

弁護士特約は保険会社が弁護士費用を300万円まで負担してくれるのが一般的です。異議申し立てであれば、実質タダで弁護士のサポートを受けられるでしょう。弁護士の費用倒れになる心配もなく、ご自身やご家族の保険に弁護士特約があるなら積極的に利用してください。
参考:東京海上日動

まとめ

交通事故による後遺障害の等級認定の結果に納得いかなければ、異議申し立てをすることで再度審査を行ってもらえます。

異議申し立てをする際には、弁護士に相談するのがおすすめです。弁護士費用はかかりますが、適正な書類を集め認定確率を上げることができますし、慰謝料などの賠償金を増額できるといったメリットがあります。もし弁護士特約があれば実質無料で弁護士に依頼でき、費用を気にせず安心して弁護士を利用することが可能です。

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