クレジットカードは手持ちがなくても決済できてしまうため、使い方によっては借金の原因となってしまうこともあります。
「翌月のクレジットカードの支払いができない」
「リボ払いに変更したけど返せる見込みがない」
このような借金の返済が難しい場合でも、任意整理をすることで、借金問題を解決できる場合があります。
この記事ではクレジットカードを任意整理する際の知識や注意点、任意整理をした後の対処法を解説します。
クレジットカードの支払いを任意整理することはできる?
任意整理とはクレジットカード会社などの債権者と交渉して、今後の利息のカットや長期間での分割など支払いを今よりも楽にすることを目的とした手続きです。
一般的に借金というと貸金業者からの現金の貸付やローンを思い浮かべますが、クレジットカードの支払いも借金として扱われます。
クレジットカードの借金も任意整理できる
毎月のクレジットカードの支払いを任意整理することは可能です。クレジットカードの支払いを任意整理することで、長期分割と今後の利息カットができます。
例えば、リボ払いは年間15%程度の利息が掛かります。任意整理ではこの利息分をなくせるので、返済総額を減らすことができます。
ただし、任意整理をしても元本を減額することは難しいでしょう。
ショッピング枠・キャッシング枠での違いはある?
クレジットカードはお店で商品を購入したり、サービスの利用代金を立て替えてもらえたりできるショッピング機能だけでなく、現金を借りられるキャッシング機能が付随しているものもあります。
任意整理をする場合、両者の利用枠での違いはあまりありません。ショッピングでの利用でも、キャッシングでの利用でも任意整理できます。ただ、長年キャッシングを利用されていた方は過払い金が発生している可能性があります。
任意整理後の支払いはどうなる?
実際にクレジットカードを任意整理した例を見てみましょう。
・借入総額 200万円
・借入者数:2
・毎月の返済額:4万5000円
任意整理後
・借入総額:200万円
・任意整理した社数:2
・毎月の返済額:2万8000円
利息をカットしたうえで、毎月の返済額を下げることができました。
リボ払いのように毎月の利息が生じる場合は、任意整理の効果を十分に受けることができますが、クレジットカードの支払いは翌月一括払いが多く、利息もかからないためわざわざ任意整理するべきなのか、と判断に悩むこともあります。
しかし、給料のほとんどを返済に充ててしまい、生活費をクレジットカードで支払っているような状況では、急な出費でサイクルを狂わされてしまいます。このような場合は、毎月の返済額を減らし、返済比率を下げることができる任意整理は有効な手段と言えるでしょう。
クレジットカードを任意整理する場合の注意点
クレジットカードを任意整理すると生じるデメリットがあります。注意しておきたい点としてはいわゆるブラックリスト入りが挙げられるでしょう。
任意整理をすると5年間はブラックリスト状態となる
任意整理をすると事故情報が信用情報機関に登録されることになります。
この事故情報が消えないと、クレジットカードを作ったり、ローンを組んだり、借入をしたりすることが難しくなります。貸金業者やカード会社は信用情報機関の情報を確認して審査を行うため、事故情報が載っている状態だと、審査が通りづらいという理由です。
一生クレカの利用や借入ができないというわけではなく、一般的に事故情報は、任意整理をして完済してから5年ほど経つと削除されると言われています。
任意整理するとクレジットカードは利用できなくなる
クレジットカードを任意整理すると、そのクレジットカードは解約扱いとなります。
通常の任意整理でもクレジットカードは利用できなくなりますが、直接話がいく分、カードを利用できなくなる期間が早くなると考えられます。
任意整理をした時点でブラックリスト状態となるため、任意整理の対象としていないクレジットカードも利用できなくなり、新たなローンや借入も難しくなります。
ブラックリスト状態を過ぎれば、事故情報が削除され、クレジットカードなどを利用できるようになると言われています。ですが、任意整理をした会社は信用情報機関から事故情報が削除されても、社内ブラックとして残り、クレジットカードの契約ができない可能性があります。
貯めたポイントは失効するため、先に利用しておく
任意整理をすると解約状態となるため、クレジットカードのポイントは失効します。
クレジットカード会社では、利用金額に応じて付与されるポイントをウリにしているところもあります。貯めたポイントは支払い分から割引に使えたり、商品を交換できたりしますので、任意整理の依頼前に使い切ってしまいましょう。
クレジットカードの引き落としができなくなる
任意整理後は、クレジットカードの利用ができなくなるため、引き落とし設定をクレジットカードにしているものは振込等に変更する必要があります。
上記の通り、すべてのクレジットカードが利用できなくなります。
電気やガスといった公共料金やスマホ代、アプリでの電子決済の支払い方法などをクレジットカードにしている方は先に変更しておかないと滞納状態となってしまうので、気をつけましょう。
毎月の支払い明細に名前があるものは分かりやすいですが、3か月に1回や1年に1回などの支払い周期だと忘れやすくなるため、注意して確認しましょう。
分割で支払っているものは回収される可能性がある
クレジットカードを任意整理をすると分割で支払っている商品は、引き揚げられる可能性があります。換金価値の高いものに関しては引き揚げの対象となりますが、クレジットカード会社の判断となるため、一概には言えません。
車やバイク、パソコンや時計などがある場合は、任意整理する前に専門家に相談しておいたほうが良いでしょう。
クレジットカードが必要な場合
昨今の情勢もあいまってキャッシュレス決済が浸透してきています。任意整理後にクレジットカードがないとオンラインをはじめとするサービスで不便を感じるでしょう。
任意整理後にクレジットカードの代用品として使えるもの
任意整理後はクレジットカードのように翌月払いはできませんが、現金を使わないで決済するという点ではクレジットカードと同じように利用できる方法があります。
カードでの支払いと同時に銀行口座から引き落としされます。クレジットカードの加盟店で幅広く利用でき、ポイント・キャッシュバックも受けることができます。
・プリペイドカード
あらかじめチャージをしておくことで、素早く決済することができます。カードを発行している会社の店舗ではポイント付与や割引特典が受けられる場合もあります。
・電子決済アプリ
プリペイドカードのようにチャージしたり、デビットカードを連携したりしてスマホで利用できる決済方法です。ポイント還元キャンペーンやクーポンなどの割引が受けられることもあります。
代用品ではなく、クレジットカードそのものを持つことも、可能です。
任意整理をして信用がなくなるのは本人であり、家族の信用情報には影響がありません。このため、家族がクレジットカードの契約をして、その家族もクレジットカードを使えるサービスである家族カードであれば利用可能です。
任意整理後はいつクレジットカードを利用できるようになる?
任意整理後にクレジットカードが利用できるようになるためには5年が目安と言われています。
任意整理のブラックリスト期間は5年が目安
任意整理をした後は、信用情報機関に事故情報が登録されます。このため、新規でクレジットカードを作ろうとしても、審査で落ちてしまいます。既に契約しているクレジットカードに関しても、クレジットカード会社が更新の際などで信用情報を確認すると、クレジットカードの利用が停止されるでしょう。
事故情報の登録期間は完済から約5年ほどとなっていますので、この間はクレジットカードを利用することは難しいと言えます。5年後にクレジットカードが作れるというのは一般的な目安で、場合によってはもっと長くなることもありますし、逆に短くなったという声もあります。
信用情報の確認方法
任意整理をしたことで掲載される事故情報が削除されたかを確認する方法として、信用情報機関への問い合わせがあります。自分の信用情報を1000円程度で書面で確認することができます。取り寄せ方法については各ホームページで案内されています。
・JICC(株式会社日本信用情報機構)
・全国銀行個人信用情報センター
まとめ
任意整理をすることで、毎月の返済額を減らすことができ、返済の負担を減らすことができます。
一定の期間はクレジットカードを利用することができなくなってしまいますが、借金を作ってしまった生活を改善する期間と前向きに考えることもできます。
返しきれない借金のことを日々考えるよりも、解決に向けて行動し、気持ちを楽にしてはいかがでしょうか。