借金を一本化することで、どのくらい返済額が減るのでしょうか?
バラバラになっている複数の借り入れを一本化できるならば債務者には大きなメリットはありますが、反面、気を付けなければならないことも存在します。
借金一本化とは?
借金の一本化とは、複数の金融機関のカードローン等から借り入れした総額を、一つの金融機関へ借り換えをすることです。
銀行や消費者金融の商品で「おまとめローン」と名前がついているものは、借金を一本化する借り換えローンのことになります。
おまとめローンは低い金利が設定される傾向にあるため、月々の返済を少なくすることや、返済先を一つにすることで支払いの管理をしやすくすることを目的として、検討されます。
借金一本化で得られるメリット・デメリット
借金の一本化はメリットだけではなくデメリットも考えられます。
まずは具体的な例を見てメリットを説明します。
借金一本化のメリット
月々の返済額を減らすことができる
おまとめローンの特性として長期の返済ができることが挙げられます。
複数社から借入している場合、完済までの期間が長いところに合わせることで、月々の返済額を減らすことが可能です。
【3社から70万円を借入しているケース】
A社 | B社 | C社 | 合計 | |
借入金額 | 20万円 | 15万円 | 35万円 | 70万円 |
金利 | 15% | 18% | 18% | – |
月々返済額 | 11,364円 | 11,242円 | 12,927円 | 35,533円 |
支払回数 | 20回 | 15回 | 35回 | – |
【借金一本化後の支払い】
D社 | |
借入金額 | 70万円 |
金利 | 12.5% |
月々返済額 | 23,418円 |
支払回数 | 36回 |
この例で言えば、3社から借りていた場合、毎月の返済金額の合計は35,533円になりますが、金利12.5%のおまとめローンで借り換えを行うことで、3年で完済する場合、毎月の返済金額は23,418円になりますので、月々の返済金額は1万円以上少なくなります。
金利が低くなることがある
おまとめローンは借り換えとなりますので、キャッシングやローン会社の金利よりも低く設定される傾向にあります。
日本では過度な借り入れ、キャッシングをしてしまうことを防ぐために、総量規制が適用されます。これは年収の3分の1を超える借入は原則的にできないというものです。しかし、「おまとめローン」などは、総量規制の例外となっています。
総量規制というのは、借金の返済に苦しむ多重債務者を生み出さないための規制です。
おまとめローンなどは債務者の返済を減らすための手段ですので、総量規制で定められている年収の3分の1を超えた金額の融資も可能にしています。
借入金額が増えてくるとその分返済が難しくなるわけですから、そこに金利が高くなると返済ができなくなる可能性が上がります。
そのため、借金を一本化するためには、現在の金利よりも低いところから借入をする必要があります。おまとめローンは、通常よりも低い金利で融資していることが多く、現在の複数の借金を一本化することで、金利が低くなる可能性があります。
返済日がまとまる
1社からまとめて借入するため、返済日が月に1回となります。
複数の業者からカードローン等の借入をしている場合、業者ごとによって返済日が変わる場合があります。借入業者が多ければ多いほど、返済日も増えてきますので、返済期限を忘れてしまったり、口座のお金が足りなくなっていたことに気づかずに滞納してしまう、ということも少なくありません。
ブラックリストに載らない
おまとめローンのような借り換えは事故情報として扱われることはありませんので、ブラックリストに載ることはありません。
債務整理をするとブラックリストに載ってしまうため、その後5~10年ほどの期間はクレジットカードの利用や、新規の借入ができなくなってしまいます。おまとめローンであればその後の借入やクレジットカードの利用は可能です。
借金一本化のデメリット
上記のように、借金一本化はいくつかのメリットがあります。しかし、一方でデメリットも存在します。借金の支払い総額が増えてしまう可能性もありますので、十分に理解しておきましょう。
支払い総額が増える可能性がある
月々の返済を減らすと支払い回数が増えるため、金利が下がっていたとしても、支払い総額は増えることがあります。
これはどういうことかというと、借金を一本化することによって、月々の返済額が減っても、借入の総額は減っているわけではないということです。毎月の返済額が少なくなくなる分、返済期間は長くなり、その期間中、余計に利息がかかってしまいます。結果として金利が以前よりも低い場合でも、返済する総額が大きくなる可能性もあります。
金利と毎月の返済額を見て減っていると考えるのではなく、支払いの総額を確認することが大切です。
審査に通らない可能性がある
おまとめローンを利用する時も審査が必要になります。
前述したように総量規制が適用されないとは言え、審査があまくなるということではありません。現在の借入総額に対して、年収が少なかったり、何度も延滞や遅延などを起こしている場合は、審査で断られるケースがあります。
借入をしている社数も見られ、一般的に5社以上となると借り換えはかなり厳しくなると言われています。
再度借入をしてしまう恐れがある
借金の一本化をする前に借りていた消費者金融などは、融資枠がそのまま残っていますので、返済した分は、融資枠がまるまる使えることになります。一度、解約した場合でも、借り換えによって返済していますので、ブラックリストに掲載されることはありません。そのため、融資を申込したら受けることができてしまいます。
おまとめローンはどこでできる?
おまとめローンは銀行、消費者金融、ノンバンク金融機関などが提供しています。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
銀行系 | 消費者金融系 | ノンバンク金融機関 | |
融資までのはやさ | 最短3営業日程度 | 最短即日 | 最短7日程度 |
金利 | 2%~15%程度 | 3%~18%程度 | 12%~16.5%程度 |
借入限度額 | 500万~1000万円程度 | 300万~8000万円程度 | 500万円程度 |
銀行系おまとめローン
銀行が提供しているおまとめローンは借入限度額が高く、金利が低い傾向にあるのが特徴です。
ただ、金融業界の傾向として、金利の低さに応じて審査が厳しくなるというものがあります。銀行系はおまとめローンの中でも厳しい審査があると考えておきましょう。
消費者金融系おまとめローン
消費者金融系は銀行系よりも金利が高めで、借入限度額も低い傾向にありますが、最短で当日の融資が可能な点が特徴です。
また、返済専用となっており、追加の融資を受けることができません。
このことから、返済のプレッシャーは強いと言え、確実に返済できるような計画性が大切になります。
信販系おまとめローン
信販会社とは、主にクレジットカードなどを発行する会社です。
信販会社が提供するおまとめローンはキャッシング分だけでなく、ショッピング利用分もまとめられることが特徴です。
借金一本化の方法
具体的な借金一本化の手順になります。おまとめローンは審査のための準備が大切です。
審査のためにやるべきこと
おまとめローンは大きな金額になる傾向にあるため、審査は甘くありません。
しっかりと準備して、できることはすべてやっておきましょう。
返済の滞納をしない
おまとめローンを利用する前から、返済は遅れないようにしましょう。
返済遅れは信用情報機関に記録されてしまうため、審査に影響を与えます。既に滞納の経験がある人もそれ以上増やさないように心掛けてください。
安定した収入を得る
返済能力は審査で見られるポイントです。
非正規よりも正社員、勤続期間も短いよりも長いほうが安定収入と言えるでしょう。
借入総額・社数を減らす
借入総額と借入先の社数は少ない方がリスクが小さくなるため、審査に通りやすいと言えます。
可能であれば繰り上げ返済で借入残高を減らしたり、少額の借入をまとめたりしましょう。
おまとめローンを申し込む
審査のための準備が終わったら、おまとめローンを申し込みましょう。
おまとめローンを比較するポイントは金利、月々の返済額、支払い期間などが挙げられます。
自分に経済状況に合った計画的な返済ができるおまとめローンを選びましょう。
借金一本化が難しい人
おまとめローンの審査に通らない可能性が高い条件とはどのようなものがあるでしょうか。
4社以上の業者からの借金がある
おまとめローンを提供している会社は融資したお金を回収できない可能性が高いと判断した場合、審査を通しません。
複数の借金をまとめて一本化するために借り換えを行うのですが、あまりにも借入している業者が多い場合、融資をした後も、他で借りてしまうのではないかと考えらてしまい、審査が通りにくくなってしまいます。
年収の3分の1を超える借金がある
各金融機関では、融資の審査をするときに、自社固有の基準というものがあります。
おまとめローンが総量規制の対象外となっていたとしても、収入に対して借入の金額が大きければ、その後返済が困難になる可能性が高いと判断されて審査で断られてしまう場合があります。
勤務期間が短い人
勤めている会社の勤務期間が短い場合、将来の返済能力に不安があると見なされて、審査の段階で断られてしまう可能性があります。特に、勤務期間が1年未満の場合は、なかなか審査に通りづらいと思った方がいいでしょう。
過去の返済状況が悪い
金融機関同士で、信用情報の共有をしているので、過去の返済で延滞を繰り返したりした場合は、事故情報としてブラックリストに掲載されるため、おまとめローンの審査にも通りにくくなってしまいます。
おまとめローン以外にも「債務整理」という方法がある
上記のケースのように、借入金額が大きかったり、過去に支払い延滞などを繰り返している場合は、おまとめローンの審査には通らない可能性が高いです。
また、借入金額が大きい場合、大幅に月の返済額を減らしてしまうと返済期間が長期になってしまうことになります。
そうなると、たとえ借り換えができたとしても、支払いの総額が大きくなってしまうというデメリットもあります。
そんなときに検討して欲しいのが債務整理です。
主な債務整理3種類の特徴
債務整理と一言で言っても、債務の減額幅と、その後の返済には大きな違いがあります。この項目では主に3つの債務整理の方法に関して紹介していきます。
任意整理
任意整理は、貸金業者や銀行と直接交渉することにより、今後の返済計画を決定しおよそ3~5年程度で借金の完済を目指す方法です。
裁判所を通さないので、全ての業者を対象にすることなく、自分で任意整理する業者を選べることや、官報に掲載されないというメリットがあります。
任意整理の場合、将来の利息をカットすることは可能ですが、大幅に元金が減額できるという期待はできないため、借金の総額が大きい方にはあまり向いていません。
個人再生
個人再生は、今後の返済計画を作成し、裁判所や債権者に認めてもらった場合、その返済計画に従って、原則3年間で借金の返済を行います。完了時には、返済計画に含んでいない借金について返済が免除となるため、借金が概ね5分の1まで減額できます。
住宅ローンの支払い中であっても、特則を利用することにより、今まで通りに家に住むことができるというメリットもあります。
デメリットは、裁判所の手続きが必要になるため、政府が発行する官報に掲載されてしまうこと、負債の総額が5000万円を超える場合は個人再生を利用できないことなどがあります。
自己破産
自己破産では、裁判所に申し立てを行い、自身の財産を清算します。裁判所から免責の許可が出れば、借金はゼロになり、その後の返済は免除されます。
個人再生のように、負債総額の制限がないため、大きな負債を抱えた方でも申し立てを行うことができますが、最低限の資産の保有以外は認められないため、住宅や車などを手放さなければならない可能性があります。
また、免責が認められるまでは、職業資格制限があるため、できない仕事があります。
よくある質問
まとめ
借金の総額がそれほど大きくなく、おまとめローンを利用することができるならば、借金を一本化して、毎月の返済の負担を減らすことはおすすめできますが、返済期間を延ばすことは、長期に渡る返済期間の間に、病気や失業など予期せぬ事態で収入がなくなってしまうリスクも大きくなるということも忘れてはいけません。
借金問題で大事なのは、とにかく早く解決することです。
借金を一本化して余裕ができたら、繰り上げ返済などを行って、少しでも早く完済することを目指す必要があります。
借金の総額が大きく、借り換えが難しいのであれば、今の状況をズルズルと続けて解決を先送りするのではなく、少しでも早く借金を完済できるように、債務整理による解決を検討してみてください。
過去に多数の方を救済した実績があり、その中にはおまとめローンを断られた方もいらっしゃいました。
おまとめローンを断念した方でも、債務整理によって借金問題を解決することが可能なのです。