自己破産するとどうなるの?リスクとデメリットが生活に与える影響

個人再生

自己破産するとその後の生活は一体どうなってしまうのか‥。

借金を抱えて苦しい状態でも自己破産後の生活が不安で一歩を踏み出せない方もいらっしゃることでしょう。
借金に悩んでいる方にとって、自己破産はデメリットを考えてもやる価値のある方法です。この記事では自己破産すると起きることや、メリット・デメリットを、自己破産を検討する判断材料として使えるように解説していきます。

自己破産することのメリットとデメリットを知りながら、実際の生活にどのような影響を与えるかを見ていきましょう!

自己破産とは?

自己破産とは、裁判所を通して借金の支払い義務を免除してもらうための手続きです。
自己破産では、原則として借金がゼロになります。ただし、持ち家や車といった財産のほとんどは処分されてしまうケースが多いです。
自己破産をすると生活に必要な最低限のものを残ながら借金に追われることなく、人生を再スタートさせることができます。

自己破産すると得られるメリット

自己破産のメリットは以下のようなものが考えられます。

借金の返済がなくなる

自己破産で免責が認められれば、借金の返済が免除されます。
個人再生や任意整理といった他の債務整理方法では、返済金額が減少したり、利子がカットされたりすることはあっても、その後、数年間かけて返済を続けていかなければなりません。その点、自己破産はどんなに借金額が大きくても、免責が認められれば、その後の返済が免除されます。
免責が認められ、自己破産の手続きが終わった後に得た収入は自由に使うことができるので、すぐに貯金を始めることもできます。

借金の取り立てがなくなる

手続きを弁護士に依頼した場合、弁護士が全ての債権者に対して受任通知を送付した時点で、債権者からの催促や取り立てが止まります。債権者は弁護士を通して連絡をとったり、交渉を行ったりします。また、支払の滞納によって訴訟を起こされていても、破産手続が開始された時点で、訴訟は中断されます。
借金を返済できずに、毎日のように催促や取り立てに怯えていたり、訴訟されていたりといったプレッシャーのある生活から抜け出すことができます。

一部の財産を残すことができる

自己破産は生活を立て直すための制度ですので、生活する上で必要となる最低限度の財産に関しては残すことができます。また、自己破産の手続き開始後に取得した財産に関しては新得財産として処分の対象にはならずに残すことができます。そのほかにも、自由財産拡張が裁判所に認められれば、本来自由財産として認められない財産でも、処分せずに残すことができる場合もあります。

自己破産することによるデメリット

自己破産をすることによるデメリットとして考えられることについて説明していきます。

ブラックリストに載る

自己破産の手続きを行うと信用情報機関の情報に掲載されます。これは事故情報として扱われ、いわゆるブラックリストの状態となります。ブラックリスト状態はずっと続くわけではなく、一定期間を過ぎると情報が削除されます。
自己破産の場合、5年~10年の間は破産した情報が残るため、新たな借り入れを行ったり、ローンを組んだり、保証人になることが難しくなります。
また、アパートやマンションなどの賃貸物件を借りるとき、信販系の会社が保証会社ならば、入居審査に通りにくくなる可能性があります。逆に、信用情報機関を確認しないところであれば、自己破産が理由で審査が通りづらいといったことはないでしょう。
債務整理をするというだけでなく、返済の滞納をした場合も、ブラックリストに掲載されるので、こちらは自己破産特有のデメリットというわけではありません。

官報に掲載される

自己破産をすると、国が発行する機関誌「官報」に、自己破産をしたことと共に住所や氏名が掲載されます。官報は自己破産の情報だけではなく、法律・政令の制定や改正、国家試験の情報など、国から発信された様々な情報を掲載しており、行政機関の休日を除き毎日発行されるものです。誰でも閲覧可能ですが、情報量がとても多いため、一人ひとりの住所や名前が目立つことはなく、普通の書店などでは取り扱いをしていません。
官報に掲載されたことで、知人や職場で破産したことが知られることはほぼありません。

財産の処分

自己破産をすると、所有している財産は処分され、債権者への返済に充てられます。家や不動産、車などを所有している場合は、換価処分の対象となります。

メリットの項でも紹介しました通り、自己破産後に所有できるのは、破産手続き開始後に得られた「新得財産」や「99万円以下の現金」と債務者の生活に必要な衣服や食料などの「差押えが禁止されている財産」です。自由財産の拡張が裁判所に認められれば、それらも手元に残せます。

職種によっては仕事が制限される

弁護士、司法書士、弁理士、公認会計士などの資格制限を受ける職種の場合、復権するまでその仕事ができなくなってしまいます。破産手続開始から免責確定までの間、該当する資格を必要とする業務をすることができません。
免責が許可された後は、制限は解除されるので、今まで通り仕事をすることが可能です。弁護士、司法書士、行政書士、などの士業は、自己破産することで、登録が抹消されるものもありますが、手続き完了後に再登録を行うことで、仕事を再開できます。

手続き中は旅行や引っ越しに許可が必要

自己破産の手続中に、引っ越しや旅行をする場合は、裁判所の許可が必要になります。
生活のために必要なことであれば許可されますが、長期の出張や海外旅行は制限される可能性があります。
自己破産の手続き期間が終われば、裁判所から許可を得る必要はなくなり、自由に引っ越しや旅行ができるようになります。

もう一度自己破産するのが難しくなる

自己破産には回数制限はありませんが、前回の自己破産から7年経過していない場合、原則として再度破産することは認められません。
また、7年以上経過していても、破産の理由が前回と同じである場合、「本人が反省していない」「再建の意思がない」と見られて破産が認められない可能性があります。

自己破産すると生活が変わる?

自己破産すると生活はどのような影響を受けるのでしょうか。日常生活、収入、人間関係から考えてみましょう。

自己破産すると日常生活はどう変わる?

家や車は処分される

自己破産手続きでは基本的に財産を処分されてしまいます。家や車といった高額な財産は処分しなくてはいけませんので、引っ越しや、交通機関の利用が必要となります。
車に関しては評価額20万円以下であれば残せる可能性もあります。また、原則として車や家の名義が破産者本人のものではない場合、処分の対象になりません。

銀行口座は作れる

債権者の銀行であっても破産手続きが終わった後であれば、銀行口座を作ることは可能です。債権者以外の銀行であれば、自己破産前から持っている口座をそのまま利用することもできます。

携帯電話やスマホは利用できる

自己破産をしても携帯電話やスマホの利用は可能です。
ただし、機種代を分割している場合や、料金を滞納している場合には機種変更や新規契約となることもあります。

自己破産すると収入はどうなる?

会社を辞める必要はない

自己破産をしても仕事は続けることができます。弁護士に依頼して自己破産をすれば会社に知られることは稀ですし、仮に自己破産が会社に知られたとしても、それを理由に解雇することはできません。
ただ、先に述べたように手続き中は、職種によっては仕事が制限されることに留意しておきましょう。

生活保護や年金は受け取れる

自己破産をしても公的年金と生活保護は受け取ることができます。
ただし、個人的に生命保険会社などと契約して積み立てている、個人年金に関しては20万円を超えると処分対象となります。同じく私的年金とされる企業年金に関しては処分せずに済みます。
生活保護については自己破産を理由に受給が出来なくなることもありません。むしろ生活保護を検討している場合は、生活保護を借金の返済に利用しないためにも、自己破産をしてから生活保護の受給したほうが良いと考えられます。

税金や罰金は免除されない

自己破産で免責を受けても免責許可決定の効力が及ばない、返済が必要となる債権があります。それが非免責債権というものです。
税金の滞納や、養育費、慰謝料の支払、破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権、罰金などがこれに当たり、免責が認められても返済の義務は残るため支払いを行わなければなりません。

自己破産すると人間関係に影響は出る?

周囲の人に自己破産したことはバレない

自己破産をしても、裁判所から勤務先に連絡がいくことはありません。このため、会社から借金をしている、給料の差し押さえを受けているというケースを除き、勤務先にバレることは通常ありません。
また、弁護士に手続きを依頼して進めることですべての連絡窓口が弁護士事務所となるので、家族にバレずに自己破産することもできる場合があります。

保証人には一括請求がされる

自己破産によって返済の義務が消えるのは申立人のみです。
自己破産をした本人が免責を得たとしても、保証人の返済義務は消えることはないので、破産した本人に代わって保証人が返済を続けなければいけません。
例えば、奨学金は借金なので、自己破産することによって返済の義務はなくなります。しかし、奨学金に保証人がついている場合は、保証人の返済義務が残ります。この時、保証人に対しての返済請求は主に一括請求となります。

家族の信用情報は傷つかない

自己破産をすることで、子供や配偶者が何か制限されたりすることはありません。
自己破産したからと言って、保証人になっていない子供や配偶者が借金を返済する義務もありませんし、破産者以外の信用情報が傷つくこともありませんので、家族名義のクレジットカードの利用が制限されるといったこともないのです。

自己破産するとその後の人生はどうなる?

一生つきまとうようなデメリットはない

自己破産の手続きが終われば借金のない平穏な生活を過ごすことができます。自己破産を理由に債権者たちから嫌がらせを受けることもないでしょう。
破産後はブラックリスト状態となりますが、これも一定期間を過ぎれば解除され、将来ローンを組んだり、クレジットカードを利用したりすることもできるようになります。
以上のことから、自己破産がその後の人生に与えるマイナスの影響は少ないと言えるのではないでしょうか。

相談者の声

あまた法律事務所にご相談いただいた方の声を紹介いたします。

体験者の声
私が、あまた法律事務所に相談するきっかけは、ネットで債務整理の事を調べていて、何となくたどり着いた感じでした。最初は、任意整理をするつもりで相談した所、今の状況なら自己破産の方がいいと勧められて自己破産をする事になりました。 自己破産と聞いて最初は不安でしたが、事務員さんが親身になって対応していただいたおかげでスムーズに進んでいったと思います。 今、思うと自己破産を勧めていただいて感謝しています。 直接やり取りをしてくれた事務員さんや、弁護士先生の方々、そしてスタッフの皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。

弊所に依頼された方が投稿したGoogle口コミより引用しています。

自己破産という制度があることの意味

事業の失敗などで、多額の借金を抱えた人や、生活苦から多重債務になってしまい、毎月利子分しか返済できない人もいます。そんな人達はこの先、何年、何十年支払続けても完済できない恐れがあります。

自己破産は、そのような人達に、生活を再建するチャンスを与えてくれる国が認めた救済手段です。お金を貸してくれた人に悪いからと思って、何十年も払い続ける人も少なくないですが、人生の中で10年、20年という期間は決して短くありません。
将来的にまとまったお金が入り完済できる予定があるならば、そこまで返済を続けるのもいいですが、今の状態から先が全く見えないのであれば、この救済制度を利用して、今後の生活を再スタートすることも検討するべきでしょう。

借金の理由がギャンブルや浪費など、免責不許可事由にあたるものの、裁量免責で自己破産ができる可能性や、長年返済を続けていた場合は過払い金が発生している可能性もあります。自分だけで判断するのではなく、弁護士のアドバイスを受けることでより良い解決方法を探すことができます。

弁護士法人あまた法律事務所は、借金問題の解決に特に力を入れている法律事務所です。過去に5,000人以上の借金問題を解決してきました。

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