尾骨骨折は後遺障害の何級に相当する?認定のポイントについて

尾骨骨折は後遺障害の何級に相当する?認定のポイントについて

交通事故による尾骨骨折で後遺障害が残ったとしても、必ずしも等級が認められるわけではありません。

この記事では、後遺障害等級が認められるためのポイントや、等級が認められなかったときの対処法について解説します。

尾骨骨折とは

尾骨骨折(尾てい骨骨折)とは、転倒、スポーツ、交通事故などでお尻に強い衝撃が加わったときに尾骨が折れてしまうことです。尾骨(尾てい骨)は、脊柱の一番下にある骨であり、人間に尻尾があったときの名残で少し出っ張っているところにあります。

尾骨骨折すると、骨折自体が治っても、神経が圧迫されることで痛みやしびれなどの後遺障害が残り続けることがあります。このような後遺障害が残ったときは、後遺障害12級13号または14級9号の認定を受けられる可能性があります。

なお、尾骨骨折は骨盤骨折に含まれます。骨盤とは、仙骨・尾骨・寛骨の3種類が組み合わさってできている部位のことです。事故の衝撃でしりもちをつき、骨盤の一部である尾骨を骨折した場合は骨盤骨折に該当します。

交通事故による後遺障害とは

交通事故における後遺障害とは、一体どのようなものでしょうか。まずはじめに、後遺障害について詳しく解説します。

後遺障害の定義とは

後遺障害とは、以下の要件の全てを満たすものを指します。

後遺障害の定義
①交通事故によって受けた肉体的・精神的な傷害が治ったときに残存するもの
②交通事故によって受けた傷害との間に相当因果関係があること
③将来においても回復困難であると見込まれること
④後遺障害の存在が医学的に認められること
⑤労働能力の喪失を伴うものであること
⑥自賠法施行令に定める後遺障害等級に該当すること

後遺障害等級とは

後遺障害等級とは、後遺症の症状や程度に応じて、自賠責保険の損害保険料算出機構が認定する全14段階の等級のことです。例えば交通事故で多いむち打ち症は、ほとんどのケースで最も軽い14級が認定されることになります。

後遺障害等級の認定は、慰謝料や逸失利益などの損害賠償請求で問題となります。被害者が加害者に対してこれらの保険金を請求する場合、後遺障害等級の認定を受ける必要があります。

賠償請求が認められるだけでなく、認定された等級によって損害賠償額が異なるため、等級認定手続きは非常に重要になります。

等級認定の申請方法について

後遺障害等級は自動的に認定されるわけではなく、所定の機関(損害保険料率算出機構など)に対して申請をする必要があります。申請方法には、「事前認定」と「被害者請求」の2通りがあります。事前認定と被害者請求の説明は以下の通りです。

事前認定

加害者側の任意保険会社を介して自賠責保険に等級認定の申請を行う方法です。

メリット・手間がかからない
・資料の収集などにかかる費用を節約できる
デメリット・適切な等級が認定されにくくなる
・自賠責から保険金を先払いで受けられなくなる

被害者の方は相手方保険会社に後遺障害診断書を提出するだけでよく、その後の申請手続きは相手方保険会社が代わりに行ってくれます。相手方の保険会社が等級認定に必要な資料を集めてくれるため、被害者の方にかかる手間や負担は少なくなります。

一方で、ほとんどの手続きを相手保険会社に一任してしまうので、手続きの透明性を確保できません。その結果、書類の不備が発生し、適切な等級の認定を受けられないリスクがあります。

被害者請求

被害者本人が相手方の自賠責保険に直接等級申請を行う方法です。

メリット・手続きの透明性を確保できる
・適切な資料を提出できれば等級が認定されやすくなる
・示談成立前に自賠責から保険金を受け取れる
デメリット・手間や時間がかかる
・資料を集める際に費用がかかる
・等級認定の知識が必要になる

相手方の保険会社が代わりに手続きを行ってくれる事前認定とは異なり、被害者請求では被害者自身が書類を揃える必要があります。そのため、事前認定よりも被害者請求の方が時間や手間がかかります。

しかし、被害者請求では、被害者本人が必要書類を集めていく都合上、等級認定で有利になる資料を添付して提出することができます。認定基準を満たす資料を提出できれば、適切な等級が認められやすくなります。

また、事前認定とは異なり、被害者請求が認められると、自賠責保険から先払いで最低限の補償を受けられるようになります。

交通事故による尾骨骨折は後遺障害認定される?

交通事故で骨盤骨折すると、後遺障害認定を受けられることがあります。骨盤骨折すると、神経が圧迫・損傷することで神経症状が残ることがあります。この場合、後遺障害12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」または14級9号「局部に神経症状を残すもの」に該当する可能性があります。

また、尾骨骨折によって折れた尾骨が変形した状態で癒合すると、尾部に大きな骨性隆起が生じることがあります。これは「変形障害」と呼ばれ、本来ならば12級5号「骨盤骨に著しい変形を残すもの」が認められる可能性があります。

 ただし、変形障害の等級認定上、骨盤骨から尾骨が除外されているため、尾骨の変形障害で後遺障害等級認定を受けることはできません。

交通事故による尾骨骨折の後遺障害の認定ポイント

尾骨骨折で後遺障害等級が認定される確率は決して高くありません。そのため、等級が認定されるためのポイントを押さえる必要があります。ここからは、交通事故による尾骨骨折の等級認定ポイントを解説します。

画像検査を受ける

尾骨骨折していることを画像所見で証明できれば、後遺障害等級の認定において有利になります。画像検査はレントゲンやCTを用います。レントゲンで骨折線が確認できなかった場合、CTを撮影することで骨折線が確認できることがあります。

適切な後遺障害診断書を書いてもらう

等級認定の審査では、後遺障害診断書の記載内容が重要になります。交通事故における尾骨骨折は痛み(疼痛)が長期化しやすいため、自身が感じている痛みについて丁寧に医師に伝えるようにしましょう。

POINT
「たまに痛い時がある」などの曖昧な表現をしてしまうと、症状に常時性がないとして等級非該当になる可能性が高くなります。痛みが残り続けているのであれば、「常に痛みがある」などの表現で診断書を記載してもらうようにしましょう。

膀胱直腸障害を併発したときは別途で申請が必要

尾骨骨折すると、まれに「膀胱直腸障害」を合併することがあります。膀胱直腸障害とは、尿閉、残尿、失禁、排尿遅延などの症状を示す機能障害のことです。中枢神経や末梢神経が傷ついて麻痺することで発症する場合があります。

膀胱直腸障害を併発したときは、尾骨骨折ではなく、膀胱直腸障害を理由とした後遺障害の申請を別途行うことが必要になります。

弁護士に相談する

尾骨骨折によって後遺障害が残ったときは、弁護士に相談するのがおすすめです、等級認定の申請を弁護士に依頼すれば、適切な検査結果を入手したり、医師から意見書を取り寄せたりして申請手続きをサポートしてくれます。また、弁護士基準で慰謝料請求すれば、相手方任意保険会社が提示する金額よりも高額の慰謝料を受け取れます。

その他にも弁護士に依頼することで様々なメリットがあるため、交通事故による尾骨骨折で等級認定を受けたいときは一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

尾骨骨折による後遺障害が認定されない理由

必要な検査が足りていなかったり、通院方法が悪かったりすると、適切な等級認定が受けられないことがあります。ここからは、尾骨骨折で後遺障害が認定されない理由を解説します。

後遺障害診断書の内容が不適切である

後遺障害認定で最も重要になるのは後遺障害診断書の記載内容です。診断書の内容が不十分だったり、ミスがあったりすると後遺障害等級の認定を受けられなくなります。

POINT
医師は治療の専門家ですが、等級認定基準を満たす診断書の作成まで専門としているわけではありません。医師が作成した診断書が不適切なことは少なくなく、その場合は後遺障害の認定を受けられなくなります。

検査によって症状を裏付けられていない

尾骨骨折は交通事故で多く見られる怪我です。しかし、尾骨骨折が後遺障害として認定される可能性は高くありません。というのも、尾骨骨折による痛みや変形は、MRIなどの画像検査を受けたとしても異常が確認できないことが多いからです。

画像検査で痛みや変形を客観的に証明できない場合は、後遺障害の認定を受けるのが難しくなります。

通院期間・通院日数が足りていない

通院期間や通院日数が少ないと、等級認定するほどの怪我ではないと判断されてしまいます。週に1回程度しか治療を受けていなかった場合は、等級認定を受けるのは難しいでしょう。

適切な等級が認定されるためには、少なくとも週2〜3回のペースで診察を受けるようにしましょう。

交通事故と症状に因果関係がない

等級が認定されるためには、交通事故が原因で後遺障害が発生したことを証明しなければなりません。「交通事故以外の原因で症状が発生したのではないか」と疑われた場合は、等級認定を受けられないことがあります。

交通事故と後遺障害の因果関係を証明するためにも、事故が起きたらすぐに病院で診察を受けるようにしましょう。事故直後に確認できた症状は、他の原因で生じる症状と区別しやすくなります。

後遺障害等級に納得できないときはどうする?

等級の認定結果に納得できない場合は、「異議申立て」「紛争処理手続き(ADR機関)」「訴訟提起」によって改めて等級認定を受けられる可能性があります。ここからは、それぞれの手続きの内容について詳しく解説します。

自賠責保険に異議申立てする

認定結果に不満があるときは、自賠責保険に対して異議申立てすることがあげられます。

異議申立てとは
自賠責が適切な等級を認定しなかったときに、その取り消し・変更を申し立てることです。異議申立てをすれば等級認定の再審査をしてもらうことができ、主張が認められると等級の変更・再認定がなされます。

異議申立ての方法は、初回の申請と同様に「事前認定」と「被害者請求」があります。どちらの方法でも、自賠責保険から異議申立書を記入して加害者側の任意保険会社に提出する必要があります。さらに、被害者請求では、新たな診断書や医師作成の照会回答書、事故態様に関する資料などを用意する必要があります。

異議申立てを成功させるためには、初回の申請で等級非該当になった原因を明らかにすることが大切です。弁護士に相談すれば、初回の申請でうまくいかなかった原因をしっかりと分析し、足りなかった資料の収集を手伝ってくれます。

その結果、異議申立ての成功率が格段に上がりますので、困ったときは弁護士に相談してください。

紛争処理機構に調停申請する

自賠責保険への異議申立てが認められなかった場合、自賠責保険・共済紛争処理機構(以下、「紛争処理機構」)に調停を申し立てることができます。紛争処理機構は、自賠責の保険金支払いで生じた紛争について、第三者の立場から調停をする機関です。

紛争処理機構の紛争処理委員は、医師、弁護士、学識経験者などの専門家で構成されています。専門家としての知見を持った調停委員が、公正中立な立場から審査を行ってくれます。なお、調停の申立ては無料で行えますが、一度きりしか申請できません。

訴訟を提起する

自賠責保険への異議申立てや紛争処理機構の調停申請の結果に納得がいかない場合は、最終手段として訴訟を提起することができます。訴訟を提起すれば裁判所が独自の基準で等級認定を判断してくれます。

もちろん、初回の審査を覆すためには、後遺障害の存在を証明するに足りる資料や検査結果を揃える必要があります。裁判を利用する以上、法廷での立証活動を行うには法律知識や訴訟の経験が必要です。

しかし、一般の方が一人で裁判を利用するのは難しいといえるでしょう。この場合、弁護士に依頼して裁判手続きを代理してもらうと、豊富な経験から正しい主張を行ってくれます。

まとめ

交通事故による尾骨骨折で後遺障害が残った場合、後遺障害等級12級13号、14級9号に該当する可能性があります。後遺障害で適切な後遺障害認定を受けるには。弁護士に依頼するのがおすすめとなります。

弁護士に依頼すれば、適切な資料の収集を手伝ってくれたり、面倒な申請手続きを代行してくれたりします。等級が認定されなくても異議申立てしてくれるため、困ったときは弁護士に相談してみることがおすすめです。

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