退職代行は違法で非弁行為?司法書士や社労士でもできる?

利用者数が増え続けている「退職代行サービス」

依頼者の代理で会社に「退職させてください」と伝えてくれるサービスは、追い詰められている労働者を救済するサービスとして注目を集めている一方で、非弁行為に該当するのではないかという指摘もあります。そのため、サービスを利用する際には注意しましょう。

この記事では、退職代行サービスが非弁行為に該当するのかという本題と合わせて、非弁行為だと指摘されてしまう理由や業者の選び方について詳しく解説します。退職代行サービスの利用を検討している方は、ぜひ、この記事を参考にしてみてください。

退職代行サービスとは

会社を退職したいと思っても、辞めづらいのが退職というものです。そんな退職の手続きを代行してくれるのが「退職代行サービス」

「上司が怖くて退職を伝えることができない…」
「人手不足を知っているから退職できない…」
「パワハラを受けていて、会社に出社する勇気が持てない…」

など退職を阻害する要因をすべて代行業者が引き受けてくれます。

退職代行・24時間相談対応・出社せずに手続き可能などサービス内容も充実してきています。

職場でパワハラ・セクハラなどを受けていて「上司の顔を見たくない状況」であっても、退職代行サービスを利用すればスムーズに退職することができることが、退職代行サービスを利用するメリットです。

内容1:おまかせ退職

退職したい方にとって、一括で対応してくれる代行業者は非常にメリットがあるでしょう。入社したばかりであったり、人間関係がこじれていて上司に相談しづらい状況でも対応してくれます。

内容2:相談料無料

24時間受付の相談窓口やLINEでの相談なども受け付けている業者もあります。相談したからといって、絶対にサービスを利用しなければならないということではありませんし、相談回数も無制限になっているところもあるため、不明なことは色々と聞いてみましょう。

内容3:追加料金なしの一律価格

相談回収無制限、全額返金制度などサービスがコミコミの料金プランを設定している業者が多いです。業者の中には、基本料金に追加費用を請求してくるところもあるようです。このような業者は悪質業者である可能性が高いため注意しましょう。

退職代行は非弁行為に該当するのか

仕事を辞めたいけれど、なかなか言い出せない労働者の救世主となる退職代行ですが、退職代行が非弁行為に該当するのではないかという問題があります。実際は、どうなのでしょうか?

そもそも非弁行為とは

非弁行為とは、弁護士以外の人が報酬を受け取って弁護士業務を行うことをいいます。つまり、無報酬で業務を行うことは問題ありませんが、退職日や退職金などの条件交渉を会社側にしてしまうと非弁行為に該当してしまうのです。

[弁護士法72条件]
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

代行内容によって法律違反に該当する

退職代行は退職の意思を伝えるのと同時に、給料・退職金・有給休暇の話し合いが必要になります。弁護士資格を持たない業者が交渉を行えば非弁行為に該当してしまうのです。

退職代行で法律違反を犯した場合のリスク

退職代行で法律違反を犯した場合は、2年以下の懲役または300万円以下の罰金刑が適用されます。この罰則は代行業者が受けるもののため、労働者が刑罰を受けることはありませんが、代行業者が逮捕されたときに、刑事事件に巻き込まれて利用者も警察から事情聴取されたりします。

また、退職代行会社が適当な手続きを行い、企業側とトラブルになることも少なくありません。会社側から損害賠償を請求されたり、懲戒解雇をされたりする可能性のゼロではありません。退職代行を利用するのは印象が良くないため、退職までに社内でパワハラを受けるか可能性もあるでしょう。そのため、会社側にも好印象を与えられるような代行業者を選ばなければいけません。

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退職代行業者の特徴

退職代行業者は、大きく分けると3種類(行政書士・司法書士・弁護士)に分類できます。ここでは、それぞれの業者の特徴をご紹介します。

行政書士の退職代行の特徴

行政書士は、交渉行為はできません。そのため、退職時の条件など会社側と交渉する必要があれば、弁護士に改めて相談する必要が出てきます。
行政書士は書類作成業務を取り扱っているため、退職時に必要な書類などに関して分からないことがあれば、アドバイスをもらうことができます。そのため、普通に仕事を辞めるだけであれば、行政書士の退職代行にお任せして問題ないでしょう。料金が安いため、とにかく費用を安く抑えたいという方におすすめします。

認定司法書士の退職代行の特徴

司法書士の中でも、試験に合格した「認定司法書士」であれば、140万円以下の交渉行為を行うことができます。未払いの残業代などを請求したい場合、それがいくらかを計算してみましょう。請求金額が140万円以下であれば、弁護士よりも費用が安いため、認定司法書士に依頼するのも良いでしょう。
逆に請求金額が140万円を超える裁判になる場合は、初めから弁護士に依頼する方が手間はかかりません。

社労士の退職代行の特徴

社労士は労働法について精通しているため、労働に関する知識を豊富に持っています。会社との金銭的な交渉はすることができませんが、労働問題について詳しい社労士に相談すれば、安心感が得られるでしょう。

弁護士の退職代行の特徴

弁護士であれば、さまざまな交渉の対応をしてくれます。そのため、パワハラの被害を受けていたり、サービス残業だらけのブラック企業を退職する場合は、弁護士の体側代行を利用した方が良いでしょう。しかし、行政書士や司法書士と比較すると料金が高めに設定されていることもあるので確認してみましょう。

退職代行業者の比較

退職代行業者のサービスは行政書士・司法書士・弁護士の3種類がありますが、それぞれの違いを比較すると下記の通りとなります。全く交渉が必要ない場合は行政書士に依頼をして、交渉が必要であれば弁護士に依頼するようにしましょう。

種類交渉料金
行政書士不可安め
司法書士140万円以下のみ普通
社労士不可普通
弁護士可能高め

法律違反の危険がある悪質業者の見極め方

退職代行業者がいい加減な対応をしてしまえば、トラブルに巻き込まれてしまう可能性もゼロではありません。そのため、依頼先は慎重に選んでください。ここでは、法律違反の危険がある悪質業者の見極め方をご紹介します。

ホームページ上に情報が掲載されているか

怪しい業者かどうかを見極めるために、ホームページに掲載されている内容を確認しましょう。

ホームページがあるから安心だと言い切ることはできませんが、そもそも運営会社情報が公開されていない業者の場合、トラブルが発生したときに問い合わせることができません。そのため、会社の所在地や電話番号が記載されている代行業者を選んでください。

また、会社の所在地をGoogle Mapのストリートビューで検索してみると、どのような規模の会社で信頼に値するかを見極めることができます。

料金システムは明確か

注目すべきポイントは、料金システムです。すべての業務を一律料金で対応してくれる会社や追加料金がかからない業者を選ぶことで、高額な請求をされる心配がなくなります。そのため、料金システムが分かりにくい業者や見積書の内訳が記載されていない業者に依頼するのは控えましょう。

退職代行の実績や口コミがあるか

業者は比較検討することが大切です。比較する際には、退職代行の実績や口コミが豊富にあるか確認します。実際のサービス内容は、実際に利用した人にしか分かりません。そのため、そのサービスを利用した人の口コミなどを検索してみましょう。

まとめ

退職代行は、退職に関する書類の作成・提出だけであれば弁護士以外でも行うことが可能ですが、退職金や残業代未払い分の請求手続きを弁護士以外の者が行うと非弁行為に該当してしまいます。

法律を守らない業者に依頼をしてトラブルに巻き込まれてしまったら、その業者は最後まで責任を持って対応してくれるとは限りません。労働問題は厄介なため、法的知識を持った弁護士に相談するのが良いでしょう。お世話になった会社とは円満退職したいと思うものです。そのため、トラブルが大きくならないうちに弁護士に相談してください。

退職時のトラブルに巻き込まれて悩んでいる場合は、あまた法律事務所にご相談ください。あまた法律事務所は労働問題の弁護の実績を豊富に持つ弁護士事務所です。法律知識を活かして、退職時のトラブルを解決致します。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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