スマホなどを使ってどこからでも手軽に商品を購入できる通信販売。購入の利便性の反面、ネットでの通販で騙されたという通販詐欺が年々増加しています。
この記事では、通販詐欺の特徴や手口、詐欺に遭ってしまったときの対応方法についてまとめています。
通販サイト詐欺の手口
被害件数の多い通販サイト詐欺の最新手口について紹介します。
偽ブランド商品
偽ブランド品の売買は、昔からよくある詐欺手口でしたが、ネットの普及によって手口が巧妙化しています。
通販サイトに掲載されている画像は、本物のブランド品の画像を使用しているため、画像だけでは偽物かどうか判断できずに購入し、商品が手元に届き確認した時にようやく騙されたことがわかるケースが多いです。
フィッシングサイト
フィッシングサイトの手口でよく見られるのは、大手通販サイトと酷似したサイトを作成し、ショッピングに訪れた人のクレジットカード情報を抜き取るものです。
詐欺サイトの中には酷似しているどころではなく、ロゴなどを無断で使用しているサイトもあるので、画面に表示されたサイトを見るだけでは判断できないことも多いため、ブラウザの上部に表示されているURLアドレスが、本物のサイトと同じかどうか確認してから支払いの手続きをすることで、被害を防ぐことができます。
決済エラー詐欺
フィッシングサイトの場合は、本物のサイトに似せた偽サイトを作成するので、本物とはURLアドレスが違うということで判断することができますが、2019年に発生したキャンセル詐欺の場合は、本物のサイトがハッキングされて、同一ドメインの中で偽のページが作成されているので、URLで判断することができません。
特徴は、支払い手続きを入力した後に決済エラーの画面が表示されることです。決済エラーの画面で、再度カード情報を入力するように促されますので、再入力するとそのクレジットカード情報が正規のサイトに送信されます。
つまり、決済エラーなどは発生しておらず、最初に入力したクレジットカード情報が詐欺師に送られてしまうのです。その後の決済により、商品の購入手続きは完了しており、商品は購入者の手元に届きますので、騙されたことに気づくのに時間がかかってしまい、中には騙されたことに全く気づかない人もいます。
代引き詐欺
通販商品の支払い方法の一つである、代金引き換えサービスを悪用した手口が代引詐欺です。
代引詐欺の手口は注文されていない商品を送りつけて、受け取った相手に代金を支払わせるという手口ですが、何故、注文していない商品の代金を代引で支払ってしまうのか?その原因は二つ挙げられます。
一つは、日常的に通販を利用するかたで、様々なサイトや支払い方法で商品を購入しているため、届いた商品が注文したものかどうかわからなくなってしまい、代金を支払ってしまうというもの。
商品によっては、配達表や外箱に商品名が記載されて、中身を見なくても確認できるものもありますが、通販業者によっては、中身の品名が記載されておらず、開封するまで商品がわからないといったものがあるため、騙された時には既に代金を支払ってしまうというケースです。
もう一つは、本人が不在の時に、同居している家の方が代金を立替して払ってしまうものです。このケースでは、子供や孫が注文した商品かと思い、代金を立て替えてしまったという高齢の方の被害が増えています。
出品者が被害に遭うケースも増えている
最近では、個人で通販サイトを運営している方も多く、フリマアプリなどで出品する方も増えていますが、出品者が詐欺に遭ってしまうケースも増えています。
キャンセル詐欺と言われるもので、その手口は、購入者に対して商品を発送した後に、購入者からクレームが届き、商品を返品したいと言ってきます。
フリマアプリなどでは、最初に購入代金を振り込んでも、購入者が届いた商品を確認してレビューを書いたり、評価をしない限り、出品者は代金が受け取ることができないので、出品者は代金を受け取ることなく、商品の返品を承諾し、返品された商品を受け取ることになります。
届いた商品を確認すると、自分が送った商品とは全く別のものが送られてきており、正規の商品だけを騙し取られてしまうという手口です。
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通販詐欺サイトの特徴は?
通販詐欺サイトに共通している特徴について説明します。
特商法の表記が不完全
通信販売サイトでは、会社名や連絡先、返品方法などの情報を特商法に従って記載しなけばなりません。詐欺サイトの場合、特商法の記載が無かったり、項目が漏れたりしていて不完全なケースが多いです。
支払い方法が選べない
一般的な通販サイトでは、商品購入時の支払い方法は、クレジットカード払い、現金振り込み、代金引換払い、後払いなど様々な支払い方法を選択できますが、詐欺サイトの多くは前払いしか受け付けていないところが多いです。
そのため、到着した商品を確認して偽物ということに気づいても、既に代金は支払ってしまったというケースがほとんどです。
振込先が個人口座になっている
個人で通販サイトを運営している方もいるので、全てが怪しいというわけではないですが、振り込み先が法人ではなく、個人の口座名義の場合は注意した方がいいと思います。
連絡先の表記がない
連絡先の表記がないのは、購入者からの返品やクレームを受け付けないためです。
連絡先の表記があっても、使われていない携帯番号を掲載していたり、使い捨てのGmailアドレスを掲載している詐欺業者も多いです。
他のサイトよりも販売価格が明らかに安い
偽ブランド商品の場合、同じブランド品を販売している他のサイトよりも、販売価格が明らかに安いという特徴があります。1~2割程度の価格差であれば、商品の仕入れルートなどによって安く販売できるかもしれませんが、通常の販売価格の半額以下といった相場よりも格段に安くなっている場合は注意してください。
通販詐欺に遭った時の対応方法
返品方法の確認
送られてきた商品が偽物であったり、明かに掲載している写真と別なものであった場合、サイト自体が最初から詐欺目的で作られたものであるかどうか確認します。
詐欺サイトでない場合でも、相手の手違いで別の商品が送られてしまったという可能性もあるので、そのような場合は商品の返品や、取り替えが可能になるからです。
しかし、連絡先の記載がなかったり、返品や交換についての記載がないなど、上記の詐欺サイトの特徴に当てはまるようならば、最初から騙すことが目的の可能性が大きいので、まずは被害を防ぐための行動を起こさなければなりません。
金融機関・カード会社への連絡
クレジットカードで支払いをしてしまった場合、不正な取引が認められたときには、カードでの支払いを停止することができるので、カードカード会社へ連絡して相手への代金支払いを止めてください。
詐欺サイトの場合、クレジットカード番号や暗証番号なども抜き取られている可能性がありますので、使用したカードは破棄して新しいカードを再発行してもらうことをおすすめします。
銀行振り込みで代金を支払ってしまったのであれば、振り込み先の金融機関に連絡をして、相手の口座を凍結してもらいます。
口座を凍結した後に、代金を返金してもらうためには、警察への被害届の提出が必要になります。被害届を提出した後に、凍結した口座に商品代金が残っていた場合は、そこから返金してもらうことができます。
警察へ告訴や被害届の提出
警察に告訴状や被害届を提出すると、状況に応じて捜査が開始されます。しかし、被害届の提出だけでは警察は捜査を行わなければならないという義務がないため、状況によっては捜査してくれないこともあります。そこで、告訴状の提出も検討したほうがいいでしょう。
また、捜査してもらって犯人が逮捕された場合、刑事事件となり相手には懲役や罰金などの刑事罰が与えられますが、逮捕された相手からお金が戻ってくることはありません。
詐欺で失ったお金を取り戻すためには?
騙されたお金を取り戻したい場合は、被害届の提出だけでなく、返金や損害賠償を求めて民事訴訟を起こすことが必要になります。
民事訴訟を起こすためには、弁護士への依頼が必要になるので、弁護士費用がかかります。問題は、返金請求が成功した場合に受取れる金額と弁護士費用のバランスです。
せっかく訴訟を起こして返金や損害賠償を受け取っても、弁護士費用よりも金額が少なければ訴訟を起こす意味がなくなってしまうので、詐欺事件について無料相談を受け付けている弁護士事務所で費用について相談してから依頼するかどうか決めることをお勧めします。
まとめ
通販詐欺の手口や特徴について説明しましたが、気をつけなければならないのは、詐欺の手口が巧妙化していることです。
実際に、2019年に初めて発生した決済エラー詐欺では、未然に騙されることを防ぐ方法がないため、被害を防ぐためには、騙された後の対応が大切になります。
最初から騙すことを狙っているサイトであれば、返品交渉に応じてくれる可能性はほぼなく、被害者からの返金請求があった場合の想定もできているため、個人で交渉しても取り返せない場合が多いでしょう。