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過払い金請求をする場合には、その金額や支払日などについて、貸金業者と交渉をする必要があります。この場合、少しでも減額しようと交渉してくる貸金業者が多く、交渉だけで過払い金の全額を取り戻すことは難しくなっています。

そのため、過払い金の全額を取り戻すためには、裁判を起こさなければなりません。
また、過払い金請求の時効が迫っているようなときには、早急に裁判を起こすなどして、時効を中断する必要があります。

そこで今回は、過払い金請求の裁判の流れや過払い金請求の時効について、解説していきます。

この記事で学べること

  • 過払い金請求で裁判をした場合の流れがわかる
  • 過払い金の訴訟にかかる時間と費用の流れがわかる
  • 過払い金訴訟に必要なものがわかる

1 過払い金請求で裁判をした場合の流れ

過払い金請求は、先に見たように、債権者との交渉が必要となることに加え、裁判にまで発展する可能性もあるため、弁護士などの専門家に依頼することが一般的になっています。

以下では、裁判により過払い金を請求する場合に、過払い金が返還されるまでの流れを見ていきます。

(1)弁護士に依頼する

過払い金請求について、弁護士に相談・依頼をします。
依頼を受けた弁護士は、貸金業者に受任通知を発送し、依頼者との取引履歴の開示を請求します。
貸金業者から取引履歴が開示されると、取引履歴に基づき引き直し計算を行い、具体的な過払い金額を算出します。

(2)裁判を起こす

引き直し計算により、具体的な過払い金額が算出されると、弁護士は「訴状」という書面を作成します。
ここでいう「訴状」とは、過払い金の請求額や過払い金が発生した原因などを記載した書面のことをいいます。
弁護士は、作成した訴状を裁判所に提出することにより、過払い金請求の裁判を起こします。

(3)期日の指定・裁判

裁判所に訴状を提出すると、後日、裁判所から第1回目の期日(裁判が開かれる日)の連絡が弁護士の事務所に入ります。訴状を提出して第1回目の期日が入るまでには、およそ1か月~2か月程度かかることが多いです。

裁判所で開かれる期日には、代理人である弁護士が出廷することになるため、依頼者である本人が出頭する必要はありません。

その後、何度期日を重ねるかはケースバイケースであり、短期間で結審することもあれば、何度も期日を重ねることになることもあります。期日を重ねる場合、裁判はおよそ月に1回程度のペースで開かれます。

なお、過払い金請求事件については、特に争点がなければ、第2回目の期日で結審されることが多いようです。

以上のような期日の過程において、貸金業者は、自社の言い分をまとめた「答弁書」や「準備書面」を提出してきます。これに対し、弁護士も「準備書面」で反論していくことになります。裁判所は、双方から提出された書面や証拠などに基づいて、最終的な判断を下します。

なお、裁判を起こした場合に、裁判所が「判決」を言い渡すわけでなく、「和解」で終結する場合もあります。
また、判決が言い渡された場合であっても、貸金業者が判決の内容に不服があるとして「控訴」をしてくる可能性もあります。その場合、事件は終結せずに、再び控訴審で審理されることになりますので、その分、時間もかかることになります。

(4)過払い金の返還

「和解」により裁判が終結した場合には、裁判所により和解調書が作成されます。

ここでいう「和解調書」とは、返還される過払い金の額や支払日、支払口座といった支払条件などが記載されている書面のことをいいます。
和解が成立し、和解調書が作成された場合には、和解調書に記載されている支払条件のとおりに過払い金が返還されることになります。

他方で、「判決」が言い渡された場合には、裁判所により「判決書」が作成されますが、判決書には、和解調書のようにには記載される支払日が記載されません。

そのため、この場合は、貸金業者が任意に決めた時期に過払い金が返還されることになります。

なお、弁護士に過払い請求事件を依頼した場合には、支払口座として、代理人である弁護士名義の口座を指定することが一般的であるため、過払い金はいったん代理人の弁護士の口座に振り込まれます。

以上のように、過払い請求を弁護士に依頼した場合には、基本的にすべて弁護士が対応してくれます。また、和解をするかどうかの局面では、直接依頼者と協議をするなどして、依頼者にとって有利となるよう裁判を進めてくれます。

当然のことですが、過払い請求を自分で対応する場合には、以上のことをすべて自分で対応が必要で、普通に仕事をしているような方にとっては、裁判期日に出頭することすら難しいといえるでしょう(裁判期日は、平日の日中にのみ開かれます)。

2 過払い金の訴訟にかかる時間と費用

過払い金を請求する旨の訴訟を起こす際には、裁判が終結するまでに一定の時間がかかること、訴訟を提起するための費用がかかること、という2点を念頭に置いておく必要があります。

(1)訴訟から解決までの平均期間

先に見たように、裁判所に訴状を提出してから、第1回目の期日が入るまでには、およそ1か月~2か月程度の時間がかかり、その後は、月に1回のペースで期日が開かれることになります。

訴訟から解決までにかかる期間はケースバイケースですが、特に争点もないような場合は、第2回目の期日で結審されることが一般的であるため、その場合は、訴訟から解決までには、およそ3か月~4か月の期間がかかることになります。

しかし、争点があり、双方が一歩も譲らないような姿勢で裁判が推移すると、解決までには多くの時間を費やすこととなり、実際に、1年以上の時間を費やしたケースもあります。

また、敗訴原因に関係なく、控訴をしてくる貸金業者も存在します。その場合は、解決までの時間がどうしても長くなってしまいます。

このように、訴訟から解決までの時間はケースバイケースであるため、一概に平均的な時間というものはありませんが、特に争点もなく控訴もされなければ、3か月~4か月程度で解決するものと考えておいてよいでしょう。

(2)裁判の費用

裁判を起こすためには、主に次の費用がかかります。
①収入印紙代
裁判を起こす際には、裁判所に提出する訴状に収入印紙を貼る必要があります。
貼らなければならない収入印紙の具体的な額は、「訴額(請求する過払い金額)」に応じて変わります。
たとえば、訴額が30万円の場合は3,000円訴額が100万円の場合は1万円といったように、訴額が大きくなるにつれて、貼付する収入印紙代も高くなります。

②予納郵券
裁判所は、原告から提出された訴状(副本)を貸金業者に郵送します。また、その後も必要に応じて、事件の当事者に書類等を郵送することになります。
そのため、送達などにかかる郵便切手を裁判所に予納しておかなければなりません。

裁判所によって予納額に違いがあるものの、6,000円~7,000円であることが多く、被告の数が増えると、それに伴い、予納額が加算されます。

なお、裁判が終結した後、予納郵券が余っていれば、その郵券は本人に返還されます。

③その他実費
貸金業者を被告として裁判を起こす場合、貸金業者に係る会社謄本を提出する必要があります。そのため、貸金業者に係る会社謄本を取得するための手数料が600円かかります。

④弁護士が出廷する際の交通費
裁判が開かれる期日には、代理人である弁護士が出廷しますので、出廷するために使った交通費がかかります。

このように、過払い金請求をするための裁判にかかる費用は、訴額があまりに大きくない限りは1万円~2万円程度で収まります。
もっとも、弁護士に依頼する場合には、これとは別に弁護士費用がかかるため、過払い金の額によっては、費用倒れになってしまう可能性もあります。

なお、費用倒れになるおそれがある場合には、裁判を起こす前に、弁護士からその旨ご説明いたしますので、ご安心ください。

3 過払い金返還請求の時効は?

過払い金返還請求権には、「10年」という消滅時効があります。

具体的には、貸金業者との最後の取引(借入・返済)から10年が経過してしまうと、消滅時効が成立し、貸金業者が消滅時効について援用すると、それ以降過払い金の返還を請求することができなくなります。

そのため、貸金業者との最後の取引時期がすぐに思い出せないくらい以前である方は、貸金業者から取引履歴を取り寄せるなどして、最後の取引時期を確認する必要があります。

消滅時効が成立する時期が迫っている方は、消滅時効を中断(阻止)することが必要になってきます。消滅時効を中断(阻止)する方法としては、「裁判上の請求」「催告」などが挙げられますが、数日内に消滅時効の成立が迫っているような方は、裁判を起こすだけの時間がないため、ひとまずは、貸金業者に対し「催告」を行うことが必要です。

「催告」を行えば、そこから6ヶ月以内に裁判を起こすことで消滅時効を中断(阻止)することができます。

4 過払い金訴訟に必要なもの

過払い金訴訟を起こす際には、以下の書類を揃える必要があります。

(1)訴状

先に見たように、裁判を起こすためには「訴状」を提出する必要があるため、原告・被告の名前や住所、請求する過払い金額、そして、過払い金が発生した原因などを記載した訴状を作成する必要があります。
もっとも、弁護士に依頼している場合には、弁護士が訴状を作成してくれます。

(2)貸金業者との取引履歴

「取引履歴」は、過払い金の具体的な額を算出するための基となっているものです。
先に見たように、弁護士に依頼している場合には、弁護士が貸金業者から取引履歴を取り寄せてくれます。

(3)引き直し計算書

取引履歴を基に行った引き直し計算書を準備する必要があります。
引き直し計算書は、貸金業者に請求する過払い金額の根拠となるものです。
もっとも、弁護士に依頼している場合には、弁護士が引き直し計算書を作成してくれます。

(4)貸金業者の会社謄本

先に見たように、被告となる貸金業者の会社謄本を準備する必要があります。
このように、過払い金訴訟を起こす際には、訴状を始め、揃えなければならない書類がいくつかあります。
過払い金請求の事例に慣れている弁護士であれば、訴状の作成をはじめ、特に難しい内容ではありませんが、個人が自分で対応するとなると、多くの手間と時間がかかります

弁護士に依頼すれば、これらのことをすべて巻き取ってくれるため、早期に裁判を起こすことが可能になります。
当事務所は相談料無料となっていますので、まずは、当事務所にご相談頂くことをお勧めします。

5 過払い金の裁判で争点となる項目は?

過払い金の裁判では、これまでにも多くの争点について、原告と被告が鎬を削ってきました。もっとも、これらの争点の中には、その後、裁判所が一定の判断を示したことにより、争点でなくなったものもあります。
以下では、現在の過払い金の裁判における代表的な争点について見ていきます。

(1)悪意の受益者性

「悪意の受益者」とは、不当であると認識しながら、法律上の原因なくして他人から利益を得た者のことをいいます。悪意の受益者は、受けた利益に年5%の利息を付して返還する必要があります。
過払い金の裁判では、過払い金に相当する「払い過ぎた利息」について、貸金業者が悪意の受益者にあたるかどうかが争われることが多いといえます。

(2)取引の数

同じ貸金業者との間で複数の取引がある場合に、各取引について別個に引き直し計算をするか、もしくは、一つの取引として引き直し計算をするかということが争点になります。
別個に計算するよりも一つの取引として計算する方が過払い金の額が大きくなることが多いため、原告・被告間で争われることが多いといえるでしょう。

6 まとめ

過払い金の裁判は、自分で対応することも可能ですが、訴状の作成や書類の収集など、裁判を起こすための事前準備は大変です。また、消滅時効が迫っている場合には、適切な対応を取ることが求められます。

裁判を起こした後も、期日に出廷する必要があるうえ、裁判の中で自分に有利となるよう貸金業者と交渉を進めていかなければならず、いまだ裁判所が明確な判断を示していない争点もあります。
まずは、相談料無料の当事務所にご相談頂くことをお勧めします。

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