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任意整理を専門家に依頼する場合、弁護士もしくは司法書士のどちらに依頼しようか、と迷う方もいらっしゃると思います。

弁護士・司法書士であれば、いずれにも任意整理を依頼することはできますが、両者には任意整理業務として扱える範囲や費用などに違いがあります。

そのため、自分の状況に合った専門家を選び、依頼することが大切になってきます。

そこで今回は、任意整理を弁護士・司法書士に依頼した場合の違いについて解説していきます。

1 任意整理とは?

「任意整理」とは、借金の返済に行き詰った債務者が、債権者との間で将来利息のカット・支払方法などを直接交渉する手続きのことをいいます。

個人再生とは異なり、任意整理では元本を減額できる可能性が低いため、債権者との交渉は主に、将来利息のカットと長期(およそ4年~5年)での分割払いを認めてもらえるかどうかという点に集約されることが多いといえます。

弁護士(司法書士)に任意整理を依頼した場合、弁護士(司法書士)は、始めに各債権者に対し「受任通知」を送ります。

ここでいう「受任通知」とは、弁護士(司法書士)が債務者の代理人として、任意整理業務を開始する旨の通知のことをいいます。

受任通知を受領した債権者は、債務者の代理人である弁護士(司法書士)と直接交渉を開始することになりますが、そのためにまず始めに債務者との取引履歴を弁護士(司法書士)に開示します。

また、これを機に、債権者は債務者に直接連絡を取ることを停止しますので、債務者が直接債権者から借金の支払いの催促を受けることもなくなります。

債権者から取引履歴の開示を受けた弁護士(司法書士)は、その取引履歴に基づいて、利息制限法が定める利率に引き直し計算をします。

その結果、利息の支払いが超過していれば、その超過分だけ借金を減額でき(現状では、このような減額はさほど見込めません。)、さらに、元本を完済しているうえ、利息の支払いが超過していれば、債務者は債権者に対し、その超過分を返還するよう請求(いわゆる「過払い金請求」)することができます。

交渉の結果、具体的な支払額や支払方法について債権者との間に合意が成立すれば、その内容をまとめた和解書を両者間で締結し、債務者は和解書に従って支払いを開始します。

2 「弁護士」「司法書士」とは?

「弁護士」「司法書士」と聞くと、みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
「弁護士」に関しては、ドラマの題材として取り上げられることも多いため、ある程度のイメージをお持ちの方が多いのではないかと思います。

その反面、「司法書士」に関しては、ドラマの題材として取り上げられることもさほどは多くないため、名称を知っている程度で、具体的にどのような業務を行っているのかを知らない方も多くいらっしゃると思います。

(1)「弁護士」とは?

「弁護士」とは、司法試験に合格して司法修習の課程を終え、日本弁護士連合会に備えられている弁護士名簿に登録された人のことをいいます。

弁護士には、広い範囲で業務を行う権限が与えられており、たとえば、法律相談を実施することで相談者に法的なアドバイスを行ったり、債務者の代理人として債務整理を行ったり、さらには、依頼者からの委任に基づき、依頼者の代理人として裁判を起こすことも可能です。

(2)「司法書士」とは?

「司法書士」とは、司法書士試験に合格し、司法書士会に備えられている名簿に登録された人のことをいいます。

司法書士が扱うことの許されている業務は、弁護士のように幅広くはありませんが、たとえば、不動産・会社の登記手続き供託の手続き、法務局などに提出する書類の作成代行などが代表的な業務といえます。

しかし、弁護士とは異なり、依頼者の代理人として裁判を起こすことは原則としてできません

このように、弁護士と司法書士の間には、扱うことのできる業務に違いがあるということを理解しておきましょう。

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3 任意整理と司法書士

以前は、弁護士のみが、債務者の代理人として任意整理をすることができましたが、2003年の法改正により、法務省により認定を受けた司法書士(「簡裁訴訟代理等関係業務認定司法書士」といいます。)であれば、依頼者の代理人として任意整理をできるようになりました。

また、認定司法書士は、簡易裁判所が扱うこととされている事件に限り、依頼者の代理人として訴訟行為を行うこともできます。
しかし、以下の3つのケースでは、任意整理を司法書士に依頼することはできません。

(1)借金の額が140万円を超えている場合

司法書士が債務者の代理人として任意整理をできるのは、140万円以下の債権をもつ債権者に限られています。
たとえば、債務者がA社(借金額:120万円)とB社(借金額:80万円)の2社を対象として、司法書士に任意整理を依頼することは問題なく可能です。

しかし、たとえば、A社の借金額:150万円、B社の借金額:50万円である場合には、B社について任意整理を行うことはできますが、A社に関しては、借金の額が140万円を超えているため、司法書士にA社の任意整理を依頼することはできません。

このように、「借金の額が140万円を超えている場合」とは、借金額の合計を意味するのではなく、1社あたりを基準とした借金額ということになります。

(2)過払金の額が140万円を超えている場合

借金の額と同様に、過払金の額が1社あたり140万円を超えている場合には、過払金の返還請求を内容とする事件を司法書士に依頼することはできません。

とはいえ、任意整理を司法書士に依頼する時点において、過払金が発生していることや過払金の具体的な金額が判明しているケースはさほど多くありません。
そのため、過払金の額が140万円を超える債権者がいるかどうかの判断が困難である場合には、最初から弁護士に相談した方が無難だといえます。

(3)地方裁判所に事件が係属している場合

司法書士が債務者の代理人として訴訟行為を行うことができるのは、簡易裁判所で扱う事件に限られています。ここでいう「簡易裁判所で扱う事件」とは、請求する・される金額が140万円以下の事件のことを指します。

たとえば、債権者が債務者に対し、借金(金額:200万円)の支払いを請求するために裁判を起こした場合、実際に審理するのは簡易裁判所ではなく地方裁判所です。
そのため、債務者は司法書士にこの事件を依頼することはできません。

しかし、上の例において債権者による請求額が100万円である場合には、簡易裁判所が事件を扱うことになるため、司法書士に依頼することが可能ですが、簡易裁判所の判断に不服があるとしていずれかが控訴した場合、控訴審を審理する裁判所は地方裁判所になります。

そのため、控訴審については、司法書士に依頼できなくなり、引き続き、代理人を立てるのであれば、新たに弁護士を探すしかありません。

このように、司法書士への依頼が可能な事件は、あくまで簡易裁判所が扱う事件に限られているため、司法書士への依頼を検討する場合には、請求する・される金額に加え、控訴の可能性も考慮したうえで、司法書士に依頼するかどうかを慎重に判断する必要があります。

4 任意整理を依頼する場合の費用は?

弁護士(司法書士)に任意整理を依頼する場合、弁護士(司法書士)に支払わなければならない費用が発生します。

現状では、弁護士と司法書士の双方において、任意整理にかかる費用について明確な基準は存在しないため、依頼する弁護士・司法書士によって、費用が発生するタイミングやそのの額に違いがあります。

一般的に、弁護士(司法書士)に任意整理を依頼する場合に必要となる費用は、大きく分けて、着手金と報酬金の2つに分かれますが、このほかにも、任意整理業務にかかる実費や法律相談料が必要となる法律事務所(司法書士事務所)もあります。

(1)着手金

「着手金」とは、弁護士(司法書士)に任意整理を依頼してすぐに支払う必要のある費用のことをいいます。弁護士(司法書士)は、債務者から着手金を支払ってもらってはじめて、任意整理業務を開始するのが一般的です。

着手金の相場は、1社につき2万円~5万円(税別)であることが多いといえます。

(2)報酬金

「報酬金」とは、任意整理の成功の程度に応じて支払う必要のある費用です。

報酬金には、いくつかの種類があり、代表的なものに、基本報酬と減額報酬、そして、過払金を回収した際の報酬などがあります。
「基本報酬」とは、任意整理により借金を減額できたかどうかを問わず、債権者と和解が成立したことに対する報酬金のことをいいます。

「減額報酬」とは、任意整理により借金をいくらかでも減額できた場合に、その減額分に対する報酬金のことをいいます。
「過払金を回収した際の報酬」とは、債権者から過払金を回収できたことに対する報酬金のことをいいます。

報酬金の相場は、基本報酬が1社につき2万円~5万円(税別)、減額報酬は減額分の10%程度、そして、過払金を回収した際の報酬は、回収した過払金の20%程度となっています。

(3)その他

着手金と報酬金のほかに、実費が必要となる法律事務所(司法書士事務所)もありますが、ここでいう「実費」とは、主に、債権者との書面(受任通知や和解書など)のやり取りにかかる郵便代のことを指します。

実費に関しては、相場というものはなく、任意整理の対象となる債権者数に応じて金額が変動します。
また、最初に弁護士・司法書士に相談する際に、法律相談料がかかる事務所もあります。

法律相談料の相場は、30分あたり5,000円程度(税別)であることが多いです。

このように、弁護士(司法書士)に任意整理を依頼するためには、少なくとも、弁護士(司法書士)に依頼してすぐに支払う「着手金」、任意整理を終えた段階で支払う「報酬金」が必要になります。

任意整理をしようとする債権者数が増えるにつれて、着手金や報酬金の額も高くなります。

5 任意整理を弁護士(司法書士)に依頼する場合の注意点

任意整理を弁護士(司法書士)に依頼する場合には、あらかじめ以下の点を確認したうえで、自分の状況に合った専門家を選ぶことが大切です。

(1)借金の状況

先に見たように、司法書士に任意整理を依頼する場合には、借金の額と過払金の額の双方について「140万円」という制約がかかってきます。

そのため、各債権者に対してどの程度の借金があるのか、また、可能であれば、過払金の有無やその金額などについても、およその予測を立てておくことが良いでしょう。

さらに、裁判にまで発展する可能性があれば、控訴の可能性なども見据えたうえで、自分の状況に合った専門家を選ぶようにしましょう。

(2)依頼する専門家の実績

弁護士は、従来から債務整理全般の業務を扱うことが可能であったため、債務整理に実績のある弁護士は数多く存在します。
この点、近時では、債務整理に実績のある司法書士も増えてきましたが、弁護士に比べるとまだまだ少ないように思われます。

また、司法書士に比べ、弁護士は裁判にも慣れていることが多いため、事情の変化に関係なく、ワン・ストップ・サービスを受けられます。
仮に、債務整理に実績のない弁護士(司法書士)に任意整理を依頼してしまうと、弁護士(司法書士)の対応やその結果に不満を残す結果になる可能性があります。

このように、弁護士(司法書士)に任意整理を依頼する場合には、その結果に不満を残さないためにも、債務整理に実績のある弁護士(司法書士)を選ぶことが極めて大切です。

6 まとめ

以前は、債務者の代理人として任意整理を行う権限は弁護士にのみ与えられていましたが、現在では、法務省から認定を受けた司法書士であれば、任意整理を依頼することができます。
とはいえ、弁護士に比べ、司法書士にはいくつかの制約が課せられているため、任意整理を弁護士(司法書士)に依頼する場合には、この点を事前に把握したうえで、自分の状況に合った専門家を選ぶ必要があります。

このほかにも、裁判にまで発展する可能性や控訴の可能性など、検討を必要とする事項は少なくありません。
任意整理に失敗しないためにも、まずは、相談料無料の当事務所にご相談することをお勧めします。

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