借金をしている方の中には、毎月の支払いがスムーズにいかず、滞納を続けてしまう人もいると思います。郵便や電話の連絡があったにも関わらず、事情を説明せずにそのまま放置しておくのは非常に危険です。
カード会社や消費者金融の支払いを滞納するとどうなる?
支払いの滞納を続けた場合、原則的には以下のような段階の流れになります。
1.延滞を知らせる督促の電話
2.督促の手紙が郵便で届く
3.裁判
支払い滞納から裁判になるまでの流れ
始めの段階は、消費者金融のコールセンターから返済を忘れていないかという内容の電話がかかってきます。
ここで電話に出てきちんと対応を行えば問題ありませんが、無視を続けていると電話の催促から封書での連絡に変わります。
この連絡にも無視を続けて放置しておくと、契約は強制解約処分となります。また、返済専用口座として登録されるため、新たな借り入れはできなくなってしまいます。そして、次の段階として裁判へと発展していく流れになります。
最終的には裁判、差し押さえとなる
裁判に発展した場合、基本的に消費者が勝てる見込みは無いと言えます。よって、消費者金融側は、給料など財産の差し押さえ手続きの実施を行います。
裁判を無視した場合は?
電話と封書での連絡も無視し続けた場合、最終的には裁判にまで発展してしまいます。裁判が決定すると、「訴状」という手紙が裁判所から届くことになります。
訴状とは、既に裁判が始まっていることを指しますが、実際に裁判行われるまではおおよそ一ヵ月程度の期間が設けられます。
しかし、ここでも正当な連絡無しに、無視を続けて裁判所に出廷しなかった場合は、「相手が全面的に正しい」と認めるという判断が下されてしまいます。
裁判を起こされなければ安全なのか?
それでは、ある程度の滞納と無視が続いても、裁判の一歩手前で対応ができれば安全なのでしょうか。
実際には裁判までいかなくても様々なリスクは発生してしまい、デメリットを被ることが多くなります。
遅延損害金が発生する
まず初めに考えられるのが遅延損害金です。
遅延損害金は、決められた支払日までに支払いが完了しなかった場合、法律では1日でも支払いが遅れると、この遅延損害金が発生すると定められています。
遅延損害金の年率は、上限が20%までと法律で定められており、実際にいくらの金額が請求されるかは、契約した会社のサービスによって異なります。
ブラックリストのリスク
また、返済が滞るとブラックリストに載ってしまうというリスクもあります。
滞納が続くとクレジットカードの利用が強制停止・強制解約され、滞納期間が61日を過ぎると、事故情報として登録されてしまいます。
踏み倒しはかなり困難
と思う方も中にはいるかもしれません。しかし、借金の踏み倒しはデメリットが多いうえに、そもそも踏み倒すこと自体が非常に困難であると言えます。
これにはいくつかの理由がありますが、まず一つ目は、貸金業者が消費者の住民票を取得することができるということです。
住所がわかれば、もし引っ越しをしていてもその住所に請求が届きます。そのため、書面での督促から逃げることは困難と言えます。
次に、もし住所がわからなくても、債権者は裁判を起すことが可能であるという事実があります。住所が判明していない場合は、先ほど解説した訴状を消費者に届けることができなくなります。
従って、消費者は裁判が行われる事実を確認できないまま裁判が行われ、そのまま裁判で敗北するという結果になります。
そして最後に、貸金業者によって時効の中断をすることが可能ということも、借金を踏み倒すのが難しい大きな要因です。
借金にももちろん時効があり、時効が過ぎれば消費者には返済義務がなくなります。
しかし、その期間中に債権者の方から借金返済の請求があったり、裁判の手続きを進められた場合は、時効の計算期間にはカウントされずリセットされてしまうのです。
以上のような理由から、借金を踏み倒すことは容易ではないということが言えます。
それでも踏み倒そうとする場合のリスク
しかし、このようにかなり厳しい条件であっても、借金を踏み倒そうとする人が存在します。
その場合に起こる様々なリスクについてもご紹介していきます。
まず一つ目は、職場に電話をされるというリスクです。
督促の電話は基本的に個人の携帯電話や自宅の固定電話に最初はかかってきますが、それを無視し続けると職場に電話がかかってくる可能性があります。
そこから会社の人に借金をしていること、滞納が続いていることがバレてしまう可能性もあるので、その先は仕事がやりづらくなってしまうというリスクが発生します。
次にブラックリストに載るということが挙げられます。
こちらは先ほどもご説明しましたが、一定期間以上連絡も返済もない状態が続くと、俗にいう「ブラック状態」として登録されます。もちろん新たな借り入れをすることはできなくなりますし、新規のクレジットカード発行も基本的にはすることができません。
一度ブラックリストに載ってしまうと、もし現状の借金を完済できても、数年はブラック状態が続いてしまいます。
そして3つ目のリスクは、差し押さえをされてしまうことです。
踏み倒しが完遂される前に、支払督促という最終警告の封書が消費者のもとに送られます。それでも音沙汰が無い場合は、先ほど解説したようにもし住所がわからない場合でも裁判が進むという状況ができるのです。
これによって法的に差し押さえが認められ、現金が無い場合でも自宅や自動車も差し押さえの財産対象になります。
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裁判を起こされる前後の対処法
裁判を起こされるのは手順を踏んでからになるため、できればその前に回避をすることが望ましいです。
それでは、裁判を起こされる前に防ぐ方法はあるのか、そして最悪のケースとして裁判沙汰になってしまった後に対処法はあるのか、詳しく解説していきます。
裁判の前に債務整理をする
シンプルな方法は、裁判沙汰に発展する前に、借金を返済してしまうことです。
しかし、ほとんどの人が返済するお金がないため、滞納を続けてしまうという背景があると思います。
その場合は一人で悩んだり放置したりせずに、まずは債務整理を検討することが得策です。
・任意整理
任意整理は、現状の月返済額を少額にするなどの手段で、毎月の支払い負担を軽減させるする手続きのことです。
裁判所を介さずに手続きを進めることができたり、家族や知人に知られることなく返済ができるというメリットがあります。
・個人再生
個人再生は任意整理とは異なり、裁判所を通す必要のある手続きです。
しかし、住宅を残したまま借金の整理ができるという大きなメリットがあり、更に、任意整理よりも借金を減らせる額が大きいということも魅力的な手続きです。
・自己破産
自己破産は、必要最低限の分を除く全ての財産を清算したうえで、返済義務のある借金全てを返済義務の無い形にしてもらう「免責許可」を受ける手続きです。
自己破産を行うとブラックリストに載ったり、一部の職業には一定の期間就くことができないなどの制限がかかりますが、借金を免責してもらい人生を再スタートすることができる有効な手段です。
このように、債務整理の中にもそれぞれの借金状態に合わせた手続きの種類が存在します。
債務整理を行い、返済のめどが立ったことを債権者に伝えれば、裁判を起こされる確率は低くなると言えます。
裁判の後に債務整理をする
このような手段があっても、債務整理の手続きをせずに滞納が続いて、裁判にまで発展してしまうケースもあります。
しかし、裁判の後に債務整理をするという手段も残されています。
・任意整理
裁判によっては、裁判官が和解に向けた方向に導いてくれる場合もあります。
従って、長期の分割返済を認めてくれるケースも少なからずあり、任意整理によって利息の支払いも考慮してもらえる可能性が考えられます。
ただし、債権者によっては任意整理に応じてくれない場合もあるので注意が必要です。
・個人再生
判決後の差押えができなくなるのが、個人再生を行うことの特徴です。
個人再生の手続きを開始すれば、差押えがされないまま、減額など、借金の返済について話し合いを進めることが可能です。
債権者が任意整理を認めてくれない場合などに有効な手段と言えます。
・自己破産
自己破産においても、裁判を起こされたあとに手続きを取ることが可能です。個人再生同様、判決後に差押えの実施はされません。
また、免責が決定すれば、借金の返済義務が無くなるというのが大きな特徴です。
このように、裁判を起こされる前にきちんと対応するのが良いのですが、もし裁判沙汰になった場合でも対応する手段は残されています。債務整理を行うには、知識と経験が不可欠と言えます。
まとめ
今回は、借金の滞納を続けるとどうなってしまうのか、そして降りかかるリスクとその対処法についてお伝えしました。
そもそも借金は滞納せずに、もし滞納してしまっても誠意をもって連絡することが大事なのですが、実際問題として支払いや連絡が滞ってしまう方が多いのも事実です。滞納が続くと、最初は電話で、次は封書で、そしてそのまま何も音沙汰が無いと、裁判にまで発展してしまう可能性もあります。
支払いを踏み倒して裁判も回避しようとする考えの方もいますが、借金の踏み倒しをすることは非常に困難で、踏み倒そうとしている間にも様々なリスクが発生します。
一刻も早く現状から抜け出すために、まずは無料相談から検討されてはいかがでしょうか。