家族の借金を肩代わりしてもらうと贈与税は課せられる?

借金の返済で生活するのも厳しくなったとき、自分の親に肩代わりしてもらうことを考える人も多いでしょう。

子供が苦しむ姿を見たらどうしても助けてあげたいと言う気持ちがでてくるので、自分が代わりに払ってあげたいと思うでしょう。

ただ、気を付けなければならない点があります。

自分の代わりに借金を支払ってもらったときには贈与税が課せられるケースがあるのです。

借金を親に返済してもらった場合に税金がかかるケースや、税金を課せられることなく借金の支払いを助けてもらえる方法についてまとめた記事になります。

贈与税とは?

個人から贈与によって財産を得た人に対し、取得した財産の価額を基として課せられる税金になります。亡くなった後に財産を贈る場合は相続税がかかりますが、生前に財産を贈与することで相続税を回避することを防止する性質を持つために作られた法律です。

日本では財産を受け取った者のみが税金を課せられる(受贈者課税方式)をとっているので、財産を渡した方に税金がかかることはありません。

また、課税されるのは個人からの贈与についてのみになりますので、企業などの法人から贈与を受けた場合は贈与税としては課税されず、受け取った財産は所得税として課税されます。

家族間のお金の貸し借りで注意すべき点

親からお金を借りた経験がある人は多いと思います。少額ならばそれほど問題はありませんが、大きな金額の貸し借りになると注意する必要がある点がでてきます。

親と子の間で行われる借金の肩代わり

子供が借金の返済で困っているのを見て、何とかしてあげたいと思う親御さんは多いことでしょう。実際に、子供にお金を渡してもそのお金は借金の返済に充てられるため、子供の財産として残りません。

しかし、借金の肩代わりをした場合、一度子供に財産を渡して、そのお金を借金の返済に充てたと見なされてしまいますので、子供に贈与した財産については課税されることになってしまいます。

住宅ローンの負担

子供がローンを組んで住宅を購入したとき、ローンの残高を親が負担してくれるというケースも少なくありません。

住宅ローンを親が負担してくれる場合、貸金業者からの借金を代わりに支払うのとは違い、一定の金額までは、贈与されたお金に課税されることはありません。

非課税の上限
消費税8%の住宅上限で1200万円まで
消費税10%の住宅上限で3000万円まで

住宅を建設する際の贈与については次のような条件に該当していなければなりません。

POINT
・贈与を受ける子供の年齢が、その年の1月1日時点で満20歳になっている

・子供の所得の合計が2000万円以下

・住宅の床面積(登記簿面積)が50平米以上240平米以下

また、購入する住宅が新築であるか、中古物件であるかによっても条件が変わってくることがあります。

贈与税がかからない(非課税となる)場合

親に借金を払ってもらう際に、税金が課税されないようにする方法について説明します。

財産がなく借金返済のためならOK

子供が処分できるような財産をもっておらず、収入から判断しても借金を返済することが困難である場合、親が子供の借金を代わって支払いしても贈与税が課せられることはありません。

問題は、どの程度の状況で、生活に困窮して借金返済が無理と判断してもらえるかになります。

貸し借りであればOK

借金返済などで、親からお金をもらうのではなく、お金を借りて借金を返済し、その後、親に対してお金を返すという、貸し借りの契約があれば、税金がかかることはありません。

ただし、一時的に親からお金を借りるものの、きちんと返済を行うという証拠が必要となります。税務署から調査を受けたときに証拠を提示することができなければ、お金を借りたと主張しても聞き入れてもらえず、相続税がとられてしまいます。

親からお金を借りた時に証拠となるものは以下のようなことです。

・金銭消費貸借契約書もしくは借用書
金銭消費貸借契約書の場合は、親と自分が1通ずつ契約書を保管する必要があるため2通作成する必要があります。借用書を作成する場合は、親に対して借用書を渡すだけなので1通作成することで問題はありません。

・実際に返済した実績を作る
お金を借りているのですから、決められた期日に支払いを行う必要があります。

親との話し合いで支払い期日を決めることになるので、毎月の返済でも、2ヵ月に1回の返済でも両者が合意しているのであれば問題はありません。

しかし、支払いの期日を決めずに、お金が入ったら返すとか、余裕ができたときに返すなどの「あるとき払い」「出世払い」などで借りている場合、子供が受け取った金額は、借りているものではなく、贈与とみなされてしまう可能性が高く、贈与税がかかってしまいます。

POINT
支払いの期日を決めない場合は、贈与とみなされる可能性があり!

・借りたお金の返済は通帳に振り込む
親から借りたお金を定期的に返済しているという証拠を残すためには、直接手渡しで返済するのではなく、親名義の通帳にお金を振り込む形にすると、返済の証拠が残ります。

利息については注意が必要

親が子供にお金を貸して利息を取るケースはほとんどないと思いますが、課税されるほどの大きな金額の貸し借りになったら話は別です。

お金の賃貸契約の基本は、元金に利息をつけて返済することですから、利息を取らずにお金を貸していたのであれば、利息に当たる分は贈与したと見なされ、利息分に対して課税される可能性があことになります。

借金返済が苦しいときは親に相談するのも一手

借金をしていることを秘密にしているのであれば、返済が苦しくなっても誰にも言えずに我慢してしまうことが多いです。

多くの悩みは、時間が解決してくれるものと言われますが、お金に関しての悩みは別です。時間が経てば経つほど、借金に利息がついてしまい、解決してくれるどころか、どんどん悪い状態に陥ってしまいます。

もしも親に助けてもらえる経済的な余裕があるのならば、返済に困っていることを打ち明けて助けてもらうのも一つの手だと思います。

年老いた親に迷惑をかけたくないという気持ちがあるのは誰でも同じです。しかし、早いうちに対処しておかないと取り返しのつかない金額にまで借金が膨らんでしまう恐れもあるのです。

お金を借りるのではなく、お金を借りてきちんと返すことができれば、自分にとっても親にとってもデメリットはほとんどありません。

一人で返すなら弁護士に相談しよう

借金の返済が困難になってしまい、親に頼んで払ってもらうケースは少なくありません。しかし、親が年金生活で経済的に余裕がなかったり、既に亡くなられていた場合は、親に頼ることはできずに、自分で問題を解決するしか方法はありません。

前述したように、お金の問題は時間が解決してくれるものではなく、時間の経過によってどんどん悪い状況に陥ってしまうのが問題なのです。

返済できないから、利息分しか支払わない、生活することができないからさらにお金を借りてしまう・・・・

現在の収入ではすでに借金を返すことができないと、自分でわかっているならば、その問題を未来に先延ばしすることなく解決したほうが良いです。

返済が困難な人には、債務整理という方法で、今後の返済計画を見直し、毎月の返済額を減らす方法があります。

借金を返済することができず、生活が困難な人に対して、国が認めている救済措置ですから誰でも利用できる方法なのです。

弁護士法人あまた法律事務所は、過去5000人の借金返済に苦しむ方を救済してきた実績を持つ借金問題に強い法律事務所です。

毎日無料相談を受け付けしておりますので、毎月の返済に苦しんで悩んでいる方は是非一度無料相談に連絡をしてみてください。豊富な経験と知識を持つ弁護士スタッフが、あなたのための借金返済計画を提案いたします。

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