
2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
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この記事の目次
誹謗中傷で損害賠償を請求はされることはある
ネットは匿名で意見を述べられる世界のため身バレせず、どんな内容を書き込んでも大きなリスクはないと思われがちです。しかし、他者の権利を侵害するような発言は法律に違反している可能性が高く、身元が特定され慰謝料などを請求されるおそれがあります。
民法上の損害賠償請求の規定
民法709条では「不法行為にもとづく損害賠償を定めています。
不法行為は故意または過失により、違法行為によって他人に損害を与えることです。民法では不法行為によって被った損害について、加害者に損害賠償金を請求できると規定しています。
以下のような要件を満たすと、不法行為が成立します。
- 行為によって他人の権利・利益を侵害した
- その行為が故意や過失にもとづく
- 被害者が損害を被っていると認められる
- 行為と侵害および侵害と損害との間に因果関係がある
たとえば、名誉を毀損された、不倫、人を殴った、物を盗ったといった行為が、不法行為に該当します。故意または過失に基づいており、違法行為によって被害者に損害を与えていると認められます。
誹謗中傷による慰謝料請求
ネット上で誹謗中傷の被害を受けた人は民法709条の要件を満たすことを前提に、民法710条に規定されている慰謝料請求を実施することになります。
SNSや掲示板などで誹謗中傷を受ければ、精神的苦痛を伴うのは当然といえるでしょう。精神的苦痛は民法710条の「財産以外の損害」にあたります。そして、精神的苦痛は誹謗中傷が原因で発生したものであり、行為と損害の因果関係も認められます。

誹謗中傷による慰謝料の相場
誹謗中傷が名誉毀損罪と認められたケースの一般的な慰謝料は、個人で10~50万円、企業や事業主であれば50~100万円が相場です。侮辱罪やプライバシー侵害に当たる場合の相場は10万円程度です。
誹謗中傷で損害賠償請求されるさいの流れ
誹謗中傷を受け損害賠償を請求する手順は、発信者の特定から始めます。それから、示談や裁判の手続きに進みます。
誹謗中傷は匿名で行われるため、加害者の特定は困難と思われがちです。しかし、法的な手順を踏めば、相手の特定は可能です。
発信者の特定(発信者情報開示請求)
誹謗中傷された被害者はプロバイダ責任制限法に定められている発信者情報開示請求を行い、発信者が誰か特定します。
最初に誹謗中傷が記載されているコンテンツプロバイダ(インターネット掲示板などのサイト運営者等)に、投稿者のIPアドレス等の開示請求を行います。
そして、公開されたIPアドレスからわかる経由(接続)プロバイダに利用者の氏名や住所、電話番号といった個人情報を開示請求し、誹謗中傷した加害者を特定します。
内容証明郵便の送付
発信者が判明すれば裁判手続きに移れます。発信者に内容証明郵便を送付し、被害者が損害賠償を請求する意思表示をします。
内容証明書は「誰が」「いつ」「どのような」内容の文章の手紙を、「誰に」発信して相手が「いつ」受けとったかを郵便局長が証明してくれる郵便物です。
厳格な形式になる手紙の一種であり、受け取った相手方に「裁判になる可能性がある」「請求から逃れられない」という心理的圧迫を与えることができます。また、内容証明郵便があることで、裁判ではこちら側の主張が一貫している証拠にもなります。
示談交渉
裁判で損害賠償請求をする前の手段に示談交渉があります。示談交渉は裁判所に頼らず当事者同士の話合いによって、損害賠償額を決める方法です。
示談のメリットは費用をかけずに済み裁判より早く解決できる可能性がある点です。双方が納得して合意証を取り交わすため、賠償金のスムーズな支払いが期待できます。
示談交渉では相手方の言い分に納得できないなら、異議を唱えることもできます。ただし、示談は話し合いによってトラブルを解決する方法ですので、当事者双方の意見に食い違う状況が続けば示談の成立は困難になってしまいます。

損害賠償請求訴訟
示談交渉が決裂すると損害賠償請求訴訟という裁判手続きでトラブルを解決します。
訴訟では裁判所が当事者双方が主張する内容を確認しながら判決が下します。言い渡された判決には、強制執行を行うことができる力執行力が認められます。相手が判決に従った損害賠償金の支払いをしなければ、判決書を使用し相手の預貯金や不動産、給料等を差し押さえができるようになり強制的に金銭の回収が可能です。
また、判決にはトラブルを終局的に解決させる効果があり、判決が確定したら同じトラブルについて当事者が再び争うことは原則としてできません。
損害賠償の支払いを命じられた裁判例
実際にネット上で誹謗中傷をしたことで損害賠償請求されたケースを紹介します。どのような投稿の内容が誹謗中傷に当たるのか、損害賠償額はどのくらいになるのか参考にしてください。
医師による誹謗中傷事件
福岡市で美容外科医院の院長が大阪市で勤務している美容外科医に対し、電子掲示板「2ちゃんねる(5ちゃんねる)」に「独りよがりの考え」「口ばっかりで腕が伴っていない」「悪徳医」といった内容を書き込みました。誹謗中傷されていると知った大阪市の美容外科医は、損害賠償を求める訴訟を提起しました。
大阪地裁は「投稿(書き込み)は原告(大阪の医師)の技能が低く、患者に多大な精神的ショックを与えるほどの失敗例があるという内容で社会的評価を低下させた」と指摘し、加害者に110万円の支払いを命じました。
女性ライター誹謗中傷事件
サイエンスライターの片瀬久美子さんが森友・加計問題に関して「政府には説明責任がある」とX(旧ツイッター)に投稿したところ、反発した人達から言いがかりをつけられ炎上しました。
2017年7月から誹謗中傷されるようになり、「昔淫売をやっていた」「娘にも淫売を強要している」「旦那は強姦魔」「研究費を着服した」「不正に学位を取得した」等の悪質な虚偽の情報を流布されたり、真実ではないにもかかわらず一方的に本当の事だと決めつけられる事態になりました。
片瀬さんは法的対処に踏み切り、中でも特に酷かった投稿者に対し情報開示請求を行い、本人を特定し訴えを提起しました。判決では被害者側の主張が全面的に認められ、投稿者に約260万円の支払いが命じられました。
イラストの無断転載事件
漫画家が自身のイラストがネット上で無断転載されていたため削除するよう求めました。しかし投稿者は削除せず漫画家に対し「脅迫を受けた」などの誹謗中傷をしたため、漫画家は民事訴訟を起こしました。
結果、投稿者に対し慰謝料30万円のほか著作権侵害に対し20万円を支払い、訴訟費用8分の7を負担するという判決が下されました。
誹謗中傷で損害賠償請求されたときの対処法
誹謗中傷をしてしまい、相手に損賠賠償請求されたときの対処法を解説します。
ある日突然、内容証明郵便が届き損害賠償を請求されても、法律に詳しくなければ対処法が分からず戸惑ってしまうと思われます。正しい手順を踏めば、裁判まで行かずに解決することは可能です。
請求内容が正しいか確認する
内容証明郵便が届いたら、請の求内容が正しいか確認しましょう。
不法行為に基づき損害賠償の支払いを求められているのであれば、故意または過失があったかどうか、違法行為によって他人に損害を与えたかどうかを確認してください。
内容を確認し法的に支払義務がない状況であれば、損害賠償を支払う必要は生じません。例えば、作品に対する批評を誹謗中傷と捉えられて賠償請求されたときなどは、正当な批評に当たり違法行為にはならず損害賠償を支払わなくても良いとなります。

金額が適正であるか確認する
損害賠償の請求額が一般的な相場から逸脱している可能性があるため、適正な金額であるかを確認しましょう。
誹謗中傷による精神的苦痛は人によって感じ方に違いがあるため、被害者が過剰な慰謝料を請求することがあります。そのため、相手の請求金額が妥当であるか確認する必要があるのです。
示談交渉する
裁判の前に当事者同士で話し合う「示談交渉」により、少しでも穏便にトラブルを解決することを目指します。
示談が成立すれば刑事告訴されず前科はつきません。また、慰謝料を含む損害賠償の額を、交渉のほうが低くできる可能性があります。損害賠償請求や刑事告訴のおそれがあるなら、示談交渉は有効な手段です。
弁護士に相談する
損害賠償の請求内容や金額の確認や示談交渉を進めるためには、一定の法律知識が必要になります。
手続きを全て自身で行うのは困難と言えるでしょう。困った時は弁護士のサポートを検討してください。

まとめ
ネット上での誹謗中傷により損害賠償を請求されたケースは複数あります。
賠償額の相場は10万円~50万円程度とはいえ、100万円以上の支払いを命じられた判例もあり、金銭的に大きな負担を負うケースは多いです。また、警察の捜査を受け逮捕される事態も考えられます。
誹謗中傷で被害者に損害賠償請求されたら、内容と請求金額を確認し落ち着いて対処しましょう。不明な点が多く自分だけでの対処が難しいとお悩みなら、弁護士に依頼し解決を目指してください。弁護士のアドバイスにより、裁判を避けられるケースもあります。

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。
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