自己破産における手続きの流れや必要な期間について

弁護士相談

「自己破産」を大まかには理解していても、具体的な手続きの流れや手続きにおける注意点までを理解している方は少ないのではないでしょうか。

今回は、自己破産の手続きの流れ、そして一般的には各手続きにどのくらいの時間がかかるのか?を中心に、知っておくべきポイントなどを解説します。

執筆・監修者、豊川祐行弁護士

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。

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1 自己破産の具体的な手続きの流れと期間

自己破産は、裁判所を通す手続きでもあるため、弁護士などに依頼することが一般的になっています。
具体的な手続きの流れと期間は、以下のようになっています。

(1)弁護士への相談

現在は、無料相談を実施している法律事務所も少なくないため、いくつか事務所を回るなどして、依頼する弁護士を自分の目で判断・決定します。

(2)弁護士と契約後、取立てが停止

依頼する弁護士が決まると、弁護士との間で委任契約を交わします。

ここでいう「委任契約」とは、簡単にいうと、自己破産の手続きを弁護士に依頼することを内容とする契約です。
委任契約を締結すると、弁護士は、すべての債権者に対し、受任通知を発送します。

受任通知には、弁護士が債務者の代理人として、債務整理業務を開始する旨、債務者との取引履歴を開示すること、などが記載されることが一般的です。これにより、弁護士は、債務者に係る借金の状況(借金額、取引期間等)を調査します。

受任通知が送付されると、債権者による直接の取立ては停止することになります。

なお、債権者によっては、受任通知の送付後、取引履歴が開示されるまでに1ヶ月~2ヶ月以上かかることもあります。

(3)各種書類の準備

自己破産を申し立てるためには、さまざまな書類を準備する必要があります。
具体的には、以下のような書類を揃えなければなりません。

自己破産の必要書類
・申立書(陳述書を含む)・債権者一覧表
・家計全体の状況
・住民票
・給与明細書・源泉徴収票
・預貯金通帳のコピー
・資産に関する資料(資産がある場合)

弁護士に依頼すれば、申立書や債権者一覧表といった書類は弁護士が作成してくれますが、給与明細書や預貯金口座のコピー等、債務者自身が揃えなければならない書類もあります。
また、自己破産をするに至った経緯を書面化した「陳述書」や直近2ヶ月分の収支を記載した「家計全体の状況」などのように、債務者の方の協力がなければ作成することができないものもあります。

先に見たように、債権者から取引履歴が開示されるまでには一定の時間がかかるため、この間に、弁護士からアドバイスを受けるなどしながら、これらの書類を準備することになります。

(4)自己破産手続きの申立て

すべての債権者について、債権の調査が終わり、自己破産を申立てるために必要な書類が揃えば、裁判所に自己破産を申立てます。

弁護士に自己破産を依頼して、申立てにいたるまでには、早くても2ヶ月~3ヶ月程度かかることが多く、取引履歴の開示や必要書類の準備等がスムーズにいかないと、申立てまで半年~1年以上かかることもあります。

(5)破産手続き開始決定

自己破産を申立てると、裁判所は申立書等について、問題がないかを確認します。特に問題がなければ、そのまま破産手続きの開始決定が出ます。
書類に不備・不足がある場合には、追加で書類を提出するよう求められることもありますし、書類を訂正するよう求められることもあります。

裁判所に自己破産を申立ててから、手続きの開始決定が出るまでには、2週間~1ヶ月程度かかることが一般的です。

執筆・監修者、豊川祐行弁護士

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。

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2 破産手続きの種類と必要となる期間

破産手続きには、以下のように「同時廃止事件」と「管財事件」の2つの種類があり、手続きの流れが異なります。
なお、東京地方裁判所では、破産の申立後3日以内に「即日面接」が行われることになっています。

ここでいう「即日面接」とは、手続きを開始する前に、申立人の代理人弁護士と裁判官が行う面接のことをいい、この場で、裁判官から質問を受けたり、弁護士から一定事項の説明が行われます。そのうえで、裁判所は、同時廃止事件として扱うか、管財事件として扱うかを決めることになります。

(1)同時廃止事件とは?

「同時廃止事件」とは、破産を申立てる時点で、債務者がめぼしい財産を保有していない場合や免責不許可事由にあたる事実が認められない場合に採られる手続きのことをいいます。後に見る管財事件に比べると、さほど複雑な手続きではありません。

(2)同時廃止事件の流れと期間

裁判所は、申立書等を確認した結果、同時廃止事件として扱うことが相当であると認めた場合には、破産手続開始決定と同時に,破産手続廃止決定もなされます。
申立てから2週間~1ヶ月程度かかります。

その後は、裁判所によって違いはありますが最後に裁判官との免責審尋が開かれます。この点、東京地方裁判所では、免責審尋が行われる運用になっています。

免責審尋においても、住所・氏名に変更がないかどうかを確認される程度で、時間にしても5~10分程度で終わることがほとんどです。
このように、同時廃止事件では、管財事件のように破産管財人が選任されるわけでなく、債権者集会も開かれないため、管財事件に比べ、短い期間で手続きが終わります。

免責審尋から1週間程度経つと、裁判所により免責の許可または不許可の決定がなされます。

(3)管財事件とは?

「管財事件」とは、破産を申立てる時点で、債務者が一定の財産を保有している場合や免責不許可事由にあたる事実が認められる場合などに採られる手続きのことをいいます。
同時廃止事件に比べると、手続きも複雑になっています。

管財事件は、さらに、「少額管財事件」「通常管財事件」とに分かれており、個人が破産する場合には、管財事件であっても「少額管財」として扱われるのが一般的になっています。
ここでいう「少額管財事件」とは、手続きを簡単にして破産管財人の負担を軽くする代わりに、債務者が納付する予納金の額を少額に抑えるための手続きです。

POINT
現在では、東京地方裁判所をはじめ多くの裁判所で、少額管財の運用がなされています。

(4)管財事件の流れと期間

管財事件では、破産を申立てた後に、裁判所が破産管財人を選任します。

ここでいう「破産管財人」とは、債務者が保有する財産について、管理・処分する権限を与えられた弁護士のことをいいます。
そのため、破産管財人は、債務者が保有する財産を売却するなどして換金し、債権者に換金して得られたお金を配当します。

管財事件では、同時廃止事件とは異なり、債権者集会が開かれることになっています。

「債権者集会」は、その場に集まった債権者に対し、破産管財人が破産事件の進捗等を報告する場であり、その進捗に応じて、1回で終わることもあれば、数回にわたり開かれることもあります。数回にわたり債権者集会が開かれる場合、一回目の集会からおよそ2ヶ月~3ヶ月ごとに集会が開かれるのが一般的です。

債務者の保有財産をすべて換金・配当し終えたら、破産手続きは終結し、そこから1週間程度経つと、裁判所により免責の許可または不許可の決定がなされます。

(5)免責確定へ

同時廃止事件または管財事件において、裁判所から免責の許可が決定されると、決定後2週間程度が経つと、その旨が官報で公告されます。

さらに、そこから2週間が経過することで、免責許可決定は確定することになります。免責の許可決定が出てから、確定するまでにはおよそ1か月程度かかります。

3 自己破産手続き中の制限

自己破産を申立てると、その手続きが終わるまでの間、一定の制限を課されることがあります。

(1)引越しや旅行に関する制限

自己破産が管財事件として扱われた場合、引越しや旅行をすることに対して制限を受けることになります。
具体的には、裁判所の許可を受けなければ、引越しをすることはできません。

仮に、破産者が転々と引越しをしてしまうと、破産管財人は、十分な調査をすることができなくなる可能性があります。また、破産者が財産を隠匿する可能性もあります。
このような事態を招かないために、引越しについて制限を課されることになります。

この点は、旅行についても同じです。

海外旅行のように、長い期間にわたって居住地を離れる場合には、裁判所から許可を受けなければなりません。国内旅行であっても、それが長期にわたるのであれば、同様に裁判所から許可を受ける必要があります。
とはいえ、パスポートを没収されたり、新たにパスポートの発行を受けられなくなるというようなことはありませんので、ご安心ください。

自己破産の手続きが終われば、その後の引越しや旅行は、自由に好きなタイミングですることができます。

(2)資格や職業の制限

破産手続きにおいて、免責の許可決定が確定するまでの間、就くことができない職業がいくつかあります。
たとえば、弁護士や公認会計士といった士業、生命保険の外交員、警備員などがそうです。
破産の手続きが開始された際に、これらの職業に就いている場合、免責許可決定が確定するまでの間は仕事を一時的に辞めるか、資格を使わずに仕事をすることが必要になってきます。

また、会社の取締役などの役員は、破産の手続きを開始することによって、役員を解任されることになっています。
引き続き、役員として業務を行うためには、役員として再度選任してもらうことが必要です。

(3)新たな借入ができなくなる

自己破産を申立てると、その旨が信用情報機関に登録されます。いわゆる「ブラックリストに載る」ということです。
そのため、手続き中だけでなく、手続きが終わった後もおよそ5~10年間は、新たにお金を借りることが難しくなります。

とはいえ、急にお金がどうしても必要になることもあります。このような場合に、高金利業者(いわゆる闇金)からお金を借入れてしまうと、厳しい取立てに追われることになり、自分だけでなく家族等にも迷惑をかけることになってしまいます。

※※重要※※
闇金からお金を借りるようなことは絶対にやめましょう!!

4 自己破産手続きする上で心がけるポイント

自己破産の手続きをするにあたっては、以下の点を心掛けておくことが大切です。

(1)特定の債権者だけの返済は禁止

あまり聴き慣れない言葉ですが、特定の債権者だけに、優先して返済をすることを「偏頗弁済(へんぱへんさい)」といいます。

たとえば、友人から借金をしている場合に、友人との人間関係を壊したくないばかりに、友人にだけお金を返すことは、偏頗弁済にあたります。
破産手続きにおいて、偏頗弁済は、「免責不許可事由」の一つとされています。

ここでいう「免責不許可事由」とは、免責を不許可とするための事実として破産法で定められているものです。そのため、偏頗弁済をしてしまうと、免責不許可となる可能性があり、その場合、借金は免除されないことになります。

(2)申請書類は正確に作成する

先に見たように、自己破産を申立てるためには、申立書をはじめ債権者一覧表や家計全体の状況のように、作成する必要がある書類がいくつかあります。
裁判所は、これらの書類を基に、同時廃止事件として扱うか、あるいは、管財事件として扱うかを決めることになります。

また、免責を許可するか、あるいは、不許可とするかということも、基本的には、裁判所に提出した書類に基づいて判断されます。

書類に多くの不備があると、訂正を求められたり、追加で資料の提出を求められるなどして、手続きが遅延する原因にもなります。

また、書類が正確性に欠けると、裁判所に与える心証もよくありません。そのため、書類は正確に作成することを心掛ける必要があります。

(3)絶対に嘘をつかない

人によっては、自分にとって都合の悪い事実を隠そうとする人がいます。バレないだろうという軽い気持ちで嘘をつく方もいらっしゃるかもしれませんが、自己破産は裁判所を通す手続きです。

特に、管財事件では裁判所に選任された破産管財人により、徹底的な調査が行われるため、嘘がバレてしまうと、債務者にとって取り返しがつかないことになりえます。

破産法では、詐欺破産罪などのように、刑罰の対象となる犯罪も定められています。

自分にとって都合が悪いからといって、嘘をついてしまうと、事を大きくするだけです。また、弁護士に依頼している場合、弁護士との信頼関係を毀損することにもなります。

自分にとって都合が悪いかどうかに関わらず、包み隠さずにすべて正直に伝えることが大切です。

(4)信頼できると思った弁護士に相談する

弁護士に自己破産手続きを依頼すると、裁判所から免責の許可をもらうために、弁護士と連絡を取り合いながら、手続きを前に進めていくことになります。

弁護士に安心して手続きを任せるためには、弁護士に対する信頼感がなければなりません。そのためには、多くの中から信頼できる弁護士を選ぶことが重要になってきます。

弁護士も一人の人間であることから、さまざまなタイプの弁護士がいます。ここで大切なことは、無料相談を利用するなどして、自分の目で信頼できるかどうかを判断することです。

たとえば、弁護士であっても、人の話に耳を傾けない弁護士や連絡の取りにくい弁護士、進捗の報告が一切ない弁護士など、さまざまです。

これらの点を自分の目で見極めて、最終的に信頼できると思った弁護士に依頼することが大切です。

5 自己破産まとめ

自己破産は、同時廃止事件と管財事件とに分かれており、それぞれにおいて手続きの流れや期間も異なります。
管財事件に比べ、同時廃止事件では、費用や時間の面で債務者にかかる負担が軽くなりますが、ここで大切なことは、自分に合った手続きを裁判所に選択してもらうことです。
そのためには、嘘のない正確な申立て書類を作成・提出することが必要です。

とはいえ、自己破産は裁判所を通すだけあって、手続きや必要となる書類も複雑になっています。
正確かつスムーズに手続きを進めるためにも、まずは、相談料無料のあまた法律事務所にご相談いただくことをお勧めします。

執筆・監修者、豊川祐行弁護士

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。

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