オレオレ詐欺などの特殊詐欺の被害は、毎年減少しているっていう事実を知っていますか?一時期は、詐欺の代名詞のように言われていたオレオレ詐欺が、減少しているのは、報道や警察などの周知活動で、多くの人が詐欺に対して注意深くなっていることや、電話で騙されてしまった場合でも、金融機関の協力で振り込み前に詐欺被害をストップさせることが出来ているからです。
しかし、詐欺の手口は巧妙化しており、毎年のように新しい詐欺被害が生まれています。今はやや減少傾向の特殊詐欺ですが、新しい詐欺の手口でまた多くの人が被害者になってしまう可能性もあるのです。それを防ぐためには、新しい詐欺はどんな手口で騙してくるのか?詐欺師の手口を知って、詐欺の被害に遭わない対策を考えることが大事です。
最新の詐欺手口と対策10選
国際ロマンス詐欺
・特徴
結婚詐欺はよく知られた詐欺の一つで、新型の詐欺とは言えませんが、ここ数年で被害者が急増している国際ロマンス詐欺は、結婚詐欺の一種とは言え、決定的な違いがあります。
知り合った後に、何度も相手と会ってそのたびに相手の信頼や愛情を積み重ねる結婚詐欺の手口とは違い、一度も実際に会っていない相手からお金を騙し取るのが国際ロマンス詐欺です。
・手口
最初はSNSや、マッチングサイトなどで、日本人をターゲットにして近づいてきます。
被害者が女性の場合は、アメリカやヨーロッパに住む白人男性を名乗るケースが多く、共通している点は、日本に住んでいないので会うことができないことです。
日本人男性は、苦手とされている愛情表現をふんだんに使ったメールを1日に何度も送ってて、次第に相手の心の中に入り込んできます。
実際に会ってはいなくても、半年以上も相手と毎日メールを交換することで相手の気持ちを惹きつけ、頃合いを見計らってお金の話を切り出します。
・会いに行きたいけど日本に行くお金がないのでお金を出して欲しい
・紛争地帯で兵役についているけれども、除隊するためにお金が必要
・戦場で危険なので、お金を預かって欲しいが、送金するためにお金がかかるのを負担して欲しい
理由は様々ですが、特徴的なのは一度お金を騙し取っただけで終わるのではなく、成功したら何度も請求してくることです。
・対策
インターネットが普及して、海外の友達ができるチャンスも増えました。慎重になりすぎるとせっかくのチャンスを逃してしまうかもしれません。
しかし、相手がお金を請求してきた時には絶対に渡してはいけません。一度も会ったことのない人に対して大金を負担させることは、普通に考えておかしなことだと思ってください。
リフォーム詐欺
・特徴
高齢者を狙ったリフォーム詐欺も、昔から問題になっていますが、今年再びリフォーム詐欺が注目されたのは、被災地を狙った詐欺が数多く発生しているからです。
リフォーム詐欺の特徴は、家を訪問して、家の損傷や老朽化などを指摘し、住民の不安を煽ってリフォームを請け負い、高額な作業代金を請求します。
今年は台風や豪雨被害などの被災地では、修理を行う業者が不足してしまい、早く修理して欲しいという被災者の弱みにつけ込んだリフォーム詐欺が増加しました。
・手口
家に訪問して、シロアリが発生していてこのままでは家の土台が食い荒らされてしまう、電気ケーブルが老朽化しているのでこのままでは漏電して火災を引き起こす恐れがある等手口は様々ですが、修理が必要だということを言ってきます。
被災地の場合、訪問時は行政から依頼されて訪問しているような話をしてくるようです。
このような業者はリフォームをそのまま作業することが多く、見積もりを出すこともありません。簡単な作業で全く作業内容に見合わないような大金を請求したり、前払いでお金を受け取った後に作業をせずに逃げるといった手口も見られます。
・対策
どんなに緊急の作業が必要でも、見積もりを取ってどのくらいの費用がかかるか確認せずに依頼するのは危険です。作業前に見積もりをとることと、見積もり以外に追加がある場合は作業する前に伝えてもらうことを徹底してもらうことが防衛策になります。
また、作業の代金は前払いではなく作業が終わってから支払うようにしてください。
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ピンポン詐欺
・特徴
警察やマスコミの啓蒙活動や金融機関の振り込み監視の強化のおかげで振り込みによる特殊詐欺は一時期から減少傾向にあります。しかし、振り込みではない手口を使ってお金を騙し取る手口が増えているのです。
その一つがピンポン詐欺と呼ばれるものです。電話で親族を装って相手を騙すのはオレオレ詐欺と変わりませんが、振り込みや郵送でお金を送らせるのではなく、直接家を訪問して手渡しでお金を受け取ります。直接訪問してチャイムを鳴らすことからピンポン詐欺と呼ばれています。
強盗にまで発展している事件もあるので、高齢者の方は注意が必要です。
・手口
最初に息子や孫を装って電話をしてきます。
電話の内容はトラブルやアクシデントに巻き込まれたのでお金が必要という内容です。
ここまでは、今までのオレオレ詐欺と同様ですが、違うところは相手の状況を電話で確認することです。
電話口の相手が高齢であるか?単独で住んでいるのか?1人で家にいる時間帯はいつか?などを電話で確認して訪問します。
直接、お金を取りに行くと伝えてから訪問することが多いですが、中には訪問することを伝えずに1人暮らしの高齢者を狙って強盗を行う犯行グループも多発しています。
・対策
有効なのは、ナンバーディスプレイなどの電話を設置して、知らない電話には出ないことです。
電話に出ずに留守番電話に用件を録音させて、後から折り返し電話をするのも効果的です。
電話に出てしまった時でも、自分の情報は相手に伝えないでおくことや、1人暮らしの場合は家族がいると嘘をつくのも被害を防ぐ方法となります。
改元詐欺
・特徴
今年の大きなイベントに、平成から令和に元号が変わる改元がありました。改元に乗じて、銀行の通帳やカードが使えなくなってしまい、切り替えが必要だと話をしてきて騙し取る被害が出ています。
・手口
銀行の通帳やカードを騙し取る場合は、金融機関の職員の名前を騙って訪問したり、電話をしてくるケースが多いです。元号が新しくなるので、銀行のシステムが対応できずに今までのキャッシュカードや通帳が使えなくなるから切り替えの必要があると嘘をつきカードを騙し取り、暗証番号を聞き出します。
・対策
各金融機関も注意喚起を呼びかけていますが、金融機関の職員や行政の職員が直接訪問したり、電話で暗証番号を聞き出したり、カードや通帳を受け取ることはありません。
もしも電話があった場合は、通帳を渡すのではなく、一度電話を切ってから、相手が名乗っている金融機関に電話をして確かめること、行政の場合は担当部署を聞いてから折り返しの電話で確認することによって被害者になる可能性はかなり低くなります。
退位詐欺
・特徴
2019年4月30日に天皇が退位し、5月1日から新天皇が即位されました。30年ぶりの天皇陛下の即位に対し、記念品などの詐欺商品を購入させる詐欺商法が増えています。
・手口
天皇陛下即位の記念品として、掛け軸や置物、金貨やアルバムなど様々な記念品を購入しないかと電話で勧誘してきます。中には限定品なので、購入したら数年後には価値が上がるという話をしてくる業者もいますが、どの商品も公式に販売されている商品に比べて値段がかなり高かったり、粗悪な商品であることが多いです。
代金着払いを利用する業者が多く、一度申込をしてからキャンセルの連絡をしても関係なく商品を送り付けてくるケースが目立ちます。
・対策
勧誘の電話に対しては、中途半端な対応をせずに、はっきりと拒否することが必要です。もしも住所を教えてしまったら、着払いで送られてくる可能性がありますが、着払いは宅配業者に対して受け取り拒否をすることで、荷物は発送人へ戻されますので、絶対に受け取らない、代金を支払わないことです。
オリンピック詐欺
・特徴
ワールドカップや、オリンピックなど国内で大きなイベントがあった時には、詐欺被害が増加します。2020年のオリンピック詐欺では、チケット売買についての対策がかなり進んでおり、チケット詐欺の被害はまだ聞かれませんが、オリンピック関連の投資詐欺が増加している報告があります。
・手口
オリンピック関連の企業が未公開株を発行するから、今投資すれば投資金額が数倍になるとか、オリンピックのマラソンコースの付近の土地が値上がりするので、買ったら儲かるといった架空の儲け話を持ちだして投資させ、投資したお金を騙し取ります。
・対策
オリンピック関連の投資話には乗らないこと。未公開の株についても同様です。
確かに、オリンピック景気というものはありますが、簡単に投資して儲かるという話の多くは詐欺だと思った方がいいです。
押し買い詐欺
・特徴
被災地で被害が多かったのが、押し買い詐欺です。押し売りと反対で、家に訪問して貴金属などを強引に買取りし、相場よりも安い価格で買いたたきます。
・手口
被災地の周辺で多かったのが、業者が家を直接訪問して、被災者への義援金のために、不要な商品を売って募金しないかと話してくることでした。貴金属や、時計などの高額な商品を相場よりもずっと安い値段で買いたたき、売り上げ金は募金するという嘘をついてお金を騙し取っています。
・対策
もしも義援金としてお金を募金するのであれば、相手の団体名を確認して正規の団体であるか確かめること。業者が家に訪問してきた場合は、絶対に家には上げないことです。
電子マネー詐欺
・特徴
電子マネーやプリペイドカードを利用した詐欺です。
キャッシュレス決済などで、今まで使用していなかった人が電子マネーを使い始めたり、高額の送金ができなくなったため、特殊詐欺の代金支払いとしてプリペイドカードを購入させて番号を伝えさせる詐欺が増えています。
・手口
アダルトサイトなどの視聴料金の請求被害が多く、代金の決済はプリペイドカードを購入して、カードナンバーを電話やメールで伝えるように指示されるケースや、友人や知り合いの名前を騙って、LINEやメールなどでプリペイドカードを購入させて番号を聞き取る詐欺などの手口が増えています。
・対策
プリペイドカードでの支払い請求があったら応じないこと。
代金の支払いは、現金かクレジットカード振り込みが一般的です。わざわざプリペイドカードを購入させて代金の決済をさせるのは、相手が通常の決済方法を利用できないからです。振り込みの監視が厳しくなったり、郵送では住所から身元がバレるという危険性がある中、カードの番号を聞くだけならば、詐欺師にとってリスクはかなり低いです。
決済エラー詐欺
・特徴
決済エラー詐欺は、WEB上の決済画面を利用してお金を騙し取る手法ですが、今までのフィッシングサイトとは違い、巧妙で非常にわかりにくい詐欺の一つです。
フィッシング詐欺ならば、クレジットカードのナンバーを抜かれたり、架空の決済が行われるのですが、決済エラー詐欺は、エラー画面とは別に、購入手続きも完了してしまうので、注文した商品が届くため、詐欺に遭ったことを認知するまでに時間がかかるのが特徴です。
・手口
ショッピングサイトでクレジットカード番号を入力し決済を行うと、正常な処理が行われずエラー画面が表示されます。エラー画面で再度入力を行うことで、正常な処理に戻るのですが、この詐欺の巧妙なのは、最初に入力したことでクレジットカードの番号が抜き取られてしまい、エラーが出た時にはすでに被害に遭っているということです。
エラー画面で再度入力したものは、正式な商品購入の手続きになるため、商品は購入されて配送されます。そのため、被害者はカードの明細を確認するまで被害に遭ったことに気づかずに対応が遅れてしまいます。
・対策
フィッシングサイトのように偽サイトではなく、本物のサイトの中でエラー画面が表示されてしまうことから、未然に詐欺を防ぐ方法は今のところないと言ってもいいでしょう。
つまり、重要なのはいかに早く詐欺被害に遭ったことに気づいて、カードの支払いを止めるかになります。商品を購入した場合、毎月届く明細を確認するのはもちろんのこと、WEB上などで不正な取引履歴がないか常に確認することで、自分が被害に遭ったことに早く気づくことができるでしょう。
スマホ副業詐欺
・特徴
スマホだけで簡単に副業ができると言って、登録料や、利用料金などを騙し取ったり、個人情報を抜き取る偽の副業の被害が増加しました。
・手口
TwitterやInstagramのフォロワーとして、近づいて頻繫にコメントを送りながら、近づいてきます。副業関係や投資関係のツイートをフォローしているユーザーをターゲットにしているケースが多いです。
最初はビジネスの話はしませんが、徐々にスマホで簡単に稼げる副業があるなどの話を出してきて勧誘します。作業をはじめても、全く稼げないものが多く、そればかりか、登録料や会費などを請求されるケースもあります。
金銭的な被害が出ない場合でも、個人情報が盗まれて、他の業者に売られてしまう可能性もあります。
・対策
簡単に稼げる副業は信用しないことです。スマホ副業の特徴は、一日30分の作業で月10万円以上稼げるというような、誇大広告で勧誘してくることが多いです。
ネットビジネスだから稼げると説明してきますが、ネットビジネスもリアルのビジネスもそれほど変わりません。一般的な相場と照らし合わせて考えて、あまりにも報酬が大きいようなものであれば詐欺の可能性が高いです。
詐欺被害に遭ったときに大事なこと
詐欺被害に遭った時に大事なのは、警察への連絡はもちろんのこと。
まずは、自分の被害を最小限に食い止めることです。クレジットカード会社へ連絡して支払いを止めてもらうことは最優先で行わなければなりません。
支払い先に返金を求めるような場合は、自分で行ってもまず戻ってくることはないと思った方がいいでしょう。詐欺師にとって返金クレームは想定内です。
まとめ
毎年、新しい詐欺が生まれて被害者が発生しています。
詐欺の被害者にならないために大事なのは、詐欺の手口を知っておくことです。
新しい詐欺が生まれても、以前に似たような詐欺事件があることがほとんどなので、手口を頭に入れておいて警戒するだけでも、被害を最小限に防ぐことができるでしょう。