ネットの誹謗中傷やトラブルに備える弁護士保険とは?

インターネットの誹謗中傷やトラブルに備えるための対策とは?保険やサポートについて
執筆・監修者、豊川祐行弁護士

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。

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SNSや匿名掲示板などインターネット上の誹謗中傷に備える保険が登場しています。

対処するためにはどうしても費用が発生します。弁護士に頼りたくても費用が心配という声もあります。そこで、保険を活用しましょう。ネットのトラブルは誰にでも起こる可能性がある昨今ですので、もしものときのための備えは大切です。

”豊川弁護士”
本記事では、誹謗中傷に対応する際にかかる費用や、費用を抑えるために役立つ「保険」を紹介します。

誹謗中傷の対応に必要になる費用

ネットで誹謗中傷の被害に遭ったときは投稿の削除や加害者を特定する発信者情報開示請求、民事や刑事での訴訟といった対処方法がありますが、全て無料でできるわけではありません。実際に手続きで発生する金額と弁護士に依頼した場合の金額を紹介します。

書き込みの削除申立

誹謗中傷のような書き込みの削除はサイトの運営者や管理者に依頼しますが、任意での削除に応じてもらえなければ裁判所に削除仮処分の申立を行います。

  • 申立にかかる収入印紙代…2000円
  • 送達のための切手代…数千円分
  • 法務局へ供託する担保金…30~50万円

担保金は内容が事実と異なるなど違法・不法な仮処分が下されたとき、相手が受ける損害を補填するためのお金です。通常は、手続きを行えば後から還付されます。

仮処分の手続きを弁護士に代行してもらう際は、別途、弁護士費用が必要になります。

  • 着手金…20~30万円
  • 報酬…10~30万円

発信者情報開示請求

民事や刑事で匿名の加害者に対し責任を追及するためには、氏名や住所など相手の個人情報が必要になります。誹謗中傷した発信者が誰かを特定するためには、サイト運営者(コンテンツプロバイダ)へIPアドレス等を開示してもらい、さらに、接続プロバイダへ発信者の情報を開示してもらう手続きが生じます。

プロバイダから誹謗中傷した加害者へ個人情報を開示しても良いかという通知が送られますが、同意は任意になります。強制力はなく、加害者が拒否した場合、サイト運営者(コンテンツプロバイダ)には開示仮処分、接続プロバイダには開示請求訴訟という裁判による手続きで開示を求めます。

  • 収入印紙代…2000円
  • 切手代…数千円程度
  • 担保金…710~30万円

弁護士に依頼するさいの相場は以下のようになります。

任意での開示

着手金…5~10万円
報酬…10~20万円

開示仮処分

着手金…20~30万円
報酬…10~20万円

開示請求訴訟

着手金…20~30万円
報酬…10~20万円

民事での損害賠償請求

誹謗中傷の加害者が特定できたら、民事での損害賠償請求や刑事告訴で刑事責任を追及できるようになります。

ただ、法律の知識がないと裁判を進めるのは難しいのが現状ですので、弁護士を立てるのが一般的です。

民事裁判でかかる費用と弁護士費用は以下のようになります。

  • 裁判所手数料…10000~30000円程度
  • 着手金…20~30万円
  • 報酬…慰謝料額の16~20%(一般的な相場。事務所によって異なります)

弁護士費用は事前によく確認する

弁護士に支払う着手金や報酬などは事務所や弁護士により異なりますし、相談料や日当、裁判所等へ行く交通費を請求される可能性があります。初回の相談でどのような費用がいくらかかるのか確認しておくことは大切です。

誹謗中傷への対応は削除や情報開示など手続きが複雑なうえ、裁判に発展すれば法律に詳しくない個人の力だけで対処するのは難しいと言えます。

”女性”
誹謗中傷への対応は弁護士費用を支払うとしても、ネットのトラブルに強い弁護士を頼るのが望ましいでしょう。

弁護士保険とは

弁護士保険は日常生活で法的なトラブルに遭ったとき、弁護士に依頼する費用を補償してくれる保険です。個人だけでなく企業や法人向けの保険商品やサービスが登場しています。

誹謗中傷などネット上での問題だけでなく交通事故や離婚問題、企業のトラブルなど、日常生活やビジネスで発生する様々な問題に対応している保険が増えています。弁護士保険に加入しておけば、弁護士に相談する費用面での不安を軽減できるでしょう。

日常の法律トラブルは誰の身にも起こり得る可能性があります。予期せぬ事態に備え弁護士保険に加入しておくのは良い方法です。

”豊川弁護士”
それぞれの特徴をふまえ、よく検討し自分に合った補償内容の弁護士保険を見つけてください。

誹謗中傷への対策費用が補償される保険

誹謗中傷に遭うリスクに備え「弁護士保険」に入る方法があります。

金銭的な理由から弁護士への相談や依頼するのはハードルが高いと感じる人は少なくありません。万が一のときのため、安心できるのが弁護士費用の負担を軽減できる保険を紹介します。

「弁護士費用保険メルシー」

法律トラブルに遭遇したとき弁護士の紹介や弁護士費用の補償を受けられる保険です。

誹謗中傷だけでなく交通事故やストーカー被害、振り込め詐欺など幅広いトラブルが対象になっており、痴漢冤罪特約も付帯しています。月々2,980円、1日あたり約98円の保険料で加入でき、追加の保険料なしで家族も補償されるのはメリットでしょう。

エール少額短期保険「コモン+」「コモンBiz」

個人型の弁護士保険コモン+と事業型のコモンBizの2種類があり、誹謗中傷だけでなく個人であれば離婚や相続、交通事故、事業であれば、従業員トラブルや不動産、債権回収、契約トラブルなど幅広くカバーしてくれます。20分まで相談料無料、法律文書の無料チェック、弁護士探しのサポートなどサービスが充実しているのが特徴の保険です

コモン+は3つのプランが用意されており、保険料は月1,800円~です。18歳以下の子どもは無料で補償対象になります。コモンBizは中小企業や個人事業主を対象が対象で3つのプランが用意されています。保険料は月額11,800円~です。どちらも等級制度によりトラブルがなければ保険料は毎年安くなるシステムです。

Jcom「ネットあんしん保険」

SNSでのトラブルからネット詐欺、ショッピング、データ破損など幅広いネットトラブルに対応している保険です。

月額750円で被害者の弁護士費用を100万円まで補償してくれるほか、加害者になったときの損害賠償は100万円まで補償されます。同居する家族の補償があるのも安心です。

東京海上日動火災保険「超ビジネス保険」

東京海上日動火災保険の中小企業向け事業保険です。財産への被害や工事現場での事故、休業補償や労災、賠償責任など事業活動でのトラブルを補償します。

保険料は事業の種類や会社の規模に応じて補償の範囲を決められます。保険料は補償内容や売上高、過去の損害発生状況などにより異なり、具体的な金額はそれぞれのため東京海上日動火災保険へ問い合わせると算出してくれます。

”女性”
弁護士費用の特約を付帯させると、誹謗中傷や悪質なクレームにより経済的損失を被ったときの補償に対応できます。

弁護士保険のメリット・デメリット

弁護士保険は毎月決められた掛金を支払いトラブルに遭遇した際は弁護士費用を補償してもらうサービスです。費用を心配せずに弁護士を依頼して誹謗中傷の対策ができる点は大きなメリットですが、デメリットも存在します。

メリット

弁護士費用保険のメリット

1弁護士に依頼しやすくなる

ネットで誹謗中傷の被害に遭ったとき弁護士に相談しやすくなるのは、弁護士保険のメリットです。

たとえば、弁護士費用の着手金は依頼者が負担する必要があります。また、報酬は相手から受け取った慰謝料から支払う方法がありますが、相手がすぐに支払ってくれなければ立て替えなければなりませんし、報酬の分慰謝料の金額が減ってしまいます。

保険があれば金銭的な負担が減り、弁護士に相談しやすくなります。

2誹謗中傷への抑止効果が期待できる

弁護士保険への加入を公表すると、誹謗中傷を抑止する効果が期待できます。相手が保険に入っていれば裁判で訴えられるリスクが高いと考え、悪質な書き込みを控える可能性が出てくるのです。

保険はトラブルが起きた後だけでなく、未然に防ぐ効果もあると言えるでしょう。

3誹謗中傷以外のトラブルも補償される

ネットトラブルに特化した保険もありますが、弁護士保険は誹謗中傷だけに限らず交通事故や離婚、相続問題など他の幅広いトラブルをカバーしている内容が多くなっています。

”豊川弁護士”
補償範囲の広い保険を選べば、インターネット上のトラブルだけでなく日常生活の様々な問題を補償してもらえます。

デメリット

弁護士費用保険のデメリット

1保険料の負担が生じる

保険に加入しても利用することなく保険料だけを払い続けるケースはあり、保険料を払い続けるだけの状況になる可能性はあります。

ネットでの誹謗中傷が増えているといっても全員が被害に遭うわけではないためです。ただ、保険というのはいざというときのために用意しておくものであり、安心を得るためにはある程度の保険料の負担は仕方ない面があるでしょう。

2補償対象外のトラブルがある

幅広いトラブルをカバーしてくれる弁護士保険といっても、すべての問題が対象になるわけではありません。

 対象外のトラブルは補償されません。加入する際は、事前に補償内容をよく確認するようにしてください。

弁護士保険に加入する際の注意点

弁護士費用保険にはメリットもたくさんありますが、加入する際には気をつけたいポイントがあります。

自己負担が生じることがある

弁護士保険は弁護士費用がすべて支払われるのではなく、自己負担額が生じる場合があります。

補償される金額はそれぞれの保険会社がトラブルの種類で決めている額をもとに決定されることが多いです。100%補償されない時もあり、実際の依頼にかかった費用との差額を負担しなければならない可能性はあります。

加入時点のトラブルは対象外

弁護士保険は加入してから一定期間保険金が支払われない待機期間が存在します。

一般的には3か月程度で、この間のトラブルで弁護士を利用すると、弁護士費用は全額自己負担になります。

”豊川弁護士”
現在トラブルに遭っていて弁護士に相談したいと思い加入しても、すぐには補償を受けられません。

弁護士保険でカバーされた事例

実際に弁護士保険が支払われた事例を紹介します。

ネット上での誹謗中傷事例

「死ね」などのネット上に匿名で投稿された暴言について削除等を求めたものの断られたため、弁護士に依頼し削除請求と情報開示請求を行ったケースです。かかった費用と補償額は以下のようになりました。

着手金:22万円 補償額:15万4000円 自己負担額:6万6000円
報酬:22万円 補償額:15万4000円 自己負担額:6万6000円
弁護士費用総額:44万円
保険での補償額合計:30万8000円 
自己負担額合計:13万2000円

※出典:「保険金お支払い事例 ネットトラブル・誹謗中傷」|弁護士費用保険メルシー

”女性”
この事例では全額の補償は受けられず自己負担額が生じています。しかし、弁護士費用を全額支払うと40万円以上になり、少ない費用で弁護士に依頼できていることがわかります。

まとめ

SNSや掲示板などネット上での誹謗中傷は増加しており、誰が被害者になってもおかしくない状況です。

弁護士費用を補償してくれる保険に加入していると、弁護士費用の全額、または一部を負担してもらえます。費用を気にせずに弁護士のアドバイスを受けられますので、誹謗中傷の被害に遭ってもスムーズなトラブル解決が見込め、事前にできる対策と言えます。

また、ネット上のトラブルだけでなく交通事故など日常でのトラブルにも使用できる弁護士保険であれば、生活するうえでのお守りのような存在になるでしょう。

執筆・監修者、豊川祐行弁護士

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。

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