自己破産の基準は借金いくらから?目安となる要件について

債務整理

自己破産は、借金を返済できなくなった人が、借金を整理するために採る手続きです。もっとも、借金がいくらある必要があるのか、といった疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。

今回は、自己破産をするために目安となる借金の金額を中心に解説していきたいと思います。

執筆・監修者、豊川祐行弁護士

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。

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1 自己破産が認められるための基準とは?

自己破産が認められるためには、少なからず、一定の基準を満たしている必要があります。

(1)借金額の目安

借金をこれだけ負担していなければ自己破産ができないということはありません。重要なのは、借金の金額ではなく、借金を返済できるかどうかという点にあります。

たとえば、借金額が100万円である場合、借金としてはそれほど大きな金額ではありません。ですが、債務者が病気などで就業できない場合、たとえ100万円であっても、借金を返済することはできません。

反対に、借金額が500万円である場合、一個人が負う借金としては金額が大きいといえますが、年収として2000万円を稼いでいる場合には、十分に借金を返済することができます。

このように、自己破産を検討する必要があるといえる借金額は、収入との関係で判断されることになります。そして、一般的には、借金の総額を3年で分割して返済できるかが一つの目安となっています。

(2)支払い能力の有無

債務者において支払い不能の状態にあることが必要です。ここでいう「支払不能」とは、債務者が、支払い能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいいます。

たとえば、一時的にお金が不足している場合、財産を処分することにより返済が可能になるような場合は、継続的に支払うことができない状態にあるといえないため、支払不能にはあたりません。

つまり、債務者の収入や財産等をもっても、借金を支払うことが不可能な状態にあることが必要なのです。

(3)非免責債権の借金ではないこと

自己破産により免責を受けると、借金の支払義務が免除されます。もっとも、非免責債権として支払義務が免除されないものもあります。たとえば、税金、離婚に伴い発生した養育費や慰謝料などは非免責債権とされています。

そのため、借金がすべて非免責債権にあたる場合は、自己破産をしたとしても免責を受けられないため、まったく意味がないということになります。

(4)免責不許可事由について

自己破産は、やむを得ない事情で借金を支払うことができなくなった人を救うための制度です。そのため、借金を負った原因がやむを得ないといえない場合、救済されないことがあります。

破産法では、やむを得ないとはいえない事情を免責不許可事由として定めています。たとえば、浪費やギャンブルによる借金、財産の隠匿などは免責不許可事由にあたります。

もっとも、これらの事実が認められるからといって、必ずしも免責不許可となるわけではありません。

(5)自己破産が可能なケース

免責不許可事由が認められる場合であっても、裁判所は裁量により免責を許可することができるようになっています。

具体的には、裁判所は債務者に関するさまざまな事情を考慮したうえで、免責を許可することが相当であると判断した場合には、免責不許可事由が認められる場合であっても、裁量によって免責を許可することができます(「裁量免責」)。

そのため、浪費やギャンブルで借金を作った場合であっても、それがよほど悪質でないかぎり、裁量免責となる可能性が高いといえます。

また、生活保護受給者や年金受給者であっても自己破産をすることは可能です。生活保護にいたっては、受給した生活保護費を借金の返済に充てることはできないため、借金を整理するためには、自己破産をするほかありません。

また、年金受給者は、借金が多くなればなるほど、年金を借金の返済に充ててしまうと、生活が脅かされる可能性があります。そのような事態を招かないためには、年金受給者に対しても自己破産をできる途を残しておかなければなりません。

さらに、社会問題にもなった奨学金の未払い問題ですが、やむを得ない事情で返済することが困難になった場合には、奨学金を対象として自己破産をすることも可能です。

もっとも、奨学金の場合、両親などが連帯保証人となっていることがあるため、自己破産をする前に、その点をきちんと話し合い、保証人が支払えない場合には、保証人の債務整理も検討する必要があります。

執筆・監修者、豊川祐行弁護士

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。

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2 免責不許可事由にあたる基準とは?

破産法では、11の行為が免責不許可事由として規定されています。以下に挙げているのは、代表的な免責不許可事由です。

(1)破産財団の価値を減少させる行為

債権者への配当に充てられる破産者の財産を「破産財団」といいます。
破産財団の価値を減少させる行為は、債権者を害することとなるため、免責不許可事由とされています。
たとえば、財産を隠す行為は、破産財団の価値を減少させる行為の典型であるといえます。

(2)偏頗弁済(へんぱべんさい)

「偏頗弁済(へんぱべんさい)」とは、特定の債権者だけに返済をすることをいいます。
偏頗弁済を認めてしまうと、特定の債権者だけが有利に扱われ、債権者平等の原則に反することになります。
そのため、偏頗弁済は免責不許可事由とされています。

(3)浪費、賭博、射幸行為

「射幸行為」とは、株取引やFX取引、先物取引などのことを指します。
射幸行為を含め、浪費やギャンブル(賭博)は、やむを得ない事情があるとは認められないため、免責不許可事由とされています。

(4)免責許可決定を7年以内に受けていること

それまでに自己破産を申し立て、免責の許可を受けてから7年が経過していないことは、免責不許可事由とされています。

3 自己破産が認められない場合の手段

実務上、免責不許可事由が認められる場合であっても、裁判所によって裁量免責となる可能性が高いことは事実ですが、免責不許可となる可能性がゼロということではありません。

事情によっては、免責不許可となり、自己破産をした意味がなくなるおそれもあります。そのような可能性がある以上、自己破産だけでなく、他の債務整理の方法も併せて検討することが極めて大切です。

債務整理には、自己破産のほかにも、任意整理や個人再生といった手続きがあります。各手続きには、独自の特徴があり、解決の仕方もそれぞれ異なります。

たとえば、任意整理という方法であれば、裁判所が関与することもないため、免責不許可事由にあたる事実が認められる場合であっても、借金問題を解決することが可能な場合もあります。

また、個人再生手続きにおいては、免責制度がそもそも存在しないため、安定した収入を継続的に得られる見込みがあれば、個人再生という方法で借金問題を解決することも可能です。

いずれにしても、自身にとってどの手続きが最適な方法なのか、という判断は容易ではないため、弁護士などの専門家に相談しながら進めることをお勧めします。

4 自己破産まとめ

自己破産を検討する場合、支払能力があるかどうか、免責不許可事由があるか、債務はどのような種類か、などをきちんと確認する必要があります。

この点を十分に確認せずに、自己破産をしてしまうと、場合によっては、自己破産をした意味がなくなるおそれもあります。また、免責不許可となる可能性がある場合には、任意整理や個人再生といった他の手続きを併せて検討することも重要になってきます。

あまた法律事務所では、無料相談を実施しておりますので、お困りの方は是非一度ご利用いただくことをお勧めします。

執筆・監修者、豊川祐行弁護士

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。

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