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離婚の件数は年々減少傾向にあると言われますが、その理由は婚姻件数が減少しているためであり、一度婚姻した二人が離婚してしまう離婚率については、相変わらず高い数値を示しています。

自由な生き方を選択するために離婚をするということは一概に悪いものとは言えませんしかし、離婚によって大きな問題が生じているものがあります。

それが、子供の養育費の不払い問題戸籍の問題です。

養育費に関しては、不払いになってしまうケースが目立ち、昨年は兵庫県明石市が養育費の不払い問題について条例を制定しようと動いたことが話題になりました。

この記事では、養育費はどのように支払うものなのか?相場はいくらくらいか?
離婚した後に、子供の名字や戸籍を変える方法についてまとめたものになります。

そもそも養育費とはどんなものか?

養育費は元夫から妻へ支払われるものだと考えている人もいますが、それは違います。

非監護親から監護親に対して、子供の養育費用として支払われるのが養育費になりますので、離婚して男性が親権者になった場合、元妻との年収の割合にもよりますが、女性側に養育費の支払い義務が発生することもあります。

養育費は何につかうものか?

養育費の相場を算定するにあたって、いったい何に使われるものなのかを考えなければいけません。一般的な使途としては、子供の食費、学費や塾などの教育費、洋服などの被服費、子供の医療保険や生命保険などの掛け金も養育費の使途にあたります。

実際、養育費の支払い義務者が、養育費の使途について確認することは不可能ですが、どのような使途で養育費が必要になるかということも金額算定の目安となります。

養育費はいつまで払わなければならないのか?

養育費は未成熟子の育成にかかる費用を、両親で分担して支払うものなので、子供が成人に達するまで支払い続けるというのが一般的な考え方です。

しかし、最近では子供が大学まで進学することが多くなり、成人までの支払いでは、その後の大学在学中の就学費用を支払うことが難しくなるため、両者の協議によって大学卒業時まで養育費の支払いを続けるケースが増えています。

また、逆の例として高校卒業して進学せずに働くという条件で、18歳の高校卒業時まで養育費の支払いを行うというケースもあります。

養育費の相場は?

平成28年度に発表された厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果」によると、養育費の額を取り決めをしている世帯の平均は

・母子家庭   4万3,707円
・父子家庭   3万2,550円

となっています。養育費の算定は支払う側の年収がベースになって計算されます。

父子家庭の方が母子家庭に比べて養育費が少なくなっているのは、非監護親の男性の方が年収が高い人が多いからということだけではなく、受け取る側の女性の年収が低いというのも理由の一つになっています。

上記の養育費は子供が1人の場合の相場になりますが、養育費を必要とする子供が複数いる場合、当然、養育費の支払い金額は増えますが、子供の人数が2人、3人だからといって金額自体が2倍、3倍に上がるわけではありません。

裁判所が公表している養育費算定表によると、
例えば、養育費支払義務者である元夫が年収400万円(給与所得者)、養育費請求権者の元妻の年収が350万円(給与所得者)で子供(5歳)1人であれば2~4万円なるのに対し、子供が二人(2歳と5歳)いる場合でも2~4万円となるので、子供の数が増えたとしても必ずしも増額になるとは限りません。

POINT
子供の数が増えたとしても必ずしも増額になるわけではない!

ただし、あくまでも上記数値は参考ですので、個別具体的な事情により金額が増減することは十分にありえます。

養育費の支払い方法

養育費の支払い方法で多いのは、養育費を受ける子供の名義で通帳を作り、毎月振込みで支払う方法ですが、支払い方法については特に決められたルールはないため、両者の話し合いにより、年払や一括払いなどの支払い方法を選択することも可能です。

子供の戸籍や苗字を変更する手順

離婚後、子供に対しての親権が女性にあった場合でも、家庭裁判所での手続きをしない限り子供の名字や戸籍は元夫の名字のままになります。

子供の戸籍を変更する場合の流れについて説明します。

子供の戸籍は夫の戸籍から抜かれない

離婚届けを提出すると、妻の戸籍は夫の戸籍から結婚前の戸籍に戻ることになりますが、子供の場合は、離婚が成立して親権を母親が持っている場合でも戸籍は変わりません。なぜなら、母親の名字が旧姓に戻り、子供が父親の名字のままなので、母親の戸籍に入れないからです(戸籍法18条2項)。

元夫の戸籍から外すためには、自分を戸籍筆頭者にした新しい戸籍を作り、子供を戸籍に入れる必要があります。

新しい戸籍を作る

新しい戸籍を作る時には特に手続きは必要ありません。離婚届の記入の際に「婚姻前の氏に戻る者の本籍」の欄で、新しい戸籍を作るにチェックを入れて、本籍地を記入するだけです。

本籍地は日本国内であれば、どの場所で設定しても構いませんが、後の利便性を考えると実際に使用している住所で設定した方がいいと思います。

子供の名字変更の手続きを行う

子供の戸籍と名字を変更する手続きは、名字を変更する子供の住所地にある裁判所に申し立てを行います。

子供の名字変更申し立て時に必要なもの

・申立書(裁判所のサイトからダウンロードで取得可能)
・子供の戸籍謄本(全事項証明書)
・父・母の戸籍謄本(全部事項証明書)(父母の離婚の場合,離婚の記載のあるもの)
・収入印紙(子1人につき800円分)
・連絡用の郵送用切手

離婚してから上記手続きを行っていない場合であれば、子供の戸籍謄本は父親の戸籍謄本を取得すれば一緒に受け取ることができます。また、戸籍謄本は全部事項証明書のものでなければ受け付けてもらえません。

また、名字変更の申し立てを行う子供が複数の場合、印紙の数が変わってきますので、確認してください。

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子供の戸籍を入れる手続き

子供の名字の変更が完了したら、あなたの新しい戸籍に子供を入籍する手続きを行います。入籍手続きは子供の本籍地または親権者の住民登録地がある自治体の役所になります。

手続きに必要なもの

・入籍届 1通
・届出人の印鑑(子供が15歳未満の場合は親の印鑑)
・「家庭裁判所」で発行された許可審判書の謄本 1通
・子供の戸籍全部事項証明書(謄本)
・子供が入籍する親の戸籍全部事項証明書(謄本)

子供の戸籍を変更する時の注意点

上記で説明したように、子供の戸籍を変更するためには、まず名字を変えてから、新しく作った母親の戸籍に入籍させる必要があります。

許可が下りないことは、ほぼありませんし、自治体や裁判所に足を運ばなければなりませんが、それほど大変な作業ではないと思います(東京家庭裁判所では親権者が来て手続きをすると、1~2時間程度で手続きが終了します)。

しかし、上記のような手続きを行うことはリスクがある場合もあります。

前夫に住所を知られずに名字と戸籍を変更したい場合

DVなどが原因で、夫から逃げるように離婚したようなケースでは、離婚後に住んでいる場所を夫に知られたくないと思う女性も多いです。どこから住所を知られてしまうかわからないのであらゆる可能性を想定して相手に住所を知られないようにする必要があります。

離婚届を提出する際には、以前の戸籍に戻るか新しい戸籍を作成するか選択することができますが、新しい戸籍の作成を選択した場合、元の戸籍に移動先として新しい住所や本籍が掲載されてしまうため、現在の住所を本籍地にはしないことをおすすめします。

離婚しても名字は変更せずに戸籍だけ変更する場合

最近では、離婚をした後も婚姻前の旧姓に戻すことなく、婚姻後の名前を名乗りたいと希望する女性も増えてきています。

元夫と同じ名字で戸籍から抜けたり新しい戸籍を作ることは可能ですが、何も手続きがなければ戸籍上の名前などは、旧姓に戻ってしまいますので、離婚してから3ヵ月以内に「婚氏続称の届」を提出する必要があります。

POINT
手続きをしない場合は戸籍上の名前などは、旧姓に戻ってしまう。

まとめ

兵庫県明石市で養育費の不払いに対して条例で罰則を設けるという報道には驚いた人もいると思いますが、実際、現在の養育費不払い問題では、完全に払わない人の逃げ得となっており、養育費を支払わなくても強制的に徴収する手段はありません(調停や裁判で養育費を取り決めた場合、民事執行法による強制執行を行うことは可能ですが、相手の財産を把握するのはとても大変なことです)。

民事執行法の改正により、不払い者の使用している口座を持つ金融機関に対して、口座の情報開示するように命令できるようになります。今までは、相手の勤務先や住所がわからずに、支払わずに逃げることが可能でしたが、法改正により、給与の差し押さえも可能になるということで、養育費の不払い問題も少しは減少するのではないかと期待されています(令和2年4月1日施行予定です)。

前述したように、養育費について主だったルールが定められておらず、両者の協議に任されていることが現実です。つまり、最初の取り決めによってその後十数年間の生活が決まるということになります。

養育費は、親権者の年収と非監護者の親の年収のバランスによって支払い金額が決まりますが、交渉によって受け取れる金額は相当変わってきます。

月々の支払い金額が数千円と微々たるものであっても、十数年間の累積を考えるとかなり大きな差額になってしまいます。有利な交渉をすすめて、養育費を少しでも多く受け取るために、一度弁護士の無料相談を利用してみてください。

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