したらば掲示板の書き込みは削除できる?削除方法やそれ以外の対策について

したらば掲示板の書き込みは削除できる?削除方法やそれ以外の対策について

削除請求の訴求バナー

したらば掲示板」とは、どのようなネット掲示板なのでしょうか。今回はしたらば掲示板がどのような掲示板で、どのような発言が削除対象になるか紹介します。

また、誹謗中傷してきた投稿者を法的に訴える手順についても解説します。

したらば掲示板とは

「したらば掲示板」とは、株式会社フェイズが運営するインターネット上のレンタル掲示板です。

旧したらば掲示板のトップページによると、「したらば」とは、「ああしたらば」「こうしたらば」などの意味で用いられる言葉であり、「インターネットユーザー同士が助言や提案を行いながら新しいコミュニケーションの形を追求していく場」としてその名前がつけられました。

したらば掲示板は、2ちゃんねるの開設者が設立に関わっているため、2ちゃんねると類似した機能が備わっています。

例えば、最新の投稿があったスレッドがその掲示板のスレッド群の最上位に表示されるという「スレッドフロート型」が、2ちゃんねると同様にしたらば掲示板にも採用されています。

また、したらば掲示板のデフォルトのデザインは2ちゃんねる風ですが、カスタマイズ性が高く、自分好みの見た目にアレンジすることもできます。HTMLやCSSを使うこともでき、知識が豊富な人であればお洒落なデザインを再現することも可能です。

したらば掲示板は、スレッドごとに別の管理者が存在していることが特徴です。

各掲示板の管理や運営はレンタルしている掲示板の管理者に一任されており、スレッドごとに異なったガイドラインやローカルルール(そのスレッドのみに適用される独自ルール)が設定されている場合もあります。

したらば掲示板では様々なテーマのスレッドがあるため、専門性の高い意見交換が活発になされています。その分、価値観の対立などが原因で誹謗中傷に発展してしまう場合も多く、最悪の場合は大炎上して他のサイトまで拡散されてしまうこともあります。

したらば掲示板の書き込み削除基準

したらば掲示板は、話題が多岐に渡るうえに、匿名性が高く利用者も多いことから、投稿者同士のトラブルや、他者への誹謗中傷、根拠のない風評被害などの投稿も頻繁に見受けられます。

そこで、したらば掲示板は、ユーザーが掲示板を利用する条件を記載した「利用規約」が設けており、これに違反した内容の書き込みは予告なく削除される場合があります。

利用規約第5条では、35項目に渡る禁止事項が設定されています。ここでは、禁止事項の一部を抜粋して紹介します。

  • 損害を与える行為
  • 名誉を毀損する行為
  • 侮辱する行為
  • 権利を侵害する行為
  • プライバシーを侵害する行為
  • 罵詈雑言をあびせる行為
  • 差別的な行為
  • わいせつ的な表現を行う行為
  • 暴力的・残虐的な表現等を行う行為
  • 運営者のサービスを妨げる行為
  • アカウントおよびパスワードを不正目的で取得または使用する行為

名誉棄損や侮辱など、法律に違反している投稿はもちろん、サイトの利用者や運営に迷惑をかける投稿も削除対象になります。

また、掲示板の管理者が定めたローカルルールに違反している場合についても、管理者の権限で削除される場合があります。

したらば掲示板の誹謗中傷が問題になった事例

2021年2月、お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志とその家族に対する殺害予告をしたらば掲示板に書き込んだとして、都内在住の20代男性のシステムエンジニアを脅迫と威力業務妨害の疑いで再逮捕しました。

2021年1月30日、警視庁新宿署は、同容疑者が松本と家族を名指しして「トンカチで顔面グシャグシャにしてぶっ殺します」としたらば掲示板に投稿したと発表。他にも、容疑者が芸能人やテレビ局に対する殺害や爆破予告を100件以上繰り返していたとみています。

同容疑者は、お笑いコンビ「おぎやはぎ」に対しても同様の書き込みをしたとして、同じく脅迫と威力業務妨害の容疑で2月3日に逮捕されていました。

したらば掲示板の誹謗中傷の書き込みを削除する方法

したらば掲示板で誹謗中傷を書き込まれた場合は、放置しておくと被害が拡散する危険があるため、書き込みの削除依頼をする必要があります。

ここでは、掲示板内における誹謗中傷の書き込みを削除する方法について解説します。

掲示板の管理者に削除要請する

掲示板の管理者に、風評被害を受けたことを報告して削除対応してもらう方法です。

利用規約では、サイトの運営事務局は掲示板の管理人に削除対応を一任しているため、削除依頼する場合は、原則として掲示板の管理人に対応してもらうことになります。

掲示板の管理者に削除要請する際は、まず、掲示板の最下部にある「掲示板管理者へ連絡」というリンクを開きます。すると、「掲示板管理者へお問い合わせ」というページに移動するので、「お名前/ニックネーム」「メールアドレス」「メールアドレス再入力」を入力します。

最後に、「質問の種類」の一覧から「削除依頼」を選択し、「質問内容の記入」の欄に、該当するスレッド名とレス番号、削除申請の理由をそれぞれ記入することで、掲示板の管理者に削除依頼をすることができます。

サイトの運営事務局に削除要請する

したらば掲示板の運営事務局は、各掲示板の管理者にスレッドの管理や対応を任せています。そのため、原則として運営事務局は自ら削除対応を行うことはありません。

ただし、スレッドの管理者が管理作業を放置している場合など、削除要請しても連絡が取れないケースも存在します。

このように、実質的にスレッドの管理者が不在の場合は、運営事務局への「お問い合わせフォーム」から連絡することで、運営事務局が対応してくれる場合があります。

また、したらば掲示板の運営事務局は、弁護士や捜査関係者専用の問い合わせフォームを設けています。個人名義では対応してくれない場合であっても、弁護士名義での削除依頼なら対応してくれるケースもあります。

どうしても削除してほしい書き込みがある場合は、弁護士などの専門家に相談することでスムーズにトラブルの解決を図れるでしょう。

削除サポーター機能を利用する

したらば掲示板には「削除サポーター」という制度が備わっています。削除サポーター機能とは、掲示板の管理者だけではコメントの管理が大変な時に、管理者が選んだ人に書き込みの削除権限を与えることができるシステムです。

削除サポーター機能を利用したい場合は、掲示板に専用の「削除依頼スレッド」があるか確認してみましょう。あった場合は、「掲示板管理者へ連絡」のフォームではなく、削除依頼スレッドに削除申請します。

POINT
削除サポーターというシステムは公式が設けた機能ではないですが、管理者が定めているローカルルールに従うことで、迅速に削除対応してもらえる場合もあります。

裁判所に削除の仮処分を申し立てる

したらば掲示板の管理者や運営事務局が削除対応してくれない場合は、裁判所を通じて削除の「仮処分」を申し立て、裁判所側から書き込みの削除命令を出してもらいます。

仮処分とは、本来であれば訴訟で解決すべき紛争において、訴訟の判決が出る前に被害者等に不利益が生じる場合に、暫定的な措置を求める手続です。裁判所が削除命令を出すため、ほとんどのサイトは裁判所からの要請に従うことになります。

本裁判によって削除を求める場合、判決が出るまでに1年以上かかってしまうため、風評被害の拡散をすぐに抑えることができません。一方で、仮処分は、手続きの申請をしてから2週間~2か月ほどで結論が出されます。

そのため、誹謗中傷による被害の拡大を防ぎたいときは、本裁判ではなく仮処分を申し立てることが有効になります。

したらば掲示板の誹謗中傷に対する削除以外の対応

したらば掲示板で誹謗中傷された場合、削除依頼をする方法以外に、発信者を訴えて損害賠償請求するなどの対処法があります。ここでは、削除以外でできる誹謗中傷への対処法を紹介します。

発信者に損害賠償請求する

掲示板に書かれた内容によって大きな被害を受けたときは、民事訴訟を提起することで相手方に損害賠償請求することができます。ただし、匿名で誹謗中傷してきた発信者を訴えるには、基本的に相手方の身元を特定しなければなりません。

したらば掲示板の利用規約には、「警察、検察、裁判所等の公的機関より、法律に基づく正式な情報開示の要請があった場合」に、発信者のIPアドレスを開示請求できることが規定されています。

法律に則った手順を踏む必要があるため、任意の開示請求が認められることはほとんどありません。そのため、裁判手続きである仮処分申立てによってIPアドレスの開示請求をします。

仮処分が認められてIPアドレスを入手できたら、次は携帯キャリアであるKDDIやSoftbankなどのインターネットサービスプロバイダに対して、投稿者の住所・氏名などの情報開示を求めます。

この開示請求は、個人情報の中でも住所や氏名といった重要な情報を取り扱うため、仮処分手続きではなく、正式な裁判を経る必要があります。

発信者が特定できたら相手方に訴訟を起こすことが可能です。誹謗中傷の被害で訴訟を起こすのであれば、民事で損害賠償できるだけでなく、刑事で名誉毀損罪や侮辱罪などの罪に問うことができます。

また、企業の業務に支障がでた場合は、信用毀損罪や偽計業務妨害罪などの罪に問うこともできます。

逆SEO対策を使う

削除以外にできる対策として「逆SEO対策」という方法があります。逆SEO対策とは、GoogleやYahoo!でキーワードを検索した時に、そのキーワードが含まれるサイトの検索順位を下げる方法です。

特定のキーワードが含まれる記事を検索しにくくすることで、知られたくない情報へのアクセスを困難にすることができます。

専門的な技術を要するため個人で行える対策ではないですが、近年では、逆SEO対策サービスを提供している企業も多く存在します。逆SEOによって誹謗中傷を対処したい場合は、このような企業に依頼すると良いでしょう。

ただし、逆SEOは法律上グレーな方法で行う業者も多く、場合によっては法律に違反していることもあります。そのため、逆SEOを業者に依頼する際には、正当な方法で逆SEOを行っているか、信頼できる会社なのかといった情報を事前に確認しておきましょう。

技術的に適法かわからない場合は、ITに詳しい技術者や弁護士に意見を聞いて、法的に問題がないか確認をとっておくことが最善です。

 一方で、逆SEO対策では、誹謗中傷記事の検索順位を落としても、記事そのものは削除されません。中には、検索順位の下位に位置する記事を読む人もいるため、被害自体をなくせるわけではないことに注意しましょう。

また、GoogleやYahoo!にサジェストワードの削除依頼をするときには、削除するだけの法的な根拠が不十分な場合、キーワードの削除に応じてもらえない場合があります。

それぞれのガイドライン違反や権利侵害を指摘する必要があるため、どのような手法を取ればよいのかわからない場合は、弁護士などの専門家に相談すると良いでしょう。

まとめ

したらば掲示板は、掲示板ごとに管理者がいたり、削除サポーターという機能があったりするなどの特徴があります。そのため、他の掲示板とは誹謗中傷されたときの対策方法が異なってきます。

対処法が複数あってややこしいと感じたときは、弁護士などの専門家に一度相談してみましょう。削除依頼や発信者情報開示、訴訟など、全ての手続きで弁護士がサポートしてくれます。

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