
脊髄損傷の受動原因として一番多いのは「交通事故」です。
交通事故の割合から言えば、一番多いのは四輪の車による事故が原因となっていますが、利用人口が四輪と比較して圧倒的に少ないはずの、バイクによる事故が原因となっているケースがかなり見られ、バイクを利用する方にとっては決して無視できない統計となっています。

完治できない場合は、どのような対応を行えばいいのか?についてまとめた記事になります。
脊髄損傷はどのような症状?
脊髄損傷を負ってしまうとどのような症状が表れるのでしょうか?
脊髄損傷の症状
人間は脳幹の直下からみぞおちの辺りまで、背骨に保護される形で脊髄が伸びています。それぞれ「頚髄」「胸髄」「腰髄」「仙髄」の4つの部位に分かれており、交通事故などの激しい衝撃を受けることで背骨が損傷し、中で保護されている脊髄までもが損傷を受けることにより、それぞれの脊髄がつかさどる中枢神経に支障をきたし、痙攣などの症状を起こします。
さらには感覚がなくなってしまい、ある程度の運動能力が損なわれてしまう「不全まひ」の状態や、四肢麻痺により全く運動能力が消失してしまう「完全まひ」の症状が表れる可能性がます。
脊髄損傷の原因は何がある?
脊椎に対して強い衝撃が加わり、脱臼や骨折することによって、保護されている脊髄を損傷してしまうことが原因となります。高所からの落下や転倒などが原因となることもありますが、NPO法人日本せきずい基金の日本における脊髄損傷疫学調査によると、脊髄損傷の原因となるのは、交通事故が圧倒的に多く、その次に高所転落や転倒が続きます。
利用者人口の割合から考えると、交通事故の中でもバイクの運転中の事故により、脊髄損傷となってしまったケースがかなり目立っています。
改善の見込みはあるのか
損傷した脊椎を手術で固定することはありますが、脊髄損傷の場合、永続的な重度の障害を引き起こす可能性があります。そのため、外傷が治った後も、医師による長期のリハビリテーションを受けることが必要となり、下肢の麻痺により機能の完全回復が見込めない場合は、車いすを使って自力で歩けるようにするとか、杖を使っての歩行ができるようにするのかなど、麻痺の程度に応じたゴールを決めてリハビリテーションに取り組む形になります。
脊髄損傷の後遺障害等級
脊髄損傷は後遺障害として認められています。後遺障害の程度によって等級が振り分けられて、各等級に対して支払われる保険金の額に違いがあります。
各等級への振分け目安

脊髄損傷は「神経系統の機能障害」となり、麻痺等が生じた部位及びその程度に応じて、第1、2、3、5、7、9、12級に該当する可能性があります。
自分だけで身の回りのことができるか?家族による介護が必要か?などによっても等級が振り分けられる目安となります。
等級 | 該当するケース |
第1級 | 生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要するもの |
第2級 | 生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、随時介護を要するもの |
第3級 | 生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、労務に服することができないもの |
第5級 | きわめて軽易な労務のほか服することができないもの |
第7級 | 軽易な労務以外には服することができないもの |
第9級 | 通常の労務に服することはできるが、社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの |
第12級 | 通常の労務に服することはできるが、多少の障害を残すもの |
後遺障害等級認定の際に重要視されるもの
後遺障害等級認定の際に重要視されるのは、後遺症に該当する症状の直接的な原因が交通事故であるかどうか?と、後遺症に関しての医学的な所見になります。
脊髄損傷の場合、レントゲンなどの画像だけで判断することは難しいため、意識障害が起きているかどうかの診断や神経心理学的検査の実施によって、後遺障害の確認を行います。
脊髄損傷の損害賠償
脊髄損傷の損害賠償はどのくらい受け取ることが可能なのでしょうか?
慰謝料はいくらになる?
自賠責による慰謝料は以下の表の通りになります。
等級 | 損害賠償金額 |
第1級 | 2800万円 |
第2級 | 2370万円 |
第3級 | 1990万円 |
第5級 | 1400万円 |
第7級 | 1000万円 |
第9級 | 690万円 |
第12級 | 290万円 |
逸失利益についての計算方法、具体的な相場
逸失利益というのは、被害者が交通事故の後遺障害がなければ、得られたと考えられる利益になります。
・基礎収入額
基礎収入額は、サラリーマンなどの給与所得者であれば、事故に遭う前の収入金額、自営業などの事業所得者であれば、事故前の申告所得額になりますが、学生や子供など、収入がない方の場合は、原則として全年齢の平均賃金額を参考にして計算されます。
・労働能力喪失率
後遺障害によって、労働能力が失われてしまい、後遺障害の程度によって失われた利益を算出します。自賠責の労働能力喪失率表を参考にして算定されますが、最終的には、被害者の職業、年齢、性別、後遺障害の部位・程度、事故前後の稼動状況、生活状況などを総合的に判断して決められます。
等級 | 労働能力喪失率 |
第1級 | 100% |
第2級 | 100% |
第3級 | 100% |
第5級 | 79% |
第7級 | 56% |
第9級 | 35% |
第12級 | 14% |
・労働能力喪失期間と中間利息
原則として、労働が可能な期間は67歳までとされており、事故の後遺障害によって能力が喪失したときから67歳までの期間が算定期間となっています。但し、67歳を超えても労働能力が認められることもあるため、最終的には、個別の事案によって判断が為されます。
逸失利益は原則として一括を前払いするものなので、その後発生する利息が計算されて控除されます。
その他、認められる損害賠償金
通院や入院による治療費、慰謝料、逸失利益の他にも、通院のために利用した交通費や、仕事を休んだことによる休業補償も認められる可能性があります。
脊髄損傷の事故を弁護士に依頼するメリット
脊髄損傷の後遺障害となってしまった場合、損害賠償請求を弁護士に依頼することで、3つの大きなメリットがあります。
1.後遺障害等級が正しいかどうかの判断が可能
どの後遺障害等級に該当するのか?当事者が正確に判断することは難しいです。
前述したように、等級の振り分けには、各等級に該当する理由が明記されていますが、似たような言い回しが使われているものもあり、判断を誤って1等級下がることにより、数百万円も受け取れる金額が違ってきます。

2.受け取れる損害賠償金額が多くなる可能性がある
加害者側の保険会社が提示してくる損害賠償の金額は、裁判基準の賠償額よりもかなり低い金額であることが多いです。
保険会社は交渉のプロですから、相手のペースに流されてしまうと、自分の過失責任も多くなってしまい、受け取れる損害賠償金も少なくなる可能性もあります。
弁護士に依頼して適切な賠償金額かどうかの判断をしてもらい、相手側に請求することで、保険会社の提示金額を大きく上回る賠償金を受け取れる可能性が高いです。
3.相手側との交渉の負担が減る
相手側の保険会社と、休業補償や慰謝料の件などで交渉を行うことは、被害者にとって大きな負担となり強いストレスを感じることも少なくありません。ましてや、普通の状態ではなく、怪我に苦しんでいる中、保険会社や病院の対応を行うことは至難の業と言えるでしょう。
弁護士に依頼することにより、ほとんどの交渉を弁護士に任せることができるため、怪我の治療や回復に専念することができます。
まとめ
後遺障害等級の認定では弁護士へ依頼する事をおすすめしますが、どの弁護士事務所でもいいというわけではありません。法律事務所にもそれぞれ得意分野がありますので、交通事故関連を得意としている事務所を選ぶことが必要です。
無料相談などを利用して、交通事故関連の実績がどれだけある事務所なのか?依頼することにより、どのくらい金額が多く受け取れるかなどを確認してから、依頼費用とのバランスを考えて検討することをおすすめします。
加害者側から示談を求められた場合も、果たしてその示談が正当なものであるか自分で判断ができない場合は、十分な損害賠償金を受け取ることができずに、損をしてしまう可能性があります。
