離婚届けを提出して、ようやく新たなスタート!
どのような経緯で離婚となったのかそれぞれの理由がありますが、これから始まる新生活に向けての準備が必要になります。
ここで不安に思われることが多いのが、婚姻中に組んでいたローンなどは離婚したことによって変更が必要なのか?姓が変わってしまった場合、健康保険証や免許証などの公的書類はどのように変更すればいいのか?ということです。
離婚後に名前変更が必要なものにはどんなものがある?
離婚して姓が変わったことにより、名前の変更手続きを行わなければならないものを表にしました。一覧を見るとかなりの数の手続きが必要になりますが、名前の変更を先送りにしてしまうと、ついつい忘れてしまい、その後に不都合が出てくる可能性もありますので、離婚後の整理で大変な時期ではありますが、ここで一気に手続きを終わらせてしまった方が後々楽になります。
届け出 | 手続き場所 |
免許証 | 運転免許センター・警察署 |
自動車の登録変更 | 陸運局 |
銀行などの口座名義変更 | 金融機関窓口 |
クレジットカード | 各社のWebサイトやコールセンター |
生命保険、健保などの各種保険 | Webサイトやコールセンター |
携帯電話 | ショップ窓口、Webサイト |
パスポート | 都道府県の旅券事務所 |
運転免許証
離婚して戸籍上の姓が変わった場合、運転免許証の名前も変更する必要があります。
免許証変更は、運転免許センターや運転免許課がある警察署などで手続きができます。
名前変更の際に必要になるものは、
- 運転免許証記載事項変更届
- 現在使用している運転免許証
- 本籍(国籍)が記載された住民票
- 印鑑
- 証明写真
変更届は警察署や免許センターにありますので、事前に用意する必要はありません。手続き後1~2時間で名義が変わった免許証が発行されます。
自動車の登録変更
離婚後の財産分与で自動車を受け取った場合、車の名義が自分のものではなく配偶者のものであれば、登録者の変更をする必要があります。
ローンで車を購入した場合など、自動車の所有者がディーラーや販売会社になっている場合がありますので、車検証を確認して車の所有者が誰であるか確認してください。
その際に必要になる書類は
- 車検証
- 自動車税納付申告書
- 車庫証明証
- 譲渡証明証
- 元所有者と新所有者の印鑑証明
- 実印
気を付けなければならないのは、譲渡証明証に関してです。
譲渡証明証は陸運局のサイトからダウンロードできるので、入手するのは簡単ですが、
元所有者から新所有者に車を譲渡するという旨の書類になりますので、証明証に記入するのは元所有者である、離婚前の配偶者になります。
また、基本的に手続きは新所有者か、元所有者が行いますが、どちらも手続きに行けずに第三者に依頼する場合は、手続きに対しての委任状が必要になります。
金融機関口座の名義変更
金融機関の各支店窓口で名義変更の手続きをすることができます。姓が変わった場合は、名義変更だけではなく、届出印の変更も新しい名前への変更が必要になります。
実際、通帳やキャッシュカードなどは名義変更の手続きを行わなくても、そのまま使用することはできますが、その後に金融機関のローンを利用する時や、定期預金の解約をするときに手続きをが必要で、時間がかかりますので、早めにやっておくのがいいと思います。
クレジットカードの名義変更
通帳やキャッシュカードと同様にクレジットカードも、名義変更しなくても使うことはできますが、家族会員で引き落とし口座が元配偶者の口座になっているような場合は、相手が解約を行ったら使えなくなってしまいます。
また、離婚後も相手の口座から利用代金が引き落とされるようなことになるとトラブルの原因になるので、家族会員のカードの場合は一度解約して、新しいクレジットカードを作る必要があります。
紛失時や、トラブルに遭ったときにクレジットカードの名前表記と離婚後の名前が違っている場合は、思わぬ手間がかかる可能性がありますので、やはり離婚後に姓が変わった場合は名義変更を行っておいた方がいいです。
健康保険や生命・医療保険の各名義変更
健康保険で世帯主が元配偶者の場合は、新たに健康保険に加入する必要があります。
離婚した後に仕事をするのであれば、勤務先にその旨を話し、国民社会保険への加入手続きをしてもらうことができるので、勤務先に問い合わせてみましょう。離婚後に仕事に就く予定がなかったり、勤務先で健康保険に加入しないという場合は、市役所、町役場などの自治体に転入・転出届を提出することにより、新たに国民健康保険に加入する必要があります。
生命保険や学資保険などの各種保険については、契約者と受取人の変更を行うか、解約して新しい保険に加入するかの選択が必要です。
せっかく今まで加入していたのに、途中解約をしてしまうと損をしてしまうことになるので、契約者と受取人を変更して継続するのをおすすめします。
契約者が元配偶者の場合は、自分に契約者を変更し、受取人は子供がいる場合は子供に、子供がいない場合は自分の親を受け取り人に変更します。
生命保険や学資保険の名義変更手続きもオンラインで行えるところが多いので、それほど手間はかからないと思いますので、早めに手続きを完了させておきましょう。
携帯電話の名義変更
契約者が元配偶者でも離婚した後に、今まで通りに携帯電話を使用したいのであれば、携帯電話の名義を変更する必要があります。この時に注意する必要があるのは、契約者が元配偶者である場合、名義変更の手続きを行えるのは契約者である元配偶者ということです。
名義変更の手続きを行ってもらえない場合は、自分で手続きを行いますが、手続きには委任状が必要になります。
現在は、携帯電話を解約して新たに契約し直しても、ナンバーポータビリティで今までの電話番号と変わりなく使えるため、解約しての再契約もそれほど不都合なことはないと思いますので、面倒な手続きになりそうな場合は一度解約するという方法もおススメです。
ただ、携帯会社によっては長期間の契約による割引などもあるので、今までよりも料金が高くなる可能性もあります。
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パスポート
「氏名・本籍・性別・生年月日」に変更があった場合は、パスポートの記載事項の変更手続きを行う必要があります。
パスポートの変更手続きは2通りあります。
■現在所有しているパスポートの有効期限を延長して記載事項変更旅券を発給申請する方法です。
どちらの方法も各都道府県の旅券事務所で手続きできますが、申請してから手続きが完了するまで時間がかかりますので、使う必要のない時期に早めに申請を行い、新しい姓のパスポートを手に入れるか、変更の手続きを完了しておいた方がいいでしょう。
離婚したら支払い中のローンは名義変更が必要?
婚姻中に組んだローンの中でも、離婚後に問題になってくることが多いのが住宅ローンです。金融機関からの融資金額も大きく、離婚の時期によっては、まだ長期に渡る支払いが残っている場合があります。
所有名義とローン名義の変更が必要
車や住宅などには、所有者が登録されているので、離婚時の財産分与によって財産として譲り受けたのであれば、所有者名義を自分の名義に変更することは可能です。
しかし、返済中のローンがある場合、所有者名義の他に、ローン名義があります。
ローンの支払いがある場合は、所有者名義だけではなくローンの名義も変更する必要があります。
ローンの名義が誰になっているか確認
住宅ローンなどの名義が自分や元配偶者の単独名義になっているのか?二人の共有名義となっているのか確認することが必要です。
財産分与で住宅を譲り受けて、ローンの名義が自分単独になっている場合は問題ありませんが、自分ではなく、配偶者のローン名義だった場合、金融会社に連絡をして、ローンの名義を変更する必要があります。
しかしながら金融会社では、住宅ローンを完済するまで名義変更を了承しないのが実情です。住宅ローン簡裁後は他方配偶者名義にするなどの条件を離婚する前に設けておくのも方法の一つですが、登記を移転する権利にも時効があるため、放置しておくことはできません。
名義変更が可能となった場合には、金融会社との協議により再契約などの方法になるかと思いますが、元配偶者よりも収入が低い場合は、審査が通らない可能性があり、単独名義で審査が通らないのであれば、残高を一括で返済するか、新たに契約する名義人に保証人を加えることなどを指示されることになります。
ローンが夫婦の共有名義であった場合も同様です。ローンの融資をした際は、夫婦合算の収入で融資が可能と判断されていたのに、単独で支払いをするとなると、融資は不可能と判断される場合があるからです。
住宅の所有名義だけ変更して、共有名義はそのままにして支払いを続けることも可能ですが、自分が所有していない家の返済義務を完済まで背負うことになるので、ローンの返済が滞ったら、家に住んでいなくても督促が来ます。そして支払いを放置しておくと差押えの強制措置がとられる可能性があります。
まとめ
離婚届けを出した後にも、様々な手続きが必要なことがおわかりいただけたかと思います。
離婚は思っている以上にエネルギーを使うものですが、ここで一気に手続きをしておかないと、そのまま放置して忘れてしまう可能性があります。
名義変更を忘れていると、必要な時に不都合が出る可能性がありますので、面倒でも、離婚してからなるべく早めに手続きの完了をしておくことをおすすめします。
また、住宅ローンなど高額なローンの名義変更については、慎重な判断と手続きが必要になります。財産分与で住宅を手に入れたとしても、ローン支払い中の物件であるならば、果たして受け取る方が得になるのか?
自分だけで判断するのはとても難しいことだと思います。
法律知識が全くない方にも、わかりやすく解決方法をアドバイスするよう心がけておりますので、1人で悩むのではなく、一度無料法律相談をしてみてください。