副業で収入をアップすることができれば、これからも返済は可能かもしれませんが、返済金額が足りずに、利息分だけを入金しているのであれば、いつまでたっても借金はなくなりません。
自分の力で借金問題が解決できないのであれば、自己破産や個人再生という債務整理で解決するという方法があります。
しかし、問題点が一つあります。
借金の理由によっては、破産後も残債務の支払いを続けなければならない可能性があるのです。
賭け事やFXや株投資等射幸性の高いものに手をだしたのが借金を作った理由であれば、破産後も支払いの義務が消えない場合があります。
そのような場合には、どんな解決方法があるのかについてまとめた記事になります。
ギャンブルでの借金は個人再生できる?
借金の理由が個人再生を行うときに問題になることはありません。パチンコや競馬等のためにお金を借りてしまっても、返済のことを考えずにローンを組んだりクレジットカードで浪費してしまった場合でも、負債の総額が5,000万円を超えていなければ、個人再生ができないということはありません。
ただし、個人再生は自己破産と違い、借金が大幅に減額されますが、返済の義務が消えるわけではありません。
原則として3年間借金の返済を行わなければならないため、将来的に継続的、または反復して返済できるだけの収入を得る見込みがあることも条件となります。
個人再生で債務はどのぐらい減額される?
個人再生では、借金は最大で10分の1まで減額されます。
自己破産のように、借金自体が免除になることはありませんが、個人再生の申立てを行うと、選任された再生委員が、今後の支払について再生計画を作成します。
裁判所に再生計画が承認されると、計画に従って減額された借金の返済を原則3年間行い、計画通りに完済できれば、再生計画に含めていなかった借金の返済は免除されます。
ギャンブルでの借金は自己破産できない?
自己破産は誰でも行うことができますが、破産の手続きが完了しただけで、借金が無くなるわけではありません。
返済を免除してもらうためには、免責許可決定を受ける必要があります。
つまり、自己破産の手続きを行っても、免責の許可がでなければ、借金の返済義務は残り、破産した意味がほぼなくなってしまうということです。
ギャンブルが原因の借金では、自己破産はできないと言われる理由は、借金の理由によっては免責不許可事由に該当してしまう恐れがあるからです。
・闇金からお金を借りたり、換金を目的としてクレジットカードを使ったりすること
・一部の債権者だけに支払いを行ったりする、債権者に対しての平等性を損なう行為
・ギャンブルをするための借金、浪費や投資のために借金を作った場合
・自己破産の手続きをしていたり、既に返済できない状態でありながら、債権者を欺いてお金を借りていたこと
・裁判所に提出した債権者名簿に特定の業者だけ掲載していないこと
・裁判所や破産管財人の調査に協力的でない場合、質問に対して嘘の回答を行っていた場合。
・過去に免責が確定してから7年以上経過していない場合
上記の項目の一つにでも該当していれば、免責が許可されない可能性があります。
管財事件と同時廃止とは?
自己破産には「同時廃止」と「管財事件」の二通りの手続き方法があります。
自己破産は、破産者の持っている財産を換価処分し、債権者に対して平等に配当を行うという原則に則って手続きが進められます。
しかし、破産者本人が必要最低限以上の財産を持っていないことが明らかな場合、資産の価格を調査したりするのは余計な時間と費用がかかります。
余計な時間や費用をかけるのを防ぐため、財産調査の必要がない場合や、免責不許可事由への該当がない場合は、自己破産の手続きを開始するのと同時に手続きを終了させる同時廃止という手続きで進められます。
換価して債権者に配当できる財産を所有している場合は、破産管財人が選任されて破産者の財産の調査を行ってから換価し、債権者へ配当を行います。
また、免責不許可事由に該当している点がある場合も、破産管財人による調査が必要となります。
自己破産できる可能性もある
自己破産制度の目的の一つが、支払不能となった債務者に対して、もう一度生活再建の機会を与えることです。それ故に、借金の理由がギャンブル等で、免責不許可事由に該当している場合であっても絶対に免責が許可されないというわけではありません。
免責不許可事由に該当している程度や、自己破産をしたことに対して本人がどれだけ反省しているか、今後、生活を再建しようという意欲はあるのか、等の聞き取りを行い、裁判所に報告します。
その報告を元に、免責不許可事由に該当している場合でも裁判所が裁量によって免責を許可する「裁量免責」という形で、免責が許可になることが多いです。
ギャンブルでの借金を債務整理する場合の注意点
生活習慣を改める
最初は、気分転換やストレス解消のために楽しんでいたかもしれませんが、長期間、ギャンブル行為を行うと、お金の感覚が麻痺してしまい、さらに続けている場合は依存症になって、お金が無かったら借りてでも遊びたいという気持ちになってしまいます。
賭けるために借金をしてしまったのなら、依存症もしくは一歩手前の状態と言えると思います。
今までパチンコや競馬に費やしていた時間を、副業や他の趣味で楽しむ時間に変えたり、少しお金が足りなくなったからと言って、借金をするような生活習慣を改める必要があります。
手続き中のギャンブルはNG
自己破産の手続き中に、再びパチンコや競馬をしてバレてしまったら、本人が反省し、生活の再建を目指す意欲があると言うことに対して、疑問視されてしまいます。
破産前と同じような生活を繰り返しているのであれば、裁判所の本人に対する印象も悪くなり、免責が許可される可能性は低くなります。
また、破産者本人の生活再建を助けるために尽力していた弁護士や司法書士が、本人に更生の意欲がないと見做した場合、依頼を辞退してしまう可能性もあります。
再び借金を作ってしまう人も多い
自己破産によって、借金問題が解決できても、今までの生活が改善できなければ、再びギャンブルに手を出してしまい、また借金を作ってしまう可能性もあります。
ブラックリストに掲載されていても、少額なら融資する貸金業者や、闇金からお金を借りてしまい、再び借金問題に苦しむことになる方も少なくはありません。
一度免責が出たら、7年経過するまで、免責は許可されませんので、次は自己破産により救済されることはありません。
まとめ
借金の理由は人それぞれです。当法律事務所に相談に来られる方の中にもギャンブルが原因で大きな借金を抱えてしまった方も少なくありません。
確かに、借金の原因は免責不許可事由に当たってしまいますが、重要なのは、本人がこれからやり直したいと思う意欲だと思います。
この記事でも説明したように、ギャンブルが原因の借金であっても、裁判所から裁量免責を許可されるケースも少なくありません。
但し、裁量免責を得るには、いかに本人が反省しているか、また、今後の更生に対してどのくらい意欲があるのかを、うまく裁判所に伝えるテクニックも必要になります。
弁護士や司法書士であっても、全てが借金問題の解決に力を入れているわけではありません。免責が勝ち取れるかどうかは、借金問題をより多く解決してきた、経験やテクニックを持つ弁護士に依頼することが非常に重要になります。
弁護士法人あまた法律事務所は、過去に5,000件以上もの借金問題を解決した実績があります。借金問題の解決に力を入れている弁護士集団が、今までの経験から、あなたにとって適切な借金問題の解決方法をご提案いたします。