「借金800万円って、個人再生で減らせるの?」
「マイホームを手放さずに手続きできる?」
個人再生は申し立て前に専門家へ依頼することで、返済義務のある金額が確定するまでの間、取り立てを止められます。
費用・期間・相談先までを詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
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この記事の目次
個人再生とはどんな手続きか
借金が膨らんで返済が限界に近づいたとき、「自己破産しか選択肢がない」と思い込んでいる方は少なくありません。
しかし、個人再生という制度を使えば、財産を手放さずに借金を大幅に減額できる可能性があります。
800万円という借金額は、個人再生が対象とする範囲内です。
ここでは仕組み・流れ・手続きの種類という3つの観点から、個人再生の基本を解説します。
借金が減る仕組みと返済の流れ
個人再生の最大の特徴は、裁判所が認めた「再生計画」に基づいて借金の元本そのものを減額し、残った金額を原則3年(最長5年)で分割返済できる点にあります。
利息のカットだけでなく元本の圧縮が認められるため、任意整理とは根本的に異なる効果が期待できます。
減額後の返済総額は「最低弁済額」と呼ばれる基準によって決まり、借金の総額・手元にある財産の価値・実際の収入などを総合的に考慮して算出されます。
たとえば800万円の借金の場合、条件によっては160万円前後まで圧縮される可能性があります。
- 弁護士・司法書士に依頼 → 債権者への受任通知が送られ、督促が止まる
- 裁判所に申立て → 手続き開始決定が出る
- 債権者との調整・再生計画案の作成 → 裁判所の認可
- 認可後に毎月の分割返済を開始(原則3年)
弁護士や司法書士に依頼した段階で受任通知が各債権者に届くため、取り立てや督促が法的に止まります。
返済に追われる精神的なプレッシャーを軽減しながら手続きを進められる点は、実務上の大きなメリットです。

手続きの期間と完了までの目安
個人再生の申立てから裁判所の認可が出るまでの期間は、おおむね6か月から1年程度が目安です。
その後、再生計画に沿った返済が原則3年間続くため、手続きの開始から完全な債務整理の完了までは、合計で3年半から4年前後かかるケースが多いです。
- 債権者の数や債務の複雑さ(複数の消費者金融・カードローンがある場合など)
- 書類の準備状況(収入証明・財産目録など)
- 裁判所の混雑状況や手続きの種類
申立て前の準備段階では、弁護士・司法書士との打ち合わせや書類収集に1か月から3か月程度かかることが一般的です。
依頼後に返済を一時停止できる期間を活用して、計画的に準備を進めることが重要です。
手続き完了後は一定期間(おおむね5〜7年程度)、信用情報機関に記録が残るため、その間はクレジットカードの新規作成やローンの利用が難しくなります。

小規模個人再生と給与所得者等再生の概要
個人再生には2種類の手続きがあり、収入の性質によって選択できるルートが変わります。
どちらを選ぶかによって、減額の基準や手続きの進め方に違いが生じます。
| 主な対象 | 小規模:収入が不安定な方も可 | 給与所得者等:定期収入がある方 |
|---|---|---|
| 債権者の同意 | 必要(過半数の不反対) | 不要 |
| 返済額の基準 | 最低弁済額 | 最低弁済額 or 可処分所得の2年分(高い方) |
| 減額の幅 | 大きくなりやすい | 収入が高いと減額幅が小さくなる場合あり |
小規模個人再生は、返済額の算出に可処分所得基準が加わらない分、給与所得者等再生と比べて減額の幅が大きくなりやすい傾向があり、借金総額が大きいケースでは特に注目される手続きです。
給与所得者等再生は、債権者の同意を必要とせず、裁判所の判断のみで計画が認可される点が特徴です。
一方で、「可処分所得の2年分以上を返済に充てる」という条件が加わるため、収入が高い場合は返済総額が小規模個人再生より増えることがあります。

借金800万円でも個人再生は使えるのか
800万円という金額が個人再生の対象になるかどうか、まず結論から伝えます。
個人再生が使える負債額の上限は5,000万円以下(住宅ローンを除く)であり、800万円はこの上限の範囲内に収まるため、金額の面では問題なく対象になります。
借金額が大きいと「自分には使えないのでは」と感じる方は少なくありませんが、個人再生は高額の負債を抱えた人を救済するために設計された制度です。
ここでは、具体的な要件を一つずつ確認していきます。
個人再生が使える負債額の範囲
個人再生(小規模個人再生・給与所得者等再生)が利用できる負債額の上限は、住宅ローンを除いた債務の総額が5,000万円以下と定められています。
「住宅ローンを除く」とは、住宅ローンが制度上の別枠として扱われることを意味しており、住宅ローンの残高は5,000万円の上限計算に含めません。
800万円はこの上限を大きく下回るため、金額の面で申立てを拒否される理由はありません。
下限については法律上の明確な規定はありませんが、実務上は「毎月の返済額が収入に対して過大になっており、このまま続けると支払いが破綻することが見込まれる状態」が前提となります。
返済のために他の借入れで補填するようになっている、生活費が慢性的に不足しているといった状況が、返済困難と判断される目安の一つです。

収入の継続性と安定性の要件
個人再生を利用するには、負債額の条件に加えて「継続的な収入またはその見込みがあること」が必要です。
これは、裁判所が認可した再生計画(減額後の返済プラン)を実行できる見通しがあるかどうかを確認するための要件です。
- 毎月一定額の収入があるか(給与・事業収入・年金など)
- 今後も継続して収入を得られる見込みがあるか
- 再生計画で定めた返済額を毎月捻出できる水準かどうか
収入水準の実質的な判断軸は、「減額後の返済額を毎月無理なく支払えるかどうか」です。
個人再生によって返済総額が大幅に圧縮された場合、月々の返済額は現状より低くなることが多く、その金額を収入から捻出できる見通しがあれば要件を満たしやすくなります。
会社員・公務員はこの要件を満たしやすいですが、自営業者・フリーランス・パート・アルバイトの方でも、収入が安定していれば対象になります。

800万円が問題なく対象になる理由
800万円という借金額は、個人再生の制度設計において「想定内の範囲」に収まっています。
個人再生は、数百万円から数千万円規模の負債を抱えながらも収入がある人が、生活を維持しながら債務を整理するための手続きです。
上限の5,000万円に対して800万円は6分の1以下であり、金額面で申立てが困難になる理由はありません。
実務的にも、800万円前後の負債で個人再生を申し立てるケースは珍しくなく、決して特殊な状況ではないといえます。
重要なのは金額の大小よりも、「収入の継続性」と「返済不能の状態にあること」という2つの実質的な要件を満たしているかどうかです。
毎月の返済が家計を圧迫しており、このまま続けることが難しいと感じているなら、個人再生の利用を検討する十分な理由があります。
また、個人再生は自己破産とは異なり、原則として財産を手放す必要がなく、職業上の資格制限も生じません。

800万円の借金が個人再生でいくらになるか
個人再生を検討するうえで、最も気になるのは「実際にいくらまで減るのか」という点です。
800万円という金額は個人再生の対象となる金額であり、継続的な収入があれば手続きの対象となる可能性があります。
個人再生は自己破産と異なり、財産を原則として手放す必要がなく、資格・職業上の制限も生じません。
ここでは、計算ルール・シミュレーション・返済期間の目安を順に解説します。
最低弁済額の計算ルール
個人再生で減額される借金の下限は、「最低弁済額」と呼ばれる基準で決まります。
この金額は借金総額の区分ごとに法律で定められており、裁判所が恣意的に決めるものではありません。
| 100万円未満 | 全額が最低弁済額 |
|---|---|
| 100万円以上500万円未満 | 100万円が最低弁済額 |
| 500万円以上1,500万円未満 | 借金総額の5分の1が最低弁済額 |
| 1,500万円以上3,000万円未満 | 300万円が最低弁済額 |
| 3,000万円以上5,000万円以下 | 借金総額の10分の1が最低弁済額 |
800万円は「500万円以上1,500万円未満」に該当します。
つまり、最低弁済額は借金総額の5分の1となり、800万円であれば160万円が法律上の最低返済ラインになります。
ただし、最低弁済額はあくまでも「法律が定めた下限」です。
実際の返済額は、この最低弁済額と「清算価値」のいずれか大きい方が採用されます。
清算価値とは、もし自己破産した場合に債権者へ配当できる財産の総額のことで、預貯金・不動産・車などが対象になります。

800万円を例にした返済シミュレーション
800万円の借金を個人再生した場合の返済総額は、財産の有無によって異なります。
- 預貯金が数十万円程度で、不動産や高価な車もないケース
- 清算価値は最低弁済額を下回ることが多い
- 返済総額は最低弁済額である160万円前後
- 800万円が160万円になると、減額幅は約8割
- 自宅不動産を所有している、まとまった預貯金があるケース
- 清算価値が最低弁済額を上回ることがある
- 不動産の純資産が200万円前後なら、返済総額が200万円前後になる可能性
- それでも800万円から比べると大幅な減額
なお、住宅ローンがある場合は「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を利用することで、自宅を手放さずに個人再生を進めることができます。
この特則を使うと、住宅ローンは個人再生の対象から外れ、従来どおり返済を続ける形になります。

返済期間と月々の支払い目安
やむを得ない事情があると裁判所が認めた場合に限り、最長5年まで延長できます。
返済総額が160万円の場合、月々の返済額は以下のようなイメージになります。
| 3年返済(36回) | 月々4万円台半ば前後 |
|---|---|
| 5年返済(60回) | 月々2万円台半ば前後 |
800万円の借金を整理前にそのまま返済しようとすると、複数の消費者金融やカードローンを抱えている場合、金利を含めた月々の返済合計額が10万円を超えるケースも少なくありません。
個人再生後の月々の負担額と比較すると、家計の改善幅は非常に大きいといえます。
手続き中は新たな借入れができなくなるほか、手続き完了後も5〜10年程度は信用情報に登録される場合が多いとされています。
返済計画を立てる際は、手続き費用(弁護士・司法書士への報酬)も含めて資金計画を確認しておくことが重要です。

自己破産・任意整理と個人再生の違い
3つの債務整理のどれを選ぶかは、生活への影響の大きさを左右します。
800万円という金額は、任意整理では返済負担が大きく残りやすく、自己破産は影響が広範囲に及びます。
個人再生はその中間として、現実的な選択肢になるケースが多い手続きです。
ここでは3つの手続きの違いと、個人再生が選ばれやすいシチュエーションを解説します。
3つの債務整理の基本的な違い
任意整理・自己破産・個人再生は、減額の仕組みも手続きの影響も大きく異なります。
「どこまで借金を減らせるか」と「何を守りたいか」の2軸で考えると、自分に合う手続きが判断しやすくなります。
| 任意整理 | 利息カットが中心(元本は残る) | 財産・職業への影響なし |
|---|---|---|
| 個人再生 | 元本を最大で5分の1程度まで圧縮 | 原則として財産・職業を維持 |
| 自己破産 | 原則として全額免除 | 一定額以上の財産は処分・職業制限あり |
任意整理は裁判所を通さず、弁護士・司法書士が債権者と直接交渉します。
手続きが比較的シンプルな反面、元本は原則として減らないため、800万円の借金がある場合は返済総額が大きく残ります。
自己破産は借金を全額免除できる強力な手続きですが、一定額以上の財産は処分の対象になり、手続き期間中は弁護士・警備員・保険外交員など一部の職種に就くことができません。
個人再生は、裁判所を通じて借金の元本を圧縮し、残った金額を3〜5年で返済する仕組みで、財産を手放す必要がなく、職業制限もありません。

自己破産を避けたい場合に個人再生が有効な理由
自己破産を選びたくない理由がある場合、個人再生は現実的な代替手段になります。
財産を守りながら借金を大幅に減らせる点が、個人再生の最大の特徴です。
- 自宅(マイホーム)を手放したくない
- 職業・資格への制限を受けたくない
- 家族や周囲への影響を最小限にしたい
自己破産では、自宅を含む一定額以上の財産が処分対象になり、持ち家がある場合は原則として失うことになります。
一方、個人再生は財産の処分を求められない手続きのため、預貯金・車・不動産を保有したまま手続きを進めることができます。
家族が同居している場合でも自宅を維持できる可能性がある点は、個人再生が自己破産と大きく異なる点です。
800万円の借金がある場合、最低弁済額の基準を満たせば160万円前後まで圧縮できる可能性があります。

住宅ローン特則でマイホームを守れるケース
個人再生には「住宅ローン特則」という制度があり、これを利用することで自宅を維持したまま他の借金だけを圧縮できます。
自己破産ではこの選択肢がないため、持ち家がある場合の比較において個人再生が大きく優位になります。
- 対象の不動産が「自分の住居」であること(投資用物件は対象外)
- 住宅ローンの債権者が抵当権を設定していること
- 住宅ローン以外の借金を個人再生で圧縮する対象とすること
この特則を使うと、住宅ローンだけを個人再生の圧縮対象から外し、引き続き通常どおり返済し続けることができます。
他の借金(カードローン・消費者金融など)は圧縮の対象となるため、毎月の返済総額を大幅に減らしながら、自宅を手放さずに済む可能性があります。
ただし、住宅ローンの返済が数か月以上滞っている場合や、すでに競売手続きが進んでいる場合は、利用が難しくなるケースがあります。
滞納が始まっている段階でも、競売開始前であれば対応できる余地があることが多いため、早めに専門家へ確認することが重要です。

職業・資格への制限がある場合の比較
現在の職業や取得している資格によっては、自己破産を選ぶと仕事を続けられなくなるリスクがあります。
個人再生はこの点で制限がなく、職業上の理由から自己破産を避けたい人にとって現実的な選択肢です。
- 士業:弁護士・司法書士・税理士・公認会計士など
- 国家資格職:宅地建物取引士・建築士など
- 警備員・生命保険外交員
- 会社の取締役(役員就任に制限がかかる)
これらに該当する場合、自己破産を選ぶと手続き期間中(通常数か月から1年程度)、現職を離れなければならない可能性があります。
個人再生はこうした制限を一切受けないため、職業・資格への影響を避けたい場合に最も現実的な選択肢になりやすいです。
手続き中も現在の仕事を続けながら、借金の圧縮と返済計画の立て直しを同時に進めることができます。

個人再生のデメリットと注意点
個人再生は借金を大幅に圧縮できる一方で、手続きに伴うデメリットや制約も存在します。
これらのデメリットを事前に把握しておくことで、手続き後の生活設計が立てやすくなります。
800万円の借金を抱える方にとって、リスクを正確に理解した上で判断することが重要です。
ここでは信用情報・官報掲載・財産・手続き中の禁止行為・生活見通しの5つの観点から解説します。
信用情報への登録と影響期間
個人再生を行うと、信用情報機関に「事故情報(いわゆるブラックリスト)」が登録されます。
この期間中は、新たなローンの借り入れやクレジットカードの新規発行・更新が原則としてできません。
個人再生の情報は手続き完了後から概ね5〜10年程度、各機関の規定に応じて登録されます。
- 住宅ローン・マイカーローンの新規申し込みができない
- クレジットカードの新規発行・更新が通らない
- 携帯電話の分割購入審査に影響が出る場合がある
- 賃貸住宅の入居審査で、信販系の保証会社を利用する物件では影響が出ることがある
デビットカードや電子マネーは信用審査が不要なため、日常的な支払い手段として引き続き利用できます。
信用情報の登録はあくまで「一定期間の制約」であり、期間が経過すれば情報は削除され、通常の金融サービスを利用できるようになります。

官報への掲載と家族・職場への影響
個人再生の手続きでは、裁判所の決定内容が官報(国が発行する機関誌)に掲載されます。
これは法律上の要件であり、避けることはできません。
ただし、官報は一般の人が日常的に目にするものではなく、金融機関や一部の専門家が確認するケースが主です。
官報掲載が直接的に家族・職場への発覚につながるケースは限られています。
- 配偶者や家族の信用情報には直接影響しない(本人のみの登録)
- 家族が連帯保証人になっている債務がある場合は、家族に請求が及ぶ可能性
- 住宅ローン特則を利用する場合は、配偶者と内容を共有することが現実的に必要
職場への影響については、個人再生を理由に解雇することは法律上認められていません。
公務員を含む多くの職種では、個人再生を行ったことが就業上の欠格事由にはなりません。
ただし、弁護士・司法書士・警備員など、一部の資格・職種では手続き中の期間に限り制限が生じる場合があります。

財産への影響と処分されるもの
個人再生では、自己破産のように財産が強制的に没収されるわけではありません。
ただし、保有している財産の額が「清算価値」として計算され、返済総額の下限に影響します。
清算価値保障原則とは、「個人再生後の返済総額が、もし自己破産をした場合に債権者が回収できる額を下回ってはならない」というルールです。
つまり、財産が多いほど最低返済額が上がる可能性があります。
- 預貯金・現金(一定額以上)
- 不動産(住宅ローン特則を使わない場合)
- 自動車(ローン残債がある場合は所有権が信販会社にある場合が多い)
- 保険の解約返戻金(一定額以上)
- 有価証券・投資信託
生活に必要な家財道具・仕事道具・数十万円以下程度の預貯金などは、清算価値の計算に大きく影響しないケースが多いです。
800万円の借金があっても財産がほぼない状態であれば、清算価値より最低弁済額の基準(借金総額の5分の1など)が返済額の決め手になることが一般的です。

手続き中にやってはいけないこと
個人再生の申立て前後には、やってはいけない行為があります。
これを知らずに行ってしまうと、再生計画の認可が下りない、または手続きが失敗に終わるリスクがあります。
- 偏頗弁済(へんぱべんさい):特定の債権者だけに返済を行うこと
- 財産の隠匿・処分:財産を意図的に隠したり、申立て直前に売却・贈与すること
- 新たな借り入れ:手続き開始後の借り入れは原則として認められない
特定の債権者(親族・友人・特定の業者など)にだけ返済を行うと、その返済を否認(無効)されたり、手続きの信用性に影響したりする場合があります。
個人再生では、すべての債権者を公平に扱うことが原則です。
財産を意図的に隠したり、申立て直前に売却・贈与したりする行為は、裁判所から否定的に評価されます。
弁護士・司法書士に相談した時点から申立てまでの間も含め、収入の範囲内で生活することが基本姿勢になります。

信用情報が回復するまでの生活の見通し
信用情報の登録期間中は金融サービスに制約が生じますが、日常生活そのものが大きく損なわれるわけではありません。
事前に見通しを立てておくことで、生活への影響を最小限に抑えられます。
- できる:デビットカード・電子マネーの利用
- できる:公共料金の口座振替・振込
- できる:雇用保険・社会保険などの公的サービス
- できない:クレジットカードの新規発行・更新
- できない:住宅ローン・マイカーローンの新規申し込み
- できない:消費者金融・銀行カードローンからの借り入れ
信用情報の登録期間が明けた後は、少額のクレジットカードから利用実績を積み直すことで、段階的に信用を回復していくことができます。
登録期間はおおむね5年前後が目安とされることが多く、その後は通常の金融サービスを利用できるようになります。
800万円の借金を抱えたまま毎月の返済を続けるより、一度手続きを通じて返済を整理し、信用情報の回復後に安定した生活を築く方が、長期的な生活再建につながるケースが多いです。

個人再生が認められないケース
個人再生は多くのケースで活用できる制度ですが、すべての人が利用できるわけではありません。
申請しても認められない条件があるため、事前に確認しておくことが大切です。
800万円という借金額は個人再生の対象範囲内であり、金額の面では問題なく申請を検討できます。
ここでは、申請が却下されるケース・原因の影響・収入の安定性の3つを解説します。
申請が却下される主なケース
個人再生が認められないケースは、「要件を満たさない場合」と「手続き上の問題がある場合」の2種類に分かれます。
- 継続的な収入がなく、再生計画の遂行が見込めない
- 借金の総額が5,000万円を超えている(住宅ローンを除く)
- 過去7年以内に個人再生や自己破産で免責・認可を受けている
- 申請書類の虚偽記載や財産隠しが発覚
- 債権者の一定数以上が再生計画に反対した(給与所得者等再生の場合)
800万円という金額はこの上限(5,000万円)を大きく下回るため、金額面での却下リスクはほとんどありません。
財産隠しや虚偽申告は、発覚した時点で手続きが止まるだけでなく、その後の免責にも影響を及ぼす可能性があります。
申請にあたっては、財産や収入の状況を正確に開示することが前提となります。
給与所得者等再生は、債権者の頭数の過半数かつ債権額の過半数が反対した場合に計画が認められないため、多数の債権者がいるケースでは注意が必要です。

ギャンブルや浪費が原因の場合の扱い
借金の原因がギャンブルや浪費であっても、個人再生の申請自体は原則として可能です。
自己破産と異なり、個人再生では借金の原因が審査の主な対象にはなりません。
自己破産の場合、ギャンブルや浪費は「免責不許可事由」に該当し、免責が認められないリスクがあります。
一方、個人再生は「借金を一定額まで圧縮し、残額を返済する」という制度であるため、借金の原因よりも「返済できる見込みがあるか」が重視されます。
この「返済の見込み」は、主に現在の収入額と毎月の返済可能額をもとに判断されます。
ただし、浪費の程度が著しい場合(収入に不釣り合いな高額消費や短期間での多額の借入れが繰り返されているケースなど)は、返済計画の誠実な遂行が疑われ、裁判所から計画の修正を求められたり、認可が下りにくくなる可能性があります。
借金の原因については、申請時に正直に申告することが求められます。

収入が不安定な場合の注意
個人再生の利用には、「継続的かつ安定した収入がある」ことが必要条件のひとつです。
収入が不安定な場合、再生計画の認可が難しくなることがあります。
個人再生は、圧縮した借金を3〜5年かけて分割返済する制度です。
そのため、裁判所は「この人が計画どおりに返済を続けられるか」を重視します。
- 正社員・公務員:毎月一定の給与があるため安定収入とみなされやすい
- フリーランス・個人事業主:収入の変動が大きいと判断されることがある
- アルバイト:過去1〜2年程度の収入実績で継続性を示せれば利用可
収入が不安定でも、過去数年分の確定申告書や収入証明書などを用意し、収入の継続性を客観的に示せると、手続きが進みやすくなります。
収入が月によって大きく異なる場合でも、平均的な収入額と支出のバランスを整理した上で、弁護士・司法書士に相談することで、利用可能かどうかを具体的に判断してもらえます。

個人再生の費用と手続きにかかる期間
個人再生を検討するうえで、費用と期間の目安を事前に把握しておくことは非常に重要です。
費用の総額は決して小さくはありませんが、個人再生では借金が大幅に圧縮される場合があることを踏まえると、検討に値する選択肢のひとつです。
ここでは、費用の内訳・期間・督促停止の仕組みをそれぞれ整理します。
弁護士・司法書士への報酬の目安
弁護士または司法書士に個人再生を依頼した場合、報酬の相場はおおむね40万〜80万円前後です。
依頼先の規模や地域、債権者数、給与所得者等再生か小規模個人再生かによって変わるため、複数の事務所で見積もりを取ることをおすすめします。
| 着手金 | 依頼時に支払う費用 | 10万〜30万円前後 |
|---|---|---|
| 基本報酬(成功報酬) | 再生計画認可後に支払う費用 | 20万〜50万円前後 |
| 実費 | 郵便代・書類取得費など | 数千円〜数万円程度 |
着手金の分割払いに対応しているかどうかは、事務所によって異なるため、相談時に必ず確認してください。
依頼直後から弁護士・司法書士が債権者への窓口になるため、毎月の返済を一時的に止めながら費用を積み立てられる場合もあります。
毎月5万〜7万円程度を積み立てられる状況であれば、半年〜1年程度で着手金相当の費用を準備できる計算になります。

裁判所への費用
裁判所に納める費用は、弁護士・司法書士への報酬とは別に発生します。
- 申立手数料:1万円前後(収入印紙)
- 予納郵便切手代:数千円程度
- 個人再生委員への報酬:15万〜25万円前後(裁判所が選任する場合)
個人再生委員が選任されるかどうかは、依頼先によって変わります。
弁護士に依頼して代理人として申立てをする場合は、委員が選任されないケースが多く、裁判所費用を低く抑えられる可能性があります。
一方、司法書士に依頼する場合は本人申立てとなるため、委員が選任される可能性が高くなります。
裁判所への費用は合計で数万円〜25万円前後の幅があり、報酬と合わせた総費用は50万〜100万円程度を見込んでおくのが現実的です。

依頼した時点で督促が止まる仕組み
個人再生の手続きを弁護士・司法書士に依頼すると、事務所から債権者に「受任通知」が送付されます。
受任通知が届いた時点で、貸金業者は法律上、本人への取り立て行為が禁止されます。
ただし、この督促停止の効力が及ぶのは貸金業法の適用を受ける消費者金融・クレジット会社などに限られます。
銀行系ローン・奨学金・税金などは同法の対象外となるため、借金の内訳によっては督促が止まらない債権が含まれる場合があります。
- 依頼〜申立て準備:1〜3か月程度(書類収集・債権調査の期間)
- 申立て〜再生計画認可:4〜8か月程度
- 認可後の返済開始:認可から1〜2か月後
合計すると、依頼から返済開始まで半年〜1年程度かかるのが一般的です。
期間中は毎月の返済が止まっている状態が続くため、その間に費用の積み立てや家計の見直しを進めることができます。

個人再生の相談先と準備しておくこと
専門家への相談を決めた後、「何を用意すればいいかわからない」という不安で動き出せなくなるケースは少なくありません。
800万円という借入額は個人再生の負債総額要件(5,000万円以下)の範囲内であり、制度の対象として検討できる金額です。
準備の手間は自己破産や任意整理と比べて特別に多いわけではなく、完璧に揃っていなくても相談は始められます。
ここでは、整理しておくべき情報と無料相談窓口の選び方を解説します。
借入先と残高の整理方法
相談前に最低限やっておくべきことは、「どこから・いくら借りているか」の一覧を作ることです。
完璧でなくてよく、おおよその把握ができていれば専門家が補完してくれます。
- 借入先の名称(消費者金融・銀行・カードローン・信販会社など)
- 現時点での残高(明細書・アプリ・ウェブ明細で確認)
- 毎月の返済額と返済日
手元に書類がない場合は、クレジットカード会社や消費者金融のマイページにログインするか、郵送明細を確認するのが最も確実です。
それでもわからない場合は、信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)に情報開示請求をすると、借入先の一覧を取得できます。
開示請求はオンラインで手続きでき、数日以内に結果が届くのが一般的です。
個人再生の申立てでは「債権者一覧表」の提出が必要になりますが、弁護士・司法書士が作成を補助してくれるため、最初の相談時点では大まかな把握で問題ありません。

無料相談窓口の種類と選び方
個人再生の相談窓口は複数あり、それぞれ対応できる範囲と強みが異なります。
状況に合わせて選ぶことが重要です。
- 弁護士事務所(個人再生・債務整理に特化した事務所)
- 司法書士事務所(認定司法書士が対応)
- 法テラス(国が設立した法的支援機関)
弁護士に依頼すると「受任通知」が各債権者に送られ、その時点から督促の電話や郵便が止まります。
貸金業法上、受任通知を受け取った業者は督促を継続することが原則として禁じられているため、止まる確度は高いといえます。
弁護士はすべての裁判所手続きを代理できるのに対し、司法書士は書類作成支援が主な業務となります。
個人再生は裁判所を通じた手続きであるため、裁判所とのやり取りを一括して任せたい場合は弁護士への依頼が適しています。
法テラスは、収入・資産が一定水準以下の方を対象に、弁護士・司法書士費用の立替制度(民事法律扶助)を提供しています。
費用を分割で法テラスに返済する仕組みのため、初期費用を抑えて手続きを進めたい方に向いています。
窓口を選ぶ際は、「費用の支払いに余裕があるか」「督促・取り立てをすぐに止めたいか」の2点で判断するのが現実的です。

「借金 800万円 個人再生」に関するよくある質問
借金が800万円に達したとき、「自分は手続きできるのか」「家族や財産はどうなるのか」と、不安が次々と浮かんでくるのは自然なことです。
個人再生は仕組みが複雑な分、誤解や思い込みが生まれやすい手続きでもあります。
ここでは、実際に多く寄せられる疑問をもとに、手続きの条件・影響・注意点を整理してお伝えします。
それぞれの質問について、具体的にお答えします。
借金800万円は個人再生の上限を超えていませんか?
借金800万円は個人再生の対象範囲内であり、手続きを進めることができます。
個人再生には負債額の上限が設けられており、住宅ローンを除く借金が5,000万円以下であることが要件となっています。
800万円はこの上限を大きく下回るため、負債額の観点では問題なく個人再生の対象となります。
ただし、個人再生を利用するには負債額の要件だけでなく、継続的な収入があることなど他の要件も満たす必要があります。

個人再生をすると家や車は必ず取られますか?
個人再生では、住宅ローン特則を利用することでマイホームを手放さずに済む可能性があります。
住宅ローン特則とは、住宅ローンの返済を継続しながら他の借金だけを圧縮できる制度で、マイホームの維持を目的とした個人再生において中心的な役割を果たします。
車については、残ローンの有無や車両の評価額によって扱いが変わります。
ローンが残っている場合、信販会社が所有権を持っていることが多く、引き揚げられるケースがあります。
一方、ローンが完済済みで評価額が低い場合は、手元に残せる可能性もあります。

個人再生すると家族や職場にバレますか?
個人再生は原則として家族や職場に通知されませんが、保証人がいる場合は注意が必要です。
個人再生の情報は官報に掲載されますが、官報を日常的に確認する一般の方はほとんどいないため、掲載されたことが周囲に知られる可能性は低いといえます。
職場への通知は原則として行われないため、勤務先に手続きの事実が伝わることは基本的にありません。
借金に保証人が設定されている場合、債権者は保証人に対して返済を求めることができるため、保証人となっている家族や知人には影響が及ぶ可能性があります。

弁護士に依頼すると今すぐ督促は止まりますか?
弁護士に依頼した時点で、法律に基づき貸金業者からの督促は原則としてストップします。
弁護士に依頼すると、事務所から各貸金業者に対して受任通知が送付されます。
貸金業法の規定により、貸金業者はこの通知を受け取った後、原則として債務者本人への取り立て・督促を行うことができなくなります。
そのため、毎日の電話や郵便による督促が止まり、精神的な負担が大きく軽減されることが多いです。
受任通知の効力は貸金業者に対するものであり、すでに訴訟や差し押さえが進行しているケースでは、別途対応が必要になる場合があります。

ギャンブルや浪費が原因の借金でも個人再生できますか?
個人再生はギャンブルや浪費が原因の借金でも手続きを進めることができます。
自己破産には「免責不許可事由」と呼ばれる制度があり、ギャンブルや浪費が原因の場合に免責が認められないケースがありますが、個人再生にはこの免責不許可事由がありません。
そのため、借金の原因がギャンブルや浪費であっても、手続き自体を申し立てることは可能です。
ただし、裁判所への提出書類や審査の過程で借金の原因が確認されることがあり、状況によっては手続きの進行に影響が生じる場合もあります。

個人再生後、何年間くらいローンやクレジットカードが使えなくなりますか?
個人再生後は、信用情報機関に一定期間登録されるため、その間はローンやクレジットカードの新規利用が難しくなります。
登録期間は5〜10年程度が目安とされており、この期間中は新たな借入やクレジットカードの審査が通りにくい状態が続きます。
ただし、日常生活において支払いが一切できなくなるわけではありません。
デビットカードや現金払いを活用することで、買い物や公共料金の支払いなど、日常的な出費には対応できます。
登録期間が終了すれば信用情報はリセットされ、その後は通常通り審査を受けられる状態に戻ります。

個人再生の手続き中、裁判所はどこまで財産や収入を調べますか?
個人再生では、財産・収入・家計収支をすべて正確に申告することが手続きの前提となります。
手続きの中で、裁判所には財産目録・収入証明・家計収支表の提出が求められます。
預貯金や不動産、車などの資産状況に加え、給与明細や源泉徴収票といった収入を証明する書類も必要です。
家計の月々の支出についても収支表を通じて確認されるため、生活実態を詳しく申告することになります。
財産を意図的に隠したり、虚偽の申告をした場合は手続きが認められないだけでなく、免責が取り消されるリスクもあります。

まとめ
借金800万円は個人再生の対象範囲内(住宅ローンを除く5,000万円以下)であり、条件を満たせば最低弁済額160万円前後まで圧縮できる可能性があります。
最低弁済額は法律で定められた基準(500万円〜1,500万円未満は借金総額の5分の1)と「清算価値(自己破産した場合の配当額)」のうち、いずれか高い方が採用されます。
個人再生は自己破産と異なり、原則として財産を手放す必要がなく、住宅ローン特則を使えばマイホームを維持したまま手続きを進められる点が大きな特徴です。
職業・資格への制限もないため、士業や警備員など自己破産で職業制限を受ける方にとっては現実的な選択肢になります。
弁護士・司法書士に依頼した時点で受任通知が送付され、貸金業者からの督促が法的に止まります。
あまた法律事務所では、個人再生をはじめとする債務整理に関するご相談を承っております。

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
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