両親が自己破産した場合の子供や家族への影響は?

任意整理

借金問題を解決する方法として、自己破産という手段があります。
自己破産は個人の手続きなので、制度上は家族に影響を与えません。
しかし、一緒に暮らしている家族や子供への影響が全くないとは言えません。

「自己破産により借金問題を解決したいが、家族や子供への影響が不安」

この記事では自己破産が子供の生活や将来に影響することや、なるべく影響を少なくする方法を紹介します。

執筆・監修者、豊川祐行弁護士

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。

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自己破産とはどんな制度?

自己破産とは裁判所に借金返済の見込みがない支払不能状態であることを認めてもらい、借金の支払いを免除してもらう手続きです。手続きが完了すれば、免責を得て、借金を返済する義務がなくなります。自己破産は借金問題に苦しんでいる人々の生活を立て直すための制度です。

自己破産のメリットとデメリット

自己破産のメリットは法的に借金返済の義務がなくなることです。
デメリットは高価な財産が処分されてしまい、一定期間クレジットカードの使用や借入ができなくなってしまうことが挙げられます。ただし、生活に最低限必要な財産は残すことができます。

親が自己破産した場合の子供への影響は?

親が自己破産をした時に子供にはどのような影響があるのでしょうか。
影響があるもの、ないものにわけて紹介します。

子供には影響がないもの

・子供の進学、就職や転職、結婚には影響がない
進学先から、親の自己破産を理由に入学を断られることはまずありません。
子供が進学のため、学生支援機構などの奨学金を借りる場合、保証人が必要となります。自己破産した親は保証人にはなれませんが、配偶者や親戚であれば、保証人になることができます。保証人を頼める人がいない場合でも、保証機関を利用することで奨学金の借り入れができます。
また、子供の就職先や転職先で親の自己破産歴を調べられることは考えづらいです。
結婚に関しても、親が自己破産しているということは一般的に重要視されないでしょう。

・住民票や戸籍には載らない
住民票や戸籍を取り寄せたときに、親の自己破産が掲載されているのではないか?と心配する方もいますが、自己破産したことが住民票や戸籍に載ることはありません。

・子供や家族はブラックリストに載らない
自己破産をした本人の情報は、金融事故情報として信用機関に一定期間掲載されるため、新たな借り入れをしたり、ローンの利用はできなくなります。ですが、破産者の家族の情報などはブラックリストには掲載されないので、子供が借り入れを行ったり、ローンを組むことは可能です。

・子供名義の資産は処分されない
自己破産をすることで、破産者の資産は処分されます。ですが、原則として子供の所有する財産は守られます。車や貴金属、證券などの資産は同居をしている場合でも、処分されることはありません。

・保証人でなければ子供に返済の義務はない
自己破産後は借金の返済義務がなくなっているため、債権者が督促や取り立てを行うことはできません。道義的な責任を理由として、子供に対して、債権者が支払をするように言ってきても、借金の保証人でない場合は、親子や夫婦であっても、法律上代わりに返す必要はありません。

子供が不利益を受けてしまうケース

・学資保険に加入している
子供の進学のために積み立てて来た学資保険は、子供の名義にしてあることが多いです。破産者の名義ではないので、破産後も保有できると思われがちですが、実質的に積み立てているのは名義人の子供ではなく、親なので、自己破産した場合は解約されてしまう可能性があります。

ただし、解約して払戻金が20万円に満たない場合であれば、そのまま所有することが可能となる場合もあります。

・引っ越しや転校の必要があることも
不動産などの高額資産は処分の対象となるため、持ち家に居住していると、今まで通り家に住み続けることはできなくなります。家族で賃貸住宅に居住しており、そのまま住み続けられるのであれば、特に影響はありません。しかし、新しい住居に引っ越しすることになると、子供は転校しなければならない可能性があります。

・親の連帯保証人である
子供が成人していて、親の借金の連帯保証人となっている状態で親が自己破産すると、子供が代わりに借金を返済しなければいけません。この際、連帯保証人である子供は一括請求を迫られることになります。返済できない場合は、子供も一緒に債務整理を検討することになるでしょう。

自己破産した場合の家族への影響は?

自己破産したときに、家族に影響が及ぶ可能性があるのは、処分されてしまう資産と、ブラックリストに掲載された時に生ずるデメリットです。

・持ち家や車は基本的に処分
20万円以上の価値がある資産は、処分されてしまうので、持ち家はほとんど処分対象となってしまいます。車は査定金額が20万円を超える場合、処分対象となりますが、何年も使用している中古車であれば、処分対象外になり、残すことができる可能性もあります。

・家族カードは使用できなくなる
自己破産する親名義の家族カードは使用できなくなる可能性が高くなります。
ただし、本人以外の家族はブラックリストには載らないため、家族がクレジットカードを作れなくなったり、今まで利用してきた本人名義のカードの利用が不可能になったりすることはまずありません。

・保証人の変更が必要な場合も
自己破産した人は保証人になることはできません。既に保証人となっている場合は、代わりの保証人を要求されることもあります。

自己破産をするとこのようなデメリットが考えられますが、債務整理の方法は自己破産だけではありません。家族への影響を少しでも少なくしたいのであれば、自己破産以外の手段で借金問題を解決する方法もあります。

子供や家族への影響を少なくする債務整理の方法

自己破産をした場合でも、多くの場合で本人以外にはほとんど影響がないことがわかったと思います。しかし、今まで見てきたような子供に悪影響を与えるケースも存在します。なるべく家族への影響を減らすためにはどうすればいいのでしょうか。

個人再生なら住宅を残せることも

所有している資産を処分して、返済を免除してもらうのが、自己破産という債務整理方法です。
持ち家や新車などは、処分されてしまうため、今までと同じ生活を続けるのは難しい面も出てきます。そこで、家を所有したまま、借金問題を解決したい場合に有効なのが個人再生です。
個人再生は、持ち家を所有したまま、借金を大幅に減額できる債務整理の方法です。裁判所に手続きを申し立てしている時点で住宅ローンが残っている場合であっても、住宅資金特別条項を利用することで、今までと同様にローンを支払い、家に済み続けることができます。
自己破産とは違い、借金の総額が5,000万円以上ある場合は利用できない、減額された借金は原則3年間支払いを続けなければならないという条件はあります。しかし、住宅という資産を残したまま債務を整理することができます。

任意整理なら保証人への請求を避けられる

子供が借金の保証人になっている状態で、自己破産した場合、本人は返済が免除されますが、子供が保証人になっている借金は、その後子供が返済していかなければなりません。
保証人への請求を避けたいとしても、自己破産は破産者の資産を換価して、全ての債権者に対して公平に配当するものであるので、債権者一覧を裁判所に提出しなければなりません。子供が保証人になっている借金だけを外すことはできませんし、故意に外して報告した場合は免責不許可事由となり、免責にならない可能性がでてきます。
迷惑をかけないよう子供が保証人になっている借金だけは自分で支払いたいという場合は、任意整理という債務整理の方法があります。
任意整理は、債権者と債務者がその後の支払方法について交渉を行い、返済期間を延長したり、将来的に発生する利息分をカットすることで、毎月の返済金額を減らす方法です。自己破産や個人再生のように、裁判所を通すものではなく、あくまでも債権者と債務者と間で取り決められるものなので、保証人への請求を避けたい借金については対象から外すことができます。
子供が保証人になっている借金の分を外して、他の借金に対して任意整理を行うことで、子供に迷惑をかけることなく、任意整理で減額した借金を自分で支払うことができます。

相続放棄

借金をしている本人が自己破産する前に亡くなってしまった場合は注意が必要です。
家族が亡くなると、財産だけでなく借金も引き継ぐことになります。何もしないままだと、それらを相続したと見なされてしまいます。
もし、財産よりも借金額の方が大きいのであれば、「相続放棄」をしましょう。財産を引き継げない代わりに、借金の返済義務を負わずに済みます。
財産の方が多いのか、借金の方が多いのかわからないという場合は「限定承認」という方法もあります。
ただし、いずれの手段を採るにしても、家庭裁判所による手続きを経る必要があります。

親の借金を調べる方法

親の借金がありそうな場合、調べる方法はあるのでしょうか。

第三者が勝手に借金を調べることはできない

金融機関は利用者の情報を第三者に知らせることはありません。このため、家族であっても、本人の了解がなければ、借入額や期間を聞き出すことはできません。

借金を調べるなら直接尋ねる

もしも借金がありそうだと思ったのであれば、直接尋ねましょう。
借金の問題を解決するために話し合いたいという意思を見せることで、本人も話しやすくなります。
本人の同意を得ることができれば、借金を調べることも簡単です。例えば、本人からの委任状があればJICCやCICなどの信用機関に照会することで消費者金融やクレジットカードの借金を調べることができます。銀行からの借金は全国銀行個人信用情報センターに照会することで借金額を確認できます。どの業者からいくら借りているということがまとめて分かります。

自己破産する親に経済的な援助はできる?

自己破産する親に対して、子供が経済的な援助をすることは可能です。
破産手続きのために弁護士費用を出してあげたり、生活費を出してあげたりなど、いろいろな方法がありますが、援助したお金の使い方には注意が必要です。
援助金を浪費してしまったり、ギャンブルに使用してしまったりすると、免責不許可事由に当たりかねません。また、借金の返済に充てることも偏頗弁済と見られかねませんので避けましょう。
自己破産が終わった後であれば、援助金の使い道に制限はありません。

家族が自己破産する際に注意すること

家族が自己破産する場合には財産の扱いに注意しましょう。
自己破産する人の財産を隠したり、譲渡したりすると、免責を得られなくなる場合があります。

身内の借金を隠さない

自己破産の手続きは、全ての債権者に対して公平に資産を配当する必要があるので、親子間であっても、借金がある場合は債権者一覧に記入し、報告しなければいけません。故意に隠したときは、借金が免責にならない可能性があります。
どうしても返済がしたいという場合は、手続きを終え返済義務がなくなってから任意での支払いという方法があります。この際、手続き前に返済の約束をしてはいけません。

財産などの名義変更を行わない

資産を処分されることを防ぐ目的で、不動産や車、證券などの資産の名義を親から子供に変更することは、財産隠しに該当する可能性があります。悪質な場合は、免責が許可されずに、自己破産しても返済が免除にならない可能性があります。
資産については自己破産の手続きを始める以前のことも見られますので、不必要な名義変更は避けた方が良いでしょう。

自己破産まとめ

自己破産をすることで、子供に対しての直接的な影響はほとんどありません。しかし、持ち家を処分されたり、車を処分されることにより、今まで通りの生活が出来なくなってしまう可能性があります。

個人再生で住宅を残す方法や、任意整理で子供が保証人になっている分については外して債務を整理する方法を書きましたが、利用するためには条件があります。

早いうちに、借金問題の解決に取り組むことで、自分の希望にあった債務整理の方法を選ぶことができますが、時間が経つごとに、選択肢は少なくなり、方法も限られてしまいます。

既に返済できなくて、滞納している方だけでなく、毎月、利息分だけを支払い続けていて、いつ借金が完済できるかわからないという生活を送っている方も、できるだけ早く弁護士事務所の無料相談で、借金問題の解決について話を聞いてみることをおすすめします。

執筆・監修者、豊川祐行弁護士

2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。

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2010年、早稲田大学卒業後、同大学大学院法務研究科を修了し、2016年東京弁護士会にて弁護士登録。都内法律事務所での勤務を経て独立し、数多くの人を助けたいという想いから「弁護士法人あまた法律事務所」を設立。

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