【2025年最新】10対0事故で主婦がもらえる示談金相場｜休業損害から後遺症まで完全解説

10対0の交通事故に遭った主婦でも、家事労働者として正当な示談金を受け取る権利があります。

知識不足により数十万円から数百万円の損失を避けるために、適切な対応方法を知っておくことが重要です。

10対0の交通事故に遭われた主婦の皆さん、「そもそも10対0事故って何のこと？」「私のような主婦でも示談金はもらえるの？」「保険会社から提示された金額は適正なの？」といった疑問や不安を抱えていませんか？

交通事故の示談金は、適切な知識がないと大きく損をしてしまう可能性があります。

特に主婦の方は「収入がないから休業損害はもらえない」と誤解されがちですが、実際には家事労働者としての正当な補償を受ける権利があります。

知らないまま示談してしまうと、数十万円から場合によっては数百万円もの損失につながることも。

この記事では、10対0事故の基本知識から主婦特有の示談金の内訳と相場、示談金を適正額にするための具体的な方法、保険会社との交渉のポイントまで、実例を交えながら分かりやすく解説します。

さらに、家事従事者として認められるための証明方法や、弁護士への相談タイミングも詳しくご紹介。

この記事を読めば、主婦であるあなたが受け取れる適正な示談金額を把握し、保険会社との交渉を有利に進められるようになります。

自動車損害賠償保障法に基づく適正な補償を受けるための知識を身につけましょう。

10対0の事故で主婦がもらえる示談金の相場

10対0の交通事故に遭った主婦が受け取れる示談金は、怪我の程度や治療期間、家事への影響などによって大きく変わります。

一般的に主婦の場合、入通院慰謝料、休業損害、後遺障害慰謝料（該当する場合）の合計が示談金となり、軽傷のケースで数十万円から、重傷や後遺障害が残る場合は数百万円以上となることもあります。

主婦特有の特徴として、家事労働に対する休業損害が認められる点が挙げられます。

2025年現在、主婦の基礎収入は日額11,492円として計算されることが多く、これは厚生労働省の賃金構造基本統計調査による女性の全年齢平均給与を基に算出された金額です。

この基礎収入をもとに、家事に支障が出た期間分の休業損害を請求できます。

 入通院慰謝料の相場

入通院慰謝料は治療期間と通院頻度によって決まります。

主婦であっても他の職業と同様の基準が適用されます。

自動車損害賠償保障法（e-Gov法令検索）に基づく自賠責基準では、1日あたり4,300円として計算されます。

弁護士基準（裁判基準）では、自賠責基準より高額な慰謝料が認められる傾向にあります。

軽傷のむちうちなどで1～6か月通院した場合、19万円～89万円程度が相場となっています。

重傷の場合はさらに高額になります。

主婦の休業損害の計算方法

主婦の休業損害は、家事労働ができなかった期間に対して支払われる補償です。

基礎収入日額11,492円を基に、実際に家事に支障が出た日数分を計算します。

この基礎収入日額は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査（賃金センサス）の女性・全年齢・学歴計の平均賃金を基準としています。

例えば、30日間家事に支障が出た場合、11,492円×30日＝344,760円となります。

家事への支障度合いが部分的な場合は、支障率を考慮して計算されます。

通院期間中の50%程度しか家事ができなかった場合は、その割合を乗じて算出されることが一般的です。

 後遺障害が残った場合の慰謝料

事故により後遺障害が認定された場合は、後遺障害慰謝料と逸失利益も請求できます。

主婦の場合、将来の家事労働能力の減少を逸失利益として算定し、基礎収入は休業損害と同様に賃金構造基本統計調査（厚生労働省）の女性労働者の平均賃金（年収約360万円）を基準に計算されます。

この基礎収入は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の女性・全年齢・学歴計の平均賃金に基づいて算定されています。

後遺障害等級14級の場合、後遺障害慰謝料は110万円程度、12級の場合は290万円程度が相場となっています。

逸失利益については等級や年齢に応じて労働能力喪失期間と喪失率が決定され、数百万円から数千万円の範囲で算定されることがあります。

後遺障害等級	後遺障害慰謝料	特徴
14級	110万円程度	軽度の後遺症
12級	290万円程度	中程度の後遺症

示談金増額のポイント

実際の示談交渉では、保険会社は自賠責基準（国土交通省）で低い金額を提示してくることが多いため、適正な補償を受けるためには交渉が重要です。

弁護士に依頼することで弁護士基準が適用され、示談金が1.5倍から2倍程度に増額されるケースも珍しくありません。

治療により家事に支障が出た具体的な状況や、家族への影響などを詳細に記録し、休業損害の根拠として提示することで、より適正な補償を受けられる可能性が高まります。

10対0の事故ってどんなもの？

10対0の事故とは、交通事故の責任が完全に一方の当事者にあり、もう一方には全く過失がないとされる事故のことです。

過失割合における「10対0」という表現は、加害者が100％の責任を負い、被害者は0％の責任という意味を表しています。

10対0事故が成立する基本条件

10対0事故が認められるには、被害者側に交通ルール違反や注意義務違反が一切存在しないことが必要です。

被害者が道路交通法（e-Gov法令検索）を遵守し、通常の注意を払って行動していたにも関わらず、加害者の一方的な過失により事故が発生した場合にのみ、この過失割合が適用されます。

例えば、わずかなスピード違反や安全確認不足があっただけでも、過失割合は9対1や8対2になる可能性があります。

10対0事故の代表的な事例

最も典型的な10対0事故は、完全に停車している車両への追突事故です。

赤信号で停止中の車や、渋滞で停車中の車に後続車が追突した場合は、ほぼ確実に10対0となります。

また、信号無視による事故も代表例の一つで、青信号で正常に進行していた車両に対し、赤信号を無視した車が衝突した場合は10対0が適用されます。

その他の事例として、センターラインオーバーによる正面衝突、駐車場内での一方的な衝突、歩行者が横断歩道を正常に歩行中に車両に衝突された場合なども10対0事故に該当する可能性が高い状況です。

これらの共通点は、被害者が交通ルールを守り、予見可能な範囲で安全に行動していたということです。

10対0が認められにくいケース

一見すると10対0に思える事故でも、実際には過失割合が修正される場合があります。

例えば、追突事故であっても、被害者が急な車線変更直後に急ブレーキを踏んだ場合や、ハザードランプを点灯せずに路肩に停車していた場合などは、被害者にも一定の過失が認められることがあります。

これらの行為は道路交通法（e-Gov法令検索）に抵触する可能性があり、過失割合の算定に影響を与える重要な要因となります。

交差点での事故では、信号の色や一時停止の有無が争点になりやすく、双方の主張が食い違うケースも多く見られます。

また、夜間の事故では、ライトの点灯状況や反射材の着用有無なども過失割合に影響を与える要因となります。

10対0事故の判断プロセス

過失割合の決定は、まず保険会社同士の示談交渉で行われますが、10対0事故の場合は加害者側の保険会社のみが交渉を担当することになります。

これは、被害者側に過失がないため、被害者側の保険会社には示談代行サービスの適用対象外となるためです。

判断基準としては、事故現場の状況、道路交通法（e-Gov法令検索）の適用、過去の判例などが総合的に検討されます。

警察による実況見分調書や目撃者の証言、ドライブレコーダーの映像なども重要な証拠となり、これらの情報を元に客観的な事実認定が行われます。

主婦の方が10対0事故の被害者となった場合、休業損害の計算方法や慰謝料の算定基準も一般的なサラリーマンとは異なる特殊な考慮が必要となるため、専門家への相談も重要な選択肢の一つとなります。

主婦の示談金の内訳と相場

10対0の交通事故で被害者となった主婦の場合、示談金は複数の項目から構成されます。

主な内訳は、治療費、入通院慰謝料、休業損害、後遺障害慰謝料、逸失利益などです。

主婦の場合、専業主婦であっても家事労働の価値が法的に認められており、休業損害や逸失利益の算定において賃金センサス（厚生労働省の賃金構造基本統計調査）の女性労働者の平均賃金を基準として計算されます。

2025年の賃金センサスによると、女性労働者の平均年収は約360万円となっており、この数値が主婦の経済的価値の基準となります。

 専業主婦の家事労働価値は、女性労働者の平均年収約360万円を基準に算定  示談金の総額は、怪我の程度、治療期間、後遺症の有無によって大きく変動します。

軽傷の場合は数十万円から100万円程度、重傷で後遺症が残る場合は数百万円から数千万円に及ぶケースもあります。

怪我の程度	示談金の目安
軽傷	数十万円～100万円程度
重傷（後遺症あり）	数百万円～数千万円

慰謝料（入通院慰謝料）の相場

入通院慰謝料は、交通事故による精神的苦痛に対する補償として支払われるもので、通院期間や入院期間に応じて算定されます。

算定基準には自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準（裁判所基準）の3つがあり、弁護士基準が最も高額になります。

自賠責基準では、国土交通省が定める基準により1日あたり4,300円が支払われ、「実際の通院日数×2」と「治療期間」のいずれか少ない方に4,300円を掛けて計算します。

例えば、3ヶ月間で30日通院した場合、60日×4,300円＝25万8,000円となります。

弁護士基準では、むちうちなどの軽傷の場合、1ヶ月通院で19万円、3ヶ月通院で53万円、6ヶ月通院で89万円程度が相場となります。

骨折などの重傷の場合は、1ヶ月で28万円、3ヶ月で73万円、6ヶ月で116万円程度となります。

通院期間	軽傷（むちうちなど）	重傷（骨折など）
1ヶ月	19万円	28万円
3ヶ月	53万円	73万円
6ヶ月	89万円	116万円

主婦の場合、家事に支障をきたすことによる精神的苦痛も考慮されるため、適切な基準での算定が重要になります。

休業損害の計算方法と相場

専業主婦であっても、家事労働は経済的価値を持つものとして法的に認められており、交通事故により家事ができなくなった期間について休業損害が支払われます。

休業損害の計算式は「基礎収入×休業日数」となります。 主婦の基礎収入は、賃金構造基本統計調査（厚生労働省）の女性労働者の平均賃金を基準とし、2025年では年収約360万円、日額約9,860円（360万円÷365日）が標準的な数値となります。

例えば、家事ができなかった期間が90日間の場合、9,860円×90日＝88万7,400円の休業損害が認められることになります。

ただし、完全に家事ができなかったのか、一部のみ支障があったのかによって、休業日数や休業の程度（100%、50%など）が調整されます。

主婦の休業損害を認めてもらうためには、家族の証言や医師の診断書など、家事に支障があったことを客観的に証明する必要があります。

後遺障害慰謝料の相場

交通事故により後遺症が残った場合、後遺障害等級が認定され、等級に応じた慰謝料が支払われます。

後遺障害等級は1級から14級まであり、1級が最も重篤で、14級が最も軽微です。

自動車損害賠償保障法（e-Gov法令検索）に基づく等級認定制度により、適正な補償が行われます。

主婦の場合、手足の機能障害や神経系統の障害により家事に支障をきたすケースが多く、こうした障害の程度や家事への具体的影響が等級認定において重要な要素となります。

例えば、手首の機能に制限が残った場合、料理や掃除などの日常的な家事動作への影響が詳細に評価されます。

ただし、家事労働への具体的影響を明確にすることで、適切な等級認定を受けることが重要です。

逸失利益の計算方法

逸失利益は、後遺障害により将来の収入能力が減少することに対する補償です。

主婦の場合も、家事労働能力の減少として逸失利益が認められます。

基礎収入は休業損害と同様に賃金構造基本統計調査（厚生労働省）の女性労働者の平均賃金（年収約360万円）を使用します。

後遺障害等級	労働能力喪失率
14級	5%
12級	14%
9級	35%
5級	79%
1級	100%

労働能力喪失率は労働者災害補償保険法施行規則（e-Gov法令検索）に基づく後遺障害等級に応じて決まります。

労働能力喪失期間は、原則として症状固定時の年齢から67歳までの期間です。

高齢になるほど家事労働能力の減少も自然であることから、年齢による調整が行われる場合もあります。

主婦の示談金を高くするためにやった方がいいこと

10対0事故において主婦が適正な示談金を獲得するためには、専業主婦であっても家事労働に対する正当な対価を受け取る権利があることを理解し、適切な準備と対応を行うことが重要です。

主婦の場合、給与明細などの明確な収入証明がないため、保険会社に家事従事者としての価値を適切に評価してもらうための戦略的な対応が必要となります。

休業損害の基準額は令和6年現在で日額11,492円と定められており、この金額を基にして通院日数や家事への影響度合いに応じて計算されます。

ただし、保険会社との交渉次第では、この基準額を上回る金額を獲得することも可能です。

家事従事者として認めてもらうポイント

保険会社に家事従事者として正当に評価してもらうためには、日常的に行っている家事の具体的な内容と範囲を明確に示すことが最も重要です。 単に「家事をしている」という曖昧な表現では、保険会社は家事従事者としての価値を低く評価する傾向があります。

具体的な家事内容を詳細に記録し、事故前と事故後の家事能力の変化を明示することで、家事労働の経済的価値を証明できます。

例えば、料理・洗濯・掃除・買い物・育児・介護など、それぞれの作業にかかる時間と頻度を記録し、事故によってどの程度制限されたかを具体的に示します。

休業損害の計算で有利になる方法

休業損害を適正に算定してもらうためには、事故による家事能力の低下を客観的に証明し、計算方法についても有利な基準を採用してもらうよう交渉することが重要です。

保険会社は通常、最も低い金額となる計算方法を提示してくるため、より有利な算定方式を主張する必要があります。

現在の主婦の休業損害は日額11,492円を基準として計算されますが、計算方法には実通院日数ベース、通院期間ベース、家事制限の程度による按分など複数の方式があります。

事故の状況や怪我の程度に応じて、最も有利となる計算方法を選択し、根拠を示して保険会社に主張することで、支払額を最大化できます。

通院期間と頻度の調整

示談金額に大きく影響する通院については、医師の指示に従いつつ、適切な期間と頻度で継続することが重要です。

過度な通院は不要な医療行為として保険会社から指摘される可能性がある一方、通院回数が少なすぎると症状が軽微であると判断され、慰謝料や休業損害の減額につながる恐れがあります。

通院の目安として、症状が改善するまでの期間は医師の判断に従い、週2～3回程度の定期的な通院を継続することが一般的です。

むちうちなどの場合、症状が長期化することも多いため、医師と相談しながら適切な治療期間を設定し、症状固定まで継続的に治療を受けることが重要です。

保険会社との示談交渉で注意すべきポイント

10対0の交通事故で被害者となった場合、相手方の保険会社との示談交渉は被害者にとって重要な場面となります。

保険会社は営利企業であり、支払う金額を可能な限り抑制しようとする傾向があるため、適切な知識を持って交渉に臨むことが不可欠です。

保険会社が提示する示談金は、通常「任意保険基準」で算定されており、これは被害者が本来受け取れる適正な賠償額より低額となるケースが多くあります。

特に主婦の場合、家事労働に対する評価が不当に低く見積もられる傾向があり、慎重な対応が求められます。

症状固定前に示談を成立させてしまうと、後から追加の治療費や後遺障害に対する賠償を求めることができなくなります。

また、自動車損害賠償保障法（e-Gov法令検索）に基づく損害賠償では、一度成立した示談の内容を後から変更することは原則として不可能です。

交渉時には、医師の診断書、治療費の領収書、休業証明書など、損害を客観的に証明できる資料を整理して準備することが重要です。

感情的な主張ではなく、具体的な根拠に基づいた交渉を行うことで、適正な賠償額の獲得につながります。

適切な準備と冷静な対応が、示談交渉を成功に導く鍵となります。

早期示談を迫られた時の対処法

保険会社から事故後早期に示談を提案された場合、その提示額は適正な賠償額を大幅に下回っている可能性が高いため、安易に応じるべきではありません。 保険会社が早期示談を提案する理由は、被害者が適正な相場を知る前に、低額で示談を成立させようとするからです。

早期示談の提案を受けた際は、まず治療の継続が必要かどうかを医師に確認することが重要です。

痛みや違和感が残っている状態で示談を成立させてしまうと、後から発生する治療費を自己負担することになります。

特にむち打ち症などの軟部組織損傷は、症状が後から悪化することもあるため、十分な治療期間を確保する必要があります。

提示された金額については、自動車損害賠償保障法（e-Gov法令検索）に基づく自賠責保険の基準と比較検討することも有効です。

自賠責保険では、入通院慰謝料として1日につき4,300円（2020年4月以降の事故）が支払われます。

これは最低基準であり、実際の慰謝料はこれを上回るのが通常です。

項目	自賠責保険基準	備考
入通院慰謝料	1日4,300円	2020年4月以降の事故
傷害部分上限	120万円	治療費・慰謝料・休業損害等含む

保険会社から「今決めてもらえれば○○万円上乗せします」といった条件付きの提案を受けても、冷静に判断することが大切です。

このような手法は心理的プレッシャーをかけて早期決着を図る常套手段です。

主婦の休業損害を低く見積もられた時の対応

主婦の休業損害については、家事労働の経済的価値が適切に評価されないケースが頻繁に発生します。

保険会社は「収入がないから休業損害は発生しない」という主張をすることがありますが、これは法的に誤った見解です。

家事労働には明確な経済的価値があり、適正な休業損害を請求する権利があります。

自賠責保険（国土交通省）基準では、主婦の休業損害は1日につき6,100円（2025年現在）として算定されます。

これは家事労働の価値を金銭評価した最低基準であり、実際の損害額はこれを上回ることも多くあります。

保険会社がこの基準を下回る提示をしてきた場合は、明確に反論する必要があります。

休業損害の算定期間については、「入院・通院日数＝休業日数」として計算されるのが原則です。

しかし、実際には通院しない日でも家事に支障が生じている場合があります。

このような場合は、医師の診断書に基づき、家事に従事できない具体的な期間を証明することで、より適正な休業損害の認定を求めることができます。

兼業主婦の場合は、パートやアルバイトの収入と主婦としての家事労働、両方の損害を合算して請求できます。

実際の収入額と主婦の休業損害基準額を比較し、高い方の金額で算定されるのが一般的です。

収入証明書と併せて、家事労働の制限について医師の所見を記載した診断書を提出することが重要です。

主婦の種類	休業損害の算定方法
専業主婦	自賠責基準（6,100円/日）または賃金センサス平均賃金
兼業主婦	実際の収入と主婦基準額の高い方

保険会社との交渉では、家事労働の具体的内容（料理、洗濯、掃除、育児、介護等）とそれが制限された期間を明確に示すことが有効です。

必要に応じて、家族の証言や日常生活状況報告書を作成し、家事労働への影響を客観的に証明することで、適正な休業損害の獲得につながります。

示談金が不満な時に相談できる場所

交通事故の示談金に不満がある場合、一人で悩まずに専門機関に相談することが重要です。

保険会社から提示された金額が適正なのか、増額の可能性があるのかを客観的に判断してもらえるため、泣き寝入りする必要はありません。

主な相談先として、日弁連交通事故相談センターがあります。

ここでは弁護士が無料で相談に応じ、必要に応じて示談あっ旋も行っています。

また、交通事故紛争処理センターでも中立的な立場からの和解あっ旋を受けることができます。

自治体の法律相談や、弁護士会が実施する無料相談も有効な選択肢です。

これらの機関を活用することで、示談金の妥当性を客観的に評価してもらい、適切な解決策を見つけることが可能になります。

特に10対0の事故で被害者となった主婦の場合、休業損害の算定方法や家事労働の価値について専門的な視点でのアドバイスが受けられます。

弁護士に相談するメリット

弁護士に相談する最大のメリットは、被害者に最も有利な弁護士基準での損害賠償額算定が期待できることです。

保険会社が提示する任意保険基準よりも高額な賠償金を獲得できる可能性が大幅に向上します。

特に主婦の場合、家事労働の価値を適正に評価してもらえるため、休業損害や逸失利益の算定で有利な結果を得られやすくなります。

弁護士法に基づき、弁護士が代理人として示談交渉を行うことで、被害者自身が保険会社との直接やり取りをする心理的負担も軽減されます。

法的な専門知識を持つ弁護士が交渉することで、保険会社も真摯に対応せざるを得なくなり、適正な賠償額での解決が期待できます。

また、後遺障害の等級認定についても、医学的知識と法的知識の両面から適切なサポートを受けられます。

 無料相談の活用方法

相談前には事故状況を整理し、診断書や事故証明書、保険会社からの示談提示書などの必要書類を準備しておくことが重要です。

具体的な損害額や治療経過を時系列で整理しておくと、より的確なアドバイスを受けることができます。

自治体が実施する法律相談も積極的に活用すべきです。

多くの市区町村では月に数回、弁護士による無料法律相談を実施しており、交通事故についても相談できます。

ただし、相談時間が限られているため、事前に質問事項を整理し、重要なポイントから相談することが効果的です。

日本弁護士連合会の無料相談も有効な選択肢です。

各地の弁護士会では定期的に無料相談会を開催しており、交通事故に詳しい弁護士に直接相談できる機会を提供しています。

複数の専門家から意見を聞くことで、自分のケースの妥当性をより客観的に判断できるようになります。

相談時には遠慮せずに疑問点を質問し、セカンドオピニオンとしても活用することが大切です。

相談先	特徴	回数制限
日弁連交通事故相談センター	交通事故専門	5回まで無料
自治体法律相談	身近で利用しやすい	自治体により異なる
弁護士会無料相談	専門弁護士に直接相談	定期開催

まとめ：10対0事故で主婦が適正な示談金をもらうために

主婦が10対0事故（完全に相手方に過失がある事故）で適正な示談金を獲得するためには、損害項目の正確な理解と適切な交渉戦略が不可欠です。

主婦の場合、有職者とは異なる特殊な計算方法が適用されるため、これらの知識を身につけることで、保険会社からの低額な提示を回避し、適正な補償を受けることができます。

主婦の示談金には、治療費、入通院慰謝料、休業損害、後遺障害慰謝料、逸失利益の5つの主要項目があります。

特に重要なのは、休業損害と逸失利益の計算において、専業主婦であっても基礎収入は休業損害と同様に賃金構造基本統計調査（厚生労働省）の女性労働者の平均賃金（年収約360万円）を使用できる点です。

これにより、“家事に従事している=収入がない”という誤った認識を正し、適正な補償を求めることが可能になります。

入通院慰謝料については、日弁連交通事故相談センターの基準（弁護士基準）を用いることで、保険会社の自賠責保険（国土交通省）基準や任意保険基準よりも高額な慰謝料を獲得できます。

例えば、3か月間の通院では、自賠責基準で約38万円、日弁連基準では約73万円と約2倍の差が生じます。

後遺障害が認定された場合は、さらに後遺障害慰謝料と逸失利益が加算されるため、適切な等級認定を受けることも重要です。

10対0事故では、被害者側の保険会社による示談代行サービスが利用できないため、多くの場合は被害者自身が相手方保険会社と交渉する必要があります。

しかし、保険会社は営利企業として低額な示談金での解決を図る傾向があるため、弁護士に依頼することで日弁連基準での交渉が可能になり、示談金額を大幅に増額できる可能性があります。

示談交渉を有利に進めるためには、事故直後からの証拠保全、医師への症状の正確な伝達、治療の継続、家事への支障の具体的な記録が重要です。

また、示談成立後は原則として追加請求ができないため、治療終了と症状固定を確認してから示談交渉に臨むべきです。

主婦特有の損害項目を理解し、適切な基準で計算された示談金を獲得することで、事故による経済的損失を適正に回復することができます。