注目記事

債務整理は、手続きによって解決の仕方などに違いがあります。
また、各手続きには、それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分に合った手続きを選択することが大切です。

今回は、債務整理の一つの方法である「任意整理」について解説します。

1任意整理と債務整理の違いとは? 

「任意整理」や「債務整理」という言葉がありますが、両者は同じ意味を持つ言葉なのでしょうか。
結論から述べますと、任意整理は債務整理の一種です。

借金問題を解決するための手続きを総称して「債務整理」といいます。
債務整理には、以下で見るように、主に、任意整理と個人再生、そして、自己破産の3つの手続きがあります。

※※重要※※
債務整理は借金解決手段の総称である、任意整理・個人再生・自己破産の3つの手続きがある

(1)任意整理とは?

「任意整理」とは、将来利息のカットや支払方法を長期分割にしてもらうなどを債権者と直接交渉して、借金を整理するための手続きのことをいいます。

支払う金額や支払方法について、債権者と合意が成立すれば、一般的には、4年~5年にかけて、借金を返済していくことになります。
取引の内容や債務者が抱える事情等によっては、5年を超える支払期間で合意できる場合もあります。

(2)任意整理と自己破産の違い

任意整理では、ほとんどの場合、借金を減額することはできません

そのため、主に、将来利息のカットや支払方法を長期分割にしてもらうなどを、債権者と交渉をすることになります。債権者との間に合意が成立すれば、和解書を締結したうえで、債務者は、和解書にしたがって支払いを開始します。

他方で、自己破産は、裁判所により借金の支払義務を免除してもらうための手続きです。裁判所から免責許可の決定が下りれば、一部の例外を除いて借金を支払う必要はなくなります。

このように、主に借金の支払方法を決めるための手続きである任意整理に対し、自己破産は、借金の支払義務を免除してもらうための手続きであるという点で、両者は大きく異なります。

裁判所を通す自己破産に比べ、任意整理は裁判所を通すことなく、当事者間で交渉する手続きであるという点でも違いがあります。

また、手続きにかかる期間においても両者には違いがあります。
弁護士に依頼してから3ヶ月~半年で解決することが一般的である任意整理に対し、自己破産では、半年~1年というのがおおよその目安です。

POINT
■解決までの時間の目安

任意整理:3ヶ月~半年ほど
自己破産:半年~1年ほど

この期間は、あくまで目安にすぎないため、たとえば、自己破産を申し立てた場合に、同時廃止事件(申立時に財産がほとんどない場合に採られる手続き)として扱われれば、申立てをしてから最短3ヶ月程度で手続きは終わりますが、管財事件(申立時に一定の財産がある場合、免責不許可事由がある場合などに採られる手続き)として扱われると、1年以上の期間がかかることもあります。なお、管財事件が原則となります。

さらには、財産の扱いにも違いがあります。

任意整理をしても、債務者の財産に影響が及ぶことはありませんが、自己破産をすると、債務者の財産は生活用品など一部の物を除いて、基本的に20万円以上の財産は処分されることになります。

(3)任意整理と個人再生の違い

個人再生は、任意整理に比べると、借金について大幅な減額をすることが可能です。
大幅に減額された借金について、再生計画(返済計画)を策定し、裁判所から認可が下りれば、債務者は、およそ3年~5年(原則3年)にかけて返済していくことになります。

個人再生と任意整理は、いずれも借金の支払方法を決める手続きであるという点では共通しています。
しかし、借金の減額を見込めない任意整理に対し、個人再生では、大幅に借金を減額することが可能です。

裁判所を通す個人再生に比べ、任意整理は裁判所を通すことなく、当事者間で交渉する手続きである点で違いがあるのは、自己破産の場合と同じです。

また、手続きにかかる期間についても、弁護士に依頼してから3ヶ月~半年で解決することが多い任意整理に対し、個人再生では半年~1年程度かかることが一般的です。

さらに、債務者の財産に影響が及ばないという点で、両者は基本的に共通しているといえますが、ローンを組んで車を購入し、車の所有権がローン会社に留保されているような場合に個人再生をすると、車を引き上げられてしまうことになり、車を残すことはできません。

2 任意整理のメリットまとめ

任意整理にはいくつかのメリットがありますが、まとめると以下のようになります。

(1)利息のカットと支払いの猶予

先に見たように、任意整理では、将来利息をカットしてもらうための交渉が行われます。借金そのものを減額することはできませんが、将来利息をカットしてもらえるというメリットがあります。

また、弁護士に任意整理を依頼した場合、和解が成立するまでの間、支払いを一時的に停止することになります。

そのため、この間に、弁護士費用を積み立てたり、生活を立て直すことが可能になります。

(2)裁判所を介さない

任意整理は、あくまで債務者と債権者が任意で交渉する手続きです。
個人再生や自己破産のように、裁判所を介する必要はないため、その意味では、厳しいルールに縛られることなく柔軟に手続きを進めることができます。

(3)周囲にバレない

弁護士に任意整理を依頼した場合、債権者との交渉をはじめ、和解書の締結まですべて弁護士が対応してくれます。
必要に応じて、弁護士と連絡を取り合う必要はありますが、任意整理をしていることが周囲にバレる心配はありません。

(4)保証人に迷惑をかけない

個人再生や自己破産をすると、すべての債権者が手続きの対象となるため、いったん手続きに入ると、債権者は保証人に支払いを請求します。

その点、任意整理では、整理対象となる債権者を選ぶことができるため、保証人が付いている借金を整理対象から外すことで、保証人に迷惑をかけずに済みます。

(5)財産を残せる

個人再生や自己破産では、程度にこそ差はあるものの、財産に何らかの影響が及びます。
その点、任意整理では、債務者が所有する財産に影響が及ぶことはないため、財産を残すことができます。

3 任意整理のデメリットまとめ

任意整理には、以下のようなデメリットもあります。

(1)個人再生や自己破産と比べると借金減額の効果は小さい

現在では、ほとんどの貸金業者が利息制限法上の利率の範囲で貸付けを行っているため、借金が減額されるケースはほとんどありません。

このように、借金が大幅に減額される個人再生や借金の支払義務が免除される自己破産に比べ、任意整理では、借金を減額すること自体が難しいというデメリットがあります。

(2)クレジットカードが作れなくなり、新規の借入ができなくなる

任意整理をすると、そのことが事故情報として信用情報機関に登録されます。これが、いわゆるブラックリストに載るということを意味します。
ブラックリストに載っている間は、クレジットカードを作ったり、新規で借り入れをすることが難しくなります。

任意整理をする場合、完済後およそ5年間はブラックリストに記録が残ることになります。

(3)元本は減らない

現在では、過払い金が発生していることが少なくなったため、任意整理では主に将来利息のカットや支払方法を長期分割にしてもらうことについて、債権者と交渉することになります。
そのため、元本を減らすことは基本的にできません。

4 借金を整理する上でで任意整理がオススメな人

債務整理には、主に3つの手続きがありますが、以下の点を満たしている人には「任意整理」によって借金を整理することをオススメします。

(1)借金が多額でない

任意整理では、借金を減額することが期待できないため、借金が多くなればなるほど任意整理で解決することは難しくなります。
その反面、借金が多額でない場合には、任意整理に適しているといえます。

(2)周りにバレずに債務整理をしたい人

任意整理は、裁判所を通さずに、債務者と債権者が任意で交渉する手続きです。手続きに必要となる書類も少なく、比較的短い期間で解決するため、周りにバレる可能性は低いといっていいでしょう。

(3)保証人がついている

個人再生や自己破産をした場合、保証人がついている借金があると、債権者は保証人に支払いを請求します。
その点、任意整理では、整理する債権者を選ぶことができるため、保証人がついている借金を整理の対象から外すことができます。

(4)2010年以前から取引している場合

2010年以前から借金をしている場合、過払い金が発生している可能性があります。
そのため、任意整理をすることで、借金を減額できるかもしれません。

また、場合によっては、過払い金返還請求をして、お金を取りもどすことができる可能性もあります。

5 任意整理以外の債務整理手続きがオススメな人

任意整理以外にも、個人再生や自己破産によって借金問題を解決することはできます。
以下にあてはまる場合は、任意整理ではなく、個人再生や自己破産によって解決を図ることをオススメします。

(1)借金が多額である人

借金が多額である人は、個人再生や自己破産に向いているといえるでしょう。
個人再生では、借金を大幅に減額することができ、自己破産では、一部を除いた借金の支払義務を免除してもらえます。

(2)住宅ローンを組んでいる人

住宅ローンを組んでいる人は、個人再生に向いているといえるでしょう。この場合に、自己破産をすると、住宅は処分されてしまいますが、個人再生では、住宅資金特別条項を利用することで、住宅を失うことなく、借金を整理することができます。

(3)支払能力がない人

無職で収入がない人や生活保護受給者などは、そもそもとして借金を支払っていく能力がありません。
支払能力がない人は、自己破産に向いているといえます。自己破産では、一部を除いた借金の支払義務を免除してもらえるため、支払能力がない人であっても問題なく手続きをすることができます。

6 まとめ

任意整理を含め、個人再生・自己破産等を総称して「債務整理」といいます。
債務整理の方法として、任意整理を選択する際には、その前提として、他の手続きとの違いやメリット・デメリットを理解しておくことが必要です。

自分に適さない手続きを選んでしまうと、債務整理に失敗するおそれもあります。
そうならないためにも、まずは、相談料無料の当事務所にご相談いただくことをお勧めします。

借金問題や毎月の支払いにお悩みの方
借金のお悩みは「あまた法律事務所」に無料相談!
膨れすぎた借金・・・整理できるかも!?あなたの借金いくら減額できる?
借金を減額したい方はコチラ
おすすめの記事