「事故後のめまいで、どのくらい慰謝料を請求できるのか」
「保険会社の提示額は妥当なのか、もっと増やせないのか」
適切な手続きを経ることで、保険会社の提示額を大幅に上回る賠償を受け取れるケースがあります。
後遺障害認定は申請方法によって結果が左右されるため、手続きの進め方を事前に把握しておくことが重要です。
3級〜14級の認定基準や等級別の賠償金目安、認定されなかった場合の異議申立てまで網羅しているので、ぜひ参考にしてみてください。

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
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この記事の目次
交通事故後のめまいは慰謝料請求の対象になる
交通事故後にめまいが続いている場合、それは正当な補償の対象になり得る症状です。
めまいという症状は目に見えにくいため、「請求できるのか」と不安を感じる方も多いですが、適切な手続きを踏めば補償を受けられる可能性は十分にあります。
適切な手続きとは、症状固定後に後遺障害診断書を取得し、後遺障害等級の申請を行ったうえで、認定された等級をもとに慰謝料を請求するという一連の流れを指します。
- 後遺障害等級が認定されれば、後遺障害慰謝料と逸失利益の両方を請求できる
- むちうちや頭部外傷との因果関係が認められやすい症状のひとつ
- 事故直後に症状が出なくても、遅発性症状として請求できるケースがある
- 「たいした怪我ではない」と思って泣き寝入りする必要はない
後遺障害として認定されることが慰謝料請求の前提
交通事故によるめまいで慰謝料を請求するには、後遺障害等級の認定を受けることが前提となります。
認定を受けることで、通常の入通院慰謝料に加えて、後遺障害慰謝料と逸失利益が請求できるようになります。
後遺障害の認定は、自賠責保険の審査機関が行います。
申請に必要な書類のなかでも、医師が作成する後遺障害診断書の内容が審査の中心となります。
めまいの症状・頻度・日常生活への影響が具体的に記載されているかどうかが、認定の可否を大きく左右します。
めまいで認定される等級の目安としては、主に12級と14級が検討対象となることが多いとされています。
- 12級:平衡機能検査や画像検査などの他覚的所見によって症状が客観的に証明できる場合
- 14級:他覚的所見がなくても、症状の一貫性や通院記録から神経症状として認められる場合
なお、他覚的所見とは、医師が検査機器などを通じて客観的に確認できる異常所見のことを指し、画像診断(MRI・CTなど)や平衡機能検査の結果がその代表例です。
自分の症状がどちらに近いかを判断する際は、これらの検査を受けているかどうかが一つの目安になります。
| 基準 | 14級の目安 | 12級の目安 |
|---|---|---|
| 自賠責基準 | 約32万円前後 | 約94万円前後 |
| 弁護士基準(裁判基準) | 約110万円前後 | 約290万円前後 |
同じ等級でも基準の違いによって受け取れる金額に大きな差が生じます。
まずは「後遺障害として認定されるかどうか」を意識して、通院記録や症状の記録を丁寧に残しておくことが重要です。

症状固定とは何か
後遺障害の申請は、「症状固定」の診断を受けた後に行います。
症状固定とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めないと医師が判断した状態を指します。
症状固定の診断が出た段階で、残っている症状が「後遺症」として扱われます。
つまり、めまいが症状固定後も続いている場合に初めて、後遺障害として申請する資格が生まれます。

むちうちがめまいを引き起こすメカニズムと因果関係の証明
交通事故後のめまいは、むちうち(頸椎捻挫)や頭部への衝撃が原因となるケースが多く見られます。
- 頸椎の損傷が内耳や脳への血流に影響を与えることがある
- 頸部の筋肉や神経が損傷し、平衡感覚に関わる神経系が乱れることがある
- 頭部への直接的な衝撃が内耳機能に影響を与える場合もある
慰謝料請求において重要なのは、事故とめまいの「因果関係」を証明することです。
事故直後から一貫して症状を訴えていること、医療機関で継続的に診察を受けていること、そして診断書に症状が明確に記録されていることが、因果関係を裏付ける材料となります。
通院を途中で中断すると「症状が軽かった」「事故との関係が薄い」と判断されるリスクが高まるため、症状が続く限り通院記録を途切れさせないことが大切です。

遅発性症状でも請求できる可能性
交通事故後のめまいは、事故直後ではなく数日〜数週間後から現れるケースがあります。
これを遅発性症状と呼び、むちうちや頭部外傷に伴うめまいでは珍しくない経過です。
遅発性症状であっても、事故との因果関係が認められれば慰謝料請求の対象となり得ます。
ただし、症状が遅れて出た場合ほど「事故が原因かどうか」を証明するハードルが上がります。
- 症状に気づいたらできるだけ早く医療機関を受診する
- 受診の際に「交通事故後から続いている症状」であることを医師に伝える
- 事故との関連性が診断書や診療録に記載されるよう、正確に申告する
「時間が経ってしまったから無理かもしれない」と諦める前に、まず弁護士の無料相談を活用することをおすすめします。
弁護士への相談が有効な理由は、後遺障害申請の方法として「被害者請求」と「事前認定」の2種類があり、どちらを選ぶかによって手続きの主導権や結果に影響が出るためです。
被害者請求は被害者自身が直接申請を行う方法で、提出書類を自分でコントロールできる点が特徴です。
事前認定は保険会社を通じて申請する方法で、手続きの手間は少ない反面、提出内容の確認が難しい面もあります。
どちらが自分の状況に合っているかは、弁護士への無料相談を通じて確認することができます。

めまいが続く場合に受診すべき診療科と通院の注意点
事故後のめまいは、受診する診療科の選び方と通院の継続が、後の補償に直接影響します。
「どこに行けばいいか分からない」まま放置すると、症状の原因が特定されないだけでなく、後遺障害の申請時に不利になる可能性があります。
めまいが後遺障害として認定されるかどうかは、治療中の通院記録の質と量に大きく左右されるため、今の段階から意識しておくことが重要です。
- まず整形外科か脳神経外科を受診し、頸部・頭部の損傷を確認する
- 耳鳴りや難聴を伴う場合は耳鼻咽喉科への受診も検討する
- 通院記録の積み重ねが後遺障害認定の重要な根拠になる
- むちうちによるめまいは数か月以上続くケースもある
まず整形外科または脳神経外科を受診する
交通事故後のめまいは、頸椎の損傷か頭部への衝撃が原因であることが多いため、最初の受診先は整形外科または脳神経外科が適切です。
- 整形外科:頸椎捻挫(むちうち)による神経・血管への影響を診る
- 脳神経外科:脳震盪・頭蓋内の問題を画像検査(CT・MRI)で確認する
事故直後は症状が軽く見えても、数日後にめまいや頭痛が強まるケースがあります。
「大したことない」と自己判断して受診を遅らせると、症状と事故の因果関係が医療記録上で証明しにくくなります。
事故から遅くとも2〜3日以内に受診することが、補償の観点からも重要です。
整形外科では頸椎のレントゲンやMRI、脳神経外科ではCTやMRIを撮影するのが一般的です。
画像検査の結果が「異常なし」であっても、後遺障害申請において直ちに不利になるわけではありません。
神経症状は画像に映らない場合があり、その際は症状の経過記録と医師の所見が主な判断材料になります。
一方、画像所見がある場合は認定の根拠として有利に働くこともあります。
受診時には「事故後からめまいが続いている」「どのような状況で悪化するか」を具体的に伝えることが、カルテへの記録につながります。

耳鼻咽喉科への受診が必要なケース
めまいに加えて耳鳴り・難聴・耳の閉塞感がある場合は、耳鼻咽喉科への受診も必要です。
事故の衝撃によって内耳が損傷すると、平衡感覚を司る前庭器官に障害が生じることがあります。
この場合、整形外科や脳神経外科の検査だけでは原因が特定されないまま経過してしまうことがあります。
耳鼻咽喉科では、聴力検査・平衡機能検査(重心動揺計検査など)を通じて内耳性のめまいかどうかを評価します。
後遺障害等級の申請において「平衡機能障害」として認定されるには、平衡機能検査の数値が重要な根拠になります。
耳鼻咽喉科での検査記録がなければ、その等級を狙うことが難しくなります。
整形外科・脳神経外科と並行して耳鼻咽喉科にも通院することは、内耳性のめまいが疑われる場合には後遺障害認定の観点から特に推奨される対応です。
複数の診療科の記録を組み合わせることで、症状の全体像を医療記録として残せます。

通院記録が後遺障害認定に直結する理由
後遺障害として認定されるには、症状が「事故から継続して存在している」ことを医療記録で示す必要があります。
後遺障害の申請は、症状固定(これ以上治療を続けても改善が見込めない状態)の時点で行います。
症状固定とは、治療を継続しても症状がそれ以上回復しないと医師が判断した状態を指し、判断するのは主治医です。
保険会社や審査機関が参照するのは、事故後から症状固定までの通院記録です。
通院が途切れていると「症状が回復した」と判断されるリスクがあり、認定が困難になる場合があります。
- 定期的に受診し、めまいの状態を医師に伝え続ける
- 「良くなった日」「悪化した日」の変化も記録として残す
- 自覚症状は毎回具体的に申告する(「ふわふわする」「立ちくらみがある」など)
- 医師の指示なく通院を中断しない
自覚症状を毎回申告することが重要なのは、医師がその内容をカルテに記録し、後遺障害診断書を作成する際の根拠になるためです。
「症状を伝えた」という事実が診療録に残ることで、後遺障害申請時に「継続的に症状があった」ことを示す証拠になります。
医師が「症状固定」と判断するまでは、自己判断で通院をやめないことが重要です。

むちうちによるめまいはいつまで続くのか
むちうちによるめまいがいつまで続くかは個人差が大きく、数か月から半年以上続くケースは珍しくありません。
むちうちは頸椎周辺の筋肉・靭帯・神経が損傷した状態です。
この損傷が自律神経や血流に影響を与えることで、めまいや頭痛が長引くことがあります。
日本整形外科学会などが公表している情報によると、むちうちの症状の多くは数か月以内に改善するとされていますが、一定割合の方は6か月を超えても症状が残ります。
症状が6か月以上続いた場合、後遺障害の申請を検討するタイミングの目安になります。
6か月という期間は申請の絶対条件ではなく、「症状が事故由来のものとして一定期間継続している」ことを示す目安として扱われることが多いものです。
現時点でまだ数か月の段階であっても、今から通院記録を丁寧に積み重ねておくことが、将来の申請に向けた準備になります。
保険会社が「症状固定」を促してくることもありますが、医師が症状固定と判断していない段階では応じる必要はありません。
めまいが日常生活や仕事に支障をきたしている場合や、保険会社との交渉に不安を感じる場合は、症状固定の時期や後遺障害申請の進め方について弁護士に相談することも選択肢の一つです。

めまい・平衡機能障害に適用される後遺障害等級の基準
交通事故後のめまいは、後遺障害等級として「平衡機能障害」に分類されます。
等級は症状の重さによって複数段階に分かれており、どの等級に該当するかによって受け取れる慰謝料の金額が大きく変わります。
等級の基準を事前に把握しておくことで、通院時に残すべき記録や、医師への伝え方が変わります。
自分の症状がどのあたりに位置するかを確認しながら読み進めてください。
なお、後遺障害の申請は「症状固定」の後に行うのが原則です。
症状固定とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めないと医師が判断した状態を指します。
通院を続けている段階では申請できないため、主治医と相談しながら時期を見極めることが重要です。
- めまいの認定が難しい理由と、審査で重視されるポイント
- 3級・5級・7級・9級・12級・14級それぞれの認定基準の目安
- 良性発作性頭位めまい症と交通事故の因果関係をめぐる論点
認定のハードル:他覚所見が出にくいめまいの特性
めまいは、画像検査や血液検査では異常が映りにくく、「他覚所見」を確保しにくい症状です。
後遺障害の審査では、主観的な訴えだけでは認定が通りにくく、客観的なデータの裏付けが重視されます。
- 平衡機能検査(重心動揺検査・眼振検査など)の記録
- 耳鼻科・神経内科など専門科での診察履歴
- 日常生活への支障を具体的に記載した医師の診断書
後遺障害の審査機関は、提出された医療記録をもとに等級を判断します。
めまいが続いているにもかかわらず「異常なし」の診断書しかない場合、症状の重さが正確に伝わらないリスクがあります。
事故後早い段階から耳鼻科や神経内科を受診し、平衡機能に特化した検査を受けておくことが、認定を得るための現実的な備えになります。

3級・5級・7級:日常生活に支障が出るレベルの平衡機能障害
日常生活や就労に重大な支障をきたす平衡機能障害は、3級・5級・7級に分類されます。
「身体の平衡機能に著しい障害を残す」レベルとして位置づけられており、認定されれば慰謝料・逸失利益ともに高額になります。
- 3級3号:生命維持に必要な身のまわりの動作に常に介護が必要な状態
- 5級1号:労働能力を大幅に失い、日常生活でも常時援助が必要な状態
- 7級3号:平衡機能に著しい障害が残り、独立して生活を送ることが困難な状態
これらの等級は、めまいだけで単独認定されるケースはまれです。
平衡機能障害に加えて聴力障害や神経症状が複合している場合に認定されることが多く、内耳の損傷や前庭神経炎などが背景にある事案で問題になります。
認定に向けた必須条件として、重心動揺検査で著しい数値異常が確認されていること、専門医が「日常生活に重大な支障がある」と明記していることが求められます。
これらが揃っていない場合は審査を通過するのが難しいと理解しておいてください。

9級・12級:一定の機能障害が残る場合
9級と12級は、日常生活への影響は認められるものの、3級〜7級ほどの重篤さには至らないケースに適用されます。
交通事故によるめまいで後遺障害が認定される場合、この2つの等級に該当するケースが比較的多くみられます。
- 9級11号:平衡機能に著しい障害を残すもの(日常生活に制限があるが、介護は不要)
- 12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの(他覚所見で裏付けられた機能障害)
9級は、眼振検査や重心動揺検査で客観的な異常値が確認され、かつ日常生活や就労に一定の制約がある状態が対象です。
12級は、検査数値に異常が出ており、医師が「症状固定後も機能障害が残存する」と判断できる場合に認定される傾向があります。
どちらの等級も、専門科での継続的な検査記録が審査の鍵になります。
自分の症状がどちらに近いかを判断する際の目安として、「介護や他者の補助なしでは外出・就労が困難かどうか」が一つの分かれ目になります。
日常的な動作はこなせるが検査で異常が確認されている場合は12級、就労や社会生活に明確な制約がある場合は9級の範囲に近いと考えられます。

14級:むちうちに伴う軽度のめまい・ふらつき
14級は、他覚所見が乏しく、症状の存在が医学的に説明できる範囲にとどまる場合に適用されます。
むちうち(頸椎捻挫)に伴う軽度のめまいやふらつきは、この等級の対象になることがあります。
14級9号の認定基準の目安は「局部に神経症状を残すもの」とされており、MRIや平衡機能検査で明確な異常が映らなくても、症状の一貫性・整合性が認められれば認定される可能性があります。
一方で、14級は認定されても逸失利益の算定において、9級・12級と比べて補償範囲が限定されやすい傾向があります。
これは、14級の場合、労働能力の喪失期間が短く見積もられることが多いためです。
軽度だからといって請求を諦める必要はなく、弁護士を通じて裁判所基準(弁護士基準)で交渉することで、保険会社が当初提示する金額より受け取れる金額が増える場合があります。

良性発作性頭位めまい症と交通事故の関係
良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、頭を動かしたときに短時間の激しいめまいが起きる疾患で、交通事故の衝撃によって発症・悪化するケースがあります。
BPPVと交通事故の因果関係をめぐっては、審査や訴訟で争われることが少なくありません。
- BPPVは事故以外の原因(加齢・疲労など)でも発症するため、因果関係の証明が難しい
- 症状が自然軽快することもあり、「事故が原因」と断定しにくいとみなされやすい
- 画像検査では異常が映らないため、他覚所見の確保が困難
ただし、事故前にめまいの既往歴がなく、事故直後から症状が出始めた場合は、因果関係を主張できる余地があります。
耳鼻科での眼振検査・頭位変換試験の記録を早期に残しておくことが、後の認定申請・交渉で重要な根拠になります。
BPPVが認められた場合も、症状の重さに応じて等級が判断されます。
他覚所見で明確な平衡機能障害が確認できれば9級または12級、検査での裏付けが乏しく症状の一貫性で主張する場合は14級が適用される可能性があります。

等級別の慰謝料相場と賠償金の目安
後遺障害等級が認定されると、慰謝料と逸失利益の2種類の賠償金を請求できます。
ただし、請求する基準によって受け取れる金額は大きく変わります。
めまいの後遺障害認定を受けた場合、どの基準で請求するかによって最終的な賠償額が数百万円単位で変わることもあります。
12級と14級の差・弁護士基準と自賠責基準の差がそれぞれ積み重なるためです。
- 自賠責・任意保険・弁護士の3つの基準があり、弁護士基準が最も高い
- 等級12級・14級で慰謝料の相場が異なる(弁護士基準で数十万〜百万円超の差)
- 逸失利益は労働能力喪失率と年収・就労可能年数をもとに算出する
- 適切な基準で請求しなければ、受け取れる金額が本来の水準を下回る可能性がある
自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の違い
慰謝料の請求基準は3種類あり、一般的に自賠責基準が最も低く、弁護士基準が最も高くなります。
相手方保険会社が提示する金額は自賠責または任意保険基準であることが多く、弁護士基準と比べると2〜3倍前後の開きが生じるケースもあります。
- 自賠責基準:法律で定められた最低限の補償水準
- 任意保険基準:各保険会社が独自に設定した基準(非公開)
- 弁護士基準(裁判基準):過去の裁判例をもとに算出した最も高い水準
自賠責基準は被害者救済を目的とした最低限の補償であり、実際の損害を十分にカバーできないケースがあります。
任意保険基準は各社が非公開で設定しているため、被害者側から検証することが難しい点も問題です。
弁護士基準は過去の裁判例の積み重ねから導かれた水準であり、弁護士が交渉または訴訟を行う場合に適用されます。
保険会社から示談書が届いた時点で金額を確認し、弁護士基準との差を把握してから署名するかどうかを判断することが重要です。
加入している自動車保険に弁護士費用特約が付帯されている場合、弁護士費用の自己負担なく依頼できるケースがあります。
まだ示談の段階に至っていない方も、特約の有無を保険証券で確認しておくと、のちの判断がしやすくなります。

各等級の後遺障害慰謝料の金額一覧
めまいの後遺障害として認定される可能性が高い等級は12級・14級です。
弁護士基準(裁判基準)では、自賠責基準と比べて大幅に高い金額が認められています。
| 等級 | 自賠責基準(概算) | 弁護士基準(概算) |
|---|---|---|
| 12級 | 約90万円前後 | 約290万円前後 |
| 14級 | 約30万円前後 | 約110万円前後 |
上記はあくまで後遺障害慰謝料のみの目安です。
別途、逸失利益・入通院慰謝料・治療費・休業損害なども請求対象となります。
等級12級と14級では弁護士基準での慰謝料だけで約180万円前後の差が生じることがあります。
- 12級に近い可能性があるケース:画像検査や神経学的検査など客観的な検査(他覚的所見)でめまいの原因を裏付ける所見が確認されており、日常生活や就労への支障が継続している場合
- 14級に近い可能性があるケース:他覚的所見は乏しいものの、事故後から一貫してめまいの症状を訴えており、通院記録や医師の所見によって症状の継続が確認できる場合
等級認定の結果は1段階異なるだけで受け取れる金額に大きな影響を与えます。
認定結果に納得できない場合は異議申立ての検討も選択肢のひとつです。
非該当(等級なし)と判断された場合も、医療記録の補充や検査の追加を経て異議申立てを行うことができるため、認定結果が出た時点で選択肢が閉じるわけではありません。
慰謝料以外の損害項目(休業損害・逸失利益など)を含めた総額で考えると、弁護士基準と自賠責基準の差はさらに広がる傾向があります。

逸失利益の計算方法と労働能力喪失率の目安
逸失利益とは、後遺障害によって将来的に得られなくなった収入の補償です。
慰謝料とは別に請求できる損害項目であり、若い年齢や高い年収ほど金額が大きくなる傾向があります。
それぞれの要素について確認します。
等級によって喪失率の目安が定められており、12級は約14%前後、14級は約5%前後が一般的な目安とされています。
ただし、めまいの症状が職種や業務内容に与える影響が大きい場合、実態に即した喪失率を主張できる余地があります。
高所作業や精密機器の操作など平衡感覚を必要とする業務に従事している場合は、標準的な喪失率よりも実態に即した水準を主張できる可能性があります。
基礎収入は原則として事故前の年収をもとに算出します。
給与所得者であれば源泉徴収票、自営業者であれば確定申告書が根拠資料となります。
主婦・主夫など家事従事者の場合は、賃金センサス(厚生労働省が公表する「賃金構造基本統計調査」)の平均賃金を基準に計算する方法が認められています。
就労可能年数は原則として67歳までの残存年数とされています。
ライプニッツ係数は中間利息を控除するための係数であり、年数に応じた数値が裁判実務上定められています。
逸失利益は要素が複数あるため、弁護士に依頼することで各要素を適切な水準で主張・交渉してもらえる可能性が高まります。

後遺障害認定を受けるための手続きの流れ
めまいの後遺障害認定を得るには、手続きの選択と医療記録の準備が結果を左右します。
手続きを誤ると、適切な等級が得られないまま示談が成立してしまうリスクがあります。
申請方法の選び方から、必要な検査・書類の準備、認定されなかった場合の対応策まで、順を追って解説します。
- 申請方法は「事前認定」と「被害者請求」の2種類があり、選択によって有利不利が変わる
- めまいは他覚的所見が乏しいため、検査記録と診断書の内容が等級判断の核心になる
- 認定結果に納得できない場合は、異議申立てという再審査の手段がある
事前認定と被害者請求の違い
後遺障害の申請方法には2種類あります。
事前認定は加害者側の保険会社が手続きを代行する方法、被害者請求は被害者が自分で損害保険料率算出機構(自賠責)に直接申請する方法です。
めまいのような自覚症状が中心の症状では、被害者請求を選ぶほうが、提出資料の内容を自分でコントロールできるという点で有利に働きやすい傾向があります。
事前認定は手続きが簡単で、加害者側保険会社がほぼすべての書類を集めてくれます。
ただし、提出する書類の選択や追加資料の添付は保険会社の判断に委ねられるため、被害者にとって有利な資料が十分に揃わないケースがあります。
被害者請求では、被害者側が診断書・検査記録・陳述書などを自ら収集・選定して提出します。
- 症状の経緯を詳細に記録した書類を自分で選んで提出できる
- 医師に対して「後遺障害診断書への記載内容」を直接確認・依頼できる
- 仮渡金制度を利用して、示談前に一部の自賠責保険金を受け取れる
特に、以下のような状況に当てはまる場合は、被害者請求を選ぶことを検討する価値があります。
- めまいが主に自覚症状であり、他覚的所見が十分に揃っていない
- 保険会社とのやり取りに不安や不信感がある
- まだ弁護士に依頼していないが、自分で手続きを管理したい
弁護士に依頼している場合は、被害者請求の手続きを代理してもらえるため、書類収集の負担を抑えながら有利な申請を進めることが可能です。

必要な検査と診断書の取得方法
めまいの後遺障害認定では、症状の存在を客観的に裏付ける検査記録が不可欠です。
自覚症状だけを記載した診断書では、等級認定が難しくなります。
- 平衡機能検査(重心動揺計検査・眼振検査など)
- 聴力検査(内耳由来のめまいを確認するため)
- 頭部MRI・CT(中枢性疾患の除外と器質的損傷の確認)
- 神経学的検査(平衡感覚・協調運動の評価)
これらの検査結果が診断書に反映されていることが、認定審査で重要な判断材料になります。
検査を受けていない場合や、結果が診断書に記載されていない場合は、主治医に追記・修正を依頼することを検討してください。
後遺障害診断書は、症状固定のタイミングで主治医に作成を依頼します。
「症状固定」とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めない状態を指します。
一般的には事故から半年以上が経過した時点で判断されることが多いですが、半年を過ぎれば自動的に申請できるわけではなく、治療を続けても症状の変化がほぼなくなった状態かどうかが前提となります。
主治医への依頼に際しては、「後遺障害診断書の作成をお願いしたい」と率直に伝えることが基本です。
めまいの発症時期・頻度・日常生活への支障・検査所見を具体的に記載してもらえるよう、事前に症状のメモを用意して医師と確認しておくと、記載漏れを防ぎやすくなります。
もし主治医が作成に消極的な場合は、専門医(耳鼻咽喉科・神経内科)への紹介を依頼するか、弁護士に相談して対応策を検討することも選択肢の一つです。

認定されなかった場合の異議申立て
一度の審査で非該当(等級なし)や希望より低い等級が出た場合でも、異議申立てによる再審査が可能です。
認定結果は確定ではなく、追加資料の提出によって覆ることがあります。
異議申立ては、損害保険料率算出機構に対して書面で行います。
申立ての回数に法律上の上限はなく、費用の自己負担も基本的には発生しません。
ただし、同じ資料で繰り返し申立てをしても結果が変わる可能性は低いため、新たな医学的証拠を追加提出することが結果を変える鍵になります。
初回審査で認定されなかった主な理由は「他覚的所見の不足」か「症状の一貫性が確認できない」のいずれかであることが多いです。
異議申立てでは、この弱点を補う資料を準備します。
具体的には、追加の平衡機能検査結果、専門医(耳鼻咽喉科・神経内科)による意見書、通院記録の補足資料などが有効です。
異議申立ての成否は、提出資料の質と医学的な論拠の組み立て方に大きく左右されます。
弁護士が関与することで、審査で否定された理由を分析し、どの検査・書類を追加すべきかを医師と連携しながら戦略的に準備することができます。
- 初回の認定理由が読み解けない
- どの資料を追加すればよいか分からない
- 医師との調整に不安がある
なお、異議申立てで結果が変わらない場合でも、訴訟による司法判断という手段が残っています。
裁判所は損害保険料率算出機構の認定結果に拘束されないため、医学的証拠が十分であれば後遺障害の存在が認められるケースもあります。

慰謝料が低く評価されやすいケースと対処法
交通事故後のめまいは、適切に対応しなければ慰謝料が低く評価されてしまうリスクがあります。
めまいの後遺障害認定は、自覚症状を客観的に証明しにくいという性質上、対応の難度が高い分野です。
ただし、それは「認定されない」ということではなく、「適切な対処を行うかどうかで結果が変わりやすい」ということを意味します。
リスクを把握した上で行動することが重要です。
- 画像検査で異常が検出されず、症状の裏付けが取りにくい
- 通院が途切れると、症状の継続性を疑われる
- 保険会社から示談を急かされ、適切な補償を受ける前に合意してしまう
こうした落とし穴は、事前に知っておくだけで回避できる可能性が高まります。
画像検査で異常が出ないと認定されにくい
後遺障害の認定審査では、症状の存在を客観的に示す医学的証拠が重視されます。
めまいは本人にしか感じられない自覚症状であるため、MRIやCTといった画像検査で異常が確認できない場合、審査機関から「症状の裏付けがない」と判断されるリスクがあります。
- 平衡機能検査(重心動揺計検査など)の実施と結果の保存
- 耳鼻咽喉科や神経内科での専門的な診察記録
- 医師による「症状が継続している」旨の診断書・意見書
重心動揺計検査は、平衡感覚の乱れを数値で示せる検査であり、後遺障害等級の審査においても参照される客観的データとなります。
特に、神経系統の障害として審査される12級・14級の判断において、画像検査で異常が出ない場合の補完的な証拠として機能しやすいとされています。
自覚症状だけでなく、こうした検査結果を診療記録に残していくことが、認定を得るための土台になります。
担当医に対して「後遺障害の申請を視野に入れている」と伝え、必要な検査を積極的に依頼することは、治療方針に関する相談として一般的に行われることであり、遠慮なく申し出て問題ありません。

通院が途切れると因果関係を疑われる
治療の継続性は、症状の存在を示す重要な間接証拠です。
通院が長期間途切れると、保険会社や審査機関から「症状が一時的に回復していた」「事故との因果関係が薄い」と判断される根拠を与えてしまいます。
症状が軽くなったと感じる時期でも、医師の指示のもとで定期的に通院を続けることが基本的な対処法です。
- 自己判断で通院を中断しない
- 症状の変化(良くなった・悪くなった)を診察のたびに医師に伝え、カルテに記録してもらう
- 仕事や家庭の都合で通院が難しい場合も、主治医に相談して受診ペースを調整する
症状日記には、日付・症状の程度・日常生活への影響を記録しておくと、後の申請や交渉において補足資料として活用できます。
具体的には、後遺障害申請の際の診断書・意見書作成、審査機関への提出書類、保険会社との示談交渉の場面で、症状の継続性を裏付ける資料として役立てることができます。

保険会社から示談を勧められたときの注意点
後遺障害が残っている可能性があるにもかかわらず、保険会社から早期の示談を打診されるケースがあります。
示談書に署名してしまうと、原則としてその後の追加請求は認められなくなります。
症状が続いている段階での示談合意は、将来の補償を自ら放棄することと同義です。
- 症状固定の診断を医師から受けているか
- 後遺障害等級の申請を済ませているか(または申請を検討したか)
- 提示された金額が弁護士基準と比較して適正かどうか
1点目の「症状固定」とは、これ以上治療を続けても症状が改善しない状態と医師が判断した時点を指します。
症状固定は担当医が診察をもとに判断するものであり、保険会社が一方的に決めるものではありません。
後遺障害の申請は、この症状固定の診断を受けた後に行うのが原則です。
3点目の「弁護士基準との比較」については、弁護士への相談が現実的な手段です。
多くの法律事務所では無料相談を受け付けており、提示された金額が適正かどうかを確認する場として活用できます。
保険会社が提示する示談金は、任意保険基準と呼ばれる独自の算定基準に基づいています。
この基準は、裁判所が用いる弁護士基準(いわゆる赤い本基準)と比べて低く設定されているケースが多く、差額が数十万円から数百万円規模に及ぶ場合もあります。
めまいの後遺障害等級に当てはめると、14級相当のケースでも数十万円単位、12級相当のケースではそれ以上の差が生じることがあるとされています。
「早く解決したい」という気持ちは自然ですが、症状固定・等級申請・金額の妥当性確認の3ステップを経ずに署名することは避けてください。

弁護士に相談すると慰謝料が増額できる理由
交通事故後のめまいで後遺障害が認定されても、受け取れる慰謝料の金額は、誰が交渉するかによって大きく変わります。
保険会社から提示された金額をそのまま受け入れると、本来受け取れる補償を大幅に下回るリスクがあります。
「自分のめまいが後遺障害として認定されるかどうかまだ分からない」という段階であっても、弁護士への相談は有効です。
認定前の段階から、症状の記録方法・医師への伝え方・申請手続きの準備について助言を受けることができるため、認定の可能性を高める行動を早期にとりやすくなります。
- 弁護士基準(裁判基準)に切り替えるだけで、慰謝料が増額されるケースがある
- 後遺障害の等級認定や異議申立ても、弁護士がサポートすることで結果が変わりやすい
- 弁護士費用特約があれば、実質0円で弁護士に依頼できる
- 無料相談を使えば、まず状況を確認するだけでも大きな判断材料になる
弁護士基準への変更で慰謝料が大幅に上がるケース
保険会社が提示する慰謝料は、弁護士基準(裁判基準)と比べて低い水準に設定されていることが多いです。
弁護士が介入すると、この基準を裁判基準に引き上げて交渉できるため、最終的な受取額が大きく変わります。
- 自賠責基準:最低限の補償を目的とした基準。金額は最も低い
- 任意保険基準:各保険会社が独自に設定する基準。自賠責よりは高いが、裁判基準より低いことが多い
- 弁護士基準(裁判基準):過去の裁判例をもとに設定された基準。3つの中で最も高い
たとえば、めまいが14級9号に認定されたケースで弁護士基準に切り替えた場合、後遺障害慰謝料については自賠責基準の上限額と比較して2倍前後の水準になることがあるとされています(日弁連交通事故相談センター東京支部「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」参照)。
さらに逸失利益の算定方法も変わるため、最終的な受取総額の差はより大きくなる場合があります。
12級に認定されたケースでは、自賠責基準と弁護士基準の差がさらに開く傾向があります。
保険会社との示談交渉は、弁護士が代理人になることで初めて対等な立場で進められます。
被害者本人が交渉しても、保険会社は任意保険基準を基に話を進めてくるため、基準の引き上げを求めても応じてもらいにくいのが実情です。

後遺障害認定のサポートと異議申立ての代行
後遺障害等級の認定結果に納得できない場合、異議申立てという手続きで再審査を求めることができます。
最初の審査で非該当となった場合でも、追加の医学的証拠を揃えることで結果が変わる可能性があります。
異議申立てで結果を覆すには、最初の審査では提出できなかった新たな医学的証拠や、症状の経過を示す資料が必要です。
どのような追加資料が有効かを判断し、医師への意見書作成の依頼や書類の整備を行うのは、専門知識がないと難しい作業です。
- 被害者請求(自分で申請する方法)の準備を一緒に進める
- 症状の一貫性を示すための通院記録・診断書の整理をアドバイスする
- 非該当または低い等級での認定に対して異議申立てを代行する
- 必要に応じて、専門医への意見書作成を働きかける
めまいは他覚的所見が得られにくい症状のため、最初の審査で非該当となるケースも少なくありません。
そのような場合でも、異議申立てでめまいを含む神経症状について等級が認定された事例は実際に存在します。
異議申立てでは、主観的な症状の訴えだけでなく、平衡機能検査の結果や専門医の意見書といった客観的な裏付け資料の追加が鍵になりやすい点を押さえておきましょう。
あきらめる前に弁護士に相談することが、適切な補償を受けるための第一歩です。

弁護士費用特約を使えば自己負担なしで依頼できる
弁護士への依頼をためらう理由として、費用の問題を挙げる方は少なくありません。
しかし、自動車保険に弁護士費用特約が付いている場合、弁護士費用の多くをその特約でまかなえます。
弁護士費用特約は、交通事故の被害者が弁護士に依頼する際にかかる費用(相談料・着手金・報酬金など)を保険会社が負担する仕組みです。
めまいの後遺障害案件を含む一般的な交通事故の被害者請求・示談交渉案件であれば、自己負担がほぼ発生しない水準に設定されていることが多いとされています。
特約の有無は、保険証券の「特約一覧」欄に「弁護士費用特約」「弁護士費用等補償特約」などの名称で記載されているケースが一般的です。
証券が手元にない場合は、保険会社のカスタマーセンターに問い合わせるだけで確認できます。
弁護士費用特約が使えない場合でも、多くの弁護士事務所では「成功報酬型」の料金体系を採用しています。
示談成立後に増額分の一定割合を報酬として支払う形式のため、手元資金がなくても依頼しやすい環境が整っています。

無料相談の活用方法
「まだ相談するほどではないかもしれない」と感じている方でも、無料相談を活用することで、自分のケースで何が請求できるかを把握できます。
多くの弁護士事務所では、交通事故案件に限って初回相談を無料で提供しています。
- 事故の概要(日時・状況・相手方の保険会社名)
- 現在の症状と通院状況(病院名・診療科・通院頻度)
- 保険会社からの連絡内容や提示書類(あれば)
- 後遺障害の認定結果(申請済みの場合)
相談の段階では、「依頼するかどうか決めていない」という状態でも問題ありません。
弁護士に相談することで、現在の状況で何が請求できるか、保険会社の提示額が適切かどうかを客観的に確認できます。
交通事故後のめまいは、症状の記録と適切な手続きを踏むことで正当な補償を受けられる可能性がある症状です。
保険会社の提示をそのまま受け入れる前に、一度弁護士の意見を聞くことが、損をしないための最も確実な手段です。
交通事故後のめまいについて、まずは弁護士への無料相談から始めてみてください。

交通事故後のめまいと慰謝料に関するよくある質問
後遺症としてめまいが残った場合、認定の可否や請求のタイミング、示談の進め方など、判断に迷う場面が少なくありません。
こうした疑問は、正しい知識がないまま手続きを進めることで、適切な補償を受け損なうリスクにつながることがあります。
このセクションでは、めまいの後遺症と慰謝料請求に関して多く寄せられる疑問に、できる限り分かりやすくお答えします。
ご自身の状況と照らし合わせながら、一つひとつ確認していただければ幸いです。
めまいだけで後遺障害14級に認定されることはありますか?
めまいのみでも後遺障害14級に認定される可能性はありますが、医学的な裏付けが認定の鍵を握ります。
むちうちに伴う軽度のめまいであっても、後遺障害14級の認定を受けられるケースはあります。
ただし、めまいは他覚的な検査で客観的に証明しにくい症状であるため、画像所見や平衡機能検査などで異常が確認できない場合、認定が難しくなる傾向があります。
認定においては、医師が作成する診断書の記載内容と、症状が続いていることを示す継続的な通院記録が非常に重要です。

事故後しばらくしてからめまいが出た場合でも慰謝料請求できますか?
事故後に遅れてめまいが現れた場合でも、適切な対応をとることで慰謝料請求の余地があります。
交通事故から時間が経過してから症状が出る「遅発性症状」は、事故との因果関係の証明が難しくなる点に注意が必要です。
保険会社や裁判所は、事故と症状の間に医学的なつながりがあるかどうかを重視するため、時間が空くほど立証のハードルが上がります。
そのため、めまいに気づいた時点でできるだけ早く医療機関を受診し、症状の記録を診療記録として残すことが重要です。
受診が遅れると「事故とは無関係の症状」と判断されるリスクが高まりますので、少しでも気になる症状があれば早めに専門医に相談することをおすすめします。

症状固定はいつ判断されるのですか?
症状固定は、医師が「これ以上治療を続けても改善が見込めない」と判断した時点で認定されます。
一般的には事故から6ヶ月以上が一つの目安とされており、めまいなどの神経症状は特に経過観察が重要です。
症状固定のタイミングは後遺障害等級の認定や慰謝料額に直接影響するため、主治医と十分に相談しながら判断することが大切です。
保険会社から治療費の打ち切りや早期の症状固定を促される場合がありますが、医師が治療継続を必要と判断している段階であれば、必ずしも応じる必要はありません。
そのような状況に不安を感じた場合は、弁護士への相談を検討することで、適切な対応方針を確認できます。

保険会社から示談を勧められていますが、サインしても大丈夫ですか?
症状が残っている段階での示談には慎重な判断が必要です。
示談書にサインすると、原則としてその後に追加で損害賠償を請求することができなくなります。
めまいなどの後遺症が続いている状態でサインしてしまうと、将来的に症状が悪化・長期化した場合でも、補償を受けられなくなるリスクがあります。
症状が安定・固定するまでの間は、示談を急ぐ必要はありません。
保険会社から早期の示談を勧められても、それに応じる義務はなく、焦って判断しないことが重要です。
示談内容の妥当性や時期については、弁護士に相談したうえで判断することを強くお勧めします。

一度後遺障害が認定されなかった場合、再度申請できますか?
後遺障害の認定結果に納得できない場合は、異議申立てによって再審査を求めることができます。
一度認定されなかった場合でも、手続きを諦める必要はありません。
異議申立てという手続きを通じて、改めて審査を受けることが可能です。
その際、初回申請時に提出できなかった新たな医学的証拠や検査結果を追加することで、認定結果が覆るケースもあります。
異議申立てはただ再申請するだけでは効果が薄く、初回との違いを明確に示す医証の補強が重要です。
めまいのような自覚症状が中心の後遺症は、客観的な証明が難しいため、どのような検査結果や資料を追加すべきかの見極めが重要になります。
こうした場面では、弁護士のサポートを受けることで、審査に有利な証拠の収集や書類の整備をより的確に進めやすくなります。

まとめ
交通事故後のめまいは、後遺障害として認定されることで、適切な慰謝料・逸失利益を請求できる可能性がある症状です。
本記事の要点を改めて整理します。
- めまいで認定される等級は主に12級・14級。9級以上は聴力障害等との複合認定が中心
- 等級12級と14級では弁護士基準で約180万円前後の慰謝料差が生じる
- 事故直後に整形外科・脳神経外科を受診し、内耳症状があれば耳鼻咽喉科も並行
- 平衡機能検査・重心動揺計検査・MRI記録が他覚的所見として認定の核心
- 申請方法は被害者請求のほうが書類をコントロールでき、めまいでは特に有利
- 非該当でも異議申立てで覆る余地あり。新たな医証の追加が成否を分ける
- 示談前に弁護士基準と保険会社提示額を比較。費用特約があれば実質ゼロで依頼可
めまいは他覚的所見が出にくい症状であるため、通院記録の質と専門医による検査の積み重ねが認定結果を左右します。
保険会社から示談書が届く前に、症状固定の時期・後遺障害申請の方法・弁護士基準での試算を確認することで、適正な補償を受け取れる可能性が高まります。
多くの弁護士事務所では無料の初回相談を受け付けており、弁護士費用特約を利用できる場合は自己負担なく依頼できることもあります。
めまいで慰謝料の妥当性に不安を抱えている方は、示談書にサインする前に一度、専門家の視点で現状を確認することをおすすめします。

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
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